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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'23~白粉がすっかり回る

2024年02月08日 | 干し柿づくり

干し柿は、干し始めから2ヵ月半余り。
あんぽ柿から白粉が回り始めたころ柿の姿に変化してから1ヵ月ほどが経ちました。
干し柿全体に白粉がすっかり回りました。
吊したまま放置すると乾燥がより進み硬くなってくるので昨年末には室内に取り込みました。
さらに 空気に晒さないよう多くは縄付きのまま大きなポリ袋に入れ密封状態にしました。
そして、1月半ば過ぎには全て縄から外し軸も取ってポリ袋に集約し、気温の上がらない部屋で保管しています。



昔なら寝かせると言う作業がありましたが、このやり方は甚だ簡便な方法です。
もともと今年は大玉が少なく、それは大部分贈答に回っています。
残っているものは殆どが小玉、中玉が少々と言ったところです。


ただ、蜂屋柿が大不作だった前年と比べると残っている数ははるかに多い。倍以上はあるでしょう。
白粉の吹き出しも順調で、全体に綺麗に回っています。小さい干し柿の方が白粉の回りは早い。


これは年内にあんぽ柿の状態でタッパーに入れ、冷蔵庫で保管していた干し柿。


自然に白粉が吹いて全体に回っています。


この方が比較的軟らかい状態を保ちやすいのですが、今年はやや硬い。
やはり小玉のためタッパー内でも硬くなってきたようです。
1個1個ラップに包んでからタッパーに入れれば水分が抜けず長く状態が維持できます。
より長期に保存したければ冷凍が確実です。一寸取り出してみました。
これは年内のあんぽ柿が出来上がったところで冷凍したもの。


これは全体に白粉が回り始めた頃に冷凍したもの。


冷凍しても水分が少なくなっているためカチンカチンにはならず、弾力があります。
このあたりはそれぞれ好みによって冷凍するタイミングを選択すれば良いわけです。
白粉は中の糖分が表面に吹き出したもので、白粉の多少と甘味は関係ありません。
しかし、この時期になると白粉が吹かなければころ柿として物足りなさを感じるでしょう。
どなたのブログだったか、頂いた白粉の吹いたころ柿を見て、カビが出ていると勘違いして全部捨ててしまったことがあると書かれていました。
なるほど、確かに初めて見た方はそう思っても不思議ないのかもしれません。
我が家ではこのように、いつも茶菓子として出ています。


1個取ってみます。


割いてみます。


大玉でないのでボリューム感はイマイチながらねっとりしたヨウカン型です。
小生の好むところですが、ゼリー型のあんぽ柿が好みの方は硬すぎると感じるでしょう。
日が経つにしたがって変化する姿や中身を愉しむのも悪くないものです。


干し柿づくり'23~白粉が回ってきたころ柿の保管

2024年01月10日 | 干し柿づくり

干し柿は、干し始めてから50日、あんぽ柿が出来上がってから20日余りと言ったところでしょうか。
横吊りにしていた比較的大きな干し柿は年内中に殆どを贈答にし、残っているのは大部分が縦吊りの干し柿。
12月半ばから吊したまま紙袋で覆いをし昨年末までこのようにして置きました。若干横吊りの一部も入っています。


思いのほか白粉の吹き出しが遅く、この段階では外観上はまだあんぽ柿の状態でした。
ただ、大玉はなく中玉小玉のためそのまま置くと乾燥がより進み硬くなってきます。
そこで、助っ人に頼み昨年末に全て自宅内に取り込みました。
蜂屋柿が大不作だった前年と違い今年はそれなりの量があるため縄付きのままです。
これはその時のもので、紙で2重に包み、段ボールに保管しています。


この時は、殆ど白粉は見えませんでした。


こちらは小さな平箱に入れたもの。比較的大きめの干し柿で、ほんの僅か白粉が見え始めていました。


ここからは、白粉を吹かせながら硬くなるのを抑えることが必要です。
昔、母健在の頃は稲わらなどを用い「寝かせる」という管理をしたものですが、今は困難。
今年は白粉の吹きが少ない割にやや硬くなっています。そこで、より空気に晒されないようにして保管します。
これが現在の姿。段ボールに入れた干し柿も白粉が大分見えてきました。


