HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

DeepL翻訳でアメリカン・コミックスを読む㉒ 『サン・ガール』

2023年12月01日 | 海外コミックス

サン・ガール (Sun Girl)
初出:『サン・ガール』第1号 (1948年8月)

今やディズニーの傘下となってしまった、アメコミ2大巨頭のひとつマーベル社。スパイダーマンやアイアンマンほか数多くのスーパーヒーローを世へ輩出している事で知られていますが、創立最初からこの屋号ではありませんでした。1939年に創立されたタイムリー・パブリケーションズが発行したコミック誌『マーベル・コミックス』が現在知られるマーベルの (1961年より) 由来となっています。現在主によく知られるのは《マーベル》になった後のヒーローですが、コミック黄金時代のタイムリー時代、次の社名であるアトラス時代のヒーローは、リバイバルされたサブマリナーやキャプテン・アメリカを除けばほとんど知られておらず、長いコミック史の闇に隠れてしまっています。

そんなタイムリー時代のスーパーヒーローであるサン・ガールは、第二次大戦後の1948年に登場し、犯罪者やマッドサイエンティストらと戦っていましたが、主演誌が3号刊行されただけで消滅してしまいます。後にマーベル・ユニバースでもちょいちょい出てきたりしましたが、彼女が主役に返り咲くことは二度とありませんでした (2013年に同名の女性ヒーローが登場しますが)。掲載誌が3号で終わってしまっているため、コミックの中では彼女の個人的なキャラクターが示されず、メアリー・ミッチェルという本名が出たのはずっと後の事で、彼女は誰にもプライベートを見せることなく、腕にはめた太陽光線照射器と高い身体能力で、この世の悪と戦う姿を延々と紙の中で見せているだけでした。
























 

 




 


DeepL翻訳でアメリカン・コミックスを読む㉑ 『ジル・トレント:科学探偵』

2023年06月05日 | 海外コミックス

ジル・トレント:科学探偵 (Jill Trent, Science Sleuth)
初出:『ザ・ファイティング・ヤンク』第6号 (1941年12月)


女性の主人公が大活躍するコミックスといえば、大体が超能力もちか奇抜なコスチュームを着けたキャラクターが登場しますが、このジル・トレントは一見普通のお嬢さんなのですが、探偵で科学に強いという《能力》を持っています。推察力と頭脳で悪を懲らしめるという事です。この科学+探偵という要素は、なんとなくバットマンに通ずるものがありますね。

この女性版バットマン(マスクなし)は、本家と共通する点がもうひとつあり、それは同性の相棒である、デイジーと一つ屋根の下で一緒に住んでいる、という所です。当時は (多分) 誰も気に留めなかったでしょうが、LGBTQが叫ばれる現在の視点からみれば、これはかなり画期的だと思います (本人たちにその気がなくても) 。








DeepL翻訳でアメリカン・コミックスを読む⑳ 『ブルー・トレーサー』

2023年04月20日 | 海外コミックス
ブルー・トレーサー
初出:『ミリタリー・コミックス』第1号 (1941年8月)

スーパーヒーローではなく主人公たちが乗るメカが大活躍する、この当時ではたいへん珍しい作品。このころ日本でも海野十三や山中峯太郎などが書いた、空想科学兵器が活躍する軍事少年小説が多数出版されていましたが、これのアメリカ版だといってもよいでしょう。

陸・空・海どこでも行ける超兵器というと、押川春浪の『海底軍艦』みたいですが、案外洋の東西問わず考える事は同じものなんだな、と思いました。添え物で枚数も少なくストーリーもあってないようなものですが、それでも面白く感じるのはきっと、少年なら誰でも「ぼくがかんがえたしんへいき」を、心の中に描いた事があるからかもしれません。






DeepL翻訳でアメリカン・コミックスを読む⑲ 『ファントム・レディ』

2023年04月20日 | 海外コミックス
ファントム・レディ『美貌と頭脳』
初出:『ファントム・レディ』13号(1947年8月)


コミックス黄金時代を代表する女性ヒーローといえば、映画化もされているワンダーウーマンがすぐ頭に浮かびますが、裏の女性ヒーローだと言うべきキャラクターが存在します。それが彼女、ファントム・レディであります。

アメリカ上院議員のヘンリー・ナイトの、ひとり娘であるサンドラ・ナイトがその正体で、ひとたび事件が起きればファントム・レディに変身し、ポーチ型の黒色光線銃を武器に(照射された者は目が見えなくなる)犯罪者たちと戦うのですが、彼女が裏の女性ヒーローといわしめる要素、それは彼女のコスチュームにあります。ほぼ半裸のワンダーウーマンに比べれば露出度は低いですが女性らしいボディラインや、コスチュームの隙間から胸の谷間が見えていたりとかなり煽情的に描かれているのです。恋愛コミックスなど女性を描くのが得意であったアーティスト、マット・ベイカー(1921-1959)の作画によるもので、表紙に描かれたレディは子ども向け出版物とは思えないくらい艶やかであります。

しかし性を煽るようなファントム・レディの表紙絵は、保守的な「大人」たちの目に留まり1954年、暴力やセックスなど子供に「悪影響」を及ぼすような表現を規制する機関・CCA(コミックス倫理規定委員会)の誕生と共に、隆盛を誇ったコミックスの黄金時代は幕を閉じるのでありました。つまり彼女は自由を謳歌していたコミック表現に、とどめを刺した《魔女》だったといえるでしょう。














DeepL翻訳でアメリカン・コミックスを読む⑱ 『サリーは探偵』

2023年04月09日 | 海外コミックス
サリーは探偵
初出:『スパイシー・ディテクティブ・ストーリーズ』1937年4月号


コミック媒体には二通りあって、ひとつは誰もがイメージする雑誌形式。もうひとつは日本では紹介される事の少ない新聞漫画(コミックストリップ)があります。

今はサンプルがないのでわかりませんが、小説誌の穴埋め的に掲載されていたコミックがかつては存在していました。とくによく見かけるのは探偵小説誌。それも挿絵の数の多いスパイシーものでした。スパイシー雑誌とはセクシャル&ヴァイオレンス要素の多めなジャンルで、最初は艶笑譚や恋愛ものを載せた雑誌でしたが、次第にその意味が拡大されていき、探偵ものやホラーはいうに及ばず、ウエスタンや冒険ものにまで派生したのでした。

この『サリーは探偵 (Sally the Sleuth)』はスパイシー探偵小説誌に掲載されていました。見開き2ページというわずかなものでしたが、スパイシー物語の基本がちゃんと押さえられていて、このジャンルの何たるかを理解するのに最良な教材です。