춘향!고개를 들라.
고개と머리は,엉덩이と궁둥이のように混同して使われることがよくあります。
まず고개ですが,頭の後ろの部分のいわゆる「うなじ」を指す言葉です。しかしあるときには「頭」から「首」にかけての全体を指す言葉としても使われます。
고개:首の後ろの部分,または頭から首にかけての全体を示す語。人に対してのみ使われ,人間の自尊心と係わる場合や,意識的に何かの行動をしようと思われる時に使われる。
머리:脳が入っている首の上の部分。首は含まれない。人や動物の単純な行動や動物的な動きを表すわす時に使われる。
もう少し詳しく見てみましょう。
고개という単語は,何かの意図があって頭を動かしたりする時に使われます。たとえば何か大きな過ちや,恥ずかしい事をやらかした時,人は고개をがっくり垂れます。つまり「うなだれる」のです。自尊心が傷ついてとてもきまり悪くて,相手の顔をまともに見ることができないからです。
こんどは머리が付くいろいろな言い回しを見てみましょう。
머리가 잘 돌아간다といったら「頭の回転が速い」ことです。このときの머리は人の頭脳作用や思考能力を示したりします。
そのほかにも머리가 좋다,머리를 쓰다,머리를 짜내다,머리를 모으다,잔머리를 굴리다,머리에 떠오르다,머리를 정리하다…,いろいろな言い回しがあります。
책상에 기댄 채 머리를 끄덕이고 졸고 있다.
(机に寄りかかったまま,こっくりこっくり居眠りをしている)
これは眠気がおそって来て,無意識的に頭を上下で動かしているわけです。
一方,話している相手の意見に同意をして,うなずくときには고개를 끄덕이다と言います。こちらは意識をして頭を動かしているのです。ですから머리ではなくて고개を使います。
本能的に‘머리’를 끄덕이고,意識的に‘고개’를 끄덕이다と覚えましょう。
みなさんは子供のころ,苦い風邪薬を飲みたくなくて「いやいや」と頭を横に振ったことがあるでしょう。この行動は,動物的でほとんど本能的です。ですから머리를 흔들다といいます。
これに対して고개를 흔들다と言うと,何かに対しいろいろと考えてみた末に,やっぱりそれは違うという意思表示をするときに使います。
韓国の古典文学に,春香伝[춘향전]というのがあります。両班の息子・李夢龍[이몽룡]と妓生の娘・成春香[성춘향]の身分を越えたラブストーリーです。韓国版のロミオとジュリエット(로미오와 줄리엣)ですね。
韓国では人気のある物語で,過去に十数回は映画化されています。最近でも2000年にパンソリを基調とした映画が公開されてます。
物語は,이도령が広寒楼[광한루]を歩きながら遠くからブランコ遊びをしている성춘향を見かけて恋心をいだくところから始まります。도령というのは,未婚のちょっと位の高い若い衆に対して使われる言葉です。
二人はいい仲になり,夫婦の契りを結ぶのですが,彼の父親が今のソウルである漢陽[한양]に栄転になり,その息子の이도령も付いていくことになって,離ればなれになってしまいます。
そしてそこに南原[남원]の長として新しく就いた변사또が,美しい彼女に目をつけ接近するのですが,춘향がそれを拒絶するや,ひどい拷問をして監獄に入れてしまいます。
변사또というのは변〈卞〉という名前の代官のことです。
この변사또は悪代官でした。
韓国人が「佐藤さん」という人の名前を聞いてクスクスと笑い出したらば,そのひとは변사또を思い出したと思っていいでしょう。教養のある人ですね(笑)。
やがて朝鮮時代の役人となるための試験である科挙に合格した이도령が暗行御使(암행어사)となって、乞食姿に身を窶して監獄に監禁された春香に会いに来ます。
암행어사というのは,朝鮮時代に勅命で地方の行政や民情を探るため潜行して回った勅使のことです。
이도령は,明日の변사또の誕生祝いまでに春香がいうことをきかないと処刑されてしまうと聞かされます。次の日の,その誕生日当日,まさに春香が処刑されようというその時に,暗行御使として現れた이도령。이도령は변사또を懲らしめ,やっとの思いで愛する춘향を救い出したのです。そしてうなだれている춘향に向かって言ったセリフが“고개를 들라.”だったのです。
領内で好き勝手にしていた변사또は罰せられます。몽룡と춘향はふたりで都にのぼり,夫の몽룡はどんどん出世して大臣になります。そして幸せに暮らしました。
この話が長い間,語り継がれているには,身分の違いを超えて愛し合う男女が最後はハッピーエンドになることと,春香がどんな困難にあっても貞操を守るところにあるようです。
さて,この춘향전の登場人物をもとに,楽しい文章で韓国語を解説した文法書を見つけました。글쓰기를 위한 4천만의 국어책というタイトルのコンパクトな本で,みなさんでしたら辞書無しで読めます。
かわいいイラストとともに,韓国語の文法について易しく書かれたとてもおもしろい本です。ぜひ,「上級の道を歩かれる」みなさんにはお勧めです。
今はやりの若者言葉で言うと강추です。
韓国語グーグルに글쓰기를 위한 4천만의 국어책と入力して検索してみてください。
고개と머리は,엉덩이と궁둥이のように混同して使われることがよくあります。
まず고개ですが,頭の後ろの部分のいわゆる「うなじ」を指す言葉です。しかしあるときには「頭」から「首」にかけての全体を指す言葉としても使われます。
고개:首の後ろの部分,または頭から首にかけての全体を示す語。人に対してのみ使われ,人間の自尊心と係わる場合や,意識的に何かの行動をしようと思われる時に使われる。
머리:脳が入っている首の上の部分。首は含まれない。人や動物の単純な行動や動物的な動きを表すわす時に使われる。
もう少し詳しく見てみましょう。
고개という単語は,何かの意図があって頭を動かしたりする時に使われます。たとえば何か大きな過ちや,恥ずかしい事をやらかした時,人は고개をがっくり垂れます。つまり「うなだれる」のです。自尊心が傷ついてとてもきまり悪くて,相手の顔をまともに見ることができないからです。
こんどは머리が付くいろいろな言い回しを見てみましょう。
머리가 잘 돌아간다といったら「頭の回転が速い」ことです。このときの머리は人の頭脳作用や思考能力を示したりします。
そのほかにも머리가 좋다,머리를 쓰다,머리를 짜내다,머리를 모으다,잔머리를 굴리다,머리에 떠오르다,머리를 정리하다…,いろいろな言い回しがあります。
책상에 기댄 채 머리를 끄덕이고 졸고 있다.
