お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

ラ ・ セウ ・ ドゥルジェルのパラドール

2022年11月30日 | 旅行

ピレネー山脈のアパートメント・ホテルからバルセロナまでの途中で泊まったのが、あの山岳国家アンドラの南に位置する La Seu D’urgell にあるパラドールです。この地方で使われているカタロニア語で、ラ・セウ・ドゥルジェルと発音するそうです。この、すでに紀元前200年にローマ人が基礎を築いた町はそれほど山深くなくて海抜700m。現在の人口は約12.500人。宗教的に重要な町で、6世紀の初めにはすでにカトリックの司教がいました。〈Seu〉というのはカタロニア語で〈司教座所在地〉という意味だとのことです。

付近を車で走っているとカヌーが盛んに行われているのに気付きましたが、それもそのはず、ラ・セウ・ドゥルジェルは1992年のバルセロナオリンピックの時にはカヌー・スラロームの会場になったそうです。

 

パラドールの近くの大聖堂

複数の大聖堂や教会に囲まれたパラドールは旧市街の真ん中にあります。

 

パラドール

新しい建物ですが、14世紀に建てられたドミニコ修道会士の修道院の面影が柱や壁に見受けられます。特に、カフェテリアになっている屋根で覆われた中庭と、それを囲むように回廊風に配置された客室は修道院の建築様式です。客室が全部で79あるそうで、私たちの部屋の窓からは真正面に神学校の巨大な建物が見えます。

  

昼間の中庭 ・ 夜の中庭

  

回廊 ・ 回廊の2階部分

  

客室 ・ 神学校

明るくて超モダンなレストランは、例によって20時30分から営業です。ドイツ基準ではかなり遅いのですが、スペインはどこに行ってもこのくらいなのです。

 

レストラン

きびきびとよく働く愛想のよい給仕スタッフたちが英語を解するので何かと便利です。

〈パラドールのメニュー〉という、何だか一般的な名前のついたメニューを注文することにしました。前菜、メインディッシュ、そしてデザートがそれぞれ4種類ずつあり、自分で選んで3品のメニューを作ります。どれを選んでも値段は固定価格です。

前菜

私: 〈ガーリックソースとバジル(ハーブの一種)とチーズをかけたパスタ〉です。ガーリックとオリーヴ油のソースを使っていて、幅広麺の間に干しトマトが見え隠れします。チーズが少なく塩加減もひかえめなので少し刺激が足りませんが、それなりに美味しいと思いました。少し麺を茹ですぎたみたいです。

妻: パイ生地にパプリカを敷いて、すりつぶしたタラをたくさんのせて焼いてある料理です。細かい千切りの揚げ野菜が新鮮な食感でした。トマト風味のやわらかなソースがよく合っています。

主菜

私: マリネードに漬けたサーモンのタルタルステーキとネギのクリームソース。ネギとポテトをすりつぶして生クリームと混ぜたソースが特に美味しいと思いました。サーモンのタルタルには香菜をまぶしていて、濃い味のアンチョビーの味噌が少し添えてあります。旨いけれども、サーモンに脂がのっていていささかしつこいのが気になりました。

妻: イカのグリル + ブラックライスと煮詰めた玉ねぎ。イカ墨で炊いたと思われるライスの味は印象がうすく、何かが足りないと感じました。しかし、イカの下に敷いている超やわらかに煮たタマネギは甘くて美味でした。

デザート

私: アイスクリームとヨーグルトの木苺ソースかけ。特筆すべきことはないけれど、しっかりした味のアイスクリームでした。少し多すぎたかな?

