お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

タンガーミュンデ城 (再訪)

2023年06月30日 | 旅行

10年前に訪れた時のブログを読み返してみると、雪が積もってマイナス7度Cの大変寒い時期だったにも関わらずいたく満足した滞在だったようで、〈次回は暖かい季節に来てみよう。〉と書いてあります。それで今回、ハインリヒ・ハイネの言う〈im wunderschönen Monat Mai (麗しの5月に) 〉来てみました。

川幅5mほどのタンガー川がエルベ河に流れ込む位置に建つタンガーミュンデ城の歴史は、以前のブログの記述をそのまま引用します。

〔古文書によると、当時の国境としてのエルベ河の警備のために10から11世紀にかけて城は建造されたらしく、ぐるりと市壁に囲まれた旧市街をもつ同じ名前の地方自治体は13世紀にできたそうである。14世紀にカール皇帝IV世が城塞に入り城館風に拡充したが、今残っているオリジナルは „カンツライ“ とよばれる儀式や式典のためのホールがある建物だけである。他の建造物は17世紀の中頃、スウェーデン軍に大部分破壊された。今は北欧でおとなしくしているスウェーデンも、かつては中部ヨーロッパで悪いことをしていたようである。そして同世紀の末にフリードリッヒ選帝侯III 世(神聖ローマ皇帝の選挙権を持っていた領主)が再建し、今日ホテルとして使われている建物を建造させた。1900年代になってから少しずつ改築や改装が進み、2000年に大々的に近代化されて開業したそうである。その後2009年に会議場、そして2010年にスパセンターが増設されて充実したホテルになった。城門、城塔、丸い天守閣、掘割などが当時の姿をしのばせる。〕

 

タンガーミュンデ市街 ・ 市街にある建造物 1

  

市街にある建造物 2 &

 

2xコウノトリの巣

 

市街にある建造物 4 &

自宅のあるハノーファーから真東に約200㎞離れたタンガーミュンデに割と早く着いたので、チェックイン可能な時間まで約1000 年の歴史を誇るハンザ同盟都市の旧市街を散策しました。10年前は雪と氷のせいでほとんど見学しなかったのです。12から17世紀にかけて建てられた古い建造物が立ち並ぶ旧市街は見事なものです。少なからぬ観光客がウロウロしています。

 

お城の全貌(展示写真より) ・ タンガー川岸から見たお城

 

城門 ・ 駐車場からお城へ

 

カンツライ

 

お城 1 &

さてタンガーミュンデ城ホテルですが、城内の駐車スペースを予約していたので城門をくぐって進んで行くと、それが決められていて私の名前を書いたプレートが貼ってあります。レセプションには明るい中年おばさんがいます。レストランのテーブルの事や朝食時間のことなどを確認して部屋へ向かいました。

 

ホテルの本館 ・ その別棟

 

ホテルのテラス ・ 廊下

 

お城の庭 と エルベ河

シングルルームですが天井が高くて割と広く、窓からはエルベ河とタンガー川の合流点が目の前に見えます。

 

タンガー川(下)とエルベ河(上)の合流点 ・ 私の部屋

二重扉でコンセントが大変に少ない古い建物の部屋ですが、家具は比較的新しい。壁にかかる二つの大きな鏡の額を最近塗り直したのでしょうか。塗料の匂が少し残っています。

ところで、部屋に関して10年前に感激したことがあります。〈バスルームに大きな窓がある〉、〈スパ用のタオル数枚とバスローヴとスリッパをバッグに入れておいてある〉、〈枕の上に、「昔々あるところに・・・・」で始まる寝る前のお話を書いたカードが置いてある〉、、、、、、、、

今回はこれらが全部無くなっているのです。10年前はダブルルームのシングルユースで今回はシングルルームだからなのでしょうか。もちろん、お客さんをお迎えするという姿勢や日本で言う〈おもてなしの心〉を感じる小さな点は多々あるのですが、以前ほどの感激はありません。バスルームには肌触りの硬い使い古しのような手ぬぐいとバスタオルがかかり、アメニティーグッズはほとんど液体石鹸だけなのです。この〈液体石鹸だけ〉というのは最近増えてはいますが、このホテルの価格帯ではほぼありません。

さて、前回食事をしてかなりの満足感を得られた城内のレストランで夕食です。ホテルのホームページのレストランの項には次のように書いています。

“私たちのシェフは地域のサプライヤーからの地元の食材を使用することを好みます。そして人工添加物を使わずに、季節に合わせて新鮮かつ季節限定で調理します。私たちの料理は家庭的なスタイルのみならず、上質なドイツ食文化に基づいているのです。“

