ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画とシネ21の人気順位 と 週末の興行成績 [5月20日(金)〜5月22日(日)]

2016-05-24 20:10:14 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 直前の2つの記事→コチラコチラも韓国映画関連の記事で、<多角的に見る韓国映画「暗殺」と題したシリーズの1&2回目です。「暗殺」に直接関係ないことをいろいろ書いています。目を通していただければ幸いです。

 第69回カンヌ国際映画祭は22日(現地時間)にコンペティション部門授賞式が開かれました。受賞結果一覧は→コチラで見られます。パルム・ドールはケン・ローチ監督「I, DANIEL BLAKE」が受賞しましたが、全体的に記者・評論家たちの評価・予想と相反する結果になったということが話題になっているようです。
 なお、1つ前の記事でも少しふれたように、注目の韓国映画パク・チャヌク監督「アガシ(お嬢さん)」は受賞できませんでした。

 先週18日にシネマヴェーラ渋谷と実に久しぶりの早稲田松竹をハシゴして「風の中の子供」(1937)と、「ひつじ村の兄弟」&「独裁者と小さな孫」の2本立ての計3本を鑑賞。で、一番共感を覚えたのが「風の中の子供」。外から近所の子供が「○○ちゃん、遊ぼ〜」と呼ぶと家の中から「あ〜と〜で〜」と答える、そんな光景は私ヌルボの小学生時代(1950年代頃)にもまだ見られました。今の子供たちが観たらどんな感想を持つのでしょうね? 今は映画館に行かなくても、またDVDを借りたりしなくても、戦前の名作映画はほとんど( ?)YouTubeで観られるようになっているのですね。この作品も動画検索すればすぐヒットします。

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

           ★★★ NAVERの人気順位(5月24日現在上映中映画) ★★★

(2) 東柱[ドンジュ](韓国)  9.40
(1) ズートピア  9.39
(-) ショーシャンクの空に  9.39
(4) ライフ・イズ・ビューティフル  9.37
(5) 鬼郷(韓国)  9.19
(-) シング・ストリート 未来へのうた  9.16
(-)シーモアさんと、大人のための人生入門  9.15
(3) 私の少女時代 Our Times  9.13
(6) ムーラン・ルージュ  9.12
(7) 太陽の下  9.05

 とΔ2作品が新登場です。
 「ショーシャンクの空に」はもちろん1994年公開の名作の再上映。いい映画でしたねー。今その「トリビア21選」という記事(→コチラ)を見たらひとつも知らなかった(笑)。韓国題は「쇼생크 탈출(ショーシャンク脱出)」。←ネタバレ的タイトルでいいのかっ!
 「シング・ストリート 未来へのうた」については後述します。

           ★★★ シネ21 専門家の平均得点順位 ★★★

(1) キャロル  9.00
(3) ライフ・イズ・ビューティフル  8.40
(2) 哭声(韓国)  8.31
(4) スポットライト 世紀のスクープ  8.00
(4) ブルックリン  8.00
(7) ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!  7.60
(8) さざなみ  7.50
(8) クラン  7.50
(-) シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ  7.45
(-) 東柱[ドンジュ](韓国)  7.33
(-) シーモアさんと、大人のための人生入門  7.33

 順位の変動や入れ替わりはありましたが、新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月20日(金)〜5月22日(日)] ★★★

