九段下ビルは昭和2年に、関東大震災で焼失したこの地の商店主が集まり建設されることになったという。震災復興に当たって、こういった試みは他でもなされていたのかもしれないが、実現されたのはここだけであったらしい。それ故に、旧称を今川小路共同建築というのだ。
竣工以来84年の歳月をこの地で過ごしてきたのだが、とうとう消え去ることになってしまった。取り壊しを伝える新聞記事によれば、良質な川砂を使用したコ . . . 本文を読む
靖国通り沿い、俎橋の直ぐ傍の昭和初期からのビルと言えば、多くの人があああれだなと思い浮かぶ存在だった九段下ビルがいよいよ取り壊されるという。昭和2年竣工という、正に昭和という時代と共に東京の移り変わりを見つめてきた建物がまた一つ無くなろうとしている。その記事を東京新聞の記事で知り、見に行ってみようと思った。最後の住人の方は取り壊しに抵抗されてきたそうだ。その方の手によって九段下アトリエとして若手芸 . . . 本文を読む
中央本線の起点は、今は東京になっている。それ以前の話と言うことになると、かつて交通博物館のあったところにあった萬世橋駅ということになる。この駅も戦前に廃止されてから長い年月が経過し、交通博物館が移転したことで今や再開発で高層ビルの建設が行われている真っ直中ということになっている。さらにそれ以前と言うことになると、甲武鉄道という私鉄が明治22年に新宿~立川~八王子間を開通させ、その後明治27年に新宿 . . . 本文を読む
平成23年11月4日の金曜日、都心の日比谷公園内に千代田区立日比谷図書文化館が開館した。
ここは元々、東京都立日比谷図書館だったところだが、千代田区へ移管され、この度新装オープンされたわけだ。都立日比谷図書館としては、明治41年の開館以来、東京の中心的な図書館として機能してきた。戦災では空襲で消失したりといった歴史を経てきたものの、昭和32年に現在の三角形が特徴的な建物が出来た。以後、有栖川公 . . . 本文を読む
今回は少し趣を変えて、保存されている建築について。千代田区の神田明神といえば江戸の昔から、江戸の守り神として知られる神社である。関東大震災よる火災で、江戸以来の社殿は焼失してしまった。昭和初期にコンクリート造りの社殿が落成し、今日に至っている。ここには江戸の町の守り神としての神田明神、その資料館も設けられており、神田祭の伝統など見ることが出来る。これも江戸以来の東京の歴史の一つであり、とても面白い . . . 本文を読む
江戸城、そういって思い浮かぶのは現代の皇居のイメージが強い。その周辺のエリアである大手町など企業のビルが建ち並んでいて、江戸時代のイメージといわれてもなかなか結びつくものではない。さらに、惣構えといい外濠までの全体像というと、今となってはイメージすることすら難しい。だが、ここを押さえておくと江戸城のイメージが掴みやすくなるというポイントがある。それがこの場所、常盤橋御門跡である。
場所は日銀本 . . . 本文を読む
さて、外神田の二回目。神田明神下から秋葉原、そして末広町と広がる一帯が外神田。広いエリアだけに、同じ町内でも趣が異なる。明神下は元々は料亭や割烹もあった一角で、以前は芸者置屋もあった。講武所芸者と呼ばれたのだが、これは少々入り組んだ話になる。江戸末期、幕府の武芸訓練所である講武所が今の水道橋に近い三崎町辺りに開設された。その際に,そこに住んでいた町人が移転させられたのだが、彼らの移転先を講武所代地 . . . 本文を読む
引き続き、神田界隈が続く。今回は東神田と神田佐久間町の続き。
神田佐久間町河岸。正確には、昭和通りが神田川を渡る和泉橋上から神田川下流方向を望んだ景色。現在架かっている橋は大正5年に架けられたという。その後、拡幅され、今は頭の上に首都高速も通っている。今と変わらないと言えば変わらないし、細かく見ていけばかなりのビルが入れ替わっているとも言える。ただ、空が狭くなっているのは確かだ。
神田佐久間 . . . 本文を読む
さて、今回は岩本町。繊維街であり、古くから問屋街でもあった町。今も東神田と合同でファミリーバザールというイベントを年二回、町ぐるみで行っている。町ぐるみでバーゲンをやっているような感じなのだが、お祭りの様な雰囲気で人出も多い。柳原は明治以来の洋服の町でもあるし、その心意気を燃やして欲しいと思う。さて、今回は住居表示未実施の神田岩本町と三丁目。撮影日は1982年1月31日、現在の画像は2011年5月 . . . 本文を読む
さて、神田駅東側エリアの落ち穂拾いである。撮影日は1982年1月31日。現在の画像は2011年5月31日6月4日に撮影。
鍛冶町二丁目5番。この時は仕舞た屋風、モルタル仕上げの看板建築。上の方には何かのマークを剥がしたような跡がある。隣は原島ビル。サンゴルフクラブ販売に古牧温泉の看板が見える。古牧温泉は青森県三沢市にある温泉レジャー施設。左隣は藤平商店。今もモディファイされつつ健在だった。
. . . 本文を読む