HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
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嗚呼、これぞ怪獣少年の夢! 『モーレツ怪獣大決戦』

2009年04月27日 | その他の映画、テレビ
 怪獣と一口にいってもさまざまな分別方法がある。たとえばゴジラA級だとすればガッパB級ウルトラマンの怪獣がメジャーと定義すればキャプテンウルトラの怪獣はマイナー…という具合に。

 だが、まだ彼らは視聴者の数は違えど映像化されているので人の目に触れる機会はある。しかし怪獣の生息場所はテレビや映画の中だけではなかった。薄暗い駄菓子屋の中で一回5円や10円で売られていたカードなど紙媒体にも実は潜んでいたのだ。それも既成の怪獣をちょこっと改造したりオリジナリティあふれるデザインの怪獣たちが。こうした怪獣たちを本流の怪獣たちと区別するために最近ではパチモン怪獣と呼び密かな人気を博している。

 今回紹介する『モーレツ怪獣大決戦』(05)はそんな怪獣ブームの真っ只中の昭和40年代に人知れず誕生したパチモン怪獣たちが多数登場し、闘争本能の赴くまま怪獣同士が戦うというこれ以上ない単純な構成の作品である。
          
      

      

 まどろっこしい人間ドラマは一切なし!本当に怪獣が各地で出現し、街を破壊し怪獣たちがドツキ合うだけの内容なのでゴジラのような本格的な特撮大怪獣映画を期待している方は怒り出すかもしれない。だが、『ウルトラファイト』『レッドマン』『ミラーファイト』などの着ぐるみ怪獣プロレス番組が好きだった方には好意を持って迎え入れるはずだ。

 怪獣映画にとって重要なファクターといえばミニチュアなどに代表される「特撮」であるが、この作品ではパチモン怪獣たちの造形で予算をゴソっと持っていかれたのか見るにも痛々しい紙製(発泡スチロール?)の戦車や戦闘機、プラレールの鉄道やボール紙のビル群などが登場し、爆発も花火を使用するなどまさに手作り感十分だ。ただ、撮り方などが従来の怪獣映画や怪獣テレビ番組と同じなので“安っぽさ”に目をつむればそれなりに見ごたえはある。
 これを脳内で予算ウン億円の大怪獣映画に変換するにはよほどの“広い心”“怪獣映画の経験値”が必要だとは思うけど…

      

      

 低予算とはいえ、怪獣同士の対決シーンではわざわざローアングルから撮って“巨大感”を出そうとする心意気は良し!見たこともない怪獣たちに何とも言えぬ懐かしさを感じるようになればもうこの作品を(半分は)受け入れたも同然だ。

 全篇に漂う”怪獣愛”を受け止めろ!