妻: 上に砂糖をふってバーナーで少し焼いている生クリーム。クリームの下に煮詰めた西洋梨とタフィー(砂糖とバターを煮詰めた菓子)があり、この部分が特に美味しかったのです。アンズとイチゴのシロップが少し添えてありました。これもデザートとしては少々多すぎたようです。

パラドール・シリーズ最後の夕食でした。

ここのレストランでは今まで知らなかったアイデアを盛り込んだ料理を供され、新しい味の組み合わせを経験することが出来て満足しました。

ピレネー山脈は日本人にはあまり馴染みのないところですが、とても良いところです。来年の夏休みもこの地にしようかな、と考えています。

 

〔2015年8月〕〔2022年11月 加筆・修正〕

 

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ファヴォリーテ城館

2022年11月27日 | 旅行

ドイツ南西部〈黒い森〉にある保養地、バーデン-バーデンから北に15分ほど走った所にファヴォリーテ城館はあります。この比較的新しいお城は18世紀の前半に建てられました。施主である某辺境伯婦人は非常に明確なアイデアを持っていた人で、それは、この総合芸術作品はバロック様式で豊かに装飾された内装を備えていなければならない、というものでした。さらに、お城が娯楽、陽気さとゲーム、狩猟、仮面舞踏会、研究と子育てのための田舎の喜びの宮殿として機能することを望んでいたのです。(解説です。「辺境伯」とは、日本では「田舎の貧乏貴族」と勘違いされるケースがありますが、正しくは中央から離れて大きな権限を認められた地方長官です。単なる伯爵より上位で、侯爵に近いそうです。)

 

城館施設への入り口 1 &

実際に訪れてみると、ファヴォリーテ城館は装飾が豊かに溢れるユニークなバロック様式の芸術作品であり、施主の個人的な趣味を表しているだけではなく、適切な自己表現も堂々と行っていると感じられるお城です。その上ファヴォリーテ城館はドイツ最古の「磁器の城館」とも呼ばれています。当時、辺境伯婦人が大の磁器好きで世界中から大量の陶器や磁器を収集したとのことです。注目すべきは、中国の磁器および黒い漆工の豊富なコレクションとシュヴァルツ磁器 (黒金の漆塗りの石器) です。

 

正面 ・ 斜め

 

裏正面 ・ 裏斜め

 

城内の部屋 1 &

 

城内の部屋 3 &

 

城内の部屋 5 &

興味深いのは、きらびやかな部屋に混ざって「日本の部屋」と「中国の部屋」があることです。当時、東洋文化に対する敬意とあこがれがあったのでしょう。

 

日本の部屋 ・ 中国の部屋 

そして城館はかつてのバロック様式の〈喜びの庭園〉に囲まれていますが、この庭園は18世紀の後半に近代化されて風景庭園に変身しています。

 

庭園と城館 ・ 城館施設の一部

こんにちファヴォリーテ城館はバーデン-ヴュルテンベルク州が管理しており、夏の間だけ観光客に開放されています。が、付属の公園の方は一年中開いており、自由にアクセスできます。お城と公園は何度も映画撮影の場となった事があり、さらに1957年以来、毎年恒例のコンサートを開催しています。

 

弁当

ファヴォリーテ城館を見学した後、近くの山でハイキングをしました。弁当は鮭を入れて海苔を巻いた三角おにぎりとおかかと梅干しが入ったそれです。おかずは紫色カリフラワー、ブロッコリ、海老、そして卵焼きで、どれも美味しくいただきました。

 

〔2022年11月〕

 

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オリテのパラドール

2022年11月25日 | 旅行

最初に泊まったパラドールがあるチンチョンからピレネー山脈はまだ遠いので、次の日は人口4.000人ほどのオリテという町のパラドールに旅装を解きました。

この地には紀元1世紀にローマ帝国の居住地があって、それがオリテの町の基礎となったようです。12世紀から栄え始め、全盛期の15世紀にはもともと城砦として造られた建造物が宮殿に増改築されました。ところが、19世紀前半の半島戦争(スペイン独立戦争)の際に戦略的理由から放火され、その後半壊のまま捨て置かれました。やっと宮殿の再建が始まったのは20世紀の前半で、30年かかって今の状態にしたそうです。現在、城壁に囲まれた中世の町の真ん中で光彩を放っています。

 

城門から宮殿に続く道

 

宮殿 1 & 2  

  

宮殿付属の教会 ・ メルヘンの城を思わせる一角 

このオリテ宮殿の一部が43の客室をもつパラドールになっているのです。

  

パラドールの入り口 ・ 宮殿のパラドールが入っている部分とレストラン(左)