少し量があるので大きなポリ袋に入れ密封状態にしました。


小さな平箱に入れた干し柿。こちらの方がより白粉が吹き出しています。


このような小さいポリ袋数個に入れます。そして、必要な都度取り出します。


これは年内からタッパーに入れ冷蔵庫で保管している干し柿。


小玉ですが、全体に白粉が吹いています。


より密閉度が高いので、乾燥が進まず硬くなりにくい。
これはさらに早くあんぽ柿が出来上がった段階でラップに包んでからタッパーに入れたもの。


柔らか好きの人間はこのようにすれば水分が抜けず長く状態が維持できます。
より長期に保存したければ冷凍です。
これはあんぽ柿が出来上がったところで冷凍したもの。一寸取り出してみました。


これならあんぽ柿が殆ど変わらない状態で保たれます。それぞれの好みで選択すれば良い。
我が家では常に茶菓子として出ています。


中玉の干し柿を取ってみました。


手で割いてみます。


ボリューム感はイマイチながらねっとりしたヨウカン状になっています。
このくらいが小生の一番の好みです。
中身がゼリー状だったあんぽ柿とは姿が大きく変わり、いわゆるころ柿です。
これからさらに白粉が全体に回り、姿は変化していきます。


干し柿づくり'23~贈答品にする

2023年12月23日 | 干し柿づくり

干し柿を贈答品にしました。
今年は順調に乾燥が進み、輸送時に傷む心配もなくなりました。
近年はあんぽ柿の状態で早めに贈るようにしています。
少々負担に感じるようにもなっていますが、この時期相手方もその気になっているので止められません。
近くの親しい方には縄付きをそのまま届けます。
箱詰めにして贈るのは、遠方の親戚、知人あてのものです。
昔は、縄付きで数十個贈ることも珍しくありませんでしたが、今は20個程度にさせて貰っています。
但し、姿の良いものを選別し、贈答らしい体裁を整えて箱詰めにしています。
贈答にするのは主に横吊りにしている方で、現在はこのように覆いをしています。


横吊りにしている片方の覆いを外し、姿の良いものを選びます。


こちらは縦吊りですが、今年は特大玉はないので横吊りとの違いはあまり感じません。


昨年と比べると全体に小さく、ボリューム感では見劣りします。
色上がりはまずまず。見栄えは白粉が少し吹いてきた頃の方が良いとは思いますが。
昨年は大玉のためまだ軟らかく潰れる心配がありました。今年はその心配はありません。
まず一つ作ってみます。


昨年は少し盛り上がり押し潰されそうになった記憶があります。
それから見ると今年は大玉が少なく物足りなさは感じます。
それでも比較的大玉のものを選び20個詰めにしてみました。


結構ボリューム感が出て、それなりの姿になりました。


もう一つ作ってみます。


こちらはサイズが一回り小さいので25個詰めに増量しました。


ボリューム不足は個数で勘弁願うことにします。
さすがにこちらは少し盛り上がる感じになりました。


今はあんぽ柿の状態で贈っていますが、昔はもう少し白粉が回ってから贈っていました。
小生的にはそのくらいに進んだ方が好きです。しかし、贈る時期が遅くなってしまいます。
今、当地方では殆どあんぽ柿の状態で店に出回るので、むしろ白粉の回らないのが一般的かもしれません。
贈る側も早めに贈った方が管理の期間が短く気楽ではあります。
白粉が吹いた硬めの干し柿が好みの人は受け取ってから少し置いて食べてもらえばいいと思います。
何はともあれ贈答が済めば一安心と言ったところ。


干し柿づくり'23~あんぽ柿が出来上がる

2023年12月19日 | 干し柿づくり

あんぽ柿が出来上がりました。
干し柿は、干し始めてから4週間。
今年は順調に干し上がりました。
気温は総じて高かったものの風が吹き比較的湿度が低く経過したためです。
柿自体も大玉が少なく乾きやすかった。
数は29連で490個余りとほぼ例年並です。今年は昨年のような特大玉はありません。
すでに1週間ほど前から食べており、甘味は十分です。
想定より乾きが進んだため、吊したまま空気に晒し続けると硬くなってしまう恐れがあります。
そこで、3日ほど前から直接空気に晒さないよう紙袋で覆いをしました。
こちらが横吊りにした干し柿。


比較的大きい方で主に贈答用にします。
紙袋は30キロ入りの米袋を利用しています。3層になっている内側の1枚を外すと綺麗な状態で使えます。
片方の紙袋を外してみます。


