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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'20~ころ柿の完成

2020年12月29日 | 干し柿づくり

ころ柿が出来上がりました。
干し柿は、干し始めから約40日。
今年は大玉が多かったので、乾燥に時間がかかるかと思いましたが、順調に仕上がりました。
雨がほとんど降らず、空気の乾燥した日が続き、干し柿づくりにはよい環境だったようです。
今年は、大玉の横吊りも数連やってみました。


1週間ほど前から、横吊りにしたものも縦吊りに変えました。そして、直接空気にさらされないように、大玉の干し柿も吊したまま寄せ、紙袋で覆いました。


その数日前から、小玉のものはすでに紙袋で覆っています。
いつまでも空気にさらし続けると必要以上に硬くなってしまうからです。


簡易な方法ですが、それなりの効果があるようです。この状態で様子を見ながら一定期間置き、白粉を吹かせます。
贈答は全て終り、本格的に食しているため、当初から見ると半分以下になりました。
これからは硬くなるのを抑えることが大事になります。
乾燥が進み、白粉もかなり吹いてきたので、全て居宅内に取り込みました。
作業は専ら助っ人がやってくれます。
昔なら「寝かせる」という管理をするのですが、今は量も少ないので、簡易な方法です。
大、中、小の3種類に分け、綺麗な袋に入れて取り込みました。


大玉はまだ水分が結構あるので、袋を開けたまま少し様子を見ます。
中小のものは袋を閉じていますが、やはり様子を見ながら調節します。湿気を多く呼び戻すようなら解放したり、場合によっては吊し直しすることもあります。
これは大。特大クラスです。


あんぽ柿ところ柿は連続しているものですから、明確に区切ることにあまり意味はないと思いますが、仮にころ柿が、白粉が吹いて中身も固まった干し柿とするなら、この段階になればころ柿が出来上がったと言っていいでしょう。
これは中。中と言っても大玉です。


これは小。


昨年は大半が小玉だったので、今頃にはかなり白粉が回りました。今年も大玉が多いことを考えれば、思った以上に進みました。
年明け後にこのくらいの姿を想定していました。
大玉のものを一つ取ってみます。
全体に白粉が回ってきました。


割いてみると、色がオレンジ色から褐色に、軟らかいゼリー状からヨウカン状になってきました。味も甘いだけでなく濃厚な独特の旨味が出てきました。


我が家では、今時分からいつでも茶菓子として食べられるようにしています。


好みによって柔い干し柿を好む人は、適宜タッパーなどに入れて保存したり、冷凍にしています。
これはあんぽ柿をタッパーに入れ冷蔵庫に入れているもの。


これは大玉。柔らかいままで白粉が吹いてきました。


同様にやや小ぶりのあんぽ柿。


これは小玉のものを昨日タッパーに入れたばかり。
硬さや、白粉の出具合に違いがあります。


タッパーに入れるとかなり長期間同じような状態が保たれます。少量ならこの方法が一番簡便です。
冷凍にすると半年、1年レベルでほとんど変らない状態が保たれるようです。


干し柿づくり'20~干し柿を贈答にする

2020年12月18日 | 干し柿づくり

干し柿の贈答品を作りました。
この時期の年中行事になっています。
今年は、思いのほか干し柿の出来上りが早まりました。


例年、親戚、知人に干し柿を送っています。
近場の親しい方には縄付きのまま届けますが、少々遠方のお宅には宅配で送ります。
昨年は小玉の干し柿が多く困りましたが、今年は大玉でボリュームがあり、自信をもって送れそうです。


昔、両親が健在の頃は、縄付きのままながら一戸に数十個、多いところでは百個ほども送っていたところがあります。現在は、沢山送るのは無理なので、大概のところは20個程度です。ただし、多少選別をして箱入りにし、体裁を整えます。
この辺りから取ってみました。


昨年は少し小粒だったので25個でしたが、今年は大玉なので20個です。
以前は、年末ギリギリくらいに送っていましたが、近年は早めに送っています。


今年は大玉でも仕上がりが早く、うっすらと白粉が見えています。
あと10日くらい後になると全体に白粉が吹いてきて、より綺麗に見えます。


まずまずの出来上りになりました。
まだあんぽ柿のレベルですが、受け取り側で、好みの白粉の出具合と硬さで食してもらえればと思います。


二つ目。


こちらもうっすらと白粉が吹いています。


年末まで置いておけば、結構白粉が回るのではないでしょうか。


昔は白粉の吹いた干し柿が一般的でしたが、今、この辺りの店にはあんぽ柿で出回ることがほとんどです。嗜好も変っているのかもしれません。
助っ人はもう少し置いて、白粉を全体に吹かせてから贈答にするようです。

