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『深夜に、突然』を観た

2011年01月11日 | 韓国映画

 本年最初の映画レビューでは、クラシック韓国ホラー映画『深夜に、突然』(1981)を紹介っ!


【あらすじ】
 著名な昆虫学者の妻である主人公は、大きな家に住み子宝に恵まれ何不自由ない暮らしを送っていた。だがある日この家に夫が連れてきた、シャーマンの家系で育った身寄りのない美少女が現れた事によって生活は一変する。自分よりも若く魅力あふれた彼女に夫を奪われてしまうのではないか?との妄想を募らせ、次第に情緒不安定となっていく主人公は、遂に事故を装い少女を殺害してしまう。そして夫が外出して自分一人となった嵐の夜、奇妙な音をたてて何かが迫ってくるのに主人公は気付き怯える。それは殺された少女の宝物である巫女人形が、彼女の怨霊とリンクして動き出したのだ…!

              


 大まかなあらすじやらいろいろ調べようと、ハングルでタイトルを入力してネット検索してみたのだが、ほとんどこの映画に引っかからないくらい本国・韓国でも語られることのない《幻の映画》である(以前はネット配信で観賞できたそうだが)。あまり韓国人の間でも語られないのは観る機会があまりなかったか、トンでもなく俗物すぎたかのどちらかだな、きっと。

              

 被害者の怨念が乗り移った人形が、加害者を恐怖の坩堝に陥れるという古典的な怪談話を、モダンホラー風にリニューアルするという、よくあるローカルホラー映画であるがこの作品、所々に挿入される巫女人形のカットや、旦那の職業が一般的ではない職種である《昆虫学者》という、いかにも怪奇映画的なアイテムを思わせぶりに配置しながらも(結局職種は劇中にはほとんど生かされていない)、全体的には主人公と小悪魔的少女との心理戦(主人公が勝手に、どツボにハマっているだけのような気がするが…)を描いた官能サスペンスでまとめられており、前半では旦那とのベッドシーンや少女のはち切れんばかりの裸体、そして不必要とも思える露出の高い(当時の倫理感では)衣装で観客たちに(男性限定!)至福の一時を味あわせてくれる。そしてクライマックス、暗く誰もいない屋敷の中で殺された少女の幻覚(幽霊?)&人間大の巫女人形との戦いは、今観れば爆笑モノだがそれでも観る者をスクリーンから離させないこの映像の力強さ、そしてラストの四の五の言わない幕引きの潔さ!これこそがプログラムピクチャーの醍醐味、職人監督の腕の見せ所である。

              


 現在の《韓流》などと称される洗練された韓国映画からは想像出来ない、まだ暗く泥臭かった、私が高校生時分レンタルビデオ等でチマチマと観ていた80年代の韓国映画がズバリここにあった。

              


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