お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

ザコパネ

2023年03月31日 | 旅行

今回はお城ではありません。ポーランドの南端、自然国境タトラ山脈でスロヴァキアと接するところにある町ザコパネの話です。我々はここをベースにして、タトラ山脈で1週間の山歩きをします。

ザコパネは、昔は羊飼いと牛飼い、農民、そして木こりが住む小さな山間の集落でしたが、19世紀末になると鉄道網が整備され、庶民に旅行を楽しむ習慣ができたために観光客が来るようになり、その後、ポーランドの建築家や芸術家らの注目を集め、この地で活動を行う者が増えたとのことです。現在の人口は3万人弱で、ポーランドではよく知られた避暑地および保養地。冬はスキー場として有名な町です。ザコパネは二つの非公式な名称を持っているとのこと。ひとつは〈タトラ山脈の首都〉、もうひとつは〈ポーランドの冬の首都〉だそうです。毎年約3百万人の訪問客で賑わうようです。

 

タトラ山脈 と ザコパネの周辺

私たちが借りたアパートメントは、町の繁華街に面してます。

 

繁華街 (アパートメントのバルコニーから写す)

繁華街やマーケットを歩くと目に付くのが、ザコパネの名産品、オスツィーペックと称されるスモークチーズです。味はかなり癖がありますが、慣れると美味しいのです。私は、そのやわらかいスルメに似た食感が好きです。

  

オスツィーペック (俵形) を売る屋台 ・ オスツィーペック (他の形)

さらに目についたのは、芯にパン生地を巻いて焼いて、まわりにチョコレートやココナッツなどをコーティングしたお菓子です。注文して少し時間がかかりますが、熱々を買えます。これが結構美味しいのです。

 

カカオをコーティングしたお菓子

ここは山岳地方なので雑味のない冷たい水が美味しくて、その水で炊いたご飯が旨い。さらに野菜が美味で、何を食べてもその野菜の味をしっかりと味わえました。

山歩きに関して西ヨーロッパとは違う点があります。たとえば、トレッキングコースの入り口に料金所があって、入山料(2人で250円)を払います。そして、この山脈には熊が出るので注意書きがあります。

  

料金所 ・ 注意書き

山道は石でガタガタのところが多くて、何とも歩きにくかったのです。

  

トレッキングコース ・ その道

村から入山口へ、そして、ある入山口から別の入山口へと小さなバスが走っていて大変便利なのですが、バスのドアを自分で開閉して乗り降りするのは田舎っぽくて微笑ましく思いました。

夏のザコパネは避暑地という性格が強く出ているようで、おだやかな遊歩道がたくさんあり、家族づれや学校の遠足や修学旅行、そして大人でもグループが多いようです。

遊歩道端には、ザコパネ・スタイルと呼ばれる伝統的な木造家屋のほかに、キリスト教の〈祠〉が比較的頻繁に立っています。ポーランド人は敬虔なカトリックであるようです。決して豊かではないようですが、みんな寄り添って仲良く暮らしている感じがして、和やかな気持ちになりました。

  

伝統的木造家屋 1 & 2 

 

  

〈祠〉 1 & 2 

  

木造の教会 ・ トイレの表示

西ヨーロッパの有名な山岳地方に比べて圧倒的に外国人が少なく、ポーランド人の観光客がほとんどのようです。やはりその国の人が多いのがいいですね。日本人が珍しいらしく、ジロジロと見られますが、ヨーロッパでもっとも親日的な国らしく、敵意を持った視線では決してありません。

ポーランドはEU圏ですが通貨は独自のものを使っています。物価がドイツの半分以下で、びっくりしました。

物価が安くて親日的なポーランド。ぜひまた訪れたい国です。

 

〔2016年7月〕〔2023年3月 加筆・修正〕

 

 

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ヒュースブルク修道院

2023年03月29日 | 旅行

ザクセンアンハルト州のハルバーシュタットという都市近郊の深い森に、木々で覆われた315メートルの小山がそびえ、その頂上に敷地全部が石塀でぐるりと囲まれた建物群がポツンとあります。それがヒュースブルク修道院で、カトリック教会最古の、現代も活動するベネディクト修道会の修道院です。

 

修道院の航空写真 (出典: Wikipedia)

修道院の起源は8世紀の末頃にまでさかのぼります。この頃、スラブ人の攻撃から地域を守るために丘の上に軍事基地が建設されました。かつての環状石塀の残骸を今でも森の中に見ることができます。

 

入り口へと続く石塀 ・ 入り口の門

 

門を入った所 ・ 門を中から見る

 

