韓国には,花と季節に関することわざが数多くある。初めて見聞きするものが多いと思うが,見ただけで何となく意味がわかる。ここにいくつか列挙してみたい。
¶밤꽃, 미나리 꽃, 찔레꽃이 필 무렵에는 딸네 집에도 가지 말라.
*밤꽃, 미나리 꽃, 찔레꽃이 필 무렵というのは,むかし보릿고개といわれた,農家の食糧事情が悪化する春の端境期のことだ。この時期は農繁期ででもあり,食料が底をついて食事が難しい状況なので,娘の家をも訪れることは避けるべきだという先祖たちの知恵を表したことわざである。
¶꽃샘추위에 설늙은이 얼어 죽는다.
¶꽃샘, 잎샘에 반늙은이 얼어 죽는다.
*2つとも,春の寒気が冬の寒さと同じくらい厳しいという意味。
꽃샘추위とは,春の初めに吹く寒い風のこと。잎샘は,葉が芽吹き始める時期に吹く風で,どちらも寒さが厳しい。설늙은이とは,年のわりに老けて見えるのことで,体力の弱い老人は春の寒気に凍死することもあるという意味である。
¶고목에 꽃이 핀다.
¶산소 등에 꽃이 핀다.」
*고목(古木)は老木,산소は墓地のことで,どちらも,もともとは価値がないものが,価値のあるものに変わるという意味。困窮していた人が幸運を得て,子孫が裕福になったことを意味する。
¶볶은 콩에 꽃이 피랴.
¶홍두깨에 꽃이 피겠다.
*実現不可能なことを意味している。볶은 콩(炒った豆)や 홍두깨(砧(きぬた)を打つとき衣類を巻きつける棒)には,花が咲くか。つまり,実現不可能なことを言い表している。
¶짚신에 국화그리기.
*짚신(わらじ)に花を描くように,格が合わないことや,安っぽいのに豪華に飾ることを意味している。皮肉な内容のことわざだ。
¶달리는 말위에서 꽃구경하기다.
*走っている馬に乗って花を見物する。あまりに速いので,何が何だかわからないこと。同じような意味の四字熟語に주마간산(走馬看山)というのがある。
¶남의 꽃 빌어 부처님께 바친다.
*他人の花を借りて,仏様に捧げる。つまり人のものを自分のもののように見せびらかすことを意味する。
¶백일 붉은 꽃 없고 천일 좋은 사람 없다.
*百日間,赤い花はないし,千日間,良い人はいない。つまり何事も長続きしないという意味。
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