お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

スイスホテル 南海大阪

2019年04月30日 | 旅行

日本に一時帰国して翌日台湾に発つときに宿泊した、大阪の難波にあって関空へ行くのに大変便利なホテルです。

   

客室から 昼 ・ 客室から 夜

私はこれまでにも何度か利用したことがあるのですが、数年前、私の住むハノーファーのすぐ近くにあるゴスラー出身のスイスホテル女性社員が、2年間の予定で研修に来ていました。あの人、今どこにいるのかな?

ドイツの食生活から台湾料理に移るつかの間の一夜、ホテルのレストランで典型的な和食を食べました。

和装の女性と黒いスーツの男性が、きびきびとサーヴィスをしてくれます。

飲み物は、東広島市の「賀茂鶴」を代表する「特製ゴールド 大吟醸」です。

 

大吟醸

先付けは、小蛸柔煮、菜の花、花びら百合根。小鉢に、桜豆腐、蚕豆、くこの実の旨出汁ジュレかけ。四角い食器に、草胡麻浸しと糸花鰹です。もちろん、季節の桜が添えてあります。

      

先付け ・ 吸物

熱々の吸物には、帆立黄身真丈、鶴菜、青さ海苔、花びら人参、そして木の芽が入っています。

本日のお造り盛り合わせは、シマアジとその皮、鯛、マグロで、大葉、山葵、芽紫蘇が添えてあります。季節柄、タケノコの皮も。お造りの食器には手前に桜模様が見られますが、向こう側は紅葉の模様です。秋には向きを変えて使用するのでしょう。合理的ですが、趣を削がれますね。

   

私のお造り ・ 妻のお造り

メニューの「組肴」の項には、本日の焼き魚として野生の鯛、酢取り野菜、若牛蒡浸し、薄揚げ、松の実、オーガニックフィレステーキ、添え野菜、和風ソース、粒マスタード、と列挙されています。

   

組肴 ・ 揚物

 

ほうじ茶

揚物は天婦羅の盛り合わせです。ほうじ茶の湯飲みに桜の文様。

炊合せの椀に、春大根、鶏つみれ、六方芋、隠元豆、桜麩、木の芽です。ここにも、季節に合わせた春大根や桜麩などが供されました。 

  

炊合せ ・ 食事

「食事」として出されたのは、サーモンとカンパチと海老の握り寿司と細巻き寿司の盛り合わせ。そして留椀。添えられた味噌汁を「留椀」というのですね。

  

水物

デザートは季節の果物盛り合わせの水物で、アマオウとそのゼリーでした。お茶は、今度は煎茶です。

さすが和食。食材と食器と盛り付けに、季節感をしっかり感じられる夕食になりました。

翌朝、台湾に向けて関空へ。

  

関西国際空港行のラピード号

 

[2019年4月]

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホテル べレポク (美しい時代)

2019年04月03日 | 旅行

世界的に有名な温泉地バーデンバーデンは19世紀にその全盛期を迎えました。諸外国の皇帝や国王は政治の激務の骨休みに訪れ、たくさんの文筆家や芸術家が群がるように来て、当地での滞在記を書いたりこの地の痕跡を彼らの作品に残しました。その他、オーストリア・ハンガリーの皇妃エリザベス (シシ) も来たことがあるそうです。

そのバーデンバーデンに、企業家でもある男爵が19世紀の後半に居城を建設することに決めたのです。そしてそれは保養都市の静かな住宅地に建つ優雅な堂々とした建物になりました。ホテルのパンフレットには次のように書いてあります。

「特にフランスの富裕層が多く訪れ、フランス語が話されたため、今でも街のあちこちにパリの雰囲気が感じられます。このホテル・べレポクは、バーデンバーデンが “ヨーロッパの夏の首都“ と呼ばれた、華やかなその当時の名残です。こんにち、20の客室をもつこのホテルで、その “美しい時代“ を自身で体験してみて下さい。」

ドイツでは非常にまれなネクタイと背広を身に着けたタクシーの運転手が言うところによると、夏の観光シーズンにはアラブの大富豪が家族を連れて来て2、3週間豪遊するそうです。驚いたことに、帰りのタクシードライバーはネッカチーフをネクタイのように巻いて背広を着ていました。なんだかこの町の雰囲気は違いますね。

   

ホテルの正面 ・ 入り口

   

エントランスホール ・ 廊下の装飾

  

ホテルの裏面 1 ・ ホテルの裏面 2

  

