しっぽなのうつうつ

<宇宙(そら)>に魅せられて・・・
お写真、勉強中♪

カトレアの赤

2013-09-05 17:39:16 | つぶやき


父が入院した時は、向精神薬が効き過ぎて、朦朧としてほとんど寝ている状態でした。このまま、廃人のように反応がなくなって、物も食べずに死んで行くのかな?と思う程、ヘロヘロになっていたのです。昨日お見舞いに行っても、似たような状態で、点滴をされて寝ていました。声をかけると少しだけ小さく返事をして、顔色も良かったので、すぐに死ぬようなことはなさそうだと思っていたのですが・・・。

今日、お見舞いに行くと、ベルトを付けて車椅子に乗って起きていた!食事は、朝も昼も全部食べたって!さすが、体力自慢の人だけはある。ベルトをはずそうとしたり、腰を浮かせようとしたり、動きも出て来て元気がいい。理解力はほとんど無いに等しいのに、体力だけは残っているのだから、本当に驚かされる。

これから、また、新たに薬の調整が始まるけれど、どうなって行くのやら。施設に入れる状態になるのだろうか?

庭先でスッと伸びていたカトレアを、母が居間に飾った。赤いカトレアが、暗い部屋に向かって花びらを広げている。もう、この家に、父が戻る事は無いだろう。この後、少しずつ片付けて、父の痕跡を消して行く。母は、今、兄の家で寝泊まりしている。「お父さんがいるような気がして、気になって眠れそうにない。お父さんとの思い出があるから、悲しくなってしまうから。」と言って、1人で寝ることを寂しがっている。そう、母は寂しいんだ。あんなに世話をやいて大変な思いをしても、二人で暮らすことに慣れているから、1人になることが恐ろしいんだ。面会に行くと一生懸命話しかけていた。「人がたくさん居るから寂しくないね。良かったね。」

母の心には、今、空洞が出来ている。夫婦って、そういうものなのかもしれない。ずっと一緒に居ることが当たり前になっていたから、離れることは想像もしていなかったのだろう。別れる時は死ぬ時と信じていたのだろうから。

この2カ月の激動で、母の人生設計は、大きく崩れてしまったのだ。可哀想に・・・。でも、仕方ない。人生なんてそんなもの。今までだって、思い通りに行かない事の方が、ずーっとたくさんあったはず。

私の人生もそう。何一つ、思い通りにならない。でも、だからこそ面白いのかもしれない。いろんなことが起きて、たくさん心が揺り動かされて、喜んだり、悲しんだり、怒ったり、驚いたり、泣いて笑って、そうやって忙しい方が、人生に彩りがついていくのかもしれないな。


そう言って、心を慰めている。だって、そうでもしないと、やってられない!




コメント
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