里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

小正月の行事「鳥追い」

2021年01月14日 | 暮らし

小正月の行事「鳥追い」です。
この辺りでは今日までが松の内。
しめ縄や松飾りなどをすべて下ろします。


鎮守の神社に掛けたしめ縄も外します。
ほぼ原型のまま残っていました。
強風の日もあったのに、これは稀なことです。



下ろしたしめ縄や松飾りは「どんと祭」で燃やすのが当地方では一般的です。
「どんと祭」とは、神社の境内や広場で古いお札や松飾りなどを燃やす風習です。
我が家ではほんの一時期「どんと祭」に参加したのを除き、ずっと「鳥追い」を続けています。
「鳥追い」とは、文字通り鳥を追い払う正月行事。
農村では害鳥に荒らされ農作物が被害を被るので、「鳥追い」をすることで豊作祈願をするわけです。今ならさしずめ「猪追い」をしたいところ。
我が家の「鳥追い」は、正月の松飾りをおろした後、それをしめ縄で我が家の裏山の御神木と定めた杉の木に括り付け、納めます。
家から松飾りを納めに行く途中に、大声で「ヤー、ホイ、ホイ、ホイ」と繰り返し叫び、鳥を追い払うのです。
幼少の頃、父に促されて必死に叫んだのが懐かしく思い出されます。
今は、さすがに恥ずかしいので誰にも聞こえないよう小声で言います。多分これでは効き目がないでしょう。
我が家では、古いお札などは大晦日に山の神様のほこらに納めます。


ですから、新年の松飾りはたいした量ではありません。
この御神木の杉の木は2代目。もともとの杉の木は太くなりすぎて括り付けるのが困難になり、近くの杉の木に変わりました。


古い松飾りは朽ち落ちています。
昨年のしめ縄は原型がまだ残っています。


この上に今年の松飾りを括り付けます。縄は鎮守の神社の鳥居に掛けたしめ縄。


昔は夕方に行っていたものでした。今は早いうちに済ませます。


このようなことも我が家の裏山なればこそできることです。
わらや紙だけでできているので、朽ちれば自然に土に帰っていきますが、公の場なら不法投棄扱いされてしまうかもしれません。
いつまでできるか。しかし、止めると落ち着かないものです。
「鳥追い」の行事を七草の日に行っている地方もあるようで、正月行事は本当に様々です。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kaz)
2021-01-15 17:22:55
blueskyさんへ
コメントありがとうございます。
当地方でも、今はどんと祭に参加するのが普通で、鳥追いをやる方はほとんどいないでしょうね。
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素晴らしいですね。 (bluesky)
2021-01-15 08:39:49
鳥追いの行事、素晴らしいですね。
神社のしめ縄と正月飾りを御神木に飾るんですね。
日本の伝統文化は凄いですね。
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