昔塩の生産で栄えたハンザ都市リュ-ネブルクのすぐ近くにある城館です。ハノーファーの自宅から2時間弱で行けます。
リュデルスブルク宮殿 (正面 と 裏側)
考古学的には西暦800年頃からこの地に人が住んでいたようですが、リュデルスブルク村と宮殿を含む大農場が古文書に現れるのは13世紀の前半だそうです。農場の所有者は何度も代わり、20世紀の中頃まである家族が住んでいました。現在の宮殿がどのように建てられたのかは、第2次世界大戦の時に古文書保管所が破壊されてしまったのでよく分からないとのことです。住んでいた家族が引っ越した後15年間は全寮制の学校として使われましたが、その後は使用されないままになっていました。1980年代の初めになってやっと建物の腐朽を防ぐ為に大規模な復旧作業が行われ、宮殿と他の2棟の建物はゴルフ客のための中期滞在用簡易ホテルになったのです。同年代の終わりごろからゴルフコースと建物群はしだいに拡充されていきました。こんにちのクラブハウスは昔の豚小屋ですし、納屋は改装されて客室の棟になりました。どちらも21世紀初頭のことです。その後家畜小屋を改装したり牧羊場に新築したりして、現在では72の客室とスイートルームが9棟の建物に分散しています。このゴルフホテルは、サウナ、蒸し風呂、マッサージ、ビューティーサロンなどを備えたリラクゼーション設備も整っています。
全部で十数棟の建物群からなる昔の大農場ですが、生け垣や樹木の整備がすっきりしていて良い感じです。ほとんどが年配のゴルフ客で、連泊や長期滞在が多いようです。
敷地の一部 ・ ゴルフのクラブハウス
私の部屋は残念ながら城館ではなく、昔納屋だった建物にあります。それも最上階の重苦しい屋根裏部屋です。結構広いのですが、窓が小さくて部屋の真ん中に柱が2本あります。カテゴリーが „スタンダード“ なので、たぶん一番安い部屋なのでしょう。わりと高級ホテルのようで、生地の良いバスローヴと使い捨てのスリッパ、それに、やわらかい厚みのあるバスタオルが用意されています。そしてアメニティー・グッズは有機製品です。
私の部屋
昼食をクラブハウスのテラスでとりました。ちょうど旬のアンズタケ(杏茸)が入ったリゾットです。ホタテ貝やトマトなども入っています。クリーム味は胃に重いのであまり好きではないのですが、それなりに美味しいし、ていねいに作っているのがわかる料理でした。
クラブハウスのテラス ・ リゾット
このホテルにはクラブハウスの他に、イタリア料理とドイツ料理のレストランがあるのですが、夕食はファルケンシュタイン(鷹の石)というドイツレストランにしました。
レストラン ・ この他に黒パンが一つ
まず、まだ暖かい焼きたてのパンとバターとニンニクがたっぷり入ったクリームが出てきました。ニンニククリームが旨い。
前述のように、このホテルは連泊客が多いからでしょう。3品の日替わり定食があります。
前菜はメロンとパルマ産ハムで、トマトとルッコラサラダが添えてあり、バルサミコが少々かかっています。盛り付けが芸術的で見た目はいいのですが、いぶしたハムが少し塩辛いのが残念でした。
前菜 ・ メインデッシュ
次に出てきたのはフライパンで焼いた3種類の魚です。魚の種類はわかりません。少し多めの油でたくさんのネギを炒め、その時に出た汁をソースにしています。魚の味が薄かったのですが、塩と胡椒でまあまあの味になりました。メインデッシュのなかではホクホクのジャガイモが一番美味しいと思いました。
デザートはマスカルポーネ・チーズで、ブルーベリーとイチゴとミントの葉をのせています。甘味は少ないのですが、チーズの脂肪分が非常に高そうなので少し残しました。医者にトリグリセリドの値が高いと言われているので、脂肪分には要注意です。
デザート
朝食もファルケンシュタインで食べました。パンをはじめ各食品の種類が多く、結構豪華なビュッフェです。満足のいく朝食がとれました。
ビュッフェの一部 ・ 私の朝食
このホテルで感じたのは、スタッフが男性も女性もみんな明るく愛想が良く、目が合うとすぐに声をかけることです。さらに動きが軽やかなのはスポーツ関係のホテルだからでしょうか。
名実ともにゴルフのためのホテルで、ゴルフトレーナーが3人常駐していてレッスンを受けられます。週末の土日でレッスン計10時間のプログラムなどがあるようです。もし将来ゴルフを始めたくなったら1週間ぐらい滞在してゴルフ三昧もいいかな、と思ってしまいました。
ゴルフの練習風景
〔2016年9月〕〔2023年4月 加筆・修正〕
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