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万葉集を身近に

2021-04-29 14:24:20 | 地域と文化
日本に現存する日本最古の和歌集「万葉集」を身近に!
巻1・74番歌 詠み人:文武天皇
み吉野の 山の嵐の 寒けくに はたや今夜(こよひ)も わが独り寝む
(訳:み吉野の山の嵐は寒いことだのに、あるいは今夜も私は一人で寝るのだろうか。)
解   説
 吉野山の山おろしの風は寒いのに、「はたや今夜も」一人で寝ることか、と独り寝のわびしさを嘆いた歌です。
「はた」とは、あるいは、ひょっとして、という意味の言葉です。
漢字本文では「為当」と表記されています。
中国六朝以降の俗語的用法で、そうした知識を持っていた人が書き記したとみられます。
「山の嵐」は「山下風」と表記されていて、峰から吹き降ろす山おろしであることが伝わってきます。
 吉野山で過ごす夜の染み入るような寒さ、建物を揺らすように響く山おろしの音、そこで独り寝る様子が目に浮かぶようです。
名歌として知られ、平安時代の「拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)」や鎌倉時代の「新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)」などにも採られています。
この歌は、「大行天皇(さきのすめらみこと)」の吉野行幸のときの歌だと「万葉集」に記されています。
「大行天皇」とは、崩御したあと諡号(しごう)(おくりな)を贈られる前の天皇のことですが、「万葉集」では文武天皇に限って用いられています。
文武天皇は持統天皇の孫にあたる人物で、六国史の二番目である「続日本紀」は、この天皇の即位記事から始まります。
持統天皇は文武天皇に生前譲位し、史上初の「太上天皇(おほきすめらみこと)」となりました。
文武天皇5年(701年)3月21日、元号を建てて「大宝元年」とし、以降、現在の「令和」まで年号が途切れることなく続くこととなりました。
また、初めての本格的な律令である大宝律令も、この年に成立しました。
律令とは古代東アジアにみられる法体系で、文字によって記された体系的な法律でした。
文武天皇はわずか15歳で即位し、啓運4年(707年)に25歳で崩御しました。
陵墓は明日香村の栗原塚穴古墳に治定されていますが、八角墳である中尾山古墳が現在は有力視されています。


       


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