SIDEWALK TALK

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New Age

2010-09-29 18:07:00 | 佐野元春
佐野元春デビュー30周年を記念して、
80's、90's、00's の作品を網羅したベスト盤が発売された。


佐野さんほどのロックグレイツのワークスを、
そもそも CD 1枚分、16曲にセレクトすること自体に無理がある。
あの曲もこの曲も収録されてない
という、コアなファンからの不満の声が聞こえてきそうだ。
けど、これを言いだしたらキリがない。


それでも僕は、敢えて1曲だけリクエストしたい。
それは、「 New Age 」だ。


ソウルボーイへの伝言 The Very Best Of Motoharu Sano A Message to Soul Boyソウルボーイへの伝言 The Very Best Of Motoharu Sano A Message to Soul Boy

佐野 元春 価格:¥ 2,600(税込)
発売日:2010-09-29


この楽曲のテーマ(or モチーフ)は、いったい何なのだろう?
当てずっぽうだが、1980年代の米国で制作されたことから察すると、
New Age Movement(ニューエイジ運動)の影響があるんじゃないだろうか?


この運動がいうところの「ニューエイジ」には、「新しい時代」の他に、
「新しい世界」「新しい思想」が含意されている。
「ヨハネの黙示録」にこの表現があり、
キリスト教徒の一部の宗派が採用している「千年思想」が背景にあると言われている。


教科書(神学)ふうにいうと、
神と悪魔の戦いが千年続き、最後に神が勝利して、ニューエイジ(新しい世界)がやってくる
というものだ。
基本的には、伝統的な教えの中から、古くて役に立たない教えを廃し、
真の意味での教えを明らかにしようという運動である。


New Age Movement について述べるとキリがないんだけど、
以下のように、功罪が相半ばしている。
ニューエイジは、ラディカルな社会運動と結びつきやすく、
環境運動やフェミニズムの進化に好影響を及ぼしたが、
反面、カルト宗教を生み出す素地になりやすいといったマイナス面がある。


僕は、佐野さんが New Age Movement についてコメントをしているのを聞いたことはない。
けど「 New Age 」は、この運動の影響を受けてつくられたような気がしてならない。
New Age Movement は、60年代のカウンターカルチャーをその直接の起源とする。
当時のカウンターカルチャーだったヒップホップ・カルチャーの渦の中で、
佐野さんがこの運動を表現しても違和感はない。


クドクドと屁理屈を並べ立てたけど、
以上は、「 New Age 」が収録されてないことへの僕の愚痴、ポケットの中の戦争。
『 Visitors 』の収録曲は、この種のコンピレーション・アルバムにはそぐわない
という判断なのかもしれない。
だったら、「 Christmas Time In Blue 」はどうなんだろう?