         「哭声」が早くも400万人を超える
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・哭声(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・5/12・・・・・・・・・・1,333,848・・・・・・・・・4,540,619 ・・・・・・・・37,182 ・・・・・・1,391
2(21)・・アングリーバード・・・・・・・・5/19 ・・・・・・・・・・・248,153・・・・・・・・・・・259,860 ・・・・・・・・・2,005・・・・・・・・658
3(2)・・シビル・ウォー ・・・・・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・182,666・・・・・・・・・8,553,372 ・・・・・・・・71,703・・・・・・・・517
        /キャプテン・アメリカ
4(99)・・ケチュンばあさん(韓国)・・5/19 ・・・・・・・・・・・168,774・・・・・・・・・・212,616 ・・・・・・・・・1,666 ・・・・・・・・525
5(62)・・シング・ストリート 未来へのうた・・5/19 ・・・・136,694・・・・・・・・・・171,427 ・・・・・・・・・1,438 ・・・・・・・・492
6(3)・・探偵洪吉童:消えた村(韓国)・・5/04・・・・・・・・・82,963・・・・・・・・・1,381,061・・・・・・・・・11,145・・・・・・・・374
7(7)・・私の少女時代 Our Times・・・5/12 ・・・・・・・・・・82,686・・・・・・・・・・・181,145 ・・・・・・・・・1,512 ・・・・・・・・201
8(新)・・ハードコア・ヘンリー・・・・・・5/19・・・・・・・・・・・・22,871・・・・・・・・・・・・37,771・・・・・・・・・・・331 ・・・・・・・・234
9(5)・・劇場版 アンニョン、チャドゥ(韓国)・・5/04・・・・・・9,551・・・・・・・・・・・275,396 ・・・・・・・・・2,102 ・・・・・・・・110
10(新)・・特別捜査:死刑囚の手紙(韓国)・・6/16・・・・・8,174・・・・・・・・・・・・12,164 ・・・・・・・・・・・・98・・・・・・・・・・25
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「哭声(コクソン)」が早くも400万人を突破。今年に入ってのトップはこれまでは「検事外伝」の969万人がダントツでしたが、はたしてそれに届くかあるいは追い越すか、今後に注目。
 新登場は2・4・5・8・10位の5作品です。
 2位「アングリーバード」は、仏・米合作の3Dアニメ。世界で人気もモバイルゲームのキャラクター、というのは知っていても、ゲーム自体はヌルボは知りません。主人公で怒りんぼうのレッドたちがいじわるなピッグたちに盗まれた大切な“たまご“を取り返すために大冒険を繰り広げるお話のようです。韓国題は「앵그리버드 더 무비」。日本公開は10月1日、ってなんでそんなに遅いの !?
 4位「ケチュンばあさん」は、原題は「계춘할망(ケチュン・ハルマン)」。「할망(ハルマン)」というのは標準語「ハルモニ」(おばあさん)の済州島の方言。済州島といえば「あまちゃん」や無形文化遺産関連でニュースでも報じられたりした韓国の海女(ヘニョ)の本拠地。ケチュンばあさんもその1人なんですが、演じる女優が大ベテランのユン・ヨジョン「先生」。物語はというと、6歳の時ソウルでいなくなってしまった孫娘ヘジ(キム・ゴウン)がなんと12年ぶりに戻ってきたのですが、そのようすが何かヘンというか、秘密を抱えているようで・・・。それは一体、・・・と観客の関心を引くのですが、決してミステリーとかではなく、なんか涙腺を緩みっぱなしにさせる感動作のようですよ。
 5位「シング・ストリート 未来へのうた」は、アイルランド・アメリカ・イギリス合作のドラマ&ロマンス。「はじまりのうた」等のジョン・カーニー監督自身の半自伝的ドラマ。14歳の少年コナーを中心に1980年代のダブリンでバンド活動に熱中する少年たち描く・・・ということで、デュラン・デュランやザ・クラッシュ等々当時のヒット曲が満載のようです。原題は「싱 스트리트」。日本公開は7月9日です。
 8位「ハードコア・ヘンリー」は、アメリカ・ロシア合作のSFアクション。アクションといっても、「全編一人称視点アクション」という点が画期的なんだそうです。→コチラでその一部を動画で見ることができますが、要するに「まるでFPSゲームやアクションスターになったかのような臨場感が楽しめる」とのことです。パッと画面が真っ暗になったとおもったら閻魔大王が表われたりして・・・ってことはないか。(笑) 物語は、死からよみがえった主人公のヘンリーが、サイボーグみたいになってさらわれた妻を救い出すべく敵と戦う、ということのようです。韓国題は「하드코어 헨리」。日本公開は未定、かな?
 10位「特別捜査:死刑囚の手紙」は、韓国の犯罪ドラマ。ピルジェ(キム・ミョンミン)は元は模範的警察、今ではよく売れるブローカー(弁護士事務長?)になっていて、切れることのない事件の依頼に「神が下したブローカー」との異名もあります。その彼に ある日、監獄の死刑囚から疑問の手紙が1通届きます。手紙の主は、世間を震撼させた仁川の財閥・大海製鉄夫人殺人事件の犯人スンテ(キム・サンホ)。スンテは、無実の自分の無念を訴えます。ピルジェが探れば探るほど現われてきたのは巨大背後勢力の実体。彼はますます大きくなる事件の背後にあるものを直感します・・・。原題は「특별수사: 사형수의 편지」。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(27)・・シング・ストリート 未来へのうた・・5/19・・・・・・・・・・・・・136,694・・・・・・・・・・・171,427 ・・・・・・・・・・・1,438 ・・・・・・・・492
2(1)・・私の少女時代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/12・・・・・・・・・・・・・・82,686・・・・・・・・・・・181,145 ・・・・・・・・・・・1,512 ・・・・・・・・201
3(新)・・繕い裁つ人(日本) ・・・・・・・・・・・・・・5/19・・・・・・・・・・・・・・・1,806・・・・・・・・・・・・・2,677 ・・・・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・・・31
4(4)・・さざなみ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/05・・・・・・・・・・・・・・・1,383・・・・・・・・・・・・20,451 ・・・・・・・・・・・・・160 ・・・・・・・・・22
5(3)・・ダイノX探検隊(韓国)・・・・・・・・・・・・・5/04・・・・・・・・・・・・・・・1,080・・・・・・・・・・・・82,740 ・・・・・・・・・・・・・638・・・・・・・・・・12

 1・3位の2作品が新登場です。
 1位の「シング・ストリート 未来へのうた」については上述しました。
 3位の「繕い裁つ人」は、私ヌルボ、どうしようかなと思いつつ未見のまま。6月末に目黒シネマで上映か、うーむ・・・。韓国題は「미나미 양장점의 비밀(南洋装店の秘密)」です。
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多角的に見る韓国映画「暗殺」(ネタバレほとんどナシ) ∈鯒来日本統治期を背景とした作品が増えている

2016-05-24 09:11:54 | 韓国映画
 昨年(2015年)から日本の統治期を背景にした韓国映画が目立っています。韓国メディアでも、昨年5月に「東亜日報(日本語版)」(→コチラ)、7月に「ハンギョレ(日本語版)」(→コチラ)がそのことを記事で取り上げました。
 具体的には、次のような作品です。※[ ]は韓国での公開月

[6月]
「京城学校:消えた少女たち」(イ・ヘヨン監督)・・・・1938年京城近郊の寄宿女学校。生徒が一人二人と異常な症状を見せ、そして痕跡もなく消え始める、というミステリー&ホラー。
[7月]
「暗殺」(チェ・ドンフン監督)・・・・独立運動組織メンバーによる「親日派」暗殺計画。
[12月]
「大虎」(パク・フンジョン監督)・・・・1920年代、日本軍高官(大杉漣)の意を受けた最後の朝鮮虎狩猟作戦と往年の名猟師の物話。