干し柿づくり'20~あんぽ柿の完成

2020年12月16日 | 干し柿づくり

あんぽ柿が出来上がりました。
干し柿は、干し始めからほぼ4週間。
順調に仕上がりました。


今年の柿は大玉が多く、日中の気温も高めだったので、乾燥しにくいと思いましたが、雨がほとんど降らず、空気の乾燥した日が続いたので順調に乾いたようです。
柿の表面はきれいな飴色になりました。乾燥が進み、しわも大分でてきました。


昨年も乾燥は進みましたが、大玉がほとんどありませんでした。今年は昨年よりはるかに大きく、ボリューム感が全く違います。
特大級の大玉もうまく乾燥できました。
今年は、このように大玉の横吊りも数連やってみました。


当地方のプロ生産者の大半がこの方法です。
もっとも、揉みといった刺激を与えず、あんぽ柿の状態を最後まで保ちます。我が家のような昔ながらの干し柿づくりとは異なります。


確かに縦吊りのように縄の跡が付かないので玉回しの必要がなく、乾きも安定しているようです。


あんぽ柿として、すっかり完成したと言えます。
うっすらと白粉が見えてきました。


玉回しや、揉みによって表面に刺激が与えられて、乾燥が進むに従って、自然に白粉が吹いてきます。
「あんぽ柿」と「ころ柿」の違いは、甚だ主観的なものですが、仮に、白粉がほとんど吹いていなければあんぽ柿、白粉が吹いていればころ柿ということであれば、見かけ上分りやすい。
当地方の干し柿は専ら白粉を出さないあんぽ柿として出荷されます。大産地福島県伊達地方も同様です。
我が家の干し柿は、これからあんぽ柿からころ柿へと次第に移行していきます。最後には表面に真っ白に白粉が吹き、中身もヨウカン状に硬くなるまで食します。
ここから先は、硬くなりすぎないように管理する必要があります。
何時までも放置して空気にさらし続けると硬くなってしまいます。
縄は間隔を狭めて、このように3カ所に寄せました。


これは、今年としては小ぶりのもの。昨年なら、このくらいが大きい方でした。

小ぶりのものはより乾燥が進み硬くなりやすいので、このように空気にさらされないよう紙袋で覆いをしました。
紙袋は30キロの米袋を、3層になっている内の1枚を外して綺麗な状態で使います。


大玉のものはあと数日後に同様にします。
一定期間この状態を保った後は、干し柿の様子を確認しながら、タイミングを見て、室内に取り込み、段ボールの中で白粉を吹かせていきます。
この簡易なやり方は、助っ人が叔母から教わったと言い、やってくれます。
この辺りで、昔からやられていた方法は「寝かせる」という作業。
適度の空間と湿度を保つため、稲わらを敷いて、その上に干し柿を縄に付けたまま横に隙間なく並べ、その上をまたわらで覆い、さらに真冬は防寒具で覆いをします。そうすると、固くならず白粉もきれいに吹いてきます。
我が家でも母健在の頃はこの方法でやっていました。今もこの方法でやっている方がいるのかどうか。
1週間前には、あんぽ柿としてはほぼ出来上がっている感じで、すでに食べています。
1個取ってみました。ボリュームは十分です。
綺麗な飴色で、僅かに白粉が吹き始めました。

ここにきて、大玉でも中身が大分固まり、甘さはもちろん旨味が深まってきました。

中身が軟らかいゼリー状のあんぽ柿から白粉の吹いた硬めのヨウカン状のころ柿まで、一族郎党でも好みは様々。
貯蔵の時期や方法も一様な訳ではありません。いずれ、今年も干し柿を長く楽しむことが可能のようです。

干し柿づくり'20~順調に乾燥(玉回しと揉み)

2020年12月03日 | 干し柿づくり

干し柿は、皮を剥いて干し始めてからほぼ2週間となります。
順調に乾燥しています。


柿剥き、干し始めの直後に、気温の高い日が続き心配しました。
今年の柿は大玉が多く、気温が高いと乾燥しにくくカビが出る可能性があるからです。
以外にも問題なく乾燥が進みました。雨が全く降らず、適度の風が吹き空気の乾燥した日が続いたからだと思います。


ここまでくれば、まずは一安心と言ったところ。しかし、昨年のような小玉の柿より大玉の柿は乾燥に時間がかかります。
吊し始めた直後、乾きやすいように大玉の横吊りを少し増やしました。


ここまでの管理としては玉回りと揉みです。専ら助っ人がやってくれました。
玉回しは数回。
干している柿を少し回転させてやるのが玉回し。
縦吊りの場合、縄に当たっている部分が食い込み、深い跡が付き均一に乾燥しません。


