HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

『唐山功夫』を観る

2010年11月07日 | 中華圏映画

 えー、先月は1個も記事を投稿出来なくて申し訳ございませんでした。どんだけ書く気が起こらなくても一月に最低ひとつはアップいていたんですが…先月でちょうど当ブログも5周年を向かえ何かやらねばと思っていたんですがねぇ。

 今回は『唐山功夫』(1974)を紹介っ!

 題名の通り本作は直球な功夫映画で、何の捻りもない、良く言えば定番通りの展開で映画は進行していく。
 
 幼い頃に母と死に別れ、ずっと山奥の寺院で育てられた主人公が町に出て来て、自分を助けてくれた恩人一家に因縁を付けてくる、日本人武術家をバックに従えるチンピラ一味から得意の武術で助けるというありきたりなストーリーではあるが、個人的には何故か惹かれるモノがあり、つまり「洗練されてない」所に魅力を感じたのだ。

 殺陣一つにしてもブルース・リーのように一つ一つの技が美しい訳でもない、劉家良のような道理に基づいた本格的な動きでもないし後のジャッキー作品のようにアクロバチックでもない。「形なんてどうでもいい、ただ相手をブチのめせばそれでいいじゃないか」的な荒々しさがそこにはある。これこそが日本で《空手映画》と呼ばれていた頃の功夫映画って気がした。まぁ、偏食映画ファンなんで多分にマイナー作品に対し肩入れしてますけどね。

 先に《定番通りの…》と書いたが、本作は一風変わった作劇法を見せており、主人公である石峰が最初は全く良いところ(つまり腕っ節の強さ)を見せず、恩人宅の息子役である李欣華が格闘場面などオイシイ所を補っているのだ。これは勝手な推測だが、全くといってスター性のない石峰では客が呼べないと判断した製作者が二枚目の李に前半を任せて客寄せしたのではないか?私も最初彼が良いとこ持っていくんで「このまま主役張るんかな?」と思っていたのだが、チンピラたちに脚を負傷させられて以降、全くいいところが無く主役の座を石峰にバトンタッチするのだ。スケジュール&アクシデントが理由なのは別として、前半後半でヒーローが変わっちゃう映画ってどうよ?

 なお本作には、若かりし頃の成龍夫人である林鳳嬌がヒロイン役(か?)で出演しており、その初々しい姿と演技は観る者の目を惹き、《青春の息吹》を感じさせる彼女の存在は、後に文芸映画でトップに立った事を十分に理解できたほどだ…全く持ってスター性のない石峰を観れば観るほどに…


 PS:昨夜(正確には本日)放映された『ザ・サンクチュアリ』、御覧or録画されましたでしょうか?放映形式はバイリンガルではなく吹替のみの放映でしたが、馴染のないタイ映画、しかもアクションものということで吹替はベストだと思いました。

コメント
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