 上記の新聞記事は、「日帝強制占領期を背景にした映画は失敗する」という忠武路(映画街)の昔からの俗説をこれらの作品は打破できるか、という点に注目していました。結果はというと、「京城学校:消えた少女たち」の観客動員数は35万人と惨敗。「大虎」は158万人でしたが、チェ・ミンシクを主演に据え、純制作費140億ウォンを投じたことを考えれば期待を大きく裏切る結果となりました。その点「暗殺」は韓国映画歴代5位(→コチラ参照)の180億ウォンという巨額純制作費をかけましたが、損益分岐点の600万人を大きく上回る1270万人動員という大ヒットを達成しました。

 上記のような日本統治期関係の作品公開の背景としては、2015年が1945年の「光復」から70年目の節目に当たるということもあったでしょう。
 しかし、今年(2016年)に入っても、次のような1920〜40年代を背景にした作品が相次いで公開されています。

[2月]
「東柱」(イ・ジュンイク監督)・・・・ 28歳で短い生涯を終えた詩人尹東柱(ユン・ドンジュ)の人生をほぼ事実に沿って描く。(一部「誇張」や「独自解釈」もありますが・・・。観客動員数は現在115万人で、興行的にも成功。(私ヌルボも観ましたが、良い作品だと思います。)
「鬼郷」・・・・1943年14歳の時「連行」されていった少女たち。「実話」を基に作られたという話題の「慰安婦」映画。観客動員数300万人をを超えるヒット(現在352万人)となったことはニュースとして報じられました。

[4月]
「解語花(ヘオファ)」(パク・フンシク監督)・・・・タイトルは「言葉がわかる花」の意味で、つまりは妓生のこと。1940年代の妓生養成所の券番で一緒に成長した2人の妓生の歌にかける人生と愛。ハン・ヒョジュチョン・ウヒの共演という点は個人的には惹かれますが、観客動員数45万人で興行的には失敗作。

[6月]
「アガシ」(パク・チャヌク監督)・・・・サラ・ウォーターズの歴史ミステリー「荊の城」の翻案。幼い頃父母を亡くした貴族(日本人)のアガシ(お嬢様)と朝鮮人の下女の話。先日終わったカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、関係の情報がいろいろ流されていました。その中で、監督が「日本に魅せられた人たちの心理を描いた」と語ったとのこと。(→コチラ参照。) 「反日じゃないですよ」と言いたいのか?とか日本におべっかを使っている?とか勘ぐらず、そのまま受けとめてよさそうです。
 ※この作品の原作(創元推理文庫)はホントにおもしろいです! 未読の方ぜひ読んでみて下さい。(前作の「半身」も。)

[公開日未定]
「密偵」(キム・ジウン監督)・・・・抗日武装団体(「テロ」組織)義烈団が素材。おっ、ソン・ガンホが主演か。
「徳恵翁主」(ホ・ジノ監督)・・・・コチラはソン・イェジンパク・ヘイルが主演。高宗の王女で、旧対馬藩主・宗家の当主宗武志伯爵の夫人となった徳恵翁主(トクヘオンジュ)の悲運の人生を描く。
「鳳梧洞(ポンオドン)戦闘」(キム・ハンミン監督)・・・・鳳梧洞は中国吉林省の地名。1920年の洪範図(ホン・ボムド)将軍が率いる独立軍が日本軍を打ち破った戦闘を描く。
「ハルビン」(ヤン・ユノ監督)・・・・ 伊藤博文を狙撃した安重根の人生を描く。

 ・・・うーむ、こうして見ると、やっぱりほとんどが「悪辣な日帝」と関係ありといってよさそう。大虎が主役(?)の「大虎」も、「京城学校:消えた少女たち」も、日本統治の横暴なこととか「闇の部分」とかが描かれていたりとか? そうじゃなさそうなのは「解語花」くらいかな? 「アガシ」もまあそれほど関係なさそう?(しかし・・・)

 さて、上記のように日本の統治期という時代設定の韓国映画がなぜこのところ目立って増えているのか?ということなのですが、実はここまでの記事はその「本論」の前書きのつもりで書き始めたものなのです。しかしすでに長くなりすぎたのでここでひと区切りつけて、その「本論」は続きで、ということにします。
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多角的に見る韓国映画「暗殺」(ネタバレほとんどナシ)  秧癖盞蓮箟撚茲函稱歇薹蓮箟撚

2016-05-22 19:50:31 | 韓国映画
 5月9日シネマート新宿の10周年記念・特別先行上映ということで観てきた「暗殺」は、いろんな意味で「注目作」です。
  ※一般公開は7月16日。すでに→公式サイトができています。
 内容をごく簡単に言えば、日本統治期の独立運動をめざす組織による「暗殺」をめぐる物語です。
 なぜ「いろんな意味で」注目なのかというと、チョン・ジヒョンイ・ジョンジェハ・ジョンウといった人気スターが共演していること、もありますけど・・・。
 A.独立運動・抗日闘争等の「歴史的出来事」や主舞台の1930年代京城がどのように描かれているか、といった内容面のこと、
 B.それらの過去をどのように見るか、という(現代の)「歴史認識」の問題
 C.「史実」とフィクションの見きわめ

・・・等々、さまざまな点で興味深いということです。

 今回は、この映画と直接関係なさそうですが、韓国の<進歩系(左派系)>の映画と、<保守系(右派系)>の映画について考えてみます。

 韓国では、内政・外交を問わず諸政策をめぐって進歩系と保守系の両勢力間の対立は厳しいものがあります。日本では、右寄りの人も左よりの人も「自分は左でも右でもない」と言ったり、自分でもそう思っている人が多いのではないでしょうか? 韓国の場合は、総選挙や大統領選挙の結果を見ればわかるように、左右のどちらに属するかがはっきりしていて、中間派はむしろ少ないのが日本とは大きく違うところです。
 メディアも<保守系>の代表ともいうべき「朝鮮日報」と、「中央日報」「東亜日報」のいわゆる「朝・中・東」(조중동.チョチュンドン)の3紙が保守系で、「ハンギョレ」をはじめとして「京郷新聞」とインターネット新聞サイトの「オーマイニュース」のいわゆる「ハンギョンオ」(한경오)が<進歩系>と明確に分かれています。

