あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

安田元久著「北条義時」を読んで

2022-03-16 10:06:50 | Weblog

照る日曇る日第1719回

 

1961年に刊行された義時に関する最も基本的で内外に定評のある名著を2004年の新装版で読む。

 

初版の刊行以来なんと60年以上も経過したために、学会の最新動向や最新式の見解は当然含まれていないが、その背筋のピンと伸びた厳格な学問的態度と、酸いも甘いも噛分けた大人の文章の風格は、最近雨後の筍の如く出てくる若手&中堅研究者の粗製乱造、吹けば飛ぶよな新書本なぞの遠く及ばない境地に達していて少なからず感服した。

 

阿呆莫迦公凶放送が人気脚本家を雇って仕掛けた「鎌倉殿の13人」ブームに煽られて、この古代封建的な朝廷政権を武力で打倒し、強力無比な武家政権の基盤を創成した、有能にして悪辣陰険な2代目執権の、業績と人となりに接したい人が、第一に読むべき書物は本書だろう。

 

  命懸けで侵略と戦う民草にイチャモンつけるインテリを憎む 蝶人

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西暦2022年弥生蝶人映画劇場その3

2022-03-15 09:16:07 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2805~09

 

1)ロバート・レナード監督の「高慢と偏見」

ジェイン・オースティンの原作を1940年にハックスリーの脚本、ロレンス・オリヴィエ、グリア・ガースンのコンビで映画化。山あり谷ありの末に訪れるハピーエンド。なかなか良く出来た映画ずら。

 

2)ジョン・フォード監督の「静かなる男」

ジョン・ウェインとモーリン・オハラの名コンビで描く1952年のアイルランド喜劇。おらっち、なんとなくヴェルデイのファルスタッフを思い出したずら。それにしてもかの国では、なんでそれほど嫁の持参金が大事なのかねえ。クライマックスでウェインと嫁の父親が殴り合いを演じるが、ボクサー時代に相手を撲殺したことのあるウェインが、なんで決闘に挑んだのか不可解なり。

 

3)ダニエル・マン監督の「愛しのシバよ帰れ」

1952年製作の人情夜話。アル中と闘うバート・ランカスターを支える愛妻シャーリー・ブースの演技が素晴らしい!

 

4)ティエリ・ビニスティ監督の「静かなレジスタンス」

2008年のレジスタンス映画。独逸占領下のフランスでレストランを営む女性が、独軍将校を下宿させつつ、地下室に英軍兵士を匿うが、事破れて犠牲になってしまう悲劇なり。

 

5)ロバート・ワイズ監督の「地球が静止する日」

ある日突然米国のワシントンに宇宙人がやって来る1951年のSF映画であるが、題名とは無関係。宇宙人が、「地球でみだりに戦争なんかしていると、撃滅してしまうぞ」とプーチン輩を恫喝して飛び去っていく不条理にして今日的な幕切れずら。

 

   青と黄の2色の国旗を踏み躙りキエフに急ぐ地車の群れ 蝶人

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ニューヨーク・フィルハーモニック175周年記念CDを聴いて

2022-03-14 09:22:50 | Weblog

音楽千夜一夜 第490回

 

ウイーンフィルと同じ1842年にNYで設立されたオーケストラの代表的な録音をセレクトした65枚組のCDなり。最初期のジョセフ・ストランスキーが指揮した1917年録音の新世界交響曲のラルゴなどは78回転レコードからの復刻だが、それでもちゃんと聞こえてくるのは不思議な気持ちである。

 

マンゲルベルグ、トスカニーニ、バルビローリ、ロジンスキー、ミトリプーロス、ワルターなどはみなモノラル録音なのだが、好きな指揮者ばかりなので、楽しく聴けた。

 

ステレオ時代になってからはお馴染みバーンスタインの独壇場で、マーラーの2番、3番、8番などを聞き直してみると後年のウイーンフィルとの再録音などより新鮮に胸を打つのは指揮者もオケも当時は新鮮な音楽だったからだろう。

 

このコンピレーションにはマゼール、ギルバートなどは入っていなくて、1995年のマ&マズアのドボルザークのチェロ協奏曲で終わっているが、途中でインサートされているブーレーズが意外に面白かった。

 

 障害の息子のために買ったけどいずれ私が持つことになるGPSBoT 蝶人

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西暦2022年弥生蝶人映画劇場その2

2022-03-13 10:01:06 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2800~2804

 

1)ジャック・フェデー監督の「ミモザ館」

フェデーの妻のフランソワーズ・ロゼーが主演する1935年のおふらんす人情劇。ヒロインがせっかくカジノで大金を手に入れたのに、阿呆莫迦男は毒を仰いで死んでしまい、札束が風に舞うシーンは後年の「ギャバン、ドロンの「地下室のメロデイ」を思わせる。