プロ生産者の大半は横吊りで、縄の跡が付かないので玉回しの必要がありません。
風の通りが良いため乾きも安定しています。


色上がりもまずまずですが、大きさは昨年からみるとかなり小さい。


表面はよく乾き、しわも出てきました。白粉はまだ見られません。


こちらは従来からの縦吊り。


こちらは縄を少し寄せて、同じように紙袋で覆いをしています。
片方の紙袋を外してみます。


今年は乾燥の進み具合は横吊りと全く変わりませんでした。


こちらは玉回しを数回行っています。
当地では「芯切り」と言っている柿の腹を揉む作業はどちらの吊し方でも行っています。
小振りなものを縦吊りにしていますが、あまりに小さいものもありません。


特大玉がない代わり大小あまり違いがないのが今年の特徴です。
今は甘味だけでなく干し柿らしい旨味も出てきました。
中身は予想以上に固まってきました。これであんぽ柿の出来上がりとします。
1週間後くらいにはうっすらと白粉が見えるものも出てくるのではないでしょうか。
我が家ではあんぽ柿からさらにころ柿へと進めていきます。
あんぽ柿、ころ柿と言っても連続している訳で甚だ主観的なものです。
ただ「あんぽ柿」は白粉が吹かないもの、「ころ柿」は白粉が吹いたものと区別するのは分りやすい。
現在、当地方の干し柿は殆どが白粉を出さないあんぽ柿として出荷されます。
大産地の福島県伊達地方も同様です。
蜂屋柿が大不作だった昨年は別として、我が家では例年春先までころ柿を食します。
表面に真っ白に白粉が吹き、中身がヨウカン状に硬くなるまでです。
この後、干し柿の状態を観察しながら、室内に取り込み白粉を吹かせます。
比較的大きな1個を取ってみました。
白粉が吹いていない典型的なあんぽ柿。


中身はゼリー状ですが、トロトロと流れるようなことは全くなく見かけより固まっています。


甘味だけでなく干し柿らしい旨味も乗ってきました。
これから白粉で真っ白になるまでその時々の味が楽しめます。
人によって軟らかいあんぽ柿から硬めのころ柿まで好みは様々。
好みの時にタッパーに入れて冷蔵するなり冷凍して長期保存すれば、その時々の状態が保たれます。


干し柿づくり'23~乾燥は順調で揉みと玉回しをする

2023年12月06日 | 干し柿づくり

干し柿は、硫黄燻蒸し干し始めて半月ほど。順調に乾燥は進んでいます。
結局、今年は29連で490個余りとほぼ例年並の数となりました。
蜂屋柿が大不作だった昨年の倍以上あります。


出だしで一番心配なのはカビの発生。気温と湿度が高いとリスクが高まります。特に大玉は乾きにくい。
今年は結構風が吹き湿度が低かったため、柿の表面の乾きが良かったようです。
ここまで来ればぼぼ大丈夫。
昨年のような特大玉は殆どありませんが、比較的大玉で贈答向けは横吊りにしています。


今はプロ生産者は横吊りが主流で、風の通りが良いため乾きやすい。
色合いも良く、このまま乾燥が進めば良い仕上がりが期待できそう。


この姿になればすでに渋は抜け、甘くなっています。
食べようと思えば食べることは十分可能です。しかし、中はトロトロ状で干し柿と言うより熟し柿。
「あんぽ柿」になるまでには暫く時間を要します。


この時期にやるのは干し柿の腹を揉む作業です。
当地では昔から「芯切り」と言っています。専ら助っ人がやってくれます。
蜂屋柿には種があり、種の周りが芯状になるため揉んで軟らかくするのです。


揉むことで刺激が加えられるため後に自然に白粉が吹き出てきます。
しかし、当地方のプロ生産者は現在はこのような作業はしないと聞いています。
白粉が出ない「あんぽ柿」として出荷するため、できるだけ刺激を与えないように管理するらしい。
我が家では、昔と同様「あんぽ柿」から白粉を吹かせた「ころ柿」まで進めるようにします。
こちらは従来からの縦吊り。


中玉、小玉の主に自家用ですが、今年は極端な大玉や小玉が少ないためあまり違いはありません。
乾燥程度も横吊りと変わりなく順調に進んでいます。


色合いも良し。


但し、縦吊りの場合は、「芯切り」の作業のほかに「玉回し」の作業が必要です。
縦吊りにすると、縄に当たっている部分が次第に食い込みます。


そこで時々柿を少し回転させ、このように縄をずらしてやります。縄の跡が分ります。


玉回しは数回やり、縄の跡が深くならないように注意します。
横吊りの場合はこの作業が必要ありません。
「あんぽ柿」が出来上がるまでにはあと半月ほど要するでしょう。