今は動画共有サイトなどでルチャリブレの試合を手軽に観られるようになり日々進化していく空中殺法を目の当たりにする事ができる様になったが、ちょっと前までは動く映像でルチャを観ることは稀で(映像ソフトも少なかったし)もっぱら週刊ゴング誌でたまに掲載されていた解説付き連続写真を見、頭の中で技をイメージしていた。
ことルチャに関して週刊ゴングはその内容の濃さが抜群で、最新情報は勿論のことルチャ史や技術面などを学ばせてもらった。そして私が現在持っている知識のほとんどは週刊ゴングからといっても過言ではないだろう。
今回から数回に渡って(多分)やっていく超初級ルチャリブレ講座は専門外の方にルチャの楽しみ方をレクチャーするのが目的だが(偉そうで申し訳ない)自分の為の復習の意味もあるので、ルチャマニアの方には歯がゆい部分もあろうと思うがどうかご勘弁下さい。
ルチャリブレの試合を組み立てる際に最も重要な技といえば「投げ技」が挙げられる。とは言っても一発でフォールを奪うことの出来るスープレックス系の技ではなくアームホイップなどに代表される相手を投げ飛ばす「投げ技」である。
ルチャ用語ではこの一連のムーヴを「ランセ(Lance)」といい、スペイン語で投網を意味する。
ルチャのホイップ技はとにかく多種多様の入り方があり、ルチャドールたちは場面によってその投げ方を変化させる。
たとえば試合の序盤戦ではオーソドックスなアームホイップを互いに打ち合い相手の力量を計ったりし、試合の流れを変えたいときには独特の入り方や回転を加えたホイップ技を出すのだ。決して主役級の技ではないのだが、なくてはならないとても基本的かつ重要な技である。
1990年代に入るとランセの技術に劇的な変化が訪れた。投げる角度や技の入り方に多少の変化はそれまでにはあったが、なんとトップロープから飛びプランチャ系の技に入ると見せかけて相手をホイップするのだ。飛び技とランセの融合である。飛び技とランセの融合技の進化はさらに続き、21世紀に入ると今度は場外の相手へトぺやトルニージョ(旋回式プランチャ)と見せかけてのランセが登場した。大層難易度が高い技に思えるのだが、要はランセの基本がしっかりできていれば、どんな技の掛け合わせも可能、という事であろう。
ミスティコのような身体の小さな選手が使うのならばまだ理解できるのだが、エレ・ア・パークのような大柄な選手までもがこの技術を披露するので驚くばかりである。
伝統的かつ革新的な技術をもつルチャリブレ。満場の観客たちを驚かせるためにルチャドールたちは日々研究と鍛錬をこれからも続けていくに違いない。
●ランセの基本形。ルチャの序盤戦では必ず登場。
●ニンジャ・デ・フィエゴ(ケンドー)とイホ・デル・サントのランセ。試合展開を変えるときにはオリジナリティあふれる投げ方・入り方のランセが登場する。
●90年代に入り登場した飛び技とランセの融合技。TV映えする派手な技を求める時代が要求した技といえる。
●そして融合技はついに場外へと進化した…!いったいこの先どうなるのだろうか?
ことルチャに関して週刊ゴングはその内容の濃さが抜群で、最新情報は勿論のことルチャ史や技術面などを学ばせてもらった。そして私が現在持っている知識のほとんどは週刊ゴングからといっても過言ではないだろう。
今回から数回に渡って(多分)やっていく超初級ルチャリブレ講座は専門外の方にルチャの楽しみ方をレクチャーするのが目的だが(偉そうで申し訳ない)自分の為の復習の意味もあるので、ルチャマニアの方には歯がゆい部分もあろうと思うがどうかご勘弁下さい。
ルチャリブレの試合を組み立てる際に最も重要な技といえば「投げ技」が挙げられる。とは言っても一発でフォールを奪うことの出来るスープレックス系の技ではなくアームホイップなどに代表される相手を投げ飛ばす「投げ技」である。
ルチャ用語ではこの一連のムーヴを「ランセ(Lance)」といい、スペイン語で投網を意味する。
ルチャのホイップ技はとにかく多種多様の入り方があり、ルチャドールたちは場面によってその投げ方を変化させる。
たとえば試合の序盤戦ではオーソドックスなアームホイップを互いに打ち合い相手の力量を計ったりし、試合の流れを変えたいときには独特の入り方や回転を加えたホイップ技を出すのだ。決して主役級の技ではないのだが、なくてはならないとても基本的かつ重要な技である。
1990年代に入るとランセの技術に劇的な変化が訪れた。投げる角度や技の入り方に多少の変化はそれまでにはあったが、なんとトップロープから飛びプランチャ系の技に入ると見せかけて相手をホイップするのだ。飛び技とランセの融合である。飛び技とランセの融合技の進化はさらに続き、21世紀に入ると今度は場外の相手へトぺやトルニージョ(旋回式プランチャ)と見せかけてのランセが登場した。大層難易度が高い技に思えるのだが、要はランセの基本がしっかりできていれば、どんな技の掛け合わせも可能、という事であろう。
ミスティコのような身体の小さな選手が使うのならばまだ理解できるのだが、エレ・ア・パークのような大柄な選手までもがこの技術を披露するので驚くばかりである。
伝統的かつ革新的な技術をもつルチャリブレ。満場の観客たちを驚かせるためにルチャドールたちは日々研究と鍛錬をこれからも続けていくに違いない。
●ランセの基本形。ルチャの序盤戦では必ず登場。
●ニンジャ・デ・フィエゴ(ケンドー)とイホ・デル・サントのランセ。試合展開を変えるときにはオリジナリティあふれる投げ方・入り方のランセが登場する。
●90年代に入り登場した飛び技とランセの融合技。TV映えする派手な技を求める時代が要求した技といえる。
●そして融合技はついに場外へと進化した…!いったいこの先どうなるのだろうか?
嘗て「週間ゴング」を見て、ルチャリブレを妄想していた頃を想い出しました。
はじめまして。
ルチャ関係の記事でコメントをいただくのはとてもうれしいです。
GIFアニメをつくるのは大変ですが、これからもボチボチとやっていきたいと思います。
試合レポートだけでなく、技術解説までも載せていた週刊ゴング、休刊が惜しまれます。
私もルチャリブレが大好きなので、
大変興味深く拝見させていただきました。
おかげさまでルチャの奥深さを改めて痛感した次第です。
“其の二”も期待しております。
またお邪魔しますね。
PS、豚インフルエンザの影響で、ルチャリブレが中止されていると聞きます。5月に再々来日する神の子が日本のファンに温かく迎えられる事を期待します。