しっぽなのうつうつ

<宇宙(そら)>に魅せられて・・・
お写真、勉強中♪

旅日記~阿寒摩周 国立公園編~3日目の夢散歩

2020-09-30 20:59:49 | つぶやき
大きな落胆はあったけれど、美しい景観の中に身を置ける幸福が、心を救ってくれる。

展望台から駐車場に下りると、眼下には、昨日訪れた硫黄山が朝日を受けていた。


気象条件によっては、こちら側にも雲海を期待できる。

そして第1展望台に下りて、違う角度からの摩周湖を見た。


摩周湖を色々な角度から見ることが出来た。
撮影の立ち位置に色々思うところはあるけれど、それは次回の教訓、課題としよう。

次回・・・、いつだ?笑 (3年後くらい?)

さて・・・、予定としては、このまま太陽が高くなるのを待って青い湖を撮る、はずだった。
けれど、足湯のおじさんが言っていた「オンネトー」が、脳の隅っこに引っかかっている。

オンネトーは、阿寒湖の先だけれど、地図で見ると、それほどの距離ではない。
神秘の摩周でもう少し遊びたい気もするけれど、先にあるまだ見ぬ風景にも心惹かれる。
昨日コンビニで買ったパンをかじりながら、ややしばらく考えて、先に進むことにした。

山を下りて弟子屈町に戻り道の駅の前を通ると、足湯のおじさんらしき人影が見えた。
心の中で挨拶をして、そのまま通り過ぎる。

国道241号阿寒横断道路を阿寒湖に向けて走ると、峠を登るクネクネした道路が続いた。
カーブに気を付けながらの緊張した運転のはずなのに、そのうち睡魔が襲ってくるようになった。
大きく深呼吸をしながら必死で意識を保っていたけれど、ついに耐え切れなくなって、双岳台という見晴らしの良い駐車場を見つけて車を停めた。
シートを倒して目をつむると、すぐに意識を失った。

昨夜はほとんど寝ていない。夜中からずっと立ちっぱなしで撮影していたのだ。
この歳だもの、そりゃ、こうなるよね。本当に最近は、体力が落ちているし・・・。
30分ほどの仮眠で、少し頭がすっきりした。

再びハンドルを握り、阿寒湖を通り過ぎ、帯広・足寄方面に走っていくと、オンネトーの案内看板がある。
左折して道道949号オンネトー線を行くと、すぐに道が細くなり、対向車と譲り合いながらの進行となった。
水辺が見えると、いくつか駐車スペースがあり湖を眺めることが出来る。
そのまま進んで、オンネトー野営場、オンネトー駐車場にたどり着くと、散策コースを紹介する看板があった。

すぐそばの入り口は「湯の滝コース」。片道1.4km、30分ほどの道のり。
久しぶりに森林浴もいいかもしれない。
ということで、リュックを背負い、靴の紐を縛り直し、いざ出発。


散策道路は広くて歩きやすかった


お天気は悪いけれど、森の中の空気は清々しい。
阿寒まで運転した時の、苦しいほどの眠気とだるさは吹き飛んだ。


根元からなぎ倒された白樺。なかなか雰囲気のある森。

足取り軽く、本当に30分で湯の滝に到着。天然記念物だって!

周りの木々が紅葉したら、見事な景観となるでしょう。

しばらく滝を眺めてから、来た道を引き返す。
時々、日差しが入るようになった。





倒木が生き物のように感じる。

帰りは少し疲れたけれど、息が上がるほどではなく、無事帰還。
今度は、野営場を通って、オンネトー湖岸を見に行く。


もう少し、晴れて欲しかったなぁ。


本当だ、紅葉していなくても心が癒される。


アカゲラ・・・やたらと動き回り、すごい勢いで木をつつくから、ぶれるぶれる!笑

紅葉が始まると、訪れる人も増えるでしょう。
私もいつの日か、ベストシーズンに来てみたい。
雪景色も良さそう♪

足湯のおじさんに勧められたオンネトーを後にして、本日の目的地は阿寒湖。
ホテルのチェックインには大分早いので、阿寒湖畔駐車場に車を停めて待機。
この駐車場は、以前は有料だったようで料金表示が残っていますが、今は無料開放されています。

お昼近くなってきたので、温泉街にある「食事処 百味庵」さんで 海老南蛮そばを食す。
お蕎麦で軽く…と思っていたのに、意外とボリュームがあってお腹が膨れた!