特に今年の柿は大玉で重みがあるため回数を多くしています。


横吊りの場合は柿が縄に当たらないため玉回しの必要がありません。
現在、プロ生産者の大半はこの方式です。


次いで揉みの作業。この辺りでは芯切りと言っています。
蜂屋柿には種が数個入っているため、種の周辺が太い芯のようになり柔らかくなりにくいのです。
それで、このように干し柿を指の腹で押して揉みます。
固かった芯が切れて柔らかくなります。


現在、当地方の干し柿生産者の方々は、玉回しや芯切りといったことはやられないと聞きます。横吊りにして乾燥させ、できるだけ柿には刺激を与えずに管理するようです。
干し柿は玉回しや揉みで刺激を与えると、乾燥が進むに従って表面に白粉が吹いてきます。当地方では大半が「あんぽ柿」として出荷するため、白粉を吹かせないようにしているのでしょう。
我が家では、「あんぽ柿」から白粉を吹かせた「ころ柿」まで長期間楽しむので、白粉を吹かせます。
乾燥が進み、きれいな飴色になってきました。


すでに渋みは抜け十分に甘くなっています。
ですから、トロトロの干し柿でいい方はこれでも食べられます。
しかし、いわば熟し柿の状態ですから、これで干し柿とは言えません。
干し柿らしい旨味が必要です。


干し柿づくり'20~硫黄燻蒸して吊す

2020年11月19日 | 干し柿づくり

前日皮剥きした柿をひもに通し、硫黄燻蒸した後、吊します。
本来は、皮剥きから吊しまで一連の作業を全て終わらせるべきなのですが、大変になってきたので、今は2日がかりの作業です。
今回は助っ人が一人。一日でやっていた頃は多人数いたものでした。
主な道具をチェックします。
プラスチックパイプの枠は硫黄燻蒸の際に柿を吊すためのもの。大分以前にごく普通に売られているパイプを組み合わせ手作りしました。


柿を並べる時に使う竹を割って作った簡単な道具。
大きさに合せて3種類。柿をひもに通す時に、柿の大きさによって使い分けます。


柿を通すひも、枠を覆って密閉するためのブルーシート、硫黄燻蒸するための硫黄粉。


吊すひもはごく普通のビニールひもです。
この辺りでは、昔から1本のひもに20個を通すのが普通でした。しかし、かなり重くなってしまうので今ではあまりこだわらないようです。
昨年は小玉のものが多く、大半が20個でした。特大級を並べる道具の出番は全くありませんでした。
今年は大玉が多く、20個のものはありませんでした。大半が14個~18個で、12個という特大級のものもかなりありました。
平均すれば15、6個でしょうか。


紐に通せば、次は硫黄燻蒸です。
硫黄燻蒸は、カビを防ぎ、綺麗な仕上がりにするために欠かせません。硫黄燻蒸しないと酸化して黒い干し柿になってしまいます。贈答用には使えません。
硫黄はすぐに空中に拡散し無害となるので心配は全くありません。
現在の我が家の硫黄燻蒸は、プラスチックパイプで作った枠をブルーシートで覆った中で行います。昔は専用の木箱を使っていました。
この中に柿を吊して密閉し、硫黄粉を焚いて燻蒸します。
ひもに通した柿を、このようにパイプ枠の中に吊します。


30連くらい吊すのに適当な大きさです。昨年は多すぎて少し細工をしましたが、今年はぴたり30連でした。
吊し終わったら、シートで密閉し硫黄燻蒸します。我が家では、小さな鍋に炭火をおこし、硫黄粉を燻しています。
硫黄粉の目安は容積1㎥当たり15~30g。
準備を完全にしておいて、火が硫黄粉に付いたら素早く密閉します。


少量の干し柿の場合は、コンテナに剥いた柿を入れ硫黄燻蒸する方もいるようです。
燻蒸は、休憩しながら約1時間放置しました。


シートを解放します。
硫黄粉は完全に燃えていました。


皮を剥いた後、柿の表面が酸化して僅かに黒ずんできましたが、硫黄燻蒸は漂白効果があるので、すっかり綺麗になっています。
横竹に吊します。


現在、プロの干し柿生産者はひもを横にして吊すのがほとんどです。我が家は昔ながらの縦に吊す方法です。この方法は柿が縄に密着するので、玉回しの作業が必要です。


500個には達しないようですが、今年は大玉なのでこれで十分です。昨年は小玉が700個越えで苦労しました。
スペースができたので、2連だけを横吊りにしてみました。


大玉は上手に干すのが難しい。期間も要します。


ここは作業場の2階です。昔は葉たばこの乾燥場だったので、乾燥には都合のよい構造です。窓際に吊します。十分に風は通り、雨や直射にも当たらないので、うまく干せます。


気になるのは、ここ数日気温が高いこと。これはよくありません。何年か前、高温が続き苦労したことがありました。
気温が上がらず乾いた風が吹く条件がいいのですが。うまく干し上がるかどうか。