建物の中は中世の雰囲気抜群で、鎧兜が見守るフロントで名前を告げると30歳前後の男性接客係が、

「あー、OOさん、いらっしゃい。」

なぜ日本語が出来るのかを聞くと、何でもこのお兄さん、漫画とアニメのオタクだそうで、2014年の5月に4回目の訪日を果たした後、出来たらずっと日本に住みたいと思っているとのこと。かなりの日本ファンのようでした。

  

レセプション ・ フロア 

  

階段 ・ サロン 

我々の部屋の窓から修道院とそれに属するブドウ畑が見えます。石の壁に囲まれた部屋には天蓋付きのベッドが置かれ、重厚な家具をあしらった居間の一角があります。重い深い歴史を背負った部屋である印象をもちました。

   

寝室の一角 ・ 居間の一角

宮殿内のレストランは席数が少なく、こじんまりしていて良い雰囲気です。

  

レストラン ・ 朝食時のレストラン

ノンアルコール・ビールを頼むと、グラスを冷凍庫でガチガチに冷やしてありました。ドイツではないことです。食器はもちろん銀製で、大きな受け皿が不格好にゆがんでいるのが歴史を感じさせます。

給仕スタッフは愛想は良いのですが、忙しいからか皆ガチャガチャしていて何となく落ち着かない雰囲気。食材はこの地方の物を使っているそうだし、ワインも地元の銘柄ナヴァラを供するそうです。

メニューが今まで経験のない面白いものでした。前菜が11種類あるのですが、全部同じ値段なのです。主菜は8種類でやはり同じ値段ですが、そのうち3つの料理には2、3ユーロの追加料金が必要です。そして9種類のデザートもまったく同じ値段です。高価な食材も手間のかかる料理もあると思うのですが、同じ値段とは、、、、、。量で調節しているのでしょうか。

さて、まずお通しとしてオリーヴとポテトチップスがでました。手抜き丸出しですね。

オードブル

私: ポロねぎとアボカドと小エビのパイ。材料を全部すりつぶして蒸パイにしています。生温かくてたいへんやわらかいプリンのようで、まろやかなパプリカ・ペッパー・ソースとよく調和していて美味です。

妻: クルミとフォアグラをあしらった新鮮な季節の野菜サラダ。ドレッシングはチャイブ (ユリ科ネギ属の植物で料理の調味に使う) で味付けしたビネガー (西洋風の酢) です。野菜が本当に新鮮でドレッシングとよく合っていました。

主菜

私: 焼サーモンの、ブラックライスと焼ズッキーニ添え。ブラックライスとはパエリャ風のイカ墨ライスで、何かの野菜が少し入っています。オリーヴ油をほとんど使っていないので、さっぱりしていて美味しい。

妻: 焼いた魚類と野菜の盛り合わせ。野菜はズッキーニとナスと緑アスパラで、魚類はタラと思われる白身魚、サーモン、エビ、イカ。少し生っぽい焼き方ですが、それぞれの食材の典型的な味がして旨いのです。この町は比較的大西洋に近いので、新鮮な魚が手に入るのでしょう。この料理にもオリーヴ油をほとんど使っていません。妻が1970年代にスペインを旅行したときは、〈料理がオリーヴ油の中に浮いていた〉そうですから、たいへんな変わりようです。

デザート

私: ホワイトチョコレート・スープとヨーグルト&ラズベリー・アイスクリーム。アイスクリームが甘くなくて、チョコレートが冷たくて甘い。絶妙なコンビネーションで美味しい。

妻: フライドフランのシナモンかけ。カスタードプリンを揚げていて温かいデザートでした。食用ホウズキと何かの果物の、甘すぎなくて美味しいジャムが添えられています。

魚料理を選んだからか、全体的に重くなくて美味しくて二人とも大変に満足しました。

朝食のときにクラッシックのピアノ曲が静かに流れていました。

 

〔2015年8月〕2022年11月 加筆・修正〕

 

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ホーエンバーデン城館

2022年11月23日 | 旅行

南西ドイツの〈黒い森〉にある保養地として有名なバーデン-バーデンの市街の外れにバーデン-バーデン城館があり、そこから北に向かって30分ほど良く整備された山道を歩いて行くと、大部分が廃墟になっているホーエンバーデン城が建っています。

 

城館への山道 ・ 山中から見た城館

 