そして、温泉街からほど近いボッケ自然探勝路へ、またまた散策にでかけることにした。


阿寒湖畔エコミュージアムセンターからスタート。

こちらの散策道も整備されていて、歩きやすい。


これがボッケ。アイヌ語のポフケからきている。泥火山のこと。
100℃ほどの熱せられた泥が地下から火山ガスとともに絶えず噴出しています。

森の中を歩いていると、湖が見えてきた。


そして、遊覧船乗り場へ。

ちょうど船が戻ってきたところです。

残念ながら、空には厚い雲。
旅の計画を立てた時は、今日が一番お天気が良いはずだったのに・・・。
これでは夕焼けも期待できそうにない。

体もかなりくたびれているし、今日はホテルでのんびりしよう。

お散歩、楽しかった!

いよいよ明日は帰る日だ!

湖のほとり、道東の空気を思い切り吸い込んだ!


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旅日記~阿寒摩周 国立公園編~誘われて3日目の朝

2020-09-29 18:41:37 | つぶやき
弟子屈町「道の駅 摩周温泉」には、足湯がある。
ここで体を温めて、お風呂代わりにしようと考えた。

(足湯の様子を撮っていない、というのが、私のダメさ加減なんだよなぁ・・・悲)

もう暗くなりかけた夕方、観光客の姿はなくタオルを片手に足湯コーナーに行くと、お湯の出口近くで一人のおじさんが足を浸していた。
遠慮して少し離れて座って足を入れる。

「余計なお世話かもしれないけど、こっちの方が温かいし、綺麗だよ。」

せっかく声をかけてくれたので、近づいて向かい側に座った。

「先にこんなおっさんが居たら、離れて座るよね?ははは。」
気さくな感じのおじさんだ。
「邪魔しちゃ悪いと思って、遠慮しちゃうんですよ。」
「どっから来たの?」
「旭川です。」
「地元の人かぁ。」
「地元・・・、えっと、どちらから?」
「奈良だよ!」
「奈良?!どれくらい、居るんですか?」
「ん~・・・、二か月くらいかな?ここを拠点にね!」
「二か月・・・いいですねぇ!」
「いいか?家に居ても、同じだからねぇ。ははは。」

リタイヤして、悠々自適なのか・・・?
細かいことを聞くのは失礼と思い、深掘りしない。

「連休終わりだけど、大丈夫なの?」って、向こうから聞いてきた。
「今失業中で、来月から仕事なので、今のうちに旅行を・・・。」
「え?仕事はコロナのせい?」
「そういうわけじゃなく、いろいろと・・・・。」
「そっか、そっか、ごめん、ごめん。」

他人の私生活は詮索しないように配慮する人、のようだ。

「いつまで居るんですか?」と、今度は深掘り。
「そうだなぁ・・・、紅葉を見てから帰ろうかな、と思って・・・。どこかいい所知ってる?登山はダメだよ。」

どこがいい、と聞かれても、私はそんなに名所は知らない。
層雲峡とか、ロープウェイで行く銀泉台と旭岳、滝ノ上の渓谷とか、誰でも言えそうな場所を口にした。

「いろいろな人に聞いたら、オンネトーを勧められたよ。行ってみたら、紅葉してなくても良かったよ。ただボーっと見てるだけで、何時間でも・・・。」

なんだ・・・、もう良い場所知ってるじゃん!

「オンネトーは行ったことがないんです。」
「ぜひ寄って帰りなよ!いい所だったよ!」

内地の人に、北海道の景勝地を勧められ、複雑な心境。

「今回は摩周湖の雲海を見たかったんですけど、今朝はダメ。明日も挑戦しようと思って・・・。」
「あれはねぇ、運だからなぁ・・・。上で泊まってもいいんだけど、寒くてね。」
「私は寒くてもいいんですけど、上がっちゃうと、おトイレが心配。」
「トイレなら第1駐車場にあるよ。」
「でも、有料駐車場だから夜間は閉鎖してるんじゃ・・・。」
「いや、空いてるらしいよ。管理の人が居なくなったら、自由に出入りできるって。車中泊仲間が言ってた。」
「へ~、そうなんですね。」

そんな会話をしながら、今夜の行動を思案していた。
第1のトイレを使えるというのは、意外な好情報だ!