 

レストラン

レストランの位置と内装は変わっていないのですが、10年前静かに流れていたクラシック音楽が今回は無く、外がまだ明るいからか、幾つかかかる小さなシャンデリアは点いていません。でもまあ、結構良い雰囲気です。見回すと、宿泊客ではなくて食事だけする外からのグループ客が多いようです。数人のサーヴィススタッフの中に2人のアジア系女性が居てテキパキと対応してくれます。お茶を頼もうと思ってそのアジア人スタッフの一人にどんな種類のお茶があるか聞くと、立て板に水のごとく10種程並べ立てました。良く訓練されたスタッフのようです。私は結局ジャスミンティーにしました。

 

ジャスミン茶 ・ ノンアルコールのワイン

さらに、レストランにしては飲み物の種類がたいへんに多くて、アルコール飲料はバーのようにウイスキーからジンまであります。ノンアルコールのワインも白、ロゼ、赤とそろえているので赤のグラスワインを注文しました。あまり甘くなくて、今まで飲んだノンアルコールワインの中で一番本物のワインに近いと思いました。テーブルセッティングもきちんとしていて高級感のある雰囲気です。ただ、グループ客が少々うるさいのが残念です。

さて、前菜は透明なトマトスープです。高級レストランのようにトマトの切片とモツァレラ入りのスープ皿を持って来てテーブルでスープを注いでくれました。熟れたトマトの旨味が口に広がり、モツァレラはかすかにチーズの香りと味がして食感が餅のようで面白いのです。

 

トマトスープ ・ ローストビーフなど

  

パン ・ 炒めポテト

メインディッシュはメディウムに焼いた冷たいローストビーフ。レムラードソースで食べます。美味しい肉です。ローストビーフの横には、この地方産アスパラガスの少し酸っぱいサラダがパイ生地を焼いて作った籠に入っています。炭水化物としてバゲットと胡麻付き黒パン、さらに別の容器にベーコンとタマネギが入った温かい炒めポテトが付き、このポテトがめっぽう旨いのでした。

 

エスプレッソ

そしてデザートを取らずにエスプレッソで締めくくりました。後で口をすすぐ為でしょうか、コップ水も出て来ました。エスプレッソの本場であるイタリアではエスプレッソの風味を長く口の中に留めるために、飲んだ後で水を飲むことはないそうです。

 

朝食

翌朝の朝食も同じレストラン、同じ席で取りました。ビュッフェに並ぶ食品は種類が豊富で質も良いようです。いろいろ工夫した自家製もあり、それぞれそれが何であるかを記しています。その中に〈金のミルク〉という名前の飲み物があります。何らかの黄色い香辛料を水に溶かしたのでしょうか、興味をそそられて飲んでみましたが不味い。でも全体的に大変結構な朝食でした。

ところでこのタンガーミュンデ城ですが、10年ぶりに宿泊するにあたり、当時に比べてだいぶ勝手が違っているのに気づきました。〈2日前からオンラインでチェックインが可能。同時にレストランのテーブルを予約すると次の日に確認のメール。チェックインの直後にウェルカムのメール。チェックアウトの前の晩、朝の混雑を避けるために早めのチェックアウトの案内。チェックアウトの直後にお礼のメール。〉少々やり過ぎの感があります。

さて、残念ながら前回に比べて私の満足度は低いのです。コロナの時期を挟んでいるのでいろいろな事情が変わったのでしょうし、物価も上がったことでしょう。そのことが原因なのか、それとも私が歳を重ねて満足する基準が上がったのでしょうか。宿泊客による評価の平均は5点満点中4,7でたいへん良いのですが、少なくとも私が再再訪することはありません。

 

〔2023年6月〕

 

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城塞ホテル ハーゼリュンネ

2023年06月27日 | 旅行

ドイツの北西部、オランダとの国境に程近い地方はエムスラントといいますが、そこに約800年の歴史を持つ、この地方で一番古い町ハーゼリュンネがあります。どこまでも平坦な景色の中にポツンとあるこじんまりとまとまった小さな町です。赤レンガ造りの家が多いのはオランダが近いからでしょうか。

今回訪れたホテルは〈城塞ホテル〉とはいえ、城塞は残っていません。その昔城塞のすぐ近くに封建領主に仕える貴族の家屋敷が22軒あったそうですが、現在は数軒残っているだけです。日本の 武家屋敷といったところでしょう。その〈武家屋敷〉のうち、1346年に建てられた〈モンニヒ屋敷〉と1546年建造の〈ルッセル屋敷〉がホテルになっているのです。この2軒の建物は今世紀の初めから地下道でつながっています。〈モンニヒ屋敷〉にレセプションがあり、私の部屋は〈ルッセル屋敷〉です。