 <進歩系>と<保守系>の違いは政治面だけではなく、その底には「歴史認識」の対立・葛藤があります。つまり「歴史認識」は日韓間だけの問題ではなく、韓国国内の問題でもあるというわけです。
 この「歴史認識」と関係するのが映画やドラマで、たとえば近現代の描き方は左右で異なったものになるのは当然。日本でもその点は同じで、たとえば最近では百田尚樹原作の映画「永遠の0」などは人によって評価が分かれるところでしょう。(・・・って私ヌルボは観てませんが。)

 韓国映画の<進歩系>と<保守系>の見分け方について。
 〜瓩は辰、「朝鮮日報」等の保守紙が好意的に評している映画は<保守系>で、「ハンギョレ」等が推している映画は<進歩系>。これはちょっとイイカゲンかな?
 ◆秧癖盞蓮笋凌佑多いという映画評論家・記者の評点が(一般のネチズンの評点と比べて)高い映画が<進歩系>。その逆が<保守系>。

 具体的に、その違いが顕著な戦争を描いた作品について見てみましょう。各数値は<NAVER映画>に拠るものです。

 ※青色の数字はネチズン、赤色の数字は記者・評論家の平均評価。茶色の数字はその差で、その数値が小さいものから並べました。

・「小さな池」          6.39 7.56  -1.16
・「JSA」             9.27 9.00  0.27
・「西部戦線1953」       6.39 5.83  0.56
・「トンマッコルへようこそ」  8.93 8.00  0.93
・「高地戦」            8.63 7.34  1.29
・「国際市場で逢いましょう」 9.02 5.81  3.21
・「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」 9.00 4.94 4.06
・「戦火の中へ」         8.23 3.75  4.48


 この8作品の数値を見ると、「高地戦」までの5作品が<進歩系>、「国際市場で逢いましょう」以下の3作品が<保守系>にはっきりと分けられます。
 内容はといえば、「小さな池」は、朝鮮戦争中の老斤里(ノグンニ)事件を映画化した作品。アメリカ軍による韓国民間人の虐殺事件で、この作品については過去記事(→コチラ)で書きました。そして「JSA」〜「高地戦」も朝鮮戦争を描いたものですが、何らかの形で韓国と北朝鮮の兵士の間の「人間的な交流」といった場面がある点が共通しています。
 「国際市場〜」は戦争映画というわけではありませんが、朝鮮戦争時北朝鮮軍に追われて南に逃げた主人公が後にベトナム戦争に従軍し・・・といった戦争が無批判に描かれ、軍事政権による圧制はまったく抜け落ちている点等に<進歩系>から批判の声が上がりました。「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」は2002年の延坪海戦、すなわちW杯サッカーの最中に起こった南北朝鮮間のすさまじい海戦を描写したもので、南北兵士の「人間的な交流」などが寝言に聞こえるような(?)「現実」の重みはあったとは思います。(私ヌルボが<右>の人間というわけではないですが・・・。)
 ※今韓国で人気のドラマ「太陽の末裔」は韓国軍の海外派兵・国際貢献(!?)を描いた明々白々な<保守系>ドラマ。日本ではいくら安倍政権下でもこういう設定のドラマは作れないでしょう。かつてベトナム戦争の時に韓国軍による民間人虐殺があったベトナムで、このドラマの放映(!)を控えて「現地の記者が韓国軍を広報するドラマが放送されるのは汚辱」という内容の文をフェースブックに投稿し、3日間で9万件近くシェアされるなど、波紋が広がっている」というニュースを「ハンギョレ」が伝えた(→コチラ)のはむべなるかな、といったところ。

 で、戦争映画というわけではないですが「暗殺」の評点はと見ると・・・。
・「暗殺」 8.97 6.57  2.40

 真ん中あたり、と言った方がいいかもしれませんが、ヌルボとしては一応<進歩系>の方に入れておきます。
 それは、上記に数値以外に、「ハンギョレ」に何度も好意的に取り上げられていること、それもとくに「親日」を糾弾する文脈で書かれているという理由からです。

 「暗殺」というからには、この映画では暗殺を企てる者たち(上述のように独立運動組織)とそのターゲットが存在します。物語の主舞台は1933年の京城。つまり日本統治下の朝鮮で、・・・というと日本人としては「反日映画か!?」と思うのではないでしょうか? たしかに悪辣な日本人も登場しますが、それは自明のこと(笑!)で、むしろポイントは主なターゲットが朝鮮人の「親日派」であるということ。
 <NAVER映画>のこの作品に対するネチズンの評点&寸評欄(→コチラ)の最初にも次のような寸評が寄せられていました。

 「日帝強占期の頃日本人より悪辣で惨忍な人間が親日派だったが、そいつらの子孫たちが代々いい暮らしをしているこの世の中が本当に腹立たしい。(以下略)」

 つまり、戦後間もない時期に親日派の清算が進められるかに見えたものの、自分の権力基盤である軍隊や警察に矛先が向けられなるや打ち切ってしまった李承晩と背後のアメリカ。あるいは、日本の陸軍士官学校出の高木正雄中尉こと朴正煕やそれに続く軍事政権と、彼らと結託している財閥等の権力層。こうした勢力の延長線上に今の保守政権がある、ということで「親日派」の問題は現代韓国の政治・社会に直結しているというわけです。