足を浸けているだけで体中がポカポカして、マスクが苦しくなるほどだ。
お互いに道中の安全を気遣って、おじさんと別れの挨拶をした。
車に向かいながら空を見上げると、星が一つ、二つ、と見えている。

「いいかもしれない・・・。」

近くのコンビニで飲み物やパンを買い込んでから、夕食は弟子屈ラーメンの本店に入った。
札幌や千歳空港に支店があり、結構有名らしい・・・知らなかった!

醤油ラーメンを頼むと、黄色く太いちぢれ麺に少ししょっぱいと思うくらいの濃厚なスープ。
私の中の「これぞ北海道のラーメン」を、久しぶりに食べた気がした。
旭川の「〇頭火」なんか、あれは私的に北海道ラーメンじゃないのだ!

満腹で満足した後、道の駅に戻り歯磨きして顔を洗って、車中の寝床を整えた。
夜7時30分。
今から摩周湖に行き、一晩中上で過ごすのは辛い気がする。
なので今から12時頃まで寝て、そして摩周湖に上がるのだ!
そうすれば、星景と朝景を両方狙える!
第1のトイレが使えるなら、長時間の滞在も安心だ。

「よし、寝るぞ!」

山の上でなければ、寒さはそれほどでもない。
けれど、何故か1時間ごとに目が覚めて、あまり熟睡はできなかった。
0時にアラームをセットしたけれど、23時30分頃に目が覚めて、ごそごそ準備をして摩周岳に向かう。
弟子屈町側からのアクセスは、川湯温泉側よりも道の勾配が緩やかで走り安い。
第1駐車場に着くと、出入り口は塞がれておらず、本当に入ることが出来た。
トイレも使えるし、さすが有料だけあって綺麗。
時間外に入るのはルール違反なのか?と心配しながらも、硫黄山で共通の駐車料金は払っているので許して欲しい。

そこから更に進み第3展望台の駐車場に着くと、なんと、白いボックスカーが停まっていた!

「夜景狙いのカメラマンか?」

運転席に人が乗っているのが見えたので少しびびるけれど、勇気を出して展望台に上がった。
昨日同様、防寒は完璧だ!


真夜中1時。遠い町の灯りは、どこだろう?

この暗闇の中でも、長時間露光なら湖を写せるだろうか?
けれど、良~く目をこらすと空には雲が漂っているようだ。


雲の流れが気になって、約20分でシャッターを下ろした。
湖は暗く、空のアングルも中途半端だ。

「仕方ない、空をメインにしよう。」

カメラをもう少し上に向けて、今度は30分の露光に挑戦してみた。
暗闇で待っている時の切なさ。
もう一台カメラがあれば、もっと星空が撮れるのに・・・
待っている間、足踏みしたりスマホを見たりしていたら、ヒソヒソと人の話し声が聞こえてきた。

「え?なに?」
背筋がゾワリとしたけれど、良~く見ると、展望台の別の位置に人が来ているようだ。
おそらく、さっきの白いワゴンの人・・・、二人づれだったらしい。
第3展望台は、道路から階段を登って左右に道が分かれて、両側に見晴らし台がある。
私は左側、彼らは右側に陣取っている、という構図。

暗闇で一人で居るのは、怖い。
でも、他に人が居るというのも、不気味に怖いものだ。

やっと30分経って、シャッターを下ろした頃、お腹がもやもや・・・トイレに行きたくなってきた。
露光30分の後は、データ記録にも30分かかる。
その間に第1展望台に下りて用を足せば丁度いい♪

鹿の出現に気を付けながら坂道を下り、トイレ休憩してから再び第3の駐車場へ・・・。

「お!赤ランプ消えてる!記録終わったね!どんな感じに映ったかな?・・・、え?」

カメラの液晶画面には・・・バッテリー交換の文字が・・・

「そ、そ、そんな~~~~!!!」

保存画像を見ると、写真は残っていなかった・・・データ移行の前に電池切れ。。。
電池残量を確認せずに長時間露光をしてしまったのだ。
いや・・・、確認したつもりで、まだ大丈夫だと勘違いをしたのだ。

確かに、最近、電池の持ちが悪くなっている。
それにしても、長時間露光を連続するのだから、念のため交換しておくべきだった!

