レーゲンスブルクに講演に行く途中、バンベルクに一泊しました。旧市街がユネスコの世界遺産になっている町です。
バンベルク 1 ・ バンベルク 2
バンベルク 3
こんにちバンベルクで「宮殿」と呼ばれる建物は、18世紀の後半に大学病院として建てられました。当時としてはヨーロッパでもっとも現代的な病院だったそうです。その後教育病院としての役割を終えて、19世紀前半に市民病院になりました。そして20世紀の後半、別の場所に新しい市民病院が出来たときから5年間、今度はホテルとして再利用されるようになるまで、この建物は全く利用されていませんでした。ホテルが開業して建物の改装が進むにつれて、だんだんと客室の数が増えていき、今では184の客室とスイート、10 のセミナールーム、レストラン、カフェ、リラクゼーション施設、そしてバロック風の礼拝堂がある、この町で最大のホテルです。
宮殿の正面 ・ 中庭
玄関と噴水 ・ 礼拝堂
ホテルの内部には、昔病院だった痕跡があちこちに見て取れます。例えば、廊下は広くて殺風景。ただ、こんにちの病院に比べて各部屋への入り口が狭いですね。昔のベッドは小さかったのかな?
階段 ・ 廊下
私の部屋はデラックス・ダブルなので広く、天井も高くて良い部屋です。ただ、暑い日なのにクーラーがなくて扇風機だけだし、使い込んだバスローブのひもがボロボロなのです。
私の部屋 1 ・ 私の部屋 2
ロビーに入り口があるレストランに夕食にいくと、人でごった返していて騒がしい。聞くと、会社ジーメンスのセミナーの参加者だそうです。かなり大勢いてバイキング形式で夕食をとっているようで、酒も入っています。驚いたのは、半分くらいがアジア系の人々なのです。中華系ですがどこの国民かは分かりませんし、ドイツの会社で働いているのか、わざわざドイツに来たのかも分かりません。人数が多いので、おそらくセミナーのためにドイツに来たのでしょう。そういえば、ジーメンスは戦前から中国と関係が深かったですもんね。
レストランの入り口 ・ 内部 (朝食時)
予約していたテーブルについて、先ずはノンアルコールのヴァイツェンビールです。パンと自家製ゴマバターが出てきました。ゴマバターといってもバターに黒ゴマを混ぜているだけで、ゴマを噛めばその風味が少しします。
私のテーブル ・ パンとゴマバター
前菜に、アスパラガスの新鮮な香辛料入りラグー(フランス風のシチュー)で満たしたパイを注文しました。ネギはハーヴ(薬味)のつもりかな。この国では珍しく、たくさんの生ネギを散らしています。メニューには「緑色と白色のアスパラガス」と書いてあるのに、供されたのは白アスパラだけでした。緑色もあったら美的によかったのに、、、。そしてラグーですが、きめが粗くて味も薄くてあまり美味ではありません。
前菜 ・ 主菜
6月はアスパラガスの旬なので、メインディッシュもアスパラ料理にしました。この地方で産出された白アスパラガス (250g) で、何を付けるかを、生ハム及び茹でハム、サーモン (160g)、ウィーン風シュニッツェル、子牛の背肉のステーキ (160g) の中から自分で選べます。私はウィーン風シュニッツェルにしました。子牛の肉を薄くたたいて、衣をつけて揚げた料理です。このアスパラガス。悪くはないのですが、シーズン中に私の自宅近くに立つアスパラ専門屋台で買うそれの方が美味しいような気がします。ハノーファー近郊はアスパラガスの生産で有名なのです。
ドイツ人はアスパラが大好きで、専用の湯で鍋があるほどです。人気のあるソースはホランデーゼといいますが、原料はバターとレモン果汁と卵黄で、塩と少量の黒コショウまたはカイエンペッパーで風味付けをします。
このレストランでは、ホランデーゼか溶かしたバターか、を選べるようになっていて、私はホランデーゼにしました。かなりカロリー値か高いのですが、本来美味しいソースなのに味があまりしません。スーパーで売っている出来合いのソースをそのまま出したのでは、、、と疑ってしまいます。同じ皿上のポテトは結構旨いのですが、ウィーン風シュニッツェルに絶望感を覚えました。というのは、衣の油をよく切っていないのか、アスパラの茹で湯が浸透したのか、衣がベチャベチャなのです。ああ、日本のトンカツの衣のパリパリ感がなつかしい。ウィーン風シュニッツェルなので子牛の肉のはずですが、やわらかくないし味自体も良くありません。
食事が不満足だったし、まわりがうるさいので、そそくさと部屋に帰りました。部屋にエスプレッソを作る器械があるので、部屋で食後のコーヒーを飲んだのです。
エスプレッソ ・ 朝食
朝食も同じレストランだったのですが、もうセミナーが始まっている時間だったので、普通の泊り客だけしかいなくて静かでした。外はいい天気で、ホテルの玄関の前の噴水を眺めながらの朝食。パンの種類が少なかったようですが、私がふつう食べるものは全部ありました。
このホテルはウェルカム・ホテルチェーンに組み込まれていて、ビジネスホテル風の接客をしているようです。歴史を意識した格調の高さがなく、レストランのレベルも低いし、私はある程度期待していたのですが、裏切られたような気がします。残念。
[2019年6月]