 したがって、この映画のキモは「反日」ではなく「反親日」にある、ということです。

 以下、数回続きます。
コメント (2)
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韓国内の映画 NAVER映画とシネ21の人気順位 と 週末の興行成績 [5月13日(金)〜5月15日(日)]

2016-05-18 10:12:43 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 1週間前の記事で韓国映画「暗殺」についての記事をすぐアップするようなことを書きましたが、資料を集めつつ書き進めるうちに分量が増え手に負えない状態に・・・。3回分くらいに分割しても収まるかどうか。ま、近いうちにこれまたシリーズ化の予定。(って、未完結のシリーズがいくつあることか・・・。)

 横浜市民なのでついズーラシアと言ってしまいそう(笑)ですが、韓国でも2月以来動員数ベスト10内を維持している「ズートピア」を観てきました。1日に何度もある上映の内字幕版は夜遅くの1回だけというのはしかたないか。なかなかおもしろく、ヒットの理由がわかったような・・・。しかし私ヌルボ、ディズニーの長編アニメなんて実に久しぶり・・・って、もしかして幼い頃観た「わんわん物語」以来? このところ年100本近く観てるのに「アナ雪」もスルーしちゃってるしなー。すごく感動した「わんわん物語」は後年考えてみれば野良イヌが彼女への愛のために飼い犬になっちゃった転向映画(笑)でした。この「ズートピア」もヒロインのバニーちゃん(あ、ジュディか)が警察官をめざすというからやっぱり体制派映画か(笑)と思いましたが、アメリカに顕著な善悪二元論的な作品ではなくて多文化多民族共生・価値観の多様化といった現実社会をちゃんと反映した内容になってました。後で<ズートピアのアナ雪を含む10のトリビア&裏話>(→コチラ)という興味深い記事を発見。いろいろ楽しんで作ってたのですね、やっぱり。それにしても、当地の陸運局はホントにあんなに仕事・・が・・遅い・・んで・・す・・・か・・・・・・ね?(笑)

 カンヌ国際映画祭まっただ中。→コチラ等のニュースによると日本初の長編アニメが公式上映されたとか。1945年4月公開の「桃太郎 海の神兵」で、もちろん戦意高揚映画なので松竹の人がどう説明・紹介したのか気になるところ。この作品はYouTubeで観ることができます。(→コチラ。)
 なお、戦争関連アニメでは、日本の誇るべき反戦影絵アニメ「煙突屋ペロー」(1930年.→YouTube)のことも広く世界の人たちに知ってほしいと思います。
 
「朝鮮日報」5月13日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「哭声」
   幻惑されるな。厄介だぞ ★★★★


 「クラン」

   暴力の時代ゆえの怪物・・・ ★★★★

 「ヒア・アフター」

   節制が見せる冷やかさ ★★★☆


 「私の少女時代 Our Times」

   観れば心が温まる時代 ★★★☆

 「サマー・インフェルノ」

   流れ行く流行歌のよう ★★★☆


 「ザ・ファミリー・ファン」

   本当魔大人になる方法 ★★★
 
 「ヒア・アフター」は、2016年スウェーデン・アカデミー賞作品賞等多くの賞を受賞したスウェーデン・フランス・ポーランド合作作品。2年前に静かだった町を騒がせた事件の後、服役を終えて帰ってきた17歳の少年ヨンと、事件のことは忘れても彼を許すことのできない人々の物語を通じて、人間の本性と真の赦しについて問いかける作品。日本公開は未定? 「サマー・インフェルノ」は、スペイン・アメリカの合作ホラー。ヨーロッパのキャンプ場でキャンプ・カウンセラーとして働くことになった4人のアメリカ人。仕事場を下見していた時に犬に噛まれた仲間のひとりが未知のウィルスに感染して凶暴化し、そしてスペイン版「死霊のはらわた」(?)ともいうべき惨劇が・・・。日本では劇場公開はなく7月DVDが発売されるようです。「ザ・ファミリー・ファン」(仮)は、パフォーマンス・アーティストとして有名な両親と2人の子供たちの物語。ファン家のアニー(ニコール・キッドマン)とバクスター(ジェイソン・ベイトマン)の姉弟は幼い頃から<子供A>と<子供B>として両親のアートに参加して育ってきました。その後アニーは俳優、バクスターは作家になりましたが、ユニークな子供時代の影は振り切れないまま。そんな2人が仕事上の行きづまりもあって故郷の家に戻ると、両親は再び団結した家族のパフォーマンスを新たに企画し、2人との葛藤が深まります。そんな中、両親は車で旅に出たまま行方不明に。発見された車には血のりが・・・。しかしそれが本当の事件なのか破格のパフォーマンスなのかはわからず。そんな状況下で2人は両親を必死に捜すということに・・・。日本公開は未定か? 他の3作品は下の記事中で紹介しています。

           ★★★ NAVERの人気順位(5月17日現在上映中映画) ★★★

(1) ズートピア  9.40
(2) 東柱[ドンジュ](韓国)  9.40
(-) 私の少女時代 Our Times  9.39
(3) ライフ・イズ・ビューティフル  9.37
(5) 鬼郷(韓国)  9.20
(6) ムーラン・ルージュ  9.12
(7) 太陽の下  9.07
(-) 4等(韓国)  8.99
(8) リリーのすべて  8.94
(10) 恋人までの距離〈ディスタンス>  8.94