え~ん!泣く!!本当に涙が出た!!!夜の貴重な1時間をどうしてくれる!!!!!


全て自分が悪いのだ。泣いたって、どうしようもない。

電池の予備は1個。
これを切らすと、後の撮影が出来なくなる。
車のシガーソケットから充電する器具はあるけれど、エンジンを点けっぱなしにしておくのも環境に悪いし、この一つの電池を大切にしよう。


ブルアワーの星景の後、日の出までカメラは休止。

5時近くなると人が増え始め、昨日の横浜の女性も登ってきた。
再会の挨拶をした。
宿の人に手袋を借りた、と言って、昨日より暖かそうな格好をしていた。

昨日よりは晴れている。
そして、昨日より風がかなり強い。



今日も雲海は現れない。
はるばる横浜から来た彼女が、気の毒だ。
私は地続きの北海道に居るのだから、再挑戦の障害は低い。

「また来い、ってことかな?」と、横浜の女性がつぶやいた。
「うん、また来てください!」彼女と自分に向かって、力強く言った。




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旅日記~阿寒・摩周 国立公園編~2日目の迷走

2020-09-28 20:35:45 | つぶやき
2日目の予定を考えながら、宿の朝食はバイキング。

バイキングは、食べ放題、ご自由にどうぞ!というスタイルですが、これが私、意外と苦手。
何をどれだけ取れば良いのか、分からなくなるんだもん!
・・・で、こういうことになる。

中途半端なおかずに、パンとご飯が一緒って!

もちろん、この後、もっとちゃんとおかずを取って、デザートとコーヒーもいただきました。
本当に、こちらの御宿の食事は美味しいよ!

もう一度お風呂に入る時間もあったけれど、あまり湯に浸かり過ぎても疲れるので、出発することに。
8時30分。
宿のおじさんにお礼と挨拶をして、向かうは、屈斜路湖を上から展望できる場所。

まず、昨日も通った湖畔線を屈斜路湖沿いに一度南下して、国道243号に乗ってから北上すると、右手に屈斜路プリンスホテルが見えてくる。通り過ぎて直ぐ、左に曲がると道道屈斜路津別線588号、津別峠の展望施設を目指して、ひたすら登ります。
舗装はされているけれど、狭く急峻な道。対向車が来ると避難場所を見つけて譲り合わなければならないところがいくつもある。
やっと峠に着いて細い道を入って行くのだけれど、展望施設の大きな看板があるので、間違って通り過ぎてしまうことはない・・・、親切!

辿り着くと、広い駐車場とがっしりとした展望施設がある。
あ~あ、外観の写真を撮るのを忘れた!


津別峠展望施設からみた屈斜路湖。チャンスがあれば、ここからも雲海の風景が見られるそう。


望遠で見ると、下は晴れているみたい。


およ・・・だんだんと雲が厚くなってる?

お天気に不満を覚えながら、展望施設を後にした。
来た道を引き返して国道243号に戻り、さらに北上して美幌峠へ。

「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」には、大きな駐車場と綺麗なおトイレが完備されている。
そして、展望台までの坂道も舗装されて歩きやすい。

展望台側から見下ろして・・・左手、下の方に小さく見えるのが道の駅。

振り向くと、眼下に屈斜路湖。



車道、分かりますか?くねくね登ってきたのです。

さて、ここでしばらく考える。
雲はどんどん広がっている。
この後、お天気はどうなるだろう?

実は、今夜は車中泊。野営場所を決めなくてはならない。
この美幌峠も候補地だった、明日の朝の雲海を期待して・・・。
トイレ完備は魅力的、山の上にしては安全な雰囲気。
どうせ野営するなら、夜間の星景写真も狙いたい。
けれどここは道の駅なので、きっと夜間は照明が明るい。

屈斜路湖はとても綺麗。雄大で壮観だ。
けれど、摩周湖の神秘に心残りがある・・・、また同じ場所になっちゃうけど・・・どうする?

