お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

ヴェルフェン城

2020年03月30日 | 旅行

ヴェルフェンとは8世紀以来のドイツの由緒ある王族で、現存するこれ程古い王族はヨーロッパには他に2つあるだけです。

ヴェルフェン城は当初ハノーファー王国の本拠として計画されましたが、プロイセン王国に併合されたため、1866年に建設工事が中断されてしまったのです。その後、国王の城館として使えないその建物は、数部門にまたがる工業技術学校にしようということで、1876年に改築されました。そして当時まだ新しい電気工学などの学科が増えるにつれて、改築や増築がされていったのです。1879年には王立の工業大学になりました。第二次世界大戦時の空爆でこの大建造物は著しく破壊されたのですが、すぐに再建され、戦後もだんだんと学部数と学生の数が増えるに伴って大学の校舎群が出来ました。お城の中に留まったのは、一部の学部と大学の管理部門だけです。かつて64人の学生で始まった工業技術学校は、現在9学部と2000名以上の研究者、そして23000人の学生を擁する総合大学になり、今世紀の初め頃には175周年を祝いました。

 

遠景 1 ・ 遠景 2

 

正面 ・ 正面 (斜めから) 

 

側面

ヴェルフェン城は私の住むハノーファー市の北西部にあります。歴史を感じさせる堂々とした建物で、その裏には市民の憩いの場になっている庭が広がっています。

 

裏面 ・ ガラス扉の向こう

 

お城の向かいにある公園 ・ そこの花

残念ながらお城の中には入れません。なぜなら、武漢肺炎に対するドイツ政府及びニーダーザクセン州の政策によって小中高等学校と共に大学も閉鎖されているからです。大学の付近には学生はもちろんのこと、人がほとんどいません。ドイツは国民にかなり厳しい外出制限を課しているのです。

ちなみに、ドイツ政府が発表したガイドラインを和訳したものが在ハンブルク日本国総領事館から送られて来ましたので、そのままコピペします。

3月22日,メルケル・ドイツ首相は,新型コロナウイルスの更なる拡散を防止するために,連邦政府と各州政府の間で合意した,新たなガイドラインを発表しました。
これは3月12日に発表したガイドラインをさらに拡大して,ドイツ全土において,統一した社会生活上の接触制限措置を定めるものです。
なお,各連邦州の防疫措置については,在ドイツ日本国大使館ホームページに順次掲載されていますので,併せご確認ください。
1 同居家族等以外の他人との接触は絶対に必要な最低限とすること。
2 公共空間において,他人との距離を必ず最低1.5メートル,可能であれば2メートル以上とること。
3 公共空間における滞在は,単身か,または家族以外の1名,または家族の同伴に限り認められる。
4 職場への通勤,緊急時ケア(託児,高齢者介護等),買い物,通院,試験や会議等重要な日程,他者の支援,個人によるスポーツ,屋外での新鮮な空気を吸うための運動やその他必要な活動のための外出は,引き続き認められる。
5 ドイツにおける深刻な状況に鑑み,グループによるパーティーは,公共の場所か私的な空間(住居)かを問わず許容されない。秩序局または警察が取り締まり,違反行為には罰則が適用される。
6 すべての飲食店は閉鎖する。ただし配達サービスや持ち帰り等により,個人が自宅で飲食するための料理の販売は例外。
7 理髪業,美容サロン,マッサージ業,タトゥー業など,身体のケアに関わるサービス業は,近距離での身体の接触を避けられない職種であり,本ガイドラインに合致しないため,すべて閉鎖する。ただし,医療上必要な治療は引き続き認められる。
8 人々との接触があり得るすべての現場については,公衆衛生に関する規則を守り,従業員や訪問客に対する効果的な保護措置を実施することが重要である。
9 上記の措置の適用期間は最短2週間とする。

ということで、当然学生食堂も閉鎖されています。それでスーパーマーケットのケーキを持ち帰りました。イチゴケーキと芥子の実ケーキです。

 

イチゴケーキ ・ 芥子の実ケーキ

カフェで注文すると生クリームがどっさり付いてくるのですが、自宅で食べるとその点は少し健康的です。イチゴケーキは甘すぎることなく、イチゴが新鮮で美味しい。私は芥子の実ケーキが好きです。たっぷりの芥子の実が硬めのクリームに練り込まれているのですが、その口当たりと甘さがいいのです。ちなみに、ケーキを載せている皿は、陶芸を趣味とする妻の作品です。