 台湾映画の「私の少女時代 Our Times」だけが新登場です。この作品については後述します。

           ★★★ シネ21 専門家の平均得点順位 ★★★

(1) キャロル  9.00
(-) 哭声(韓国)  8.55
(2) ライフ・イズ・ビューティフル  8.40
(3) スポットライト 世紀のスクープ  8.00
(3) ブルックリン  8.00
(5) ドリーム ホーム 99%を操る男たち  7.80
(6) ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!  7.60
(7) アノマリサ  7.50
(7) さざなみ  7.50
(-)クラン  7.50

 「哭声(コクソン)」「クラン」が新登場ですが、いずれについても後述します。「哭声(コクソン)」は、ドキュメンタリー以外の韓国映画では久しぶりの高得点です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月13日(金)〜5月15日(日)] ★★★

         今年上半期一番の韓国映画か!? 「哭声」が他を圧倒
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(37)・・哭声(韓国)・・・・・・・・・・・・・・5/12・・・・・・・・・・1,829,720・・・・・・・・・2,315,488 ・・・・・・・・19,124 ・・・・・・1,481
2(1)・・シビル・ウォー ・・・・・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・527,628・・・・・・・・・8,235,632 ・・・・・・・・69,119・・・・・・・・887
        /キャプテン・アメリカ
3(2)・・探偵洪吉童:消えた村(韓国)・・5/04・・・・・・・・226,181・・・・・・・・・1,204,132・・・・・・・・・・9,782・・・・・・・・519
4(113)・・アリージェント part1 ・・・・5/12 ・・・・・・・・・・・・59,705 ・・・・・・・・・・・76,049 ・・・・・・・・・・・615・・・・・・・・392
5(3)・・劇場版 アンニョン、チャドゥ(韓国)・・5/04・・・・・43,220・・・・・・・・・・・263,613 ・・・・・・・・・2,013 ・・・・・・・・320
6(55)・・猟奇的な彼女2(韓国) ・・・5/12 ・・・・・・・・・・・・38,589・・・・・・・・・・・・56,189 ・・・・・・・・・・・448 ・・・・・・・・385
7(78)・・私の少女時代 Our Times・・5/12 ・・・・・・・・・・36,556・・・・・・・・・・・・46,545 ・・・・・・・・・・・393 ・・・・・・・・128
8(5)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・19,938 ・・・・・・・・・4,694,845 ・・・・・・・・37,016 ・・・・・・・・179
9(6)・・ウォーキング with ダイナソー・・5/04・・・・・・・・13,345・・・・・・・・・・・106,928 ・・・・・・・・・・・818・・・・・・・・・158
10(4)・・魔法の筆 ・・・・・・・・・・・・・・5/04・・・・・・・・・・・・・13,106・・・・・・・・・・・166,556・・・・・・・・・・1,259 ・・・・・・・・173
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の注目は何といっても「哭声(コクソン)」。公式公開4日で観客動員200万人を突破という動員力の勢いだけでなく、内容的にも今年に入って一番の韓国映画との声が上がっています。冒頭に書いた期待作「アガシ」が来月初めに公開されるので、実際に一番のままでいくのかどうかはわかりませんが・・・。(もう1つの期待作コン・ユとチョン・ユミ共演のアクション・スリラー「釜山行」は7月公開。)
 新登場は1・4・6・7位の4作品です。
 1位「哭声(コクソン)」は、韓国のミステリー&スリラー&ドラマ。他所から1人の見知らぬ<外地人>(國村隼)が現れてから、村では謎の連続殺人事件が発生します。警察は野生毒キノコの集団中毒と結論を下しますが、<外地人>がすべての事件の原因との噂が村に広がります。警察官のジョング(クァク・ドウォン)は事件現場を目撃したという女性ムミョン(チョン・ウヒ)に会い、<外地人>に対する噂に確信を持ち始めます。そのジョングの娘ヒョジン(キム・ファニ)にも事件の被害者たちと似たような症状が出始めると、切羽詰まったジョングは<外地人>を訪ねて乱暴を働き、呪術使(シャーマン)のイルグァン(ファン・ジョンミン)を呼び入れるのですが・・・。本当に原因は毒キノコなのか、それとも・・・。この作品は土俗信仰やカトリックといった宗教ともからみ(最初に提示される聖書の中のキリスト復活の時の言葉=「なぜおじ惑っているのか。どうして心に疑いを起すのか・・・」が意味ありげ?)、夢と現実の交錯、反転に次ぐ反転で観客を幻惑する内容で、観る人によって異なる解釈もあるようで、それもナ・ホンジン監督のねらいのような・・・。原題は「곡성」です。
 4位「アリージェント part1」は、アメリカの人気作家ベロニカ・ロスのベストセラーが原作のSFファンタジーアクションの「ダイバージェント」シリーズ。本作は第3部前編にあたります。100年後のシカゴが舞台で、そこは住民を5つの派閥に振り分けて維持されているディストピア社会ですが、主人公の少女トリス(シェイリーン・ウッドリー)はどの派閥にも属さないダイバージェント(異端者)。今作は、「シカゴを囲い込むフェンスの外ではダイバージェントが必要とされている」と告げたビデオ映像が人々に大きな衝撃を与える中、シカゴの指導者となったイヴリン(ナオミ・ワッツ)はフェンスに殺到する人々を兵士を用いて食い止め、自らの支配下に置こうとします。トリスとフォーは新しい共同体で指導的地位に就くようイヴリンに迫られ危機に陥っていたところ、謎の武装集団に誘拐(救出?)されます。その集団がアリージェントで、彼らはこれまでの生活を維持するためイヴリンに反旗を翻すのですが・・・。韓国題は「다이버전트 시리즈: 얼리전트」。日本公開は未定のようです。
 6位「猟奇的な彼女2」は、もちろんあの2001年の大ヒット作の続編。といっても主演の1人チャ・テヒョンだけが同じでヒロインも監督も違います。運命的な思っていた長い髪の「あの」猟奇的な彼女は突然尼になって消え(エッ!?)、その後失恋+失業+お金の3苦に苦しんだキョヌ(チャ・テヒョン)の前に現れたのは、子供の頃の初恋の相手で中国に行っていた彼女(ビクトリア)。ひたすら彼と結婚するため山を越え川を渡って来た大陸の娘「彼女」。「「まさか結婚て、聞き違い?」・・・と言いつつも転がり込んできた幸運をサッと捕らえるフツーの男キョヌ(←ナサケな〜い)。ところがこの「彼女」、初代より殺伐として、より猟奇的とは! また、夜はより殺伐として昼はより猟奇的で・・・って一体何なんだ! こうした設定だけで最低評点1をつけた多くのネチズンの気持ちがわかります(泣)。原題は「엽기적인 그녀 2」。
 7位「私の少女時代 Our Times」は、昨年台湾で大ヒットした90年代の青春ラブストーリー。今年3月の<大阪アジアン映画祭>でも上映されました。主人公の林真心はごく平凡な女子高生。イケメン男子に片思いしてますが、その彼がアイドル女子と付き合っていると勘違いして2人を別れさせる作戦に出ます・・・。この作品については一青妙さんがご自身のブログで詳しく書いていらっしゃいます。(→コチラ。)
http://ameblo.jp/hitototae/entry-12070752510.html
それによると、コックリさん、アイドルのキーホルダーにブロマイド、不幸の手紙等々が登場するそうで、日本の女生徒とずいぶん似ているなあと思います。(そこらへんを学問的に研究している人はいるのかな?) 原題は「나의 소녀시대」。日本での一般公開は今年10月の予定です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・さざなみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/05・・・・・・・・・・・・・・・3,030・・・・・・・・・・・・16,479 ・・・・・・・・・・・・・130 ・・・・・・・・・36
2(新)・・クラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/12 ・・・・・・・・・・・・・・・2,496・・・・・・・・・・・・・4,260 ・・・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・56
3(5)・・神は死んだのか 2 ・・・・・・・・・・・・・・4/07・・・・・・・・・・・・・・・2,326・・・・・・・・・・・・31,765 ・・・・・・・・・・・・・230・・・・・・・・・・・8
4(4)・・シーモアさんと、大人のための人生入門・・4/07・・・・・・・1,158・・・・・・・・・・・・17,608 ・・・・・・・・・・・・・142・・・・・・・・・・・9
5(2)・・ビートルズがやって来る ・・・・・・・・5/05 ・・・・・・・・・・・・・・・1,116・・・・・・・・・・・・・7,024・・・・・・・・・・・・・・・56・・・・・・・・・・30
         ヤァ!ヤァ!ヤァ!