庭園 ・ 庭園から見る建物群

その敷地内に11世紀の後半、男性の修道院が建てられたのです。そしていくつかの新しい修道院の建物と教会が増築されましたが、その後の数世紀にわたって何度か略奪され破壊されたのです。例えば16世紀前半の農民戦争のとき、怒り狂った農民が修道院を全焼させました。また、17世紀前半の三十年戦争では数度にわたり残忍な攻撃と大規模な略奪がありました。

 

教会の外観 &

その後の時の流れの中で修道院は教区教会になり、19世紀前半に所有権の変更があってから第2次世界大戦勃発の2年前まで、修道院にはカトリック学校がありました。戦後2、3年して修道院の一部が東ドイツで国有化され、この地方の養護ホームとして使用されました。そして1972年に、ポーランドのベネディクト会修道院の支援を受けて旧東ドイツで唯一のベネディクト修道会が設立され、今日ヒュースブルクは国際的なベネディクト会衆の一部です。2004年以来、ヒュースブルク修道院は聖マティアスを祭るベネディクト修道会の修道院であり、ここハルツ地方で非常に人気のある見所になっています。

 

教会の内部 &

 

教会の内部 3 ・ 教会のパイプオルガン

私は2月の末に行ったのですが、気温は1度C。雪がちらつく、春まだ遠い日でした。

 

雪の中を歩く修道士 ・ 中庭

修道院は現代的な建造物が四角形を形づくる施設で、門を入ると中庭を挟んだ正面に立派な教会が見えます。入ってみるとちょうどミサの最中で、数人の修道士が歌うようにお祈りを捧げていて、セミナーか何かでここに滞在している人々が頭を垂れていたり、時折いっしょに歌ったりしています。私は一番後ろの席に腰を下ろし、そっと参加させてもらいました。

この修道院はかなり活発な活動をしているようで、ミサの他、色々なセミナーや会議、ゲストルームでの宿泊、院内の説明付き見学、そして修道士になりたい人の勧誘などがホームページに載っています。

ところで、ここには修道院カフェがあるので、喫茶をすることにしました。男性の修道院でもカフェのスタッフは愛想の良い中年女性二人です。久しぶりに紅茶ではなくミルクコーヒーにしました。寒い日なので熱々なのが美味しい。

 

カフェがある建物 ・ カフェの内部

お菓子は〈ドナウヴェレ (ドナウ川の波)〉にしました。カステラ風の生地にラズベリーのコンポットを焼き込んでおり、上部のチョコレートに波形が描かれています。少しばかり甘過ぎますが、手作り感のある美味しいお菓子でした。

 

ミルクコーヒーとお菓子 ・ お土産コーナー

カフェにはお土産売り場が併設されており、この寒空の中でも、結構客が訪れていました。

 

〔2023年3月〕

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シルダウ宮殿

2023年03月23日 | 旅行

ここ数年 (2016年時点で) 飛行機とレンタカーを使っていましたが、今年は自分の車で夏の休暇に行くことにしました。ザコパネというポーランドの南のはずれにある町で山歩きをします。しかしながら、ハノーファーから950kmも離れていて、いっ気に行くのは無理なので途中で一泊しました。

その地に選んだのがイェレニャ・グラという町で、そこにあるのがシルダウ宮殿です。〈シルダウ宮殿〉というのはドイツ語での表記で、ポーランド語では〈ヴォヤノフ宮殿〉といいます。シルダウ宮殿は17世紀初頭に建造されました。もともとはルネッサンス様式の水城だったそうです。そして30年戦争時に破壊された後、25年たって再建されました。18世紀前半から、宮殿を含む農場の所有者は頻繁に代わったのですが、そのうちの一人は宮殿をバロック風に改築させました。その後、プロイセンの国王が娘の結婚祝いに購入してゴシック様式に変えました。その次の所有者は第二次世界大戦が終わった年まで管理していたのですが、戦時中、宮殿は製紙会社で使役をさせられた捕虜の収容所となっていたそうです。戦争で壊されることはなかったとはいえ、終戦直後には荒らされて設備や調度品を略奪されてしまいました。戦後はポーランド共和国のものとなって、国の農業事業体の管理棟や休暇用の施設として使われました。しかしながら、建物の状態が悪くなって利用出来なくなり、その後廃墟になっていきました。そして20世紀の末ごろにポーランドとイタリアの合弁会社が宮殿を購入して改装しましたが、21世紀の初めに火災で内装が焼失しました。その後すぐに、宮殿を維持する会社が立ち上げられて所有者となり、宮殿とその庭園が根本的に改装されたそうです。こんにち、この素晴らしくきれいな歴史的公園とロマンティックな宮殿を含む施設は、ホテル・レストランと現代的な会議場になっています。