お城の中にある大学というと、ドイツではボン大学もそうです。他にもあるかもしれませんが私は知りません。日本では、昔金沢大学が城内にありましたね。

ところで、厳しい外出制限がある中での妻と私の生活ですが、なるべく他人と接触しないようにしています。一日に一度新鮮な空気を吸いに外に出るときも、人が少ないところを選んで散歩をします。買い物も週に一度か二度に制限し、レストランもカフェも、街のデパートも商店も食料品店以外は全部閉まっているので用事だけ済ませてすぐに帰るのです。スーパーマーケットでは客同士が近づかないように勘定場の床や展示ケースの前に黒黄のテープを張って立ち位置を示しているし、レジ係と客の間に透明なプラスチックの板を立てたりしています。

 

勘定場の床 ・ 展示ケースの前

私たちは有難いことに、毎日出勤する必要はないし、経済的に生活が脅かされることもありません。それにしても外出制限は何かと不便ですし、世間には閉塞感が蔓延しています。早く収束して欲しい事案ですね。

 

[2020年3月]

 

 

 

 

 

 

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ラインベク城館

2020年03月22日 | 旅行

ラインベク城館は16世紀の後半にオランダ式ルネッサンス様式で建造されました。17世紀の中頃から19世紀の後半までは当地の王家の代官所でしたが、役所が移転した時に売りに出され、その後はいろいろなことに使われて来ました。まずホテルになり、そして教会が運営する保養所になったのです。1939年にハンザ同盟都市ハンブルクが お城を手に入れてからは、〈海外と植民地における林業の国立研究所〉が城内の部屋を利用するようになりました。その後20世紀の後半にラインベク市が購入して原型に忠実な修復を施して以来、お城はこの地方の住民のための文化及び情報センターとして役立っているようです。

 

お城の遠景 1 ・ お城の遠景 2

 

お城の遠景 3

門を入って並木の登城路を歩いて行くと、レンガ造りのコの字型建造物があります。これがラインベク城館なのです。すぐ横には小さな湖があります。

 

登城路 ・ 城館 1

 

城館 2 ・ 城館 3

入場料を払うためにカウンターに行くと、どういう風に見学したいか訊かれます。ひとつは携帯音源を借りて各部屋を見学しながらお城の歴史を学ぶ。もしくは音源なしで自分勝手に見て歩く。もちろん入場料が違うそうです。私は自分で勝手に見て歩く方にしました。

 

階段と吹き抜け

 

内部の部屋 1 ・ 内部の部屋 2

内部の部屋 3 ・ 内部の部屋 4

城内には 2、3 の味わい深い小部屋の他に、コンサートや会合などに使える大小の、内装がシンプルな部屋がたくさんあります。ちょうどアンネ・フランクに関する展示会を開催しているし、立食パーティーをしているグループもいます。ラインベーク市はこれらの部屋を短期賃貸ししたり、お城の図柄が印刷された雨傘やカップを売っています。活気のある運営がなされている城館のようです。

 

記念品の販売 ・ レストラン

さて、お城の一角に城館レストランがあります。

特に窓ガラスに歴史を感じる、簡単な内装の空間です。モダンジャズが流れていて、若い男女の給仕が良い感じでサーヴィスをしてくれます。

まず、野菜がほんの少し入った、ほのかにトマト味がする生チーズが出て来ました。旨い。同時に供されたオリーブの実を焼き込んだパンは特に美味しいというわけではないのですが、変わっていて面白いですね。

 

生チーズとパン

喉が渇いていたので、ノンアルコール・ビールを特に美味しく飲みました。

前菜は、〈白色のトマトクリームスープ、ジャガイモの巣の中の海老、バジル油〉。バジル油の風味は感じられませんが、全体的にかなりの美味です。海老をひも状に切ったジャガイモでぐるぐる巻きにして揚げてあり、これが特に美味しいのです。

 

前菜 ・ メインディッシュ

メインディッシュは、〈イノシシ肉の焼きソーセージ、ポテトのネギ入りピューレ、肉汁〉です。ソーセージは野生臭はないものの、残念ながら肉の旨味がさほど感じられなくて塩辛いのです。でも、肉汁ソースをピューレに絡め、肉と一緒に食べると旨い。私は本当はピューレはあまり好まないのですが、、、、、。付け合わせとして茹でた根菜と生のサラダ菜が添えられています。根菜はヤワヤワやグチャグチャではなくて程よい硬さを保っているのがよろしい。さらに、上にのせた揚げ玉葱が肉にとても良く合うのです。

