次に必要な作業はアプリケーションフォームの記入作業だ。勿論、全て英語になる。でも、それほど難し英語力は要求されないし、今はハウツー本もでてることなので特に説明のいる部分だけ解説する。アプリケーションは8ページあり、ホームページからもダウンロードもできる。第一ページ目は基本的な情報で氏名、住所、電話番号、生年月日、国籍、生まれた場所などである。少しだけ戸惑うのは第一名義人、第二名義人と二つ書けるようになっている。日本では口座名義が複数登録されることはないので面食らうが、第二名義人を設定しなければ空欄でよい。
但し、第二名義人のメリットはある。例えば将来自分が死亡したとき、財産を妻なり子供にその遺産を残したいと考えている場合、通常であれば貴方名義の口座を相続する場合、手続きが必要である。これは国内でも海外でも同じである。むしろ、海外で本人が死亡し、その遺族がそれを相続したといっても、簡単にそれを相続できるわけでなく、それなりの手続きを踏むことになる。実際にはどのような手続きが必要かは知らないが、少なくとも死亡診断書(証明書)、相続人の資格証明などが必要になるだろうし、しかもそれは英文である必要がある。したがってかなり面倒な作業になると容易に想像がつく。はじめから口座に相続させる対象の人間を共同名義人しておけば、そのまま直ぐに利用可能となる。まあ、確かにそのほうが都合が良いかもしれない。とりわけ、オフショアバンクに口座開設する人間が貧乏人であるとも思えないし、なかなか良い発想である。私は結婚もしていないので第二名義人はなしとした。
(1ページ目)
項目番号 解説
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1 アビーの既存ユーザーである場合リファレンス番号を記入
する。初めてならば空欄
2ー3 氏名、Surname(姓)、First name(名)
4 Any other name(s) eg maiden name 日本人には殆ど
関係がないが、女性の場合旧姓のこと。また別名のある
人はここに書く。日本人でいわゆるAliasを持っているのは
ほとんどないが、例えば在日韓国人とか帰化した外国人
で別名があるケースに該当。
5ー8 住所、自宅電話番号、携帯番号、電子メールアドレス
9 書いてある住所に何年住んでいるか。
10ー11 居住暦が三年以下なら前の住所を書く
12 連絡場所が登録住所と異なる場合ここに住所を書く。
こういうケースがあるんですね。
13ー15 生年月日、国籍、誕生場所
(2ページ目)
項目番号 解説
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1-4 パスポート番号、発行国、発行日、有効期限
5 第二名義人との関係、第二名義人を設定しない場合空欄
6-12 職業に関する欄。給与所得者(Employed)、自営業(Self-
employed)、学生(Student)、家事手伝(Homemaker)、
引退者(Retired)のそれぞれの欄にチェックをする。もし
Retiredをチェックした場合、引退した日を書く。また、
チェック欄には失業者(Unemployed)があるが失業者に口座
を空けてはくれないんじゃないか。あるのが不思議だ。
給与職者の場合、さらに勤続年数、タイトル(Position
held)の他、給与が現金(Cash)、小切手(Check)、銀行振込
(Bank transfer)のどの方法で給与を受けているかを
チェック。ここまで知る必要があるのか不思議。なお、
給与職者以外は空欄とする。自営業者の場合、職種
(what is the nature of your business?)を書く。
さらに開業してから何年かを書き込む。また自営業者が
開業してから10年未満の場合、その3年前まで何をして
いたのかを書く。ここは住所を書くことになっているの
で、暗黙的に自営業者は以前、給与所得者でその勤務先
を聞いていることになる。何故知りたがる。なお、自営
業者以外はこれらは全て空欄でよい。今度はコンタクト
できる勤務先名、住所、電話番号、携帯番号を書く。
ここはまた給与所得者についてきいているのそれ以外の
人は空欄で良い。どうせなら給与所得者のタイトルを聞
いた後にいれれば良いのに。アプリケーションの作りこみ
はいまいちだな。
(3ページ目)
項目番号 解説
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1 所得の源泉(source of your Gross Annual Income)。
3ページ目は財産の状況を書くところになっていて私も
最初よく分からなかった。一番目は年間収入を聞いてい
て、給与(Salary)、投資収益(Savings and Investments)、
年金・信託(Pensions and Trusts)、その他(other)に分
かれている。年金収入がある人は年金の欄に金額を埋め
る。私の場合は給与のみ。中には不動産収入がある人が
いると思うがあまり厳密にやる必要はない。
2-5 ここも分かりにくいがここでは現在の資産について聞いて
いる。二番目はEquity in houseとあるが保有不動産の
ネット価値(時価-ローン残高)を聞いている。Equityと
言っても株式という意味ではない。ここも自宅所有との
前提に立っていて自分の正味財産を聞いている。賃貸な
らゼロでもよい。私のように賃貸だが、他の不動産を
所有していて他人に貸している場合、その正味財産額
を書けばよい。これもそれほど厳密に書く必要もない。
要するに財産のあるなしを聞いているわけだ。三番目は
投資している財産(shares, unit trusts holdings and
other investments)、ここでの想定は株式、投資信託、
他の金融商品の時価残高と理解すればよい。これも大体
でオーケー。四番目は現預金残高。五番目は他の資産
(other assets eg property owned)。私は二番目に他人
に貸している不動産を書いたが、本当はここに書く。
不動産だけでなく動産を所有している場合もここにか
く。いずれも大体の金額を書き込めばよく、特に気にす
る必要もない。財産の有無を調べていると考えればよい。
A,B,C ここはとてもトリッキーで分かりにくい。Aは Why have
you chosen to open an accounts with an International
Financial Service Providerとなっている。要するになん
でうちで口座を開設したいと思ったのという質問だ。
いろいろな答えが考えられるが、投資の為であるとか、
海外に別荘を所有していて決済用にとか。なんでも良い。
私の場合は海外の証券会社に口座があり、配当が外貨な
のでそのまま外貨で受け入れてくれる口座を開設したか
ったというようなことを書いた。ここはわざと英語での
事例を紹介しない。このくらいは独力でやらないとね。
Bは簡単。Purpose of accountsとは口座開設の目的。
ショッピングとか投資、リタイア後の貯金などと書けば
よいだろう。これも事例省略。
Cはトリッキー。質問文はこう。
'Please indicate the underlying source of your
current wealth, eg if it is from earned income,
which employer did you eran it from and what was
the nature of the work? If it is from an
inheritance, from whom did you inherit it?
If it is from a property or business sale, which
property or business was sold?
現在の財産がどのような性質のものかを聞いている。
それが給与所得であればどんな仕事で得たものかそれと
も相続によるものであるなら、誰から相続したのか。
それが資産を売却して得たならどんな資産を売却したの
か。これはマネーロンダリング対策で当局から義務付け
られている質問。普通の場合、特段問題は起こらないが、
私の場合は過去から得た給与所得が源泉であると書い
た。これは人それぞれだろう。また、この質問に細か
く答える必要はない。悪事を働いた人は別として
普通に所得だとか、親から相続したとか正直に書けば
よい。但し、英文例は省略する。
D Estimated level of turnover。年間のターンオーバー。
Turnoverというのが分からないかもしれないが要するに
年間に予想される口座の取引額。毎年私の場合、株式配当
はたいしたことないので該当するところにチェックを入
れた。見栄を張って年間50万ドル以上とかにチェック
するとさらに照会を受けるので正直に書くこと。
少なくても口座開設を断られるなんてことはない。
これでアプリケーションの半分まで埋めることができた。長くなったのでこの後は次回で。後半はそれほど量はない。