  

ルッセル屋敷 ・ 地下道

  

モンニヒ屋敷 ・ 昔の “水道“

客室はたいへんモダンに改造してあり、都会のビジネスホテルと同様です。洗面室の照明が自動点灯なのですが、あまり感心しません。前を通るたびに点き、ある一定の長さ点灯したままなので邪魔くさいのです。しかし無線LANのつながりが大変良いのは結構ですね。客室は新しくしていますが、サロンや階段やロビーは貴族の館の雰囲気を保ったまま修復しています。

ホテルにはレストランがないので、斜め筋向いにある〈狩猟小屋・ヴィーデハーゲ〉という名前の歴史的なレストランに行きました。16世紀に建てられた建物が18世紀に焼失し、その後再建されたのが今の建物で、それを現在の所有者が20世紀後半に購入してレストランを開いたそうです。レベルの高いドイツ料理を提供するとのことなので楽しみです。

  

狩猟小屋 ヴィーデハーゲ ・ エントランス

  

食堂 1 ・ パン と バター と オリーヴオイル

早い時間に行って長い時間客は私一人だったので写真を撮れましたが、食べ終わる頃良い服装をした客が(ネクタイを締めた人も)ぞくぞくとやって来ました。

いつものようにノンアルコールビールと、食前酒(?)としてノンアルコールカクテルを頼みました。まずパンとバターとオリーヴオイルがでてきましたが、ごく普通の味です。

前菜はアスパラガスのグラタン。白と緑のアスパラガスの他にテナガエビ、ホタテ貝、人参、そしてカリフラワーが入っていて、上にハーブをのせています。食材が全部新鮮で、少し塩味が強いかな、と思うけれども美味しい。

  

アスパラガスのグラタン ・ 主菜

メインの料理はこの地域でとれた牡鹿のヒレ肉です。肉の上をタマネギのムースとクランベリーを混ぜたアーモンドの練り粉でおおって、オーブンレンジで焼いています。そのカリカリした表面の食感が良いし、ムースのフッとしたタマネギの香り及び甘さとクランベリーの甘酸っぱさが絡み合う。肉もやわらかいし私には初めての味で非常に美味しく感じます。ジビエ料理は味に当たりはずれがありますが、今日は大当たりです。数年前にあるホテルで猪肉のたいへん旨い料理を食べました。日本では鹿と猪が増えて獣害があると聞きますが、ジビエ料理をもっとたくさん食べたらいいですね。付け合わせのキャベツとニンジンは茹で過ぎてなくて歯ごたえが良い。別の食器で供された小さな新ジャガイモはごく普通でした。

ガラスの半球天井から自然光を取り入れた明るく広いホールで、小声で話す初老の夫婦が数組だけ居る静かな朝食です。

  

朝食用のホール ・ 私の朝食

写真にはヨーグルトと果汁ゼリーをかけたフルーツサラダとマルチビタミンジュースが写っていませんが、食品の種類が多くてわりと豪華な朝食が出来ました。残念ながらパンは美味しくありませんでした。

二日目の夕食もレストラン〈ヴィーデハーゲ〉です。昨晩の大きい部屋は誕生パーティーの予約が入っているとのことで、隣の小さい部屋ですが客は私ひとりだけです。

  

食堂 2 ・ 牡鹿スープ

オードブルはキノコ入り牡鹿スープ。鹿肉のエッセンスの味が少しして、私には少し味が強すぎますが美味です。キノコは歯ごたえがしっかりしています。

主菜として今が旬のアスパラガスです。この地方で栽培した茹でアスパラガス500gをオランデーズ・ソースとポロネーズ・ソースで食べます。付け合わせとしてサケやステーキやエビなど10種類がありますが、私はこの地方産のハムを選びました。それにパセリをふった茹でポテトが付きます。オランデーズ・ソースというオランダのソースはバターと卵の黄身をベースにした細かい泡のようになめらかなソースで、私はこの淡い穏やかな味が好きです。ポロネーズ・ソースはパン粉、バター、みじんに切った固ゆで卵、パセリのみじん切りを使って作ったポーランドのソースです。何だか複雑な形容できない味ですね。アスパラガスに、特に先っぽに近いところに、淡いしかし確かな甘みを感じました。私の家でもこの時期にはわりと頻繁にこの食材を使うのですが、今までに甘味を感じたことがあるかどうか記憶にありません。今度食べるときには気を付けてみましょう。ハムはどこにでもある普通のもので、ジャガイモは多すぎてほとんど残しました。