決心しかねたまま、峠を下りることにした、もう一か所の目的地を目指して。

峠を下りて、またまた来た道を引き返して川湯温泉を通り過ぎると、不思議な景色が見えてくる。


川湯温泉から程近くに、噴煙を上げる硫黄山がある。
噴煙は、屈斜路摩周湖畔線の道路からもはっきりと見える。

ここの駐車場は有料(500円)ですが摩周湖第1駐車場と共通なので、ぜひ、両方を訪れてください。


硫黄の臭いが半端ない。この煙が温泉街にも届いているから、温泉街も硫黄の匂いに包まれているのかな?

それにしても、お天気が悪い。
摩周湖のある摩周岳(カムイヌプリ)を見上げると、完全に雲に覆われている。
もう少し晴れることを期待していたけれど、それこそ雲行きが怪しい。
青空の下の摩周湖を撮りたかったけれど、今登っても冴えない景色に落胆しそう。

少し落ち着くために、弟子屈町の摩周温泉道の駅で昼食を食べながら考えることにした。
この道の駅にはレストランはないけれど、ハンバーガーショップとジェラート屋さんがある。
 
美味しいんですヨ…、本当に美味しかった。
でもね・・・
ハンバーガーとコーヒーのセットで800円。
ジェラート(ダブル)400円。
けっこうな、高級ランチになってしまった!笑
ジェラートの緑は、もちろん抹茶。ピンクは桜もち味!本当に桜餅の味がして、もち米の粒粒も入ってるの!美味!!!

さて・・・

昼食を終えて空を見上げると、やはり厚い雲が立ち込めている。
摩周湖に上る気持ちが失せてしまったけれど、だからと言って、これからどうする?

午後2時から、何もせずぶらぶらするなんて勿体ない。
何気なく地図を眺めていると、ふと思い出した。

「そう言えば、神の子池って、この辺じゃなかった?」

摩周湖の伏流水からできていると言われる美しい池が、時々旅番組などで紹介されている。
清里町にあって、ここから1時間ほどの距離。往復2時間なら、暗くなる前に戻って来られる。
ついでに、裏摩周展望台にも寄れる!
裏摩周は、時間的余裕はないだろうと、今回の計画には入れていなかった。
お天気が悪くても行くだけ行って、いつか再び訪れる時のロケハンとすればいい。

唇に着いたジェラートをなめて、再びハンドルを握った。

弟子屈町から国道391号を釧路方面に進んでから国道243号に乗り換え別海方面へ行く。
しばらく進んでから左折して、道道885号養老牛虹別線に入る。
両側畑の道を突き進み、左に折れて道道150号摩周湖中標津線に乗る。
裏摩周展望台の看板を通り過ぎ、道道1115号摩周湖斜里線をさらに進んで、神の子池の標識を見つけて、指示通りに森の中に入って行くと、狭い砂利道の先に駐車場があった。

森の中は暗そうなので、三脚をもって木道を進むと、すぐに青い池が見えてきた。



ぐるりと一周できる。


どうして、あそこだけ青いのだろう?

三脚にカメラを乗せて写真を撮っていると、若い男子のグループが、
「すげー!青いじゃん!」って言って、感動してた。
ひっそりとした森の中の神秘的な池だけれど、観光地となっているので秘境感は乏しい。
日差しが入ると、もっと綺麗に見えるのだろう。
いつかまた、来てみたい。

