KIMISTEVA@DEEP

新たな「現実」を構成するサブカルチャー研究者kimistevaのブログ

メガネのおっちゃん

2007-07-01 21:28:30 | わたし自身のこと
愛車のウィングロードを車検に出しているため、
一週間くらい、車なし生活を送っている。

わたしは、いつも実家の近くで車検を出すようにしていて、
また、車検の時期がちょうど一学期末から夏休みの時期でちょっと余裕ができることもあり、車検の期間は実家で休養をとることにしている。
そんなわけで、
久々の徒歩生活の余暇を満喫している。

今日、久々に、小学校のときに何度も歩いた通学路を逆戻りするかたちで、
駅から家まで帰ってみた。
駅から歩いて…ガード下のトンネルを抜けて、細い小道に入る。
すると、そこに、「メガネのおっちゃん」がいた。

小学校のときというのは、
行動範囲が狭いせいか、自分の領域内の小さな世界のさまざまな「おもしろさ」を発見しまくる時期だと思う。
わたしもまた然り。

「メガネのおっちゃん」はそんな「おもしろさ」を演出するキャラクターの一人だった。
まるで志村けんがコントで使うようなビン底メガネ(当時のわたしは「岡田あーみんのマンガみたい」と思っていたが)で、
U字シャツとももひきで縁側に座り、新聞を読んでいる。

小学生のわたしたちは、「メガネのおっちゃん」の歌を作った。
3番まで作ったはずだが、残念ながら1番しか覚えていない。

♪メガネのおっちゃーん 
 メガネのおっちゃーん
 メガネふきふき
 勉強してる    ♪

この歌から、当時のわたしにとって
新聞を読むことは、イコール、「勉強すること」だったことがうかがえる。

久々に会った「メガネのおっちゃん」は、
あいかわらず、同じ風貌で、ビン底メガネもまったく変わらずだった。
しかも、ポストに入っていた新聞をとりにきた。

何もかも変わらない。
「メガネのおっちゃん」は健在だった。
そのことに何よりもおどろいた。


河川工事が行われ、わたしの家の前の道はなくなり、
あれだけ毎日遊んでいた公園もいつの間にやらなくなっていた。
ベイシアができて、センドウができて、コメリができて
セルフのガソリンスタンドとスーパーが乱立するようになった。
…それが、すべてここ10年の間に起こった。

だけど、「メガネのおっちゃん」の生活は、もう20年近く変わっていないことになる。
それがあまりにも「メガネのおっちゃん」のイメージにぴったりで、
そのことに一人で苦笑した。