全体として昨晩ほどの感動はありませんでしたが、結構なレベルだったと思います。

 

アスパラガス料理

今回は食事の満足度が高い旅行でした。

 

〔2017年6月〕〔2023年6月 加筆・修正〕

 

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コッペンブリュッゲ城塞

2023年06月22日 | 旅行

すばらしく天気の良い週末に、弁当を持ってヴェーザーベルクラント(ヴェーザー川流域の山岳地帯)へ遠足に行きました。ヴェーザー川の流域は昔たいへんに栄え、ヴェーザー・ルネッサンスが花咲いたところです。〈ハメルンの笛吹き男〉で有名なハメルンの町もヴェーザー川の畔にあります。

8kmほど山歩きをして小さな湖の畔で弁当を食べた後、コッペンブリュッゲ城塞のカフェで午後のお茶をしました。コッペンブリュッゲ城塞は西暦1300年ごろに建造された水城塞です。15世紀前半、地域の争いの際に破壊されて同世紀末に再建されました。17世紀末にはロシアのピョートル大帝が旅行の途中に立ち寄ったとのことです。18世紀にバロック風の城館に立て替えられましたが、19世紀にはもう壊されて木組みの建物だけになりました。この建物は第2次大戦後法律事務所と裁判所として使われていましたが、現在は博物館とカフェになっています。

  

石橋 と 城壁 ・ お堀 と 城壁 

  

木組みの建物、前の芝生でお茶 ・ 古い井戸 

妻が注文したのはイチゴとマスカポーネのケーキ。私はイチゴとパンナコッタのケーキでした。今イチゴのシーズンなのでどこに行ってもあります。どちらもふわふわの食感で甘さもちょうど良く、美味しく食べました。紅茶はアールグレイを飲みました。味も素っ気もないガラスのカップは、この国では紅茶を飲むときによく使われます。もう少し趣味の良いカップで飲みたいなぁ。

  

イチゴとマスカポーネのケーキ ・ イチゴとパンナコッタのケーキ

 

紅茶

 

〔2017年 6月〕〔2023年6月 加筆・修正〕

 

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シュテルンホテル (星ホテル)

2023年06月19日 | 旅行

むかし西ドイツの首都であったボンの中心部にあるホテルです。マーケットプレイスの東側には市役所をはじめとする由緒ある建物が並んでいますが、そのうちのひとつなのです。

  

マーケットプレイス ・ 市役所(右端)

1620年に初めて歴史書に記載された古い建物で、19世紀には英国の女王や作曲家のフランツ・リストなどの有名人が宿泊したそうです。今はもちろんロビーも客室もたいへん現代的に改装されています。

 

ホテル(左端)

フロント係りの感じのいい細身のおばさんに、「私は1975年にボンに住んでいたんですよ。わりとよくマーケットプレイスに来ていたので、こちらのホテルは見ていました。そして40年以上後の今日、客として来たのです。」

「まぁ、それはそれは、ぜひゆっくりボンを楽しんで下さい。」

私の部屋は天井が高くて広々とした、木張りの床をもつダブルルームです。さわやかなルームパヒュームの香りが心地よく漂っています。冷蔵庫に入っているビールとコーラとジュースの3本は無料で、追加分は有料だそうです。あまり経験したことが無いシステムです。少なからず驚いたのは受信できるテレビ局。英語やフランス語やイタリア語があるのは分かりますが、タイ語、クルド語、マケドニア語、ウクライナ語、アルメニア語など、マイナーな国のテレビ局も映るのです。これらの国の宿泊客が多いのかな。スリッパとバスローヴは部屋に置いてなくて無料で貸し出すそうですが、私はスリッパは持ち歩いているし、バスローヴは暑苦しくて動きにくいため使わないので必要ありません。

 

客室

このホテルには夕食がとれるレストランが無いので、市役所に隣接する伝統がありそうなドイツレストラン〈エム・ホォェッチェ〉に行きました。〈エム・ホォェッチェ〉とはこの地方の方言で〈小さな小屋〉とのことです。レストランというより伝統的ドイツ食を提供するビール飲み屋のようで、気取らない和やかさがあります。建物は1389年に建てられ、16世紀に開業したボンで一番古いレストランだそうです。このレストランで17世紀にはある女性が魔女として焼殺され、ベートーヴェンが少年時代に恋人と踊ったとのことです。なるほど、いたる所に歴史を感じさせる装飾があります。ところで、〈移民大国ドイツ〉の元首都であり観光地であるボンの町にはたいへん多くの外国人がいる様子です。私の移住地ハノーファーよりずっと多数の、真っ黒なアフリカ人と頬かむりをしたイスラムの女性が目立ちます。ところがこの伝統的レストランの中にいるのは純粋なドイツ人だけ、という興味深いけれども納得できる現象を認めました。