ホーエンバーデン城館から見たバーデン-バーデン

建造時に城砦であったホーエンバーデン城館には、中世の時代にこの地の侯爵家が居住していました。お城の高い所に位置する部分は12世紀初頭に建設が始まったと考えられています。そして15世紀前半にはゴシック様式の下層城の建設により、城館施設は拡張されて全盛期には部屋数が100を数えたそうです。

 

城館 1 &

 

城館 3 &

ところが同世紀の後半、侯爵家がバーデン-バーデン市に新しく建造されたお城に住居を移したため、ホーエンバーデンの旧城はその後未亡人の住居として機能し、16世紀の終わりごろには火事で破壊されてしまいました。19世紀前半以降になって初めてお城は廃墟として認定され、その後はバーデン-ヴュルテンベルク州によって管理されていました。

 

城館 5 &

 

城館 7 &

2017年からお城は個人の所有になっていますが見学可能で、レストランもあり、ハイキングの出発点として人気です。

 

城館 9

ところで、ホーエンバーデン城館の騎士団ホールに1851年から1920年にかけて小型のウィンドハープがあった事を踏まえて、この廃墟の一角に、全高4,10メートルで120本の弦を持つウィンドハープが1999年に造られました。開発者及び作者は、地元のミュージシャンでハープメーカーであるリューディガー オッパーマンという人です。これはヨーロッパ最大のウィンドハープだそうです。

 

ウィンドハープ

お城を見学した後、バーデン-バーデンに帰ってイタリアンビストロで遅めの昼食を食べました。

注文したカミツレ茶というハーブティーと一緒に、ハーブ入りクリームが少し付いたパンが出て来ました。これが思いがけず香ばしくて結構美味しかったのです。

 

ビストロの内部 ・ ハーブティーとパン

そしてさらに思いがけないことがありました。このイタリアンビストロでは、本来オーストリアの肉料理でドイツでも大変人気があるシュニッツェルを供するのです。シュニッツェルとは薄く叩き伸ばした豚カツのようなものですが、単にレモン汁をかけて食べるウィーン風の他にパプリカ味のソースがかかったツィゴイネルシュニッツェルとキノコ入りクリームソースのイェーガーシュニッツェルがあります。

私はツィゴイネルシュニッツェルを頼んだのですが、ソースは瓶入りの既製品を使ってあり、ドイツ料理屋で食するのと全く違う。はっきり言ってまずいのです。でも、イタリア系料理店でドイツ食を注文した私に非があるのでしょう。

 

ツィゴイネルシュニッツェル ・ リゾット

賢明にも魚介類のリゾットを食べた妻はその美味しさに満足したようです。

エスプレッソ

最後のエスプレッソは予想通り良い味でした。

 

〔2022年11月〕

 

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チンチョンのパラドール

2022年11月19日 | 旅行

2015年の夏休みはスペイン。マラガに飛び、レンタカーを借りて南部のアンダルシア地方の山岳地帯であるシェラ・ネバダに6泊。そしてフランスとの国境にあるピレネー山脈に11泊する山歩きでした。帰りはバルセロナから飛びました。

その移動のときに3軒のパラドールに宿泊したのです。パラドールとはスペインのホテルチェ-ンです。株式会社ですが、株はすべて国家の所有になっているので国営のホテルということになり、現在94 軒あります。ほとんどのパラドールは歴史的に重要な町の昔の修道院や城塞であることが特徴で、居心地と雰囲気の良い建物に改築していて3星から5星レベルのホテルです。部屋数30室であった最初のパラドールは1910年に開業したのですが、今では全パラドール合わせて10.000床を数えるまでに増えています。このパラドール・ホテルチェーンは3つの目的をもっているそうです。ひとつには、歴史的なそして芸術的なスペインの遺産を、大切な自然も含めて、後世に残すこと。また、諸外国に対して今までとは違った〈スペイン旅行〉のイメージを確立すること。3つ目には、ツーリズムが盛んでない地方や経済的に弱い自治体に新しい動きをもたらすこと。

ということで最初に泊まったのは、マドリッドの少し南にある、中国語を思わせるチンチョン(Chinchon)という、人口約5.500人の町のパラドールです。散歩をしていてびっくりしました。なんと、町の中央広場が闘牛場ではありませんか。

