森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

金沢市から食品放射能防護を聞く会

2012-05-09 21:18:12 | 反原発・脱原発
 金沢の食肉衛生検査所に設置された簡易放射能測定器を見学した市民有志が、今日は、金沢市から食品放射能防護について考えを聞いた。題して「金沢市から食品放射能防護を聞く会」だ。保健局から衛生指導課長、試験検査課長、食肉衛生検査所長、そして教育委員会教育総務課長が答弁者として出席した。市民側は、金沢周辺自治体住民も含め25人ほどが参加した。

 質問事項は大きくは二つ。食材一般の放射能測定体制についてと、学校給食の食材検査についてだ。
 食材一般への検査の拡充と持ち込み検査に対しては、牛食肉以外は、原産地検査で流通しているものは安全、
牛食肉は屠畜場が産地との考えをここでも繰り返した。4月から新基準に切り替わったが、それへの対応は、ヨウ化ナトリウムシンチレーション式簡易測定器の改良で、セシウム134、137合わせて25ベクレル/kgを下限値としてスクリーニングを行う。国は食肉については経過措置期間を9月いっぱいとしているので、適用は10月1日からになる。市としては、5月中旬には、機器の調整を終えたい。これには、やはり「流通食品はすべて安全と言えるのか」、「新基準は適当だと考えているのか」という再質問があがった。国の基準設定への不信感と、命と健康を守ることを最優先した予防原則に立つとは思えない対応で今日まで来たことへの疑念が、市民の奥底にあるということだ。

 学校給食の食材検査については、教育総務課長が文科省が事業化する都道府県への委託事業を視野に入れて検討していることが報告された。これが調理済み食材検査と言われるものだ。明日の給食食材を食べるかどうかの選択だできるような検査と結果公表の測定体制をとるのか、事後検査になるのか、検査は機器設置による検査か機関への委託か・・。こうした質問には、事業の具体がまだはっきりしていないため、詳細は応えられないとした。そして、県がどう委託事業として実施することになるかを観ながら、金沢市としてどうするかを決めるとした。これは、二地区とされる県からの事業者指定が金沢に来ると見ている、非金沢となったら独自に同じ方式で実施する、独自に独自方式も視野に入れている、これらのどれかではないかと私は推測している。

 今回の質問会は、参加者には失望感を与えた。それは、行政機関の主体性、つまりは市民・子どもの健康はとことんこだわって守るぞ、そのためにはできるだけのことを工夫してやっていくという熱を感じることができないからだ。行政として与えられたところでの執行は、行政マンにとっては常識の世界だ。しかし、それが福島の事故を防ぐことができなかったという大総括がない。ここにギャップがある。
 核利用と経済活動を優先した緩い国際放射線防護委員会の被曝限度の考え方を当てはめて算出した生涯100ミリシーベルト、年1ミリシーベルト、これを食生活に売り分けて暫定より5分の一に基準が再設定された。衛生指導課長はこの経過を説明しようとする。しかし、欧州放射線防護委員会のより厳しい考え方や、民間研究機関からの警鐘に比較するとまだまだ新基準とて不安なのだ。ここには、細胞膜と遺伝子を破壊する「低線量持続的内部被曝の脅威」に対する真剣な検討がなされてはいない。

 国家組織に中で動く行政の壁を突き動かすのは、市民の広範な意思だ。市民の側が学びつながって、力を大きくすることが必要だ。市民有志は「子どもの未来ネット・石川」を名乗り、次は、要求を申し入れることが話し合われている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。