 

2)ジェームズ・グレイ監督の「アド・アストラ」

せっかくブラピが行方不明の父親を捜し求めてはるばる海王星くんだりまで飛んでいたtのに、なんで死を選んだのか分からない2019年のSF映画。ブラピも歳をとったものだ。

 

3)リチャード・リンクレーター監督の「スクール・オブ・ロック」

ジャック・ブラックが偽教師になって厳格な一流学校にもぐりこみ、ガリベン生徒をロックバンドに仕立て上げてあっといわせる2003年のコメデイ。

 

4)ガース・デイヴィス監督の「LION/25年目のただいま」

5歳の時にインドで行方不明になりオーストラリアで養子になっていた主人公が25年目に母親と再会するまでの実録映画。

 

5)チャド・スタエルスキ監督の「ジョン・ウィック」「ジョン・ウィック2」

キアヌ・リーブスが大活躍する2014年と17年の大復讐アクション映画ずら。第1作では車と愛犬、2作目では自宅を焼かれて頭に来るのだが、優男ゆえあまり強そうには見えないのが難点ずら。

 

 べらべらと場つなぎ科白を連発しショウタイムを消化している阿呆莫迦男 蝶人

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原武史著「歴史のダイヤグラム」を読んで

2022-03-12 14:30:55 | Weblog

照る日曇る日第1718回

 

「鉄道に見る日本近現代史」という副題が付いた新書だが、中原中也が出てくる「漱石と中也、「汽車」と「電車」」という短いコラムが面白かった。

 

1937(昭和12)年に私が毎年健康診断に行く鎌倉養生院(現在の清川病院)で、結核性の脳膜炎で30歳で夭折した詩人は、その最晩年の日々を寿福寺の境内の片隅で起居していた。

 

そして著者が引用しているように「汽車が速いのはよろしい、許す!」で始まる未発表の無題の詩の第4連には、

 

「エエイッ、うるさいではないか電気自動車と、

ガタガタガタガタ、朝から晩まで。

いつそ音のせぬのを発明せい。

音はどうも、やりきれぬぞ」

 

なぞと書かれている。

 

寿福寺の前には、今も昔も横須賀線が走っており、著者の調査では、当時は平日朝が上下各15分おき、それ以外は30分おきに走行しているから、確かに喧しかっただろうが、湘南新宿ラインも走っている現在は、ダイヤが3密になって、もっと喧しくなっているから、もし中也が長生きてしたとしても、たぶん発狂したに違いない。

 

ところで我が家では、今日のような土曜日の午前中、図書館の帰りに、妻が運転するアクアに乗って、くだんの踏切に差し掛かるのであるが、中也がいうほど電車の走行は煩くなくて、一番かしましいのは、列車が通過する前後にもカンカンカンと連打される信号機のフォルテッシモなので、中也がこれについて記さなかったのはなんとも不思議だ。

 

当時は、警報の連打よりも電車の走行音のほうがけたたましかったのかもしれないが、私は、この踏切を通り過ぎるたびに、左後方を振り返って、死の前年、長男文也を喪って、暗い心で、暗い部屋にひとり端座していた、孤独な詩人の姿を思い浮かべるのである。

 

          自閉症の長男が教えてくれたこと横須賀線の信号は嬰ハ長調で鳴る 蝶人

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主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.109」

2022-03-11 19:24:23 | Weblog

蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第419回

 

銀婚式/友人の銀婚式を祝うスピーチ

 

  • 昔のエピソードを紹介してユーモラスに祝う

田中君、そして奥さんの郁子さん、銀婚式おめでとうございます。*1

 

私は田中君の高校時代からお付き合いをさせていただいております門山晃と申します。こうやってお二人が並んで座っていらっしゃるお姿を拝見しておりますと、あれからもう二十五年が過ぎたのかと夢のような思いがいたします。*2

 

真吾君は髪の毛が白くなり、ちょっと太りましたが、郁子さんのほうは相変わらずえくぼが可愛らしくてスマートで、「3年B組のマドンナ」の面影はそのまんまなので、同級生の一人としましてはイメージを裏切られずに実はホットしているところであります。*3

 

そもそも、人間は大きくイヌ派とネコ派の2種に分類されるそうですが、お二人は当時から猛烈なネコマニアでありました。捨てネコ、ドラネコなんでも来るネコは拒まず、ということで二人のアパートはまるでネコの巣窟のようでした。

 

それが相当不気味な様相を呈してきたために、イヌ派の私などはあまり寄り付かなくなってしまったのですが、ネコ好き同士の連帯感は非常に独特のものがあるようですね。

 