  

宮殿のある施設 ・ 宮殿の正面 

  

宮殿の裏面 ・ 宮殿の内部 

宮殿とは別の建物にあるホテルのパンフレットによると、11の豪華なアパートメントと81の快適な趣味のよい客室があるそうです。薄暗くてがらんとした感じのロビーにあるレセプションに、英語の良くできる女性二人がいました。

 

ホテルのロビー

私たちの客室は広い殺風景なツインルームで、花柄のソファー以外は時代を感じさせるかわいい家具が配置されています。電話とテレビはありますが、冷蔵庫は無し。浴用ガウンもスリッパも無し。手を洗う液体石鹸があるだけで他のアメニティーグッズは全く無しの、無し無し尽くしでした。

 

客間

レストランは昔の味を維持しようとしているらしいので、昔の味とはどんなものだろう、と楽しみです。16 ヘクタールある庭園を望むレストランのテラスで夕食をとりました。いつものように妻は赤ワインを注文しましたが、コクがなくて妙に辛い味なので不満足のようです。私のノンアルコールビールもコクがなくて残念でした。面白いのはその瓶で、一見栓抜きを必要とするような栓ですが、これがネジ栓なんですね。

  

庭園 ・ ビール

さて、前菜としてエビ入りの野菜サラダと牛肉入りのそれを注文しました。前者はソースが中華風ピリ辛で、豆の蔓、アボカド、マンゴ、パッションフルーツなど、面白い取り合わせの野菜と果物です。豆の蔓以外は美味しい。牛肉入りの方は、肉の焼き汁にバルサミコ酢を混ぜたような結構旨いソースです。ソースの他で美味しいのはドライトマトです。豆の蔓、缶詰のマッシュルームとアーティチョーク、そして食用花はまったく美味しくありません。

  

えび入りサラダ ・ ビーフ入りサラダ

メインのラム肉料理については、妻と私で意見が分かれました。肉が、私にはやわらかく旨いと思いましたが、妻にはパサパサで良くないとの評価でした。グリルした野菜は種類がたくさんあってよろしいのですが、花と豆の蔓は装飾としては面白いけれども不味かったのです。

  

ラム肉料理 ・ 魚料理

もう一つのメイン料理は魚です。何という魚かを給仕に訊きましたが、〈ポーランドの魚〉というだけで要領を得ません。おそらく淡水魚でしょう。鯉かな、とは思いますがはっきりとはわかりません。妻は美味しいといいますが、私には何だか臭いような気がしてそれほど旨く感じません。私は淡水魚が苦手というわけでもなく、アユもウナギもマスも好きな方ですが、この〈ポーランドの魚〉は感心しません。しかし魚の下にある、クスクスを指状に固めて揚げた付け合せは結構いけました。

全体的に、思っていたより美味しかった、という妻に反して、私には期待していたほど美味しくありませんでした。

朝食場がある2階建ての建物のエレベーターが面白いのです。上の階に行くのに、ボタンを押している間だけ動くのです。途中で止めても降りられないので意味がないと思います。このシステムの意味が分かりません。

 

1のボタンを押している間だけ上方に動く

朝食は基本的に西側諸国と同じです。違うところといえば、〈ソーセージ類が豊富〉、〈温かい料理多し〉、〈野菜のごった煮なんかもあり、しっかりした一食になる〉といったところでしょうか。油っこい料理が多いと思いました。偶然にグループ客と同じ時間帯に朝食をとることになって、ホールはごったがえしていました。

 

朝食ホール 

初めてのポーランドでしたが、西ヨーロッパとは少し違う興味深い経験が出来たと思います。食事があまり美味しくなかったのは残念ですが、、、、。

 

〔2016年7月〕〔2023年3月 加筆・修正〕

 

 

 

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ヴェステルブルク水城 (再訪)

2023年03月19日 | 旅行

10年前に一度3泊したヴェステルブルク水城ホテルを再び訪れました。

 

水城を上から見た図 (パンフレットより) ・ 登城門

途中通過して行く旧東ドイツの小さな町々には未だに荒れ果てた建物が点在していて、旧東ドイツの復興がまだ完璧でないのに驚きます。城のあるヴェステルブルク村の様子もあまり変わっていないようです。

 

城の外観 1 &

 

城の外観 3

初めて訪れた時ホテルは広い範囲で修復と改装の工事中でしたが、現在はもちろん全ての作業は終わっており、城の独特な形状は変わっていないし中庭の真ん中の鳩塔も健在です。ただ濠の水が無くなってしまい、水城とは名ばかりになってしまったのは大変残念です。