(机に寄りかかったまま,こっくりこっくり居眠りをしている)
これは眠気がおそって来て,無意識的に頭を上下で動かしているわけです。
一方,話している相手の意見に同意をして,うなずくときには고개를 끄덕이다と言います。こちらは意識をして頭を動かしているのです。ですから머리ではなくて고개を使います。
本能的に‘머리’를 끄덕이고,意識的に‘고개’를 끄덕이다と覚えましょう。
みなさんは子供のころ,苦い風邪薬を飲みたくなくて「いやいや」と頭を横に振ったことがあるでしょう。この行動は,動物的でほとんど本能的です。ですから머리를 흔들다といいます。
これに対して고개를 흔들다と言うと,何かに対しいろいろと考えてみた末に,やっぱりそれは違うという意思表示をするときに使います。
韓国の古典文学に,春香伝[춘향전]というのがあります。両班の息子・李夢龍[이몽룡]と妓生の娘・成春香[성춘향]の身分を越えたラブストーリーです。韓国版のロミオとジュリエット(로미오와 줄리엣)ですね。
韓国では人気のある物語で,過去に十数回は映画化されています。最近でも2000年にパンソリを基調とした映画が公開されてます。
物語は,이도령が広寒楼[광한루]を歩きながら遠くからブランコ遊びをしている성춘향を見かけて恋心をいだくところから始まります。도령というのは,未婚のちょっと位の高い若い衆に対して使われる言葉です。
二人はいい仲になり,夫婦の契りを結ぶのですが,彼の父親が今のソウルである漢陽[한양]に栄転になり,その息子の이도령も付いていくことになって,離ればなれになってしまいます。
そしてそこに南原[남원]の長として新しく就いた변사또が,美しい彼女に目をつけ接近するのですが,춘향がそれを拒絶するや,ひどい拷問をして監獄に入れてしまいます。
변사또というのは변〈卞〉という名前の代官のことです。
この변사또は悪代官でした。
韓国人が「佐藤さん」という人の名前を聞いてクスクスと笑い出したらば,そのひとは변사또を思い出したと思っていいでしょう。教養のある人ですね(笑)。
やがて朝鮮時代の役人となるための試験である科挙に合格した이도령が暗行御使(암행어사)となって、乞食姿に身を窶して監獄に監禁された春香に会いに来ます。
암행어사というのは,朝鮮時代に勅命で地方の行政や民情を探るため潜行して回った勅使のことです。
이도령は,明日の변사또の誕生祝いまでに春香がいうことをきかないと処刑されてしまうと聞かされます。次の日の,その誕生日当日,まさに春香が処刑されようというその時に,暗行御使として現れた이도령。이도령は변사또を懲らしめ,やっとの思いで愛する춘향を救い出したのです。そしてうなだれている춘향に向かって言ったセリフが“고개를 들라.”だったのです。
領内で好き勝手にしていた변사또は罰せられます。몽룡と춘향はふたりで都にのぼり,夫の몽룡はどんどん出世して大臣になります。そして幸せに暮らしました。
この話が長い間,語り継がれているには,身分の違いを超えて愛し合う男女が最後はハッピーエンドになることと,春香がどんな困難にあっても貞操を守るところにあるようです。
さて,この춘향전の登場人物をもとに,楽しい文章で韓国語を解説した文法書を見つけました。글쓰기를 위한 4천만의 국어책というタイトルのコンパクトな本で,みなさんでしたら辞書無しで読めます。
かわいいイラストとともに,韓国語の文法について易しく書かれたとてもおもしろい本です。ぜひ,「上級の道を歩かれる」みなさんにはお勧めです。
今はやりの若者言葉で言うと강추です。
韓国語グーグルに글쓰기를 위한 4천만의 국어책と入力して検索してみてください。
まだ読み始めて半分にもならないのですが、イラストと文章がとてもおもしろく、韓国語で韓国言文法を勉強することができるのでとてもためになります。
ちょんげぐり先生のブログが刺激になって、ますます韓国語の勉強を頑張らねばと思う毎日です。
おもしろくて一気に読みました。
韓国語の原書を読破したのは初めてですが,読み応えがありました。
もともとが韓国の大学生向けに書かれた本なので,とても論理的に分かりやすく書かれています。
上級レベルの皆さんにはぜひお勧めですね。
先生,またおもしろい本がありましたら紹介してください。楽しみにしています。
글쓰기를 위한 4천만의 국어책を読んでいるとは,二人ともすごいですね。
このほかにも読んでいておもしろい本と言えば중앙SUNDAYに連載された글쓰기 필수 비타민 50(김상우著)페이퍼로도社刊があります。機会があったらまたご紹介したいと思います。