韓国人留学生が日本を「近くて遠い」と感じるのは,顔だちが似ているせいか文化や習慣の違いを意外と理解してもらえないことではないでしょうか。些細なことでも,それが「感じが悪い」,「礼儀知らず」と受け取られ,友情の芽を摘んでしまうことが多々あります。
たとえば,テーブルに食器を置いて食べる韓国流は,日本では行儀が悪いことになっています。
込みあうソウルの街では肩が触れても何にも言いませんが,日本では「失礼」の言葉がないと気まずい空気が流れます。
“좀 비켜주세요(ちょっと通してください)”と言うつもりが,韓国語を直訳すると「どいてください」になってしまいます。
みなさんは‘담배 인심’という言葉を知ってますか。
인심とは漢字で〈人心〉と書きます。
タバコを吸うときには韓国ではまず相手にタバコを勧め,みんなで吸います。自分の前に置いてあるタバコはみんなの共有物で,「一本ください」などと言わずに勝手にスパスパ吸います。
日本人学生が,自分のタバコを出して自分だけ吸い,さっと自分のワイシャツのポケットにしまい込むのを見て,韓国の学生は疎外感を覚えます。
最近は健康のためにタバコを吸う人は少なくなりましたが,昔々トラがタバコを吸った時代(호랑이 담배 피던 시절)もあった,かの国の人に接するとき‘담배 인심’ということばを思い出しましょう。
シーシャ(水たばこ)を燻らせている
おじいさん達の姿を見かけました。
スッパ、スッパと吸うシガレットに比べると
香りを楽しみながら煙を燻らせ、
とても優雅なひと時を送っているようで、
うらやましく思いました。
たばこは毒ですが、人の心というのは
理解できる風景です。
水たばこの映像は下のHPを見てください。
http://zakuro.oops.jp/waterpipe.html