 

闘牛場とそれを取り巻くレストランのテラス

まわりに沢山のレストランや飲み屋が立ち並び、実際、夏に闘牛が数回行われるそうです。灼熱の夏の日が終わる夕方に、レストランのテラスで涼しい乾いた風を頬に受けながら食事をし、眼下に繰り広げられる牛と人間の死闘を観るのは白人にとって楽しいひとときでありましょう。中には血のしたたるビーフステーキを食べる人もいるかも・・・・・。いずれにせよ、動物を痛めつけながらゆっくり殺すのは私の趣味ではありません。有名なパンプローナの牛追い祭りのように、数頭の牛が町の道路を駆け巡る行事もあるそうです。この闘牛場を中心とした古い町域は文化遺産の指定を受けています。

もうひとつの見所は中心部から500mほど離れた高台にある15世紀に建てられた城砦でしょう。残念ながら中には入れません。

 

城砦

さて、この町のパラドールですが、前述の闘牛場のすぐ近くにあります。38の客室をもつ、17世紀に建てられた修道院を改築した建物です。

 

パラドールの入り口

我々の部屋は広いツインルームで、車椅子の客が楽に泊まれる設備があちこちに見られます。例えば段差のない広いバスルーム、座れるシャワー、手摺のあるトイレ、低い洗面台。そして良いアイデアだと思うのは、取り棒のついたハンガーです。さらに、電話の文字盤が大きいのは老人客を考えてのことでしょう。2部屋だけこのタイプの客室があるとのことでした。

  

客室 ・ トイレ

 

ハンガー

夕食は修道院に典型的な中庭でとりました。

  

中庭 ・ 中庭を取り巻く回廊

コンピューターの伴奏で、演奏家がひとりフルートとテナーサックスを持ち替えてジャズを演奏していました。かなり上手なおじさんでした。

前菜

私: フォアグラのテリーヌ。上に、たぶんポートワインを煮詰めた少し甘い液体を塗っていて、下には煎餅風のものを敷いています。添えられている、皮をむいたブドウの白ワイン煮とアンズの赤ワイン煮がフォアグラに良く合います。私は本来内臓は好まないのですが、あまりしつこくなくて美味しく食せました。

 

フォアグラのテリーヌ ・ イベリアンハムのクロケット

妻: 自家製のイベリアンハムのクロケット。カニコロッケと同じ作り方ですが、フワッとした食感が印象的で、マイルドなトマトソースが旨いのです。極細のポテトチップスは残念ながら少々硬かったのです。

メインディッシュ

私: 〈チンチョン風に焼いたラムの肩肉〉という伝統料理。付け合せはポテトと赤ピーマンの煮たのんと揚げた小ピーマンで、全体に肉汁ソースがかかっています。肉の表面がカリッと香ばしく焼けています。ラムの味があまりしないのはどうしてでしょうか。

 

チンチョン風に焼いたラムの肩肉 ・ 豚の乳獣肉のロースト焼き

妻: 豚の乳獣肉を巻いてロースト焼きにした料理です。これも表面がカリッと焼けています。

妻は夕食後にカフェイン入りの飲み物は飲まないので、私だけエスプレッソを注文しましたが、イタリアの本場物に比べてズーッとまずかった。

全体として美味しく感じました。なぜなら、妻が謙遜していうには、

「自炊のアパートホテルで粗食の一週間を過ごした後だからでしょう。」

朝食は大体ドイツと同じですが、スペインの特徴は甘いビスケットや焼き菓子の類が多いことです。私たちの好みではありませんが、、、、。

  

朝食の部屋 ・ 朝食

ふと頭上を見上げると、庭に提灯がかかっていました。チンチョンのチョウチンです。

 

提灯

有能でフレンドリーなレセプションのお兄さんに、

「チンチョンで、日本語でいうチョン(ウ)チンを見るとは思いませんでした。」

彼は別のスタッフに話して笑い転げました。

良いホテルマンの心得 : 

〈客の言うことはすべて正しい。〉

〈客の言う冗談はすべて面白い。〉

 

〔2015年8月〕〔2022年11月 加筆・修正〕 

 

 

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