  

ベートーヴェンの像 と メニュー(レストランの前)・ レストランの入り口

   

壁の装飾 1 & 2 

 

   

壁の装飾 3 ・ 天井

 

さて食事ですが、ノンアルコールのヴァイツェンビールとこの地方の名物であるシュヴァイネハクセ(骨付き豚足)を注文しました。南ドイツの名物にも骨付きの豚足がありますが、それは塩水で茹でてあり、アイスバインといいます。シュヴァイネハクセはグリルしているのです。付け合わせはザウアークラウト(煮た酢漬けのキャベツ)とポテトのピューレが定番です。

そのシュヴァイネハクセが真ん中にナイフを突き刺して出てきたのです。〈山盛りご飯に箸を突き刺すのはいけない〉と子供のころ教わった私はドキッとしました。それにもめげず(?)、皮がパリパリと香ばしくて味も良いし大量の肉であるにもかかわらず脂が落ちてしまっているので、全部食べられました。難を言えば肉が少しバサバサしていることですね。4種類の辛子が添えられていたので途中で味が単調に感じられたときに辛子を全部試してみましたが、何もつけないのが一番美味しいと思いました。

 

シュヴァイネハクセ 1 + ビール + 辛子 ・ シュヴァイネハクセ 2

伝統的付け合わせのザウアークラウトは野菜の昔の保存法に基づく食べ物で、癖があるので人によって好き嫌いが分かれます。私は酸っぱい食べ物はあまり好みません。ポテトのピューレはなかなか結構です。美味しいポテトを使っているのでしょう。

夕食とちがって朝食はホテルでとれます。こげ茶、白、ベージュ、赤の色調を使った清潔感あふれる、客室と同じデザインの朝食部屋です。ベートーヴェンの生家がある町だからでしょう。朝からベートーヴェンの交響曲が流れています。やはり中近東からの人を含む外国人客が多く、感じの良いお姉ちゃんたちが英語で接客しています。供される食品は種類が多く質も良いのです。特にフルーツサラダのフルーツの種類がたくさんあり、缶詰ではなくて新鮮な果物を使っています。全体として非常に満足度の高い内容の朝食でした。

 

私の朝食

二日目の朝食時に、残念ながら美しくない光景を見ました。白人のおばさんが昼食用の弁当を作っているのです。それも2人分。さらに、ヨレヨレのTシャツとこれまたヨレヨレの3/4トレーニングズボンを身に着けてゴム草履を履いた黒人のおっさんが私の正面の位置に座っていて、何度も立ってビュッフェに取りに行くのです。〈客がホテルをつくる。〉と言われることを思うと、憂慮すべきことです。

このボンのシュテルンホテルは私が今まで泊まった中で最も良いホテルのうちの一つだと思うのですが、このレベルを保ち続けて欲しいものです。

 

〔2017年6月〕〔2023年6月 加筆・修正〕

 

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ヴィーンハウゼン修道院

2023年06月15日 | 旅行

私の居住地ハノーファーから北東に約50㎞離れたアラー川のほとりのヴィーンハウゼンという集落に、13世紀前半に設立された尼僧の修道院があります。ずっと以前に老女の尼さんの案内で見学したことがあるのですが、今回は修道院付属の公園で〈花々と環境〉という週末をはさんだ4日にわたるイヴェントがあるので行ってみました。色々な草花と植物や室内と庭に置くアクセサリーなど、120もの専門業者が仮店舗を出していました。

  

修道院 ・ 公園の一部

  

イヴェント会場 1 & 2 

会場には2、3の飲食ができるスタンドもあり、いささか変わったものを食べました。豚のあばら肉を比較的低温で7、8時間煙で燻しているそうです。ケチャップで食べます。それと七面鳥の肉をほぐした料理。付け合わせはバターをぬった黒パンと温かいザウアークラウト(酢漬けのキャベツ)です。

  

肉を燻すための調理器具 ・ 料理 

野趣のある荒っぽい味ですが、それなりに美味しく食せました。天気の良い日に外で食べた、ということも味覚に関係しているでしょう。

 

〔2017年5月〕〔2023年6月 加筆・修正〕

 

  

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