気付けば高速道路にのり、西へと車を走らせていた。
ある県の高校演劇を指導している先生が、僕におっしゃった言葉。こんな時よく思い出す。
「先生。あくまでも高校生がつくるんやから、『高校演劇』なんですわ。ココっちゅう時以外は、ほっといたほうがええんやないんですか。そうしないと、生徒、楽しくないんちゃいますか?」
成績としては、特に目立った成果もない学校らしい。だけど生徒たちは幸せに部活に励んでいると自慢されていた。
僕が全力で演劇の指導をできているかといえば、嘘になる。だけど、ほとんどの舞台の台本を僕が書き、配役を決め、あれこれ口を出してきたのは確か。
そして、そうやって、いくつかの可能性や、高校生しか持ち得ない自由な感受性を、僕の勝手な解釈で摘み取っている……。
高校演劇に関わり、八年。
そんな瞬間もあったんじゃないかって、こんなとき思う。
「なーんも指導してくれない先生」
思えば僕の学生時代も、そんな環境の中で「自分たちだけの思い出」をつくって来たんだ。
「あいつら下手やけど、幸せそうな顔するんですわ。」
そういうあの先生の顔も、幸せそうだった。
車の中、色々考えると、怖くなった。
怖い。
「幸せ」というコトバを昨日の夜中、台本に書いた。
書いておきながら、
ここにきて、
自分が、いくつかの、
コトバにできない何かを奪っているような気がして、
怖くなった。
ある県の高校演劇を指導している先生が、僕におっしゃった言葉。こんな時よく思い出す。
「先生。あくまでも高校生がつくるんやから、『高校演劇』なんですわ。ココっちゅう時以外は、ほっといたほうがええんやないんですか。そうしないと、生徒、楽しくないんちゃいますか?」
成績としては、特に目立った成果もない学校らしい。だけど生徒たちは幸せに部活に励んでいると自慢されていた。
僕が全力で演劇の指導をできているかといえば、嘘になる。だけど、ほとんどの舞台の台本を僕が書き、配役を決め、あれこれ口を出してきたのは確か。
そして、そうやって、いくつかの可能性や、高校生しか持ち得ない自由な感受性を、僕の勝手な解釈で摘み取っている……。
高校演劇に関わり、八年。
そんな瞬間もあったんじゃないかって、こんなとき思う。
「なーんも指導してくれない先生」
思えば僕の学生時代も、そんな環境の中で「自分たちだけの思い出」をつくって来たんだ。
「あいつら下手やけど、幸せそうな顔するんですわ。」
そういうあの先生の顔も、幸せそうだった。
車の中、色々考えると、怖くなった。
怖い。
「幸せ」というコトバを昨日の夜中、台本に書いた。
書いておきながら、
ここにきて、
自分が、いくつかの、
コトバにできない何かを奪っているような気がして、
怖くなった。