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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'20~蜂屋柿の皮を剥く

2020年11月18日 | 干し柿づくり

今年の干し柿づくりのスタートです。
一昨年、干し柿が出来上がるまでの一連の作業を記録し、フォトチャンネルにもまとめました。昨年もそれなりに継続的に記録したので、自らの参考になっています。
これが収穫した蜂屋柿。


先週、助っ人が収穫してくれました。
干し柿にする蜂屋柿は、穫ってすぐ皮を剥くより数日おいた方が表面が綺麗に仕上がります。また、滑りが良いので皮剥きも進みます。
柿はりんご箱などの段ボールで7箱。昨年より一目見ただけで明らかに大玉が多い。昨年は小粒の柿が多く、手間がかかり大変でした。数も例年より大幅に多い700個越えでした。今年は丁度いい加減のようです。
昨年は大半一番右のような柿、今年は大半左の2つのような柿です。


まず、皮剥きに使う道具のチェック。年一度の出番です。
例年と変りません。私が幼少の頃から父や母が使い続け、6、70年経っている皮取り器(木製ピーラーといったところ)とナイフ。未だ使い続けています。


これが手に馴染んでおり、代替えはありません。皮剥きのスピードと仕上がりはこれに勝るものがないのです。
黒光りして汚れているように見えますが、これは柿渋によるもので綺麗なものです。
ナイフは使い続けた結果、当初より相当短くなっています。
柿渋がサビを防御するので、1年間使わなくてもサビもほとんどつきません。さっとだけ砥石をかけます。
私は子供の頃から柿の皮を剥いています。昔は子供も働き手の一人に数えられていました。通算すれば万個の単位で柿剥きをしているはずです。全く柿を剥くことのなかったブランクが相当期間ありますが、すっかり体が覚えているので、再開しても何の違和感もなくできます。
柿を綺麗に早く剥くにはやはりコツがあります。
皮剥きは2段階に分けてやります。
まず、肩回しという作業。


ヘタの部分にナイフを入れ、ナイフは動かさずに柿の方を回して皮を剥きます。
柿の軸のところにナイフの背をあて軸をテコにして一回まわしヘタを取ります。さらに肩の部分を2回しします。これで薄くなめらかに剥けます。


次は、皮取りの作業。
皮取り器を親指と人差し指で鉛筆を持つようにして持ち、中指、薬指、小指を柿をテコにして手首を使い、同時に左手に持った柿も動かしながら先端まで縦に一気に剥きます。
細く薄く、途中で途切れないので綺麗に仕上がります。


昨年はほとんどが小玉でしたが、今年は大玉のものが多い。


特大クラスもかなりあります。


本来は、干し柿を吊すまですべてを1日で終わらせます。しかし、数年前から、無理せず2日がかりで一連の作業をするようにしています。


昨年は、皮剥き作業が全て終わらず段ボール2箱を翌日に持ち越しましたが、今年は午後から始め、夜なべをして全て終わらせました。
数は昨年より大分少ないが、格段に大きい。


今年の「蜂屋柿」は成りは悪いが大玉傾向

2020年11月11日 | 干し柿づくり

干し柿用渋柿の「蜂屋柿」が色付きました。
当地方では通称「とやま(富山?)」と呼ばれます。何故このように呼ばれるようになったかは定かでありません。
今年の「蜂屋柿」の成りはあまりよくありません。昨年は小さいながら沢山成りました。一昨年はよくなかったので、隔年結果の順番でいくと今年は裏年に当たり、その通りとなっています。


もっとも、熱心な生産者の方は剪定や摘果などの管理をしっかりとして隔年結果を抑えていることでしょう。我が家では大きな枝を整理するくらいの半放任なので、このようになるのも仕方がないところです。
柿の木によっても成り方に差があります。
この木は例年一番安定して成る木です。


全体としては少ないながらも、このように成っているところがあります。


こちらの木は、結構成っています。


成っている分、やや小粒です。

この木は少ないながら、大粒です。

このくらいの成りと大きさならバランスがとれ申し分ありません。


この木も成りはよくありません。


成りが悪いところは、やはり大きい。


大概の場合、沢山成れば粒は小さく、成りが少なければ大粒になるのが普通です。
我が家の場合、必要な数を確保できれば問題なく、500個程度あれば間に合います。むしろそのほうが大粒で有り難い。
昨年は小さい柿が沢山成り、手間がかかりました。成りが悪いとはいえ、ほどほどには成っているので、必要な数は確保できそうです。

 
この柿の木は我が家のすぐそばにあり、昨年は小粒の柿が沢山成りましたが、今年成っているのはたった1個。


この柿の木はアルコール脱渋に向く渋柿「平核無」ですが、全く成っていません。


幼少の頃、我が家には柿専用の畑が数十アールあり、加えて普通の畑の周囲にも植えられていました。大半は伐採されて田んぼや畑に転換されました。
昔は、木によじ登り、隅から隅まで綺麗に穫ったものです。今は、穫れるところだけ穫れば終わるのが現実で、集落内にも穫られず放置される柿の木が目立ってきました。


干し柿づくり'19~今年の3月の干し柿は少し硬い

2020年03月13日 | 干し柿づくり

 干し柿は、干し始めてから4ヵ月近くになります。
 未だ茶菓子として出ています。
 こちらは、タッパーに入れて保管しているもの。少なくなりましたが、一部は冷凍に回されています。