来た道を引き返し、先ほど通り越した展望台の標識に合わせて道を曲がり、少し上ると裏摩周の景色にたどり着く。


うん、来てよかった!左手に丘の様に見えるのが、朝、正面に見えていたカムイヌプリのすそ。

お天気は残念だけれど、こちら側からの姿も摩周は神秘的だ。
悪天候による予定変更で、見るはずのなかった景色を体験できた。

神様は、意地悪なんかじゃないね。

今は西向きに立っているので、お天気が良ければこのまま日没を待つ手もあるけれど、夕焼けは期待できそうもないので、引き返すことに・・・。

弟子屈町に戻る途中、遠く海側では夕焼けが微かに見えている。
けれど内陸は、どんよりとした曇り空。

今夜の夜景は絶望的か・・・

せっかくの野宿だというのに、自由な夜が台無しだ。
仕方がない、今夜は摩周温泉道の駅に車中泊して、朝、摩周湖に登ろう。



長くなってしまったので、続きは次回・・・・3日目へ突入する前段階から始まります。


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旅日記~阿寒・摩周 国立公園編~2日目の朝

2020-09-27 20:35:29 | つぶやき
早朝3時、携帯のアラームで目が覚めた。

夢も見ずぐっすり寝た。
枕が変わっても平気なタイプ、宿のお布団は気持ちが良かった。
早く寝たとはいえ、やはりまだ眠い。
ゆっくりと体の覚醒を促しながら、外出の準備を始めた。

まだ初秋とはいえ、山の上はかなり寒いはず。第3展望台は吹きっさらしの場所だったから、風が強くなる可能性がある。
やわらかいスキニージーンズの上に、風を通さないカーゴパンツで保温対策。
ハイネックのTシャツで首元を保護してフリースを重ね着、その上は薄手のジャケット。
そして、出発。

つづら折りの道を登る軽自動車のエンジン音が、暗闇の林に響いている。
前からも後ろからも、他の車は来ない。
光るものを見つけたら、それはエゾジカの目。
大きな角をはやした雄や小鹿かな?と思うような可愛らしい子も居た。
彼らにとって自由な夜の時間を、私は邪魔しているのだ。

「ごめんね、ぶつからないようにゆっくり行くからね。」

第3展望台の駐車場に、車はなかった。
夜景や朝景を狙うカメラマンがすでに居るかもしれないと思っていたけど、ただひっそりとしている。
車のライトを消すと、本当に真っ暗だ。
防寒用のコートで全身を覆い、諸々を入れたリュックを背負い、カメラをぶら下げ、三脚を抱え、懐中電灯を点灯して、いざ、暗闇の展望台へ。

階段も手すりも崖側の柵も整備されているし、1分程度で到着する展望台の先端。
それでも、真っ暗な中を歩くのは、少し恐怖する。私も、一応「女」なので・・・。


朝4時、空は、もうすでにブルーアワーになっていた。オリオンが見える。


あれは、明けの明星か?雲のベールを通しても、はっきりと光っている金星・・・でいい?


カムイヌプリ(神の山)の陰になって、湖の南側が暗い。

何枚か写真を撮っていると、後ろから女性の声がした。

「ああ、良かった、女の人が居て!」
「あ、おはようございます。」
「誰もいないと怖いな、と思ってたんです~。」
「やっぱり、女性一人って、怖いですよね。」

そんな会話を交わした彼女も、三脚を立ててカメラをセットしていた。
そのうち、どんどん人が登ってきて、展望台には10人近くの人が集まっていた。
皆、雲海を期待しているのだ。
けれど、霧の気配はない、風も強すぎる。

気づけば、直ぐ近くで若い女性がぶるぶる震えていた。

「大丈夫ですか?」
「寒いですね、・・・甘く見てました。」

ダウンジャケットを着ているけれど、完全防備の私から見ると、彼女はかなりの薄着に思える。
可哀そうすぎて、ホッカイロをあげたけれど、そんなものは焼け石に水。
私のコートを貸してあげたいけれど、そうすると、老女の身がもたない。
リュックの中に手を突っ込んで、1枚のビニールを見つけた。
撮影の時、膝をつくような場面で使えるように入れておいたものだ。

「これ、腰に巻くと少しは風よけになりますよ。」
「え~!何から何まで、すみません!・・・、ホントだ!あったかい!」

ビニールは体温保持にはもってこい。
これで少しは我慢できるだろう。

「いつも撮りに来るんですか?」と、腰にビニールを巻いた彼女が聞いてきた。
「いえ、ここは初めて。」
「どこから?」
「旭川です。あなたは?」
「横浜。」
「あらまぁ、遠くから・・・。でも、雲海はダメみたいで残念ですね。」
「でも、連泊であと1日あるんです。明日に期待します。」
「そう!見られるといいですね。」

そんな話をしているうちに、太陽が見え始めた。


けれど、広がる雲がすぐにその姿を消してしまう。


これから雲が流れて晴れますように・・・

腰巻きビニールの彼女は、「温泉で暖まります!」と言い、お互いに「気を付けて。」と挨拶してから私も山を下りた。
宿に戻るとすぐに酸っぱいお湯に浸かって大きく息を吐く。
写真はイマイチだな、と この時点で分かっていた。
失敗はいっぱいあった。
立ち位置もアングルもピントも、考えるとキリがない

でも、とても幸せだった。
あの場所に身を置いていた時間が、自分にとってのご褒美なんだ。

誰からの?

