東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

東京都下水道局三河島水再生センター「さくら鑑賞会」

2014-03-28 19:10:56 | イベント
都電荒川線荒川二丁目停留所の目の前にある施設、それが東京都下水道局三河島水再生センターである。東京では一番古い下水処理施設で、大正11年3月に開設された。そして、それ以来の施設が今も残されていて、敷地外からもレンガ造りの建物が見えるので、一体中はどんな風になっているのだろうかと思っていた。見学は申し込めば可能なのだが、荒川区の広報で「さくら鑑賞会」という催しが今日、明日(3月28、29日)に開かれるということを知り、たまたま時間が出来たので出掛けてみてきた。肝心の桜は、まだ早いタイミングという感じだったけど、内部の施設は重要文化財の指定を受けているそうで、産業遺産としても意味のあるものだと思った。平成11年まで77年間にわたって使用されてきた設備は、当然のことながらその時期ごとに改修、改造をされながらアップデートされてきていたのだが、当初の姿に復元されたり、途中の姿で見せたりと、その変遷を理解出来る様な形でレストアも行われている。案内板の整備も存分に行われていて、見て回っていれば下水処理の歴史や処理方法の変遷など、理解できる様になっていた。

東京都下水道局三河島水再生センター「さくら鑑賞会」
開催日:2014年3月28日(金)29日(土)
時間:午前10時から午後3時まで(午後3時30分閉門)
会場:東京都下水道局 三河島水再生センター
   所在地 荒川区荒川8-25-1(都電荒川線「荒川二丁目」停留場下車すぐ)
入場料:無料

入口はこんな感じ。平日だけに子供連れのお母さんや年配者が多かった。


入口を入ると、「日本の下水処理発祥の地」という碑が建てられている。東京の中でも、神田川から北のエリアを受け持つこの浄水場を、先行させて建設したということらしい。技術的な課題が少なかったので、まずはここを付く手経験を積んだという。


入口脇の守衛所も文化財の一部。開業当時からのものだそうだ。


入って行くと、中央が少し掘り込まれて低くなっている。中央に見える二つの溝が下水処理の最初の工程になっていたところ。今は使われていないので、中は乾いている。本来なら、見えている枝には桜が咲き誇っているはずなのだが、まだ咲き始め。


中央の量水器室の内部。近年まで現役だっただけに、古びた印象がまるで無いのが驚き。


ゆっくりと下水を流して、沈殿濾過するための沈砂池からみた量水器室。こちらは、オリジナルの姿に戻されている。奥の影になっているところにスクリーンという網が張られていて、大きなゴミはここで取り除かれる。


その奥にある喞筒室(ポンプ室)。大きなレンガ建築。


単純に大きさに圧倒される感覚。そして、丁寧に補修が行われており、非常に綺麗なコンディションになっている。


窓は雰囲気を損なわない様に気配りをされつつ、新しいものに交換されている。この辺りも、最近まで使われていた施設であると言うことが大きいように思う。


小さなレンガ造りの小屋。こちらは、年代をストレートに感じさせる。


喞筒室内の水路。メンテナンスの為に水路を閉鎖する巨大な鉄の扉が吊り下げられている。見学の申込をすると、この下の水路の中も見ることが出来るらしい。


建設当時の東京やこの周辺の様子の分かる史料が展示されている。


石川島製のクレーン。レールは輸入品だそうだ。


耐震補強工事も施されている。屋根のトラスも見事なもの。巨大なポンプが十基並んでいるのに、それでも広々して見える空間。


これが一番花の開いていた桜。東京の水再生センターの中では、ここが一番桜が多いとのこと。職員の方々も総出で、見学者の応対をされていた。下水処理について理解を深めたいという気持が伝わってきた。


こちらは、現在も使われている処理施設。下水処理の最初の段階から見学したので、ある程度の匂いはあったけど、思ったほどではなかった。


ここまで来ると、処理も大分進んでいて、後は塩素で消毒して隅田川へ流すとのこと。


下水のことというのは、なかなか具体的にどう処理をされていくのかというところまでは、知らずにいた。都電荒川線の車窓から見える赤レンガの建物が気になっていたこともあって、丁度良い機会なので行ってみたのだが、熱心に説明をして案内もして頂けて、非常に興味深く見ることが出来た。この下水処理施設が重要文化財指定を受けたと言うことで、職員の方々も誇らしげなのも感じられた。普段の生活の中で当たり前になっているけど、その快適さの影にはこういったものがあるのだということを知る上ででも、非常に有益だった。都合の合う方には、是非お勧めしたいと思った。

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