 

登城門の下から奥を見る ・ 第2の門の下から中庭を見る

 

中庭で見る城塔と鳩塔 ・ 城塔の傍の第2の中庭

フロントのスタッフは仕事が完全にルーティーン化しているようでテキパキと対応してくれますが、少々早口であまり心がこもっていない感じを受けました。以前は従業員に素朴な親切さを感じたのを覚えています。

もっとも、この度も

「荷物をお持ちしましょうか?」

と聞いてくれたし (断りましたが)、部屋まで案内してくれました。

 

中庭の様子 1 &

 

夜の中庭

10年前はスイートルームでしたが、今回は普通のツインルームのシングルユースです。広くてベランダもあり、結構良い部屋です。アメニティグッズなど色々そろっていますが、この価格帯のホテルには珍しく部屋に電気ケトルがありません。お茶を飲めれば良いのですが、、、、。

 

廊下

 

私の部屋 1 &

 

部屋のバルコニーから見る 1 &

この城の存在が学術的に実証されているのは14世紀の前半からだそうです。詳しい歴史を前回の投稿から引用します。

〔ヴェステルブルク (ヴェステル城塞) の創立は西暦775年頃であるといわれているが、確たる証拠はなく、神話の世界の話らしい。この地域のことは1052年の文献に記載されているが、城塞の存在が明らかなのは文献に基づく証拠から1335年である。日本では鎌倉時代が終わった頃だ。16世紀の末頃にはここで魔女裁判が行われたそうである。30年戦争の時、皇帝の軍隊が占拠していたヴェステル城塞は1630年にスウェーデン軍によって包囲攻撃されたけれども、皇帝軍がすぐに降伏したため城は破損をまぬがれた。その後頻繁に所有者が代わったが、エルベ川以西がフランス領になった時代である1807年からの7年間は、フランス皇帝ナポレオン一世の妹である Pauline Bonaparte の所有であったそうだ。そして第2次世界大戦後の1945年に城塞はソ連の占領地に属することになり、ドイツ第三帝国東部だった戦地から逃げて来たり追放されて来たドイツ人の宿泊所となる。東ドイツ時代はこの地域の役所、幼稚園、学校、又は診療所など、多面的に使用されていた。そして東西ドイツ統一後の1990年から1999年まではレストランとして賃貸されていたが、1999年にレルヒェ夫妻の個人所有となり、大規模な再建と復元を経て2000年に〈ロマンティックホテル・ヴェステルブルク水城〉として開業した。その後もほぼ毎年改築及び改装を行ってホテルの充実を図ってきて、2008年の春にはサウナとスパの施設が増築された。〕

10年前と同じく〈マリー・パウリーネ王女〉という名前の、城内の雰囲気はありますが高級感がなく暗いのが気になるレストランで夕食です。テーブルの装飾もそっけないのです。スタッフのサーヴィスはフロントと同じで、ルーティーン感満載のいささか雑なものです。

 

レストランの入り口 ・ その内部

さて、飲み物はいつものようにアルコールフリーのビールにしましたが、寒い季節は美味しくありませんね。

 

アルコールフリービール ・ 玉葱スープ

前菜は〈自家製のフランス風玉葱スープ〉にしました。熱々で旨いのですが、ここでパンが欲しい所です。なぜなら、スープの表面に食パンのようなパンを載せていて、スープがしみ込んだパンと共に食べるフランス風玉葱スープもあるくらい相性が良いのですから。しかしながら、このレストランではパンが全く供されないのです。ほぼ例外なく、レストランではまずパンとバターなどのそれに付けるものが出るのですが、、、。

 

鹿肉の煮込み ・ 野菜サラダ

主菜はヌードルにかけた鹿肉の煮込みで、別の容器に野菜サラダが付きます。芸術性のかけらもない盛り付けの料理が出て来て、隅にラズベリーらしき果物のコンポットが少し載っています。鹿肉は臭みはないけれど少し硬い。ソースがかなり甘めです。私は甘味が好きなので美味しく感じますが、主菜の味としてはどうなんでしょうね。最大の難点は明らかに茹で過ぎで、柔らか過ぎるヌードルです。

デザートは?と思ってメニューを見ると、〈日本庭園のブロッケン〉 (ブロッケンとは魔女が住むというハルツ山地の最高峰、1141mのブロッケン山のこと。) というのがあっていたく興味をそそられましたが、すでに腹がくちくなっていたし、前菜と主菜の様子から大して期待も出来そうにないのでパスしました。代わりにエスプレッソを頼んだのですが、これも偽物感を抱くような品質で美味しくありませんでした。