神様?自然?・・・いや、自分からの・・・自分へのご褒美♪

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旅日記~阿寒・摩周 国立公園編~初日

2020-09-26 21:13:10 | つぶやき
前回投稿した通り、道東方面の旅に出かけ、そして戻ってきました。
その行程をブログアップしますが、これは観光案内やご当地の魅力発信という類の情報提供ではなく、個人の旅の記録に過ぎないことをあらかじめお知らせしておきます。

仕事を辞めて傷心の中年女。心を癒すのは、旅しかない。
稚内方面のドライブは、その序章。
そして・・・メイン舞台は、阿寒摩周国立公園に設定した。
理由は・・・特にない。
お天気とか、宿の空き状況とか、期待する景色とか、色々考慮して旅程を決めた。

9月22日、早朝4時。
あらかじめ荷物を積んでいおいた愛車、緑のタントのハンドルを握り、道道140号当麻愛別旭川線から高規格道路-旭川紋別線(無料)の愛別ICに入り、遠軽へ向かう。
休憩なしの高速運転に疲れ、丸瀬布ICで一般道に下り、丸瀬布の道の駅で朝食とした。持参したパンをパクリ。
その後、国道333号、遠軽で242号に移り、オホーツク海に向けて進む途中、上湧別チューリップ公園の風車を横目で見て(もちろんチューリップは無い)、中湧別で右折して国道239号に乗り換えた。
ここまでの行程でもお天気は悪く、朝焼けも見られなかったけれど、サロマ湖が近づくと本格的な雨になってきた。

「え?天気予報、こんなだっけ?」

ある程度の好天を期待して道東方面の旅を選んだのに・・・お天気の神様に意地悪されている気分になる。
せっかくだからと、小雨の中でサロマ湖の写真を撮る、かすかに青空も見えているから、この後晴れるのか?


雨でレンズを汚して、気分はお天気同様、だだ下がり。

更に進んで能取湖、網走湖では、結構な土砂降りになり、車を停めることさえせずに網走に直行することになってしまった。

「サロマ湖、能取湖 網走湖、三つの湖で遊べると思ったから早朝に出発したのになぁ。」

予定よりもかなり早く、網走の道の駅に到着。
道の駅の中を見たり、お土産を物色したり、


海を見たり・・・


空模様は厚い雲。
内陸側に目をやれば、雲に阻まれ山が見えない。 

「え~、川湯も雨?」

少し悩んでから、とりあえず目的地・川湯温泉を目指すことにして、再出発。
海沿いを走り、濤沸湖(とうふつこ)を過ぎて浜小清水から内陸に入る。
濤沸湖は白鳥が飛来するところ。雪景色と白鳥を、いつか撮りに来たいな。

そこから小清水町までの「じゃがいも街道」、左右の風景は、少しだけ美瑛に似ていた。

小清水町でお昼ご飯にしたかったけど、レストランの類を見つけることが出来ず、ガソリンだけ充填。
さらに山へと入って行くが、ここにきて、晴天とまではいかないけれど空が明るくなってきた。

「湖の景色、期待できるかな?」

沈んでいた気持ちが一気に浮上した。

川湯温泉に到着して、小さな温泉街を見たけれど、食事が出来そうなお店を見つけられず、仕方なく、北海道のご当地コンビニ・セコマでしじみご飯弁当を買って、朝食の残りのパンと一緒に食す。
この時点で正午前、途中休憩を入れながら、8時間近くかけて来たことになる。
本当は、あちこちで遊びながら進んで、川湯温泉の到着は夕食に間に合うように・・・という予定だったから、これでも相当早く着いたことになる。

ということで・・・

本日のうちに、今回のメインイベントの会場「摩周湖」へ、ロケハンに向かうことにした。
川湯温泉から屈斜路摩周湖畔線を通って第3展望台までは、急こう配のつづら折り坂道が続く。
弱弱しい軽自動車のエンジンが心配になるし、後続車が来るとすぐに追いつかれるので、道を譲る場所を探しながらの行程となる。

そして・・・

お天気の神様、意地悪なんて言って、ごめんなさい。
雲が多くて、少し霞んでいるけれど、よく見えます!

