お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

エーレンブライトシュタイン要塞

2022年12月08日 | 旅行

エーレンブライトシュタイン要塞がどこにあるかというと、モーゼル川がライン河に合流するコブレンツです。コブレンツの旧市街からライン河を挟んだ対岸の山の上、エーレンブライトシュタインという市域にあります。私は過去に何回か来たことがありますが、荒れていて人が少なく、ひっそりとしていた印象が残っています。ところが、2011年に隣接する土地で行われたガーデンショーを契機に整備されて、全体が大博物館になりました。ライン河をまたぐゴンドラも出来て、国内外の観光客がたくさん訪れています。明らかにコブレンツ観光の目玉になりました。要塞からの展望が素晴らしいのです。

  

モーゼル川 (上) とライン河 (下) の合流 ・ Deutsche Eckeドイツの尖った出っ張り

  

要塞 1 & 2 

  

要塞 3 & 4  

このような大規模でみごとな要塞が、いつ建てられて何に使われたのか興味がありますね。(えっ、そうでもないですか?)

西暦1000年ごろ、この地には城砦があったそうです。その城砦がだんだん拡張され、特に16世紀以降は発展してきた戦争技術に対応して城砦から要塞に改増築されました。その後もさらに工事が進められ、19世紀には難攻不落の要塞になったのです。エーレンブライトシュタイン要塞はその当時知られていたすべての武器と攻撃方法を考慮した防衛体制を整えていて、戦時には1500人の兵士が80門の大砲を使って応戦することになっていました。が、第1次世界大戦時の1917年10月に空襲をうけた以外は、攻撃されたことはないそうです。

 

大砲

第2次世界大戦を前にした1936年にドイツ軍兵士が入り、再び要塞としての機能を取り戻しました。戦時中の1943年には要塞の地下に防空壕が造られ、付近の住民や駅にいる旅行者たちが最大10000人まで避難できるようになっていました。当時コブレンツ市は町の87%が空爆で破壊されたにもかかわらず、要塞はほとんど無傷だったとのことです。

戦後アメリカ兵が、そしてフランス兵が短期間滞在した後、国際難民援助組織の収容所になり、おもにハンガリーからの難民が住みました。収容所は5年後に解散し、その後は疎開先からやっと帰郷してまだ宿無しだったコブレンツ市民が要塞に住んだのです。第2次大戦後、プロイセンからラインラント・プァルツ州にその所有権が移りました。

エーレンブライトシュタイン要塞にはこんにち様々な機関や施設がはいっています。例えば州立博物館、ユースホステル、ドイツの歴史的建造物を管理する役所など。2002年にライン河の中流の部分がUNESCOの世界遺産に登録されましたが、要塞はその一部です。前述のゴンドラはドイツで最も大きく、1時間に7600人という輸送能力は (2015年時点で) 世界一だそうです。

   

要塞内部の建物 1 & 2 

  

要塞内部の建物 3 & 4 

そのゴンドラで要塞に行きました、最初の写真の景色を眼下に見るテラスの脇に、〈プロイセンの食文化〉をうたった〈カジノ〉という名のレストランがあります。名前からすると昔の兵隊の食堂か娯楽場だったのでしょう。メニュー表がいかにもそれらしく、要塞の特別料理として〈砲弾〉、〈農民オムレツ〉、そして〈将軍鍋〉という料理があるのです。その他〈将校の薄切りカツレツ〉や〈プロイセンカツレツ〉や〈将軍グリル〉などが並んでいます。日本にある〈海軍カレー〉を思い出すネーミングですね。

 

レストラン

私は〈将校の薄切りカツレツ〉を注文しました。ソースはキノコが入ったクリームソースで、まさに町なかで食べる〈猟師の薄切りカツレツ〉と同じ物でした。肉は固くて味も良くないし、ソースは缶詰の既製品を温めただけなのが良くわかります。しかしながら、付け合せのフライドポテトは揚げたての熱々で結構でした。付属のミックス野菜サラダはドレッシングが醤油をベースにしたような味で、これも悪くありません。いかにも毎日毎日一見の観光客をさばいているレストランの実態が顕著で、残念ながら〈グルメ〉にはほど遠い食事になってしまいました。

  

将校の薄切りカツレツ ・ ミックス野菜サラダ 

宿泊は要塞行きゴンドラの駅のすぐ近くでした。何の変哲もないシングル部屋です。大きな窓からライン河と要塞が見えます。窓の下はライン河沿いのプロムナードになっています。

 

客室

朝日が入って、ラインを渡る風が気持ちいいレストランで朝食です。ソーセージとハムの種類が多くて、3星にしては良い朝食だと思いました。

 

〔2015年9月〕〔2022年12月 加筆・修正〕

 


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