 2位の「クラン」が新登場。80年代初頭アルゼンチンを震撼させた 多額のを要求した4件の身代金目当ての誘拐・殺人事件に基づいたアルゼンチンの犯罪スリラーです。原題の「El clan」とは一族の意味で、ここではブエノスアイレス州北部の上流階級のプッチオ一家。模範的な夫婦と仲のいい5人の子供の団欒に満ちた家族です。しかし、そこには 決して口にしてはならない秘密が隠されていたのです。 恋人も友人も同僚も、誰も疑わなかった。それだけに衝撃も大きかったその恐ろしい秘密とは・・・。韓国題は「클랜」。日本公開は未定のようです。
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3冊(+α)チェーンリーディング 〈萄凡(ピョン・ジェス)「朝鮮半島と日本の詩人たち」

2016-05-15 23:19:53 | 韓国・朝鮮に関係のある本
 チェーンリーディングという言葉がどれくらい一般的かわかりませんが、同じ著者の本を続けて読んだり、あるいは読んでいる本に載っている人物や事柄で興味を持ったことがあればその関連書を次に読み、さらにその次も、とチェーンスモーキングのように続けていくこと。
 考えてみれば私ヌルボ、読書歴を振り返ってみるとそういう傾向が強いなと思います。
 最近もそう。 まず発端は4月27日中野にセウォル号関係のドキュメンタリー映画「ダイビング・ベル」を観に行ったのがそもそもの発端。※この映画については→コチラの記事に説明と監督インタビューあり。
 で、その場で配られたチラシの中に、この新刊書(今年2月刊)の広告があったのです。

 卞宰洙(ピョン・ジェス)「朝鮮半島と日本の詩人たち」(スぺース伽耶)。明治時代〜現代の日本の詩人・歌人たち90人の、朝鮮・韓国をテーマとした作品を集めたものです。
 この卞宰洙さんの本は、2006年1月から隔週で<朝鮮新報>で114回にわたって連載されていた〈朝鮮と日本の詩人〉シリーズをもとにまとめられたもので、そのウェブサイトで観ることができるので、私ヌルボもこれまで全部ではないものの、しばしば目を通してきました。(実は今も読めます。記事一覧のベージは→コチラ。要会員登録。)
 ※シリーズは初回のアイサツと1人のダブリを除いて112人分。その中になくて本のみに掲載の詩人も若干いるので、本には載っていない詩人も30人近くいます。

 90人の顔ぶれを見ると、A=石川啄木高村光太郎といったチョー有名な人から、B=名前だけは知ってるレベルの人、そしてC=私ヌルボがぜ〜んぜん知らなかった人までいろいろ。で、Cがおよそ4割くらい。うーむ・・・。
 ※「アンタが知らんだけやろ」と言われそうなので、9n-1番目の10人拾ってみました。→鹿地亘・新井徹(内野健児)・沢村光博・吉野弘・栗原貞子・関根弘・柾木恭介・鈴木比佐雄・濱口國雄・結城哀草果
 また、有名人でも抒情詩人もいればプロレタリア詩人もいて実に多様。卞宰洙さんは執筆にあたっていろんな詩集・全集・同人誌等を渉猟したそうで、なるほど、その苦心が推察される内容です。
 全体的な紹介は<朝鮮新報>のサイトにある佐川亜紀さんの記事(→コチラ)と、<レイバーネット>の牧子嘉丸さんの記事(→コチラ)を参照されたし、ということにします。