もう少し晴れていれば、摩周ブルーがもっと映えていたことでしょう。
でも贅沢を言ってはいけない。
十分に神秘的な景色を堪能できました。

第3展望台から弟子屈町に下りていく途中に第1展望台があるけれど、駐車場が有料なので明日ゆっくりと訪れることにして、道路の確認をしながら屈斜路湖へ向かうことにした。

弟子屈町の「摩周温泉 道の駅」でトイレ休憩、施設を確認。
そこから、道道717号を北上、国道243号を走ってから、屈斜路湖和琴半島のキャンプ場を見学。
少し戻って、道道52号屈斜摩周湖畔線を湖に沿って走ると、旅番組でもよく紹介される「砂湯」に辿り着く。



湖の波打ち際を掘ると、温かい温泉が湧き出るのです。



他人が掘り残して行った所に手を入れてみると、これが結構熱い!
たくさんの人が足湯を楽しんでいた。

湖を眺めながら、砂湯の売店で買ったソフトクリームを舐め舐め考えた。

15時になったら、即チェックインして温泉三昧して早めに寝て、明日の早朝の撮影に備えよう。
オホーツク海沿いの湖でお天気が悪かったのは、体力を温存しておけ!という神様の思し召しに違いない。
屈斜路湖で夕景を撮るという計画もあったけれど、西の山には雲がかかっていて、夕日は期待できないし。

「よし!今日の観光はこれにて終了!」

本日のお宿は「川湯温泉 御宿欣喜湯(おんやど きんきゆ)」
4階建てですが、歴史を感じる、源泉かけ流しの温泉宿です。
お出迎えは、宿の法被を着た年配の男性陣。(番頭さん、って感じ)
館内や温泉の入り方について丁寧に説明してくれた。

感染予防のため、手指消毒、マスク着用はもちろんのこと、お部屋への案内もなし。
鍵を渡され一人で入室となるが、その方が気楽でいいな、と感じる。
着物を着た中居さんが荷物を持って案内してくれるのは、過剰なサービスだと思うのは、私だけ?

そして、部屋に入って驚いた。

広縁付き10畳のお部屋。
一人には広すぎる、もったいない!
なんだか申し訳ない気分になってきた。

さっそくお風呂も堪能。
川湯温泉は、強酸性の硫黄泉です。
成分が濃いのでお肌の弱い方は負けてしまうことも・・・金属は変色しやすいのでお気をつけて。

油断して唇に付いたお湯をうっかり舐めると、超酸っぱい!
けれど、お肌すべすべ、体ぽかぽか、湯治でじっくり浸透したいお湯だわ~!
お風呂の後は、お楽しみの夕食。
宿の食事は何年ぶりだろうか・・・?
昼食は小さな弁当だったので、実はお腹がすいている。

広間での食事となったが、女一人で食べているのは、私のみ。
他はみんな、家族やご夫婦のグループです。
一人旅っぽい女性も何人か見かけたのですが、その方たちは夕食なしのコースなのかもしれません。
周りの人がこちらをチラ見してる気もするが・・・、私は別に平気です。

それにしても・・・

(ありゃ、お刺身に乗ってる紙を取り忘れてる・・・)
コンロのお料理が二つもあるよ。
一つは味噌味のお鍋。もう一つは、ジンギスカン風焼肉。
他にお造りとか、茶わん蒸しとか・・・食べきれるかしら?と思っていたら、

子持ち昆布入りのおうどんと天ぷらも出てきた!

全部、美味しかった!
お腹いっぱいで苦しいけど、本当に美味しかったよ~。


体には悪いと思いながらも、お腹が膨れた状態で、再び温泉に入り、9時前には就寝。
翌朝3時起床に備えます。
摩周湖の雲海が、きっと私を待っている!!!

一日目は、こんな感じで終わりました。

おやすみなさい。

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コメント (1)
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