ヴェーザー川の流域はヴェーザー ・ ベルクラント (ヴェーザー山岳地帯) といって川と丘陵が織りなす静かな風光明媚な所です。地形と景色の良さに加えて、昔は主に川運によってヴェーザー ・ ルネッサンスと呼ばれる文化が花咲いたために、お城や教会や由緒ある建造物が数多く残っているので、今は自然と歴史を愛する人たちの観光地になっています。
そのヴェーザー山岳地帯の外れに、アペレルンという名の小さな町あります。町は小さいにもかかわらず、ここには立派な城館がふたつもあるのです。そのうちのひとつ、フォン ・ ミュンヒハウゼン ・ アペレルン城館に行って来ました。
城館 1 ・ 城館 2
入り口
フォン ・ ミュンヒハウゼン男爵がシャウムブルゲル伯爵からこの地に騎士農場を与えられたのは14世紀で、こんにちまでフォン ・ ミュンヒハウゼン家の本拠地です。現在の水城館は16世紀の中頃に建造されて、18世紀後半、19世紀の後半、そして20世紀の初めに増築や改築が行われました。21世紀の初めには大々的な修復がなされたそうです。
中庭 1 ・ 中庭 2
中庭 3 ・ 中庭 4
中庭 5 ・ 中庭 6
中庭から見る入り口
夏の間は中庭と裏庭を見学出来るというので中庭に行ってみると、まず咲き乱れる花々に圧倒されました。50歳代と思われる品の良い主人が現れたので、一応見学の許可を得ると、「どうぞ、どうぞ」 とジャスチャーをしてくれました。中庭で30歳ぐらいの太った男性が花に水をやっているので、使用人だと思って話しかけて花壇の美しさを誉めました。ところが、この人はこのお城の主の息子だったのです。世が世なら若殿様ですね。彼曰く、「当城館は個人所有ではあるが、文化財として経済的な公的援助を受けているので、少なくとも一部を一般公開することが義務付けられているのでござる。何度か増改築されたので、違う建築スタイルが混在している。母上が、暗く陰鬱になりやすい中世の建物を少しでも明るくしたい、と思って多くの花を栽培しているのでござる。」
裏庭からの景色 1 ・ 裏庭からの景色 2
裏庭からの景色 3
この男性、それ程長くない会話の中に、「母上」 という言葉が数回出て来ました。まだ独身のようだし、もしかしたらマザコンか知らん。見学者が訪れるほか、中庭に面する建物のひとつで、時々、婚礼パーティーなどが行われるそうです。
催し物が出来る場所 ・ 霊廟
裏山に入っていくと、1600年頃にヴェーザー ・ ルネッサンス様式で建造された、32世代にわたるフォン ・ ミュンヒハウゼン家の霊廟があります。100年ぐらい前まで実際に使われていたそうです。
ところで、今日は妻の仕事が忙しくて一緒に昼食をとれないので、近くのスーパーで買ってきたものを一人で食べました。
3種の植物の芽
植物の芽のサラダが面白いので試してみました。左から、フッと青臭いムラサキウマゴヤシ、辛い二十日大根、少し辛くて繊細な口当たりのブロッコリーです。妻の手作りの白味噌に甘酢を混ぜたものをつけて食べました。どの植物の芽もあまり美味しくありません。もしかしたら、そのまま食するのではなくて薬味として野菜サラダにふりかけるのでしょうか。
アウフラウフ
馬鈴薯のアウフラウフはドイツの家庭料理で、肉やハムやパスタや野菜などを馬鈴薯といっしょに積み重ね、ホワイトソースをたっぷりかけてオーブンで焼きます。フランス料理のグラタンと同じようなものです。買って来たアウフラウフにはブロッコリーだけが入っています。見た目ほど重くなくて、結構美味しくいただけました。
レシュティ または ロスティ
レシュティまたはロスティは、主に粗くおろしたジャガイモの、生か茹でたものから作られるスイス料理です。基本的にはジャガイモのみから成るのですが、地方によっては、ベーコン、タマネギ、チーズ、リンゴまたは新鮮なハーブなど多くの食材を追加することもあります。甘いサツマイモで作られたのがあったので試してみました。うーん、私はやっぱりジャガイモにベーコンとタマネギが入ったのが好きですね。
アイスコーヒー と チャイ ・ ラッテ
飲み物は、冷たいアイスコーヒー (ラッテ ・ マキアート) と粉末を熱湯に溶かすチャイ ・ ラッテ (ヴァニラ + シナモン味)。どちらも私の好きな飲み物です。
[2020年7月]