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東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

大正・日本橋本町~北園孝吉著

2011-09-30 18:05:37 | 書籍
今回は大正っ子シリーズより「大正・日本橋本町」北園孝吉著青蛙房刊を取り上げる。今回は、このシリーズ中でも場所柄から言えば、白眉というべき一冊である。日本橋本町、つまり本町とは江戸の町が作られたときに、町...つまり町人地はここと定められた最初の場所、江戸市中広しといえども、ここ以上の町はないというところである。「The City」というべきか。また、今日ではビル街になり、生活の場としての町が失われ . . . 本文を読む

大正・渋谷道玄坂~藤田佳世著

2011-09-24 18:56:58 | 書籍
大正っ子シリーズも残り少なくってきた。「大正・渋谷道玄坂」藤田佳世著青蛙房刊。今回は下町を離れて、渋谷・道玄坂である。私は今の渋谷の街は行きたいとも思わないし、やむなく行くと嫌悪感を覚える町になってしまっていると思っている。少なくとも、1980年代頃までの渋谷は、もう少し違う雰囲気を持っていた。その頃から子供相手の店が増えて、昔からある良い店が閉めていくと言われていたようにも思うが...。そして、 . . . 本文を読む

大正の銀座赤坂~多賀義勝著

2011-09-16 19:04:33 | 書籍
さて、今回もシリーズ大正っ子からの一冊。「大正の銀座赤坂」多賀義勝著青蛙房刊である。著者の多賀義勝は明治37年京橋区竹川町で生まれた。今の中央区銀座7丁目である。そして、書籍取次の日販に長く勤められた人物である。彼の生家は銀座の寄席であった。というだけで、明治から大正に掛けての生活感のある銀座が思い浮かぶ。銀座という町が、今日我々の知る銀座らしい町になっていったのも、正にこの大正時代といって良いと . . . 本文を読む

大正・吉原私記~波木井皓三著

2011-09-07 18:32:35 | 書籍
さて、今回は書籍の紹介。大正っ子シリーズから波木井皓三著青蛙房刊の大正・吉原私記を取り上げてみようと思う。著者の波木井皓三は、新吉原の大籬(おおまがき)大文字楼の長男として明治38年に生まれ、慶應大学卒業後に様々な波乱を経て東宝演劇部嘱託となり、その後演劇評論をされていた方である。大籬とは、伝統ある大店のことを指してそういうのだそうだ。 この本はそのタイトルの通り、吉原の大店に生まれた著者が育 . . . 本文を読む

大正・本郷の子~玉川一郎著

2011-08-28 18:25:29 | 書籍
さて、書いていきたいテーマは数多いし、資料も揃って歩いて写真を撮ってあるものもあるのだが、本郷館の解体が進行している中、書籍の御紹介である。書籍の紹介で続いている青蛙房の大正っ子シリーズの「大正・本郷の子」を今回は取り上げてみたい。著者は玉川一郎という作家。直木賞候補にも二度なられた方で、東京外国語学校(後の外語大)を卒業されてフランスの小話やコントの翻訳をされる一方で、ユーモア小説の作家であった . . . 本文を読む

大正の築地っ子~岸井良衛著

2011-08-11 18:50:58 | 書籍
今回も大正っ子シリーズの続き。「築地の大正っ子」岸井良衛著青蛙房刊。昭和52年初版発行である。著者の岸井良衛は岡本綺堂門下で、東宝の社員としても永年勤められた方であり、歌舞伎から演劇、映画まで幅広く手掛けられた人物である。戦後はTBSテレビの開局時にプロデューサーとして入局し、定年まで勤められた。その後に菊田一夫から誘われて東宝の演劇部のプロデューサーを都駐められたという経歴で、我が国の近代エンタ . . . 本文を読む

大正・根岸の空~村上信彦著

2011-08-02 16:26:15 | 書籍
今回も引き続き、大正っ子シリーズの第二弾である「大正・根岸の空」村上信彦著青蛙房刊を取り上げたい。この本も絶版になっている。 著者の村上信彦は明治42年の生まれで、昭和58年に亡くなっている。詳細はWikipediaにリンクを張ってあるので、参照頂ければと思う。女性史研究家で医事評論家とのことだが、読みやすい本だと思う。大衆作家の家に生まれ、父親と対決する行き方を選ぶ辺り、人物像にも興味を覚え . . . 本文を読む

大正の下谷っ子~鹿島孝二著

2011-07-27 19:02:11 | 書籍
さて、ちょっと間が開いたが再び東京の過去を知る書籍の紹介も続けていきたい。今回は鹿島孝二著「大正の下谷っ子」青蛙房刊である。この本も今は絶版になっている。 著者の鹿島孝二は明治38年生まれ。ユーモア作家として活躍された人物である。1986年に亡くなられている。千葉県生まれながら、下谷区南稲荷町で育った経歴を持つ。その少年時代の想い出を、関東大震災まで書き綴ったのが本書である。出版元の青蛙房は、 . . . 本文を読む

私の中の東京 わが文学散策~野口冨士男著

2011-07-10 18:36:00 | 書籍
今回は野口冨士男の「私の中の東京~わが文学散策」を紹介したい。岩波現代文庫より刊行されており、現在も入手可能である。 ここまで年代順に紹介してきたつもりなのだが、今回の野口冨士男は明治末年の生まれとのこと。神楽坂で生まれた作者の思い出が語られる。震災前の市電外濠線に沿ってと題されて語られる情景には、東京の山の手の景色が浮かび上がる。副題にわが文学散策と記されている通り、荷風や佐藤春夫の作品にイ . . . 本文を読む

木村荘八のこと~その二と「東京の交通100年」展の告知

2011-07-06 18:23:12 | 書籍
さて、前回は荘八のこととタイトルを付けながら、結局一族についての話になってしまった。私なりの思いを持って、彼らのゆかりの地を訪ねてみた写真などもあるので,続きを。 まずは木村莊太の暮らした三里塚。ここを訪ねてみようと思ったのが真冬だったのだが、千葉でこれほど寒いというのは驚いた。もっとも、千葉でも内陸のこの辺りは一番寒いようだ。今は成田空港が出来ているので、東関東自動車道はあるし、鉄道も利便性が . . . 本文を読む