日曜日なので誕生会などがあり、テーブルはほとんど予約で埋まっていましたが、私は開店と同時に入店したので、混み始める頃には食事を終えました。

ラインベク城館には催し物用の部屋やホールがたくさんあって、室内の装飾や家具類はあまりたいしたことはありません。例えばコンサートか何かの催し物に参加して、その後レストランで食事をし、庭と湖岸を散歩するというのがいいかな、と思います。残念ながら古城としての魅力には欠けます。

 

[2020年3月]

 

 

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アーレンスブルク城館

2020年03月12日 | 旅行

英国風の庭園を持つアーレンスブルク城館は、北ドイツの港町ハンブルクの中心部から北東に約30㎞離れた所にあります。この領主の館は16世紀の後半に、デンマーク王の公使であったペーター・ランツァウという人物により、複式家屋として築かれました。4本のエレガントな塔と掘割を持つこのお城の内装は、高価な洒落たルネッサンス風に設備されているそうです。

 

城館への橋 ・ 7時の位置から 

ランツァウ家が7世代にわたって住んだ後、18世紀の中頃に新しい所有者シンメルマン家がお城を後期バロック様式に改築させました。その後ホルシュタイン公爵領の大農場文化における社交界の中心になり、デンマークのクリスティアン王VII世が何度も訪れたそうです。つまり、アーレンスブルク城館はこの時代に全盛期を迎えたことになります。

 

正面 1 (6時の位置から) ・ 正面 2 (6時の位置から) 

シンメルマン家もまた7世代にわたって所有した後、アーレンスブルク市民の積極的な支援があって地元の貯蓄銀行が城館を買い取り、20世紀の前半に城内博物館を開設しました。その後第二次世界大戦の潮流の中で1941年に博物館は閉館となり、そこにあった家具などの在庫品は安全な場所に移され、城館自体は偽装網で被って隠されました。こうして戦争による破壊を免れた建物は1943年には野戦病院として、1944年には海洋研究所として利用されたとのことです。そして戦後、英国軍の司令部だった短期間を過ぎてから400名以上の戦争難民を収容し、1947年から1954年まで職業訓練学校でした。広範囲な修復を経て再び博物館が開館したのは1955年で、その営業は今日まで続いています。この城館博物館では、シュレスビヒ・ホルシュタイン州における貴族文化の紹介に重きを置いているようです。

 

正面 3 (6時の位置から) ・ 5時の位置から

今世紀になってからお城の建物は大々的な修理と改築がなされ、お堀は泥さらいされ、庭園の整備が行われました。城館は、あるグリム童話の映画化のときの撮影地になった事があるし、定期的に祝祭やコンサートを開催しています。

 

3時の位置から ・ 2時の位置から 

アーレンスブルク城館は白色の美しいお城で、かなり映える外観です。小雨の降る中、お城の周りをぐるりと一周してみました。今までの経験から、城内の内装も何を展示しているかも大体想像がつくので内部は見学しませんでした。

裏正面 (12時の位置から) ・ 10時の位置から 

お掘をはさんで、農場経営をしていた頃の名残の製粉所があります。ランツァウ家が城館と同時期に建築し、それを賃借した製粉業者がアーレンスブルク大農場の為に何世紀にもわたって穀物を製粉していたそうです。建物は何度も増改築され、こんにちの姿は1858年のものです。1920年代まで操業していましたが、今は個人所有なので見学不可となっています。

 

製粉所

さて昼食ですが、営業しているレストランがお城の近くに見当たらないので、帰路にアウトバーンのサーヴィスエリアで摂ることにしたのです。

カウンターの後ろで給仕してくれるおばさんに、フリカデル(揚げた肉団子)とフライトポテトと焼き野菜を皿に盛ってもらいました。そしてビュッフェから好みのミックスサラダを作りました。フリカデルは普通ケチャップか辛子を付けて食べるのですが、そのまま食べてみました。私には少々塩辛すぎたのが残念です。付け合わせの食べ物とサラダは可もなく不可もなし、といったところです。

 

フリカデルなど ・ サラダ

特に不味いというわけではないのですが、空腹を満たすだけの昼食になりました。

 

[2020年3月]

 

 

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