窯元日記復活

奈良博三昧『重要文化財 普賢延命像』

奈良博三昧『重要文化財 普賢延命像』
1幅
絹本 著色 掛幅 一幅一鋪
縦91.3(上12.4補絹) 横41.9
絵画
鎌倉時代 13世紀 
銘 文
青蓮院(京都)旧蔵
箱蓋表黒漆書「国宝 普賢延命像 絹本著色 一幅 青蓮院」、同蓋裏黒漆書「大正十五年三月修理 文部省補給工費恩賜京都国立博物館監督工事」



奈良博収蔵品データーベースから「普賢延命法は増益や延命を祈る修法で、普賢延命像はその際の本尊となる。普賢延命像の図像は二臂と二十臂の二種に大別され、前者は天台において、後者は真言において重視されたといわれる。本図は天台宗の門跡寺院である青蓮院に伝えられたもので、右手に独鈷杵、左手に独鈷鈴をとるという二臂通有の姿であらわされる。普賢延命菩薩は大金剛輪を踏む一身三頭の象に乗り、その象をさらに無数の小象が支える。その像容は不空訳『普賢延命金剛最勝陀羅尼経』に従うもので、小異はあるものの平安時代後期の作とされる松尾寺本と図様をほぼ同じくする。  本図は補彩が加えられ、五仏宝冠より上は後補の絹に代わっているが、穏やかな円顔や衣文に沿って置かれた細かな截金、油煙によって黒ずむもののわずかにのぞく当初の鮮やかな彩色などは平安仏画の特色を示す。一方、光背の内区は截金を用いず銀泥一色で賦彩し、花や鈴などで飾られることの多い白象が何も身に付けない姿であらわされるなど、控えめな荘厳は松尾寺本とは一線を画しており、平安時代には遡らない鎌倉時代初めの制作と推測される。普賢延命法は増益や延命を祈る修法で、普賢延命像はその際の本尊となる。普賢延命像の図像は二臂と二十臂の二種に大別され、前者は天台において、後者は真言において重視されたといわれる。本図は天台宗の門跡寺院である青蓮院に伝えられたもので、右手に独鈷杵、左手に独鈷鈴をとる、二臂通用の姿であらわされる。菩薩は大金剛輪を踏む一身三頭の象に乗り、その象をさらに無数の小象が支える。額際より上は室町時代の絹に代わっているが、当初から五仏宝冠を戴いていたと推測される。その像容は不空訳『普賢延命金剛最勝曼荼羅経』に従うもので、小異はあるものの平安時代後期の作とされる松尾寺本と図様をほぼ同じくする。穏やかな円顔や衣文に沿って置かれた細かな截金、油煙によって黒ずむもののわずかにのぞく当初の鮮やかな彩色は平安仏画の特色を示す。その一方で、文様に銀泥を多用し、光背の内区も截金を用いず銀泥を掃くのみであるなど、控えめな荘厳は松尾寺本とは一線を画しており、平安時代には遡らない鎌倉時代初めの制作と推測される。

(森實久美子)
平城遷都一三〇〇年記念 大遣唐使展, 2010, p.351  」


https://www.narahaku.go.jp/collection/1175-0.html

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