10年前は料理長が挨拶に現れたり、今回再訪しようと思ったほど美味しい料理を提供したと記憶していましたが残念です。

 

SPAの施設 1 &

 

朝食

この静かな田舎にたたずむお城ホテルは建物と雰囲気が面白いし、屋内プールが大小二つあるほどSPA (「SPA」のもとになっているのは「salus per aquam」というラテン語で「水による健康」) が特に充実しています。そのため、それを目的とした宿泊客が沢山訪れ、ホテル全体がサウナというか熱された塩素というか、そんな臭いで満たされています。私のような、歴史を感じさせる居心地の良いホテルで美味しいものを食べたいだけの者には少々不満足感が残るお城ホテルです。もう再再訪はないでしょう。

 

〔2023年3月〕

 

 

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カステロ ・ アパートメント

2023年03月15日 | 旅行

私の自宅から2時間弱で行けるヴィンゼンという町で講演をするついでに泊まろうと思って、近くの〈お城ホテル〉を探してみると、この〈カステロ・アパートメント〉が見つかりました。カステロ (castello) とはイタリア語でお城という意味なので、ここを予約したのです。

ところが、実際は〈お城〉とは関係なく、カスタネア (クリ属) という名前の広大なゴルフリゾートの中にあるクラブハウスで、2階に7戸のアパートメントがあり、少し離れたところにあるホテルに属しています。まあ、建物が城の形をしている、といえば、そんな気もしますが、、、、、。

  

ゴルフリゾート ・ クラブハウス

有名なゴルフリゾートなのでしょうか、かなり遠方からの客もいるようです。クラブハウスに隣接して初心者用のコースがあり、レッスンを受けているグループがいます。私はゴルフをしたことがないので分かりませんが、結構むずかしいようですね。見ていると、一打目が、2、3メートルしか飛ばなかったり地面をコロコロ転がったりしています。

 

初心者の練習

比較的新しい広々としたアパートメントで、バスタブ付きの洗面所が付いています。トイレが別になっているのは、ヨーロッパでは大変珍しいことです。寝室と居間にテレビが一台づつあり、作り付けの洋服ダンスや引き出しなどの収納スペースがたくさんあります。居間は角部屋でベランダがあり、一角には調理台が設けられています。そこには清潔な炊事用具と食器類が十分あるので、このまま住めそうな居心地の良さです。

  

アパートメントに入って 左を見る ・ 右を見る

  

寝室 ・ 居間

  

ベランダ ・ 調理台

ホテルにも、このクラブハウスにもレストランがありますが、せっかく調理台があるので家から夕食を持ってきました。日本のレトルト食品のカレー、ご飯、そして妻が持たせてくれた野菜です。私は自宅で時々カレーを作りますが、レトルト食品のそれは家で煮込むのと違ってフッと化学薬品のにおいがしますね。カレーライスは私の好きな料理なので、それでもけっこう美味しく食べられました。

 

1日目の夕食

前日買い物に行けなかったので、朝食はありません。

昼はスーパーで買って来たサラダ (葉野菜とプチトマトと鶏肉) で、マイルドなヨーグルトソースをかけました。それとレモン味のお菓子と、これまたレモン味のバターミルクです。バターミルクといってもバターとは関係なく、発酵させた少し酸味のあるミルクです。

 

昼食

夕食はやはりスーパーで買ったドイツのレトルト食品で、ハンバーグステーキにタマネギソース、そしてやわらかめのマッシュポテトです。レトルト食品にしては思いのほか旨かったのです。特に肉は美味しく食べられました。飲み物は白湯です。デザートは果物の盛り合わせ (スイカ、キビ、パイナップル、ブドウ) でした。

 

2日目の夕食

チェックアウトの日の朝食は、果物がのった菓子パンとミルクとヨーグルトです。

 

朝食

せっかく自炊ができるのでしっかり料理をしようと思っていましたが、やっぱり出来るだけ手がかからない食事になってしまいますね。

チェックアウトの時に約10%高い宿泊料を要求されましたが、予約確認書を示して難を逃れたのです。フロント係のミスで、ひとランク上の部屋が私に提供されていたそうです。

「当方の手違いで失礼しました。申し訳ありません。」

「いえいえ、おかげで良い部屋に泊まれたのですからいいですよ。」

日本だとこういう会話になるのでしょうか。

ところがここでは、

「幸運で良かったですね。」

と、皮肉のような言いぐさ。日本で流行の〈おもてなし〉の精神はこの国にはないのでしょうか。

 

〔2016年6月〕〔2023年3月 加筆・修正〕

 

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