~世界で唯一の被爆国でありながら~
再び原発国家に!
■我々はもう二度と、戦争の発端となるような国家であってはならない。
■「国防軍創設」を標榜する政党が
■圧倒的支持を得て日本の政権を勝ち取りました。
■2013年の日本は「戦争の放棄」を明示した憲法を
■捨て去る国家になるのでしょうか。
■世界で唯一の被爆国でありながら、原発を再稼働させ、
■これからも原子力に頼る国家になるのでしょうか。
■ドイツはもう、原発の廃止を決めました。
■戦争の抑止力は、決して「核兵器」なんかではなく、
■敗戦国から世界のトップクラスの科学技術を持つ国へと成長を遂げた、
■ドイツと日本という「国家のあり方」だと思うのです。
NEWSポストセブンより
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『水どう』名物D藤やん「戦争と国家」「日本の役割」を語る
北海道発のローカルバラエティー番組、
しかもレギュラー放送終了から10年も経つのに、
いまなお全 国区の人気を誇る「水曜どうでしょう」。
その生み の親であるディレクターの“藤やん”こと藤村忠寿氏
(現・北海道テレビ放送エグゼクティブディレク ター)は、
現在もテレビドラマや舞台の演出、講演 会や著書の執筆など多忙な日々を送る。
2013年元旦――。新年を迎えた藤やんが語るのは、
日本の国家的役割について。
もちろん、多くの ファンが待ちわびる「水どう」の使命も果たそうと、
新作への抱負を聞かせてくれた。
2013年の年が明けました。今年、家族に、会社に、
日本に、平和な日々が続けば良いなと思います。
昨年、もう年も終わろうかとしている時に、衆議院の総選挙が行われました。
その結果「国防軍創設」を標榜する政党が
圧倒的支持を得て日本の政権を勝ち取りました。
4年前に撮影したドラマ「歓喜の歌」がドイツの映像祭で賞を取り、
ハンブ ルグで行われた授賞式でスピーチをしたことがあります。
そこで私は、こんなことを言いました。
「私は20時間かけて日本の北海道という最北の地から来ました。
私が初めて 演出したドラマにドイツの方々が賞を与えてくれたからです。
やっぱりドイツは60年前から我々日本人の友人だったんですね。
今日はアメリカ人もいな いので、思いっきり楽しみましょう!」
その瞬間、それまで静かだった会場内のドイツ人たちが
拳を振り上げて立 ち上がり、ものすごい拍手を送ってくれました。
壇上を降りて席に戻るまでの間に何人ものドイツ人に握手を求められ、
トイレに行っても隣で用を足し てるドイツ人たちが
私に向かってガッツポーズをしていました。
これはなにも、私があの忌まわしい戦争を賛美して言った言葉ではありません。
ドイツ人は今でも「ナチス」「ユダヤ」
「アウシュビッツ」という言葉にはとても敏感で、
それはタブーであると現地の人に聞きました。
だから こそ彼らは今、「環境先進国」という
平和的な道で、今度は世界のトップに立とうとしています。
でも、だからこそ私は、目の前にいる
ドイツ人のクリエイターたちに、この言葉を言いたかったのです。
とてつもなく重い十字架を背負うことになってしまった彼らに対して、
同じように戦争で拭いきれない数々の十字架を背負ってしまった日本人として、
私なりにかけてあげられる言葉として、それを言いたかったのです。
十字架を背負い続けるのは、とても苦しいことです。
きっとどっかで、そ の十字架を捨て去りたくなる時が来るんです。
「ナチス」も「原爆」も、
すべてを過去のものとして葬り去りたくなる時が来る。
でも、そうならないために、背負っている荷物を、
たまに、ちょっとだけ降ろして休むことも必要だと思うのです。
「今日はアメリカ人もいないので、今夜だけは特別に、
過去の痛ましい出来 事を忘れて、その昔、
自分の祖父母たちが一緒に戦った仲間として一緒に飲もう」と。
だって、ドイツと日本が「ナチス」も「原爆」も捨て去ってしまったら、
世界中のタガが外れてしまうと思うのです。
戦争の抑止力は、決して「核兵器」なんかではなく、
敗戦国から世界のトップクラスの科学技術を持つ国へ と成長を遂げた、
ドイツと日本という「国家のあり方」だと思うのです。
我々はもう二度と、戦争の発端となるような国家であってはならない。
そのためにちょっとだけ荷を下ろして、一杯飲んだら、
あらためて「さぁ行く ぞ!」と、
重い十字架を背負ってこれからも歩き続けることが、
ドイツと日 本の国家的役割だと思うのです。
2013年の日本は「戦争の放棄」を明示した憲法を
捨て去る国家になるのでしょうか。
世界で唯一の被爆国でありながら、原発を再稼働させ、
これからも原子力に頼る国家になるのでしょうか。
ドイツはもう、原発の廃止を決め ました。
さて、ひょんなことから書き始めたこちらのコラム一旦お休み。
では最後 に、「水曜どうでしょう」の2013年についてお話しておきましょう。
まず は、8年ぶりとなる「水曜どうでしょう祭」を開催いたします。
全国からどう でしょう好きが集まって、
誰はばかることなくどうでしょうの世界にどっぷ りと浸る3日間。
準備は着々と進んでいます。
そして、2年ぶりの新作も撮影予定です。番組開始当初、
大学生だった大泉洋は四十を迎え、鈴井貴之は五十です。
それぞれ年は重ねましたが「まだま だ無理しましょうよ!」と、
先日鈴井さんと飲んだ時に言いました。ロケの 時期はまだ未定ですが、
必ずや! テレビの前のみなさんに、地球のどこかで、
四十代、五十代のおっさん4人が、罵り合いながら
旅をする姿をお見せできることと思います。
再会を楽しみにしております。じゃじゃじゃじゃじゃあじゃあ、
テレビの 前でお会いいたしましょう!
【藤村忠寿/ふじむら・ただひさ】 1965年愛知県出身。90年に北海道テレビ放送(HTB)に入社後、編成業務や CM営業に携わり、1995年に本社制作部に異動。1996年チーフディレクター として「水曜どうでしょう」を立ち上げ、出演者の鈴井貴之、大泉洋らとと もに自身もナレーターとして出演。同番組は2002年にレギュラー放送を終了 したが、その後も道内のみならず全国的に絶大な支持を集め、番組DVDシ リーズは累計200万枚以上を売る大ヒット更新中。
NEWSポストセブン 2013年1月1日(火)配信 ニフティより引用
http://s.news.nifty.com/entame/showbizddetail/postseven-20130101-163737_1.htm
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