日本の漢字音は,もともと中国から伝わった漢字音がもとになっているが,長い年月の間に両者の発音が大きく変わってしまい,現代中国語の発音は,日本や韓国の漢字音とはかなり違うものになってしまった。
唐代までの中国語の発音で,-k,-p,-tで終わるものを入声(にっしょう)というが,現代中国の普通話(共通語)では,この入声が失われてしまったからである。しかし,日本語と韓国語の漢字音の中にはその面影が残っている。たとえば- k の音は日本語では「ク」「キ」,韓国語では「ㄱ」の音として,また-t の音は日本語では「チ」「ツ」,韓国語では「ㄹ」の音として残っている。さらに-p の音は日本語の歴史的仮名遣いの「フ」に,韓国語では「ㅂ」の音として残っている。
【日本,韓国,中国の漢字音の違い】
●-kで終わるもの
各 | 学 | 的 | 脚 | 策 |
각 | 학 | 적 | 객 | 책 |
カク | ガク | テキ | キャク | サク |
gè | xué | de | jiǎo | cè |
●-pで終わるもの
入 | 法 | 十 | 甲 | 納 |
입 | 법 | 십 | 갑 | 납 |
ニュウ(ニフ) | ホウ(ホフ) | ジュウ(ジフ) | コウ(カフ) | ノウ(ナフ) |
rù | fǎ | shí | jiǎ | nà |
( )内は歴史的仮名遣い
●-tで終わるもの
活 | 八 | 日 | 一 | 達 |
활 | 팔 | 일 | 일 | 달 |
カツ | ハチ | ニチ | イチ | タチ |
huó | bā | rì | yī | dá |
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