 で、肝心のこの本なのですが、どうも版在庫切れのようで、アマゾン等でも入荷時期未定が続いています。さいわい図書館にあったのでさっそく借りてきてイッキ読みしました。一言で言って、良い本だと思います。これまでに類書も(たぶん)ないし、たくさんの詩人・歌人のたくさんの作品と出会って新鮮な気持ちを味わえます。

 多様なのは作者の顔ぶれだけではなく、作品も同様。
 あの石川啄木
  地図の上
  朝鮮国にくろぐろと
  墨をぬりつつ秋風を聴く

とか、中野重治「雨の降る品川駅」のようなよく知られた詩は当然収録されていますが、著名な詩人にもこんな詩があったのか、という意外なものも少なからずあります。
 たとえば三好達治「丘上吟」(→コチラ.彼も扶余に行ったことがあるのか)とか、萩原朔太郎が関東大震災の時の体験を基に書いた「近日所感」という三行詩(→コチラ)。
  朝鮮人あまた殺され
  その血百里の間に連なれり
  われ怒りて視る、何の惨虐ぞ


 通読してヌルボが感じたことを略述すると・・・

‘本の統治期や(韓国の)戦後の軍事独裁の時期を批判する内容のものが多い。朝鮮総聯の機関紙<朝鮮新報>としてプロレタリア詩人多く取り上げているのは当然ですが、それ以外の詩人の作品も含めて。以前→コチラの記事で紹介した「朝鮮風土歌集」(1935年刊)の生活感や自然情緒に満ちた短歌の雰囲気とはエライ違いです。(社会意識とかイデオロギーとかのなんと厄介なことか・・・。)
⊂綉のような「植民地」朝鮮の自然と風土の中で「ふつうの」日本人として育った人が敗戦後日本の統治の実態を知って罪責感を持つようになったのは理解できるような・・・。そうでなくても、1950(〜60?)年代までの戦後民主教育を受けた世代も贖罪意識を抱いている人が多いように思われます。
 シリーズ最後の記事(→コチラ)で卞宰洙さん自身が「114編すべての詩に通底しているのは、各詩人によって深浅の差はあるものの、日帝の朝鮮侵略に対する悔恨の情と罪己の念であり、圧政に苦しむ朝鮮民衆への同情と友誼の意志である」と書いていますが、相当程度までは意図的にそういった作品を集め、またある程度までは朝鮮をテーマにした作品を集めるとそうした傾向を帯びたものが多くなるということでしょうか。
 より<朝鮮新報>らしい点は「金日成主席賛歌と朝鮮への共感、在日同胞の帰国運動の支持を明示した作品」が12編収められていること。
 たとえば真壁仁「ペクトゥの峰」(→コチラ)は次のような詩句で始まります。
 白頭の峰は雪にかがやき/けだかい白銀の頭を/三千里江山にめぐらしているだろうか/私はその峰があなたの顔に重なって見える/それはどんなに離れていても見える高さだ/あの山ふところが国土をうるおす水のみなもと (以下略)
 これには「金日成首相還暦慶賀詩」という献辞が付されています。
 あるいは、金日成が還暦を迎えた年に15人の短歌を集めて「万壽無彊」という文集が出版されとのことですが、その中の結城哀草果の作品が次の3首を含む9首(→コチラ。)
  世界平和の為六十年前昇りし太陽常若く今朝も輝く金日成首相
  金日成首相の還暦よろこぶ歌合唱が世界の山河大きくゆすぶる
  還暦の首相の額なごましく民族愛に蔭一つなし

 ・・・このような作品が、「皇国日本」の時代の天皇を称揚する詩歌とどう違うのか、私ヌルボにはわかりません。半世紀あるいはそれ以上前、このような作品を発表した人たちは今存命ならどのように振り返っているのでしょうか? あるいは、厳しい言い方ですが卞宰洙さんは(本心では)どのように思っておられるのか? 何の疑問も抱いていないのなら問題だし、本心を偽っているのならそれも問題です。

 上述した以外に、個人的に興味を持った詩人その1は郡山弘史(1902〜66)。(→コチラ。)
 横浜生まれで、1924年東北学院専門部英文科を卒業後に朝鮮京城府立第一普通高等学校教師となる(〜1928)。その間1926年詩集「歪める月」出版。1930年代にプロレタリア詩人として活躍。・・・ということですが、横浜の図書館にも関係の書籍・資料は未だ見つからず。
 2人目の詩人は中浜哲なのですが、彼については続きで書くことにします。

☆この本の90人の中で、ヌルボが好きな詩の1つが吉野弘「韓国語で」(→コチラ)です。冒頭部分は次の通りです。

  韓国語で
  馬のことをマル(말)という。
  言葉のことをマール(말)という。
  言葉は、駆ける馬だった
  熱い思いを伝えるための−。

  韓国語で
  目のことをヌン(눈)という。
  雪のことをヌーン(눈)という。
  天上の目よ、地上の何を見るために
  まぶしげに降ってくるのか。


 「素直な疑問符 吉野弘詩集」は横浜市立図書館ではティーンズ向けの書架にある本ですが、平易な表現の中に深い思索と豊かな感性が込められた作品集です。
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