裏庭

ホテル・べレポクは静かな住宅街にあり、同様の建物がまわりにたくさん建っています。レセプションの若い親切な男性が節度のある接客をしてくれます。この男性、昔ユーゴスラビアの一部であったクロアチア国出身で、ドイツに6年住んでいるそうです。彼の祖国の様子を尋ねると、窃盗と役人の汚職がはびこり、一般国民は貧しい生活をしているとのこと。彼も、母親に毎月送金しているそうです。

ホテルの建物ですが、内装のすべてが古風で、昔に迷い込んだ感じです。あちこちに見られる絵画などの装飾品がいい空気を演出し、ピアノ曲が静かに流れています。

   

サロン 1 ・ サロン 2

このホテルの客室はすべて19世紀の雰囲気を再現したものだそうです。

レセプション係のクロアチア人男性が私の部屋をダブルのシングルユースにアップグレードしてくれました。

   

私の部屋 1 ・ 私の部屋 2

私の部屋もロビーや廊下と同様にレトロで、絵画や装飾品があります。シューベルトの石膏像が机にあり大きなシューベルトの絵がかかっているのは、この部屋に彼が泊まったのかな? そんなことはないか。

当ホテル・べレポクは朝食だけしか供しないので、夕食は約100メートル離れた姉妹ホテル「デア・クライネ・プリンツ = 小さな王子様」のレストランに予約を入れてもらいました。

  

レストランの外壁に描かれた大きな絵

フランスの地方料理を供し、一応グルメレストランとされているようです。静かなピアノ曲が流れる良い雰囲気の中、感じの良い中年おじさんと若者がサーヴィスしてくれます。

   

レストラン内部 ・ テーブルセッティング

ヴァイツェンビールのアルコールフリーがなくて、ピルスのそれにしました。やはりピルスは苦みがあってキレがありますね。でも、私は苦みがなくてフッと甘味を感じるヴァイツェンの方が好きです。

   

お通し ・ パンとバターとサワークリーム

お通しにテリーヌ。給仕の若い男性に、

「このテリーヌは何のテリーヌですか。」

「すぐに聞いてきます。」・・・・・・「海の魚のテリーヌだそうです。」

私が知りたかったのは、何の魚介類であるか、なんだけどなー。

その魚のテリーヌを、イクラと味が薄いマヨネーズで食べさせます。ホウレン草などを使った切断面の模様は面白いのですが、なんだかグッとくるものがない味です。いっしょに出てきた自家製のパンとサワークリームが旨い。

前菜は、ロブスターのテリーヌに鱒のキャビアクリーム添えです。ロブスターの固形が結構入っていて、その繊維の口当たりが良いし、クリームが特に美味しいのです。サラダはソースの酸っぱさが直接的で、まぁまぁですね。

   

前菜 ・ 主菜

メインディッシュは、サフランソースで食すアンコウのメダイヨン (円形に切った肉片) です。赤色米と温野菜が付いています。アンコウに片栗粉を極薄くまぶして焼いているのかな。表面のとろみにソースがからんで美味しい。温野菜の信号機色が鮮やかで美しい。赤色米は不味いし硬いですね。私はバティマスライスの方がいいと思います。

  

デザート ・ チョコレート

デザートには「シンフォニー・小さな王子様」と名前が付いているので、好奇心で注文してみました。内容は、チョコとバニラのムース、イチゴ、パイナップル、ジャムです。全部知っている味だし、、、、、デザートはなくてもよかったなー。

食後のコーヒー用にチョコレートを出してくれましたが、もう何も口に出来ないほど満腹になりました。

グルメレストランとされているこのレストラン。雰囲気もサーヴィスも結構で、味は良い方だし盛り付けが美的に凝っていると思います。わりと満足度の高い食事が出来ました。難点は宿泊するホテルから少し離れていることです。夜、外に食べに出るのはおっくうなのです。

   

朝食部屋 ・ 朝食のビュッフェ 

朝食の内容はごく普通ですが、銀食器と布製のナプキンが良い気分にしてくれます。ティーポットの熱い取っ手に、カバーをかけてくれる心遣いがいいですね。

  

私の朝食

年をとったからか、ホテルにしてもレストランにしても、こういうレトロな雰囲気が心地良くなってきました。

今日はローカル列車で「シュヴァルツヴァルト = 黒い森」を横切って、ドナウエッシンゲンという、斉藤茂吉ゆかりの小さな町で講演です。

 

[2019年4月]

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする