東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

目黒を歩く~その九:旧朝倉家住宅(三)

2015-04-29 19:06:07 | 渋谷区
さて、旧朝倉家住宅も三回目で今回で終わり。二階を巡ってきて、奥の側の階段で一階へと下りてくる。廊下から見える所で、中に入れない納戸という説明の六畳間。公開されている部屋は壁も塗り直されていて、素晴らしいコンディションになっているのだが、あまりにキレイすぎるというところもあるので、こうした時代の経過した痕跡の残る部屋があるとどこかホッとする。


廊下の反対側には、中庭がある。ガラス越しに見たところだが、ガラスが波打っているのが分かるだろうか。今、この波打った昔のガラスは貴重品だ。


廊下から、庭の方向を見たところ。かつての日本家屋は、薄暗いところが多くあったものだ。


庭に面した角の杉の間の縁側。外の庭を望んだところ。


杉の間と名の付いた部屋は、三部屋あって繋がっているのだが、奥の杉の間から非公開の茶室越しに土蔵の入口が見える。この入口の板張りが簡単に持ち上げられるようになっていて、下には入れ物に濡らした粘土が収められているはず。この粘土を何時も濡らしておくのも主人の役目で、火災が起きた時には土蔵の入口を閉じて外から粘土で目止めをする。


奥の杉の間から表の杉の間を見たところ。雨戸が少し開いて、庭が見えている。(一)で掲載した庭から中を見たカットは、あの外から中を見たところ。


奥の杉の間から中庭を見たところ。大きな庭は来客などにも対応したもので、中庭はプライベートスペースといった感じもあるようだ。


杉の間の床の間と違い棚。


柱や天井の杉の柾目が見事。この家を建てた虎次郎が材木商に努めていた時の経験を生かして、材料を選んだという。


表の杉の間から庭を望む。崖になっているのが分かる。庭の直ぐ下には、目切り坂が横切って下っている。


建物中央の第1会議室を抜けて行くと、玄関の隣に洋間がある。日本建築に洋間を作るのは昭和初期に掛けて大流行のスタイルになるのだが、大正8年築のここでも洋間が作られている。


洋間の天井はこんな感じ。それでも、この部屋は外から見るといかにもな感じの洋風ではないのが面白い。


一階北側の非公開の裏の廊下。


洋間の向かいには、畳敷きの和室の小さな部屋があり、事務室と説明されている。その壁には金庫が埋め込まれていた。


これだけたっぷりと見応えのある建物が見学できるわけで、ヒルサイドテラスの裏側にこんな豪邸があるという意外性もあって、機会があれば是非とお勧めしたいところだ。
旧朝倉家住宅(渋谷区サイト)

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