 干し柿の表面は白粉で真っ白になっています。これほど白粉が吹くことは多くありません。
 こちらは、縄から外し紙袋に包んで囲ったものを、少なくなってきたのでポリ袋に移し替えて冷蔵庫で保管したもの。


 開くと、やはり干し柿の表面は白粉で真っ白になっています。


 今年は乾燥が進み、白粉の回りも非常に早くなりました。昨年からみると、1ヵ月くらい早まった印象です。1ヵ月前には、今とさして変らないくらい白粉が吹いていました。
 これは、2ヵ月前のもの。

 これが、現在のものですが、すっかり姿が変っています。

 2ヵ月前の切ったところ。 


 現在はナイフでないと綺麗には切れません。


  今年は、昨年より大分硬くなっています。硬いのが苦手の方は好まないと思います。私は硬めが好きなのですが、それでも今年の3月の干し柿は硬くなってしまいました。中身はちょうどヨウカン状で好ましいですが、皮の部分が硬いです。
 何といっても、蜂屋柿自体が小さかったことが一番の原因です。そのことも考慮し、囲いを早める必要がありました。今年の反省点です。
 昨年は意識して経時的に詳しい記録をしました。今年はそこまでしていませんが、比較して見ることができ、参考になっています。
 今年は小さいながら数だけは昨年よりかなり多いので、大分残されています。冷凍保存している干し柿は軟らかさが保たれるようです。
 軟らかい干し柿が好みの家人は、あんぽ柿に近い早い時期にタッパーに入れ冷蔵保管していますが、こちらは甚だ軟らかい状態が保たれています。
 過日、テレビのニュースで福島県伊達地方のあんぽ柿を中東の砂漠地帯に売り込む活動を紹介していました。あんぽ柿をどのようにしてこの時期まで保存しているのか興味がありましたが、残念ながらそこまでの紹介はありませんでした。

干し柿づくり'19~干し柿の表面は純白、中身は羊羹

2020年02月03日 | 干し柿づくり

 干し柿は、干し始めから2ヵ月半。2通りの方法で保管し、逐次取り出して食べています。
 こちらは、縄から外し紙袋に包んで囲ったもの。


 開ければ、干し柿の表面全体に真っ白に白粉が吹き出しています。

皮の部分が少し硬くなってきました。


 こちらは、タッパーに入れて保管しています。


 紙袋に包んで囲ったものとほとんど同じように、干し柿の表面は白粉で真っ白になっています。

タッパーの方が密閉度が高いせいか比較的軟らかさが保たれるようです。


 1ヵ月前とは姿が大きく変っています。(1ヵ月前の干し柿
 今年は白粉の回りは昨年より大幅に進んでいます。昨年の1ヵ月先くらいの姿ではないでしょうか。
 昨年との大きな違いは、まず小さいこと。もともと今年の蜂屋柿が小ぶりだったのに加え、比較的大玉の干し柿をほとんど贈答にしたため残っているのが、そもそも小さい。
 乾燥がより進み、白粉も昨年より早くから沢山吹いていますが、少し硬くなってきました。改めて昨年の記録と比較してみるとよく分ります。(昨年の干し柿
 一部はすでに冷凍で保存しています。冷凍の方が軟らかさを保つには勝るようです。
 白粉は多い方が甘いように見えますが、白粉は果糖が中から吹き出したものなので、甘さは白粉の多少で変りません。

 
手で裂くのは少し難しくなってきました。中身は黒味が増し、丁度ヨウカン状になって私の好みです。


大玉だと硬くなりにくいのですが、今年の柿は小玉のため皮の部分が硬くなりやすいようです。囲うのをもっと早くすべきだったかもしれません。
 干し柿はこの先しばらく楽しみます。

干し柿づくり'19~貯蔵した干し柿は綺麗に白粉が回った

2020年01月04日 | 干し柿づくり

 干し柿は、干し始めから1ヵ月半になります。
 直接空気にさらされないように吊したまま寄せ、紙袋で覆っていた干し柿は1週間余り前、室内に取り込み貯蔵に入りました。(取り込み前
 まずは、タッパーやポロ袋に入れ、冷蔵庫で保管する方法です。量が少ない場合や軟らかい状態を保つにはいい方法です。軟らかいいわゆるあんぽ柿が好みの人は早い段階でこのようにして保管すれば長く保てます。ただし、これは一部です。

白粉が全体に吹いて、一層ころ柿らしい姿になってきました。

量が多いとすべて冷蔵庫に入れるのは無理です。これまでは縄に付けたまま発泡スチロールや段ボールの中に取り込んで保管してきましたが、今年は、助っ人の提案で、全部縄から外し、紙袋に包んで囲うことにしました。
 二つの包みがあります。

 開けてみます。

白粉の回りは昨年より進んでいます。


 量が少なくなれば、逐次タッパーやポリ袋にいれ空気にさらさないようにして冷蔵庫に保管します。それでも、自然に乾燥が進んで硬くはなってきますが、同時に白粉が全体に吹いて真っ白になり、味は一層深まります。春先まで食べられますし、冷凍すればさらに長く保存できます。
 全体に白粉が綺麗に回り、私はこのくらいが最も好きです。

割いてみると、歯ごたえと柔らかさのバランスがほどよい状態です。


 我が家では、いつも茶菓子の容器に入れた干し柿がテーブルに出ています。
全体に白粉が吹き、味が濃厚になって、お茶請けには最適です。