その強烈な連帯感がいつしか二人を結ぶ強い愛の絆に変わっていったのではないか、というのがアバウトなイヌ派である私の想像なのですが、*4

田中君、果たして真相はどうなのでしょうか?*5

 

冗談はともかく、当時からお二方の熱愛振りは傍目もうらやむほどでした。四半世紀の長い時間には色々なことがあったとは思いますが、現在田中君は環境問題の専門家として、郁子さんは福祉アドバイザーとしてそれぞれの分野でめざましい活躍をされております。

 

そしてお二人のマンションにはあいもかわらず何十匹ものネコちゃんが居候しているそうですよ。

 

田中君、郁子さん、ネコちゃんの食費をかせぐためにも、どうかこれからも体に気をつけて頑張ってください。

 

  • スピーチのポイント

1)長い付き合いのある親友であることを告げて以下のスピーチの伏線を張ります。

2)当時のエピソードをユーモラスに紹介して会場の雰囲気をリラックスさせます。

3)イヌ派、ネコ派の区分は星座、血液型などと同様に多様なものを単純化する論法でいろいろな応用が可能。知っておくと便利です。

4)一方的に喋るばかりがスピーチではありません。このように出席者に直撃インタビューする手法も臨場感があって効果的です。

5)ユーモアに包みながらも二人の幸せを祈ります。

 

  死んだように横たわっているけれどこの蛹まさしく春を待つアカタテハ 蝶人

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「夢は第2の人世である」あるいは「夢は五臓六腑の疲れである」第109回

2022-03-10 17:17:38 | Weblog

 

西暦2021年霜月蝶人酔生夢死幾百夜

 

中国大陸にほど近いその小島には、仮想敵国からの情報を細大漏らさず収集するための、大中小無数のアンテナが、蟻の這い出る隙間もなく立ち並んでいた。11/1

 

佐々木かをりが親戚ではなかったと知ったおらっちは、少なからずショックを受けたが、「そうか、京都生まれの彼女が、横浜生まれのはずがないもんな」と、胸を撫で下ろしたのだった。11/2

 

連隊長から「敵の捕虜を14・23に全員ここに整列させろ」と急に命じられたので、捕虜を捜したが、どこにもいないので、わいらあいうにいわれん苦労をしたのよ。11/3

 

おらっちの会社での仕事は広告宣伝なのに、もう秋が終わって冬に入ろうとしているのに、年初から何の仕事もしていないことに気がついて、慌てて営業部長のところへ行ったら、「今年は宣伝費はゼロなのよ」というたので、腰が抜けたずら。11/4

 

明日は総攻撃というその夜、わいらあ「みんな家族でいるところをスケッチしてやろうか?」と訊ねると、我も我もと集まって来たので、次々に描いてやったら、みな泣いて喜んでいた。11/5

 

コロナ禍が一段落したので、マンモス学会へ行ったのだが、「マンモスの本質は、その骨なのか、その内臓なのか、それともその魂なのか?」について、相も変わらず果てしなき議論が繰り広げられていたので、怱々に退席した。11/6

 

キヨカワ医院の女院長が、土曜日の内科を担当しているそうなので、いちど健康診断を受けてみようかな、と思うのだが、その動機がやや不純ではないかと、朝までもんもんとしているずら。11/7

 

新社長が同じ場所で毎回作っては壊し、壊してはまた作る展示会の設営費がまったくの無駄遣いだ、と怒り狂っているようだが、これが必要経費であることを、誰も説明しようとはしない。11/8

 

せっかく頻尿緩和剤を飲みだしたのに、なんでまた1時間おきに小便に行かなきゃならんのだ、それに寝返り打つたびに右腕の筋肉が痛むし、ダメトラは虚人なんかに負けるし、ああ早く寝なきゃ。11/9

 

私ら2人は、あんまり近くにいたために、かえって、お互いに深く愛しあっていることが、ずいぶん長い間、分からなかった。11/10

 

三代将軍実朝の私は、毎日歌を詠みながら、あの悪辣陰険な北条時頼が、私の首を取りに来る日を、今か今かと待っているしかなかった。11/11

 

おらっちは見た。かの公爵夫人が、あのコモド大トカゲとがっぷり四つに組んでから、明後日の方角へ、いとも軽々と投げ飛ばすのを!11/12

 

司令官から直接頼まれたので、仕方なく面倒を見ているのだが、その頑なに沈黙を続けている男は、ひょっとすると敵の密偵かも知れないので、おらっちは気を抜く暇は、てんでなかったのよ。11/13

 

イマイさんの小説講座を学んだ人たちから、数多くの芥川賞や直木賞作家が誕生しているが、イマイさん自身は、まだ候補にのぼったことすらないのは、何故だろう?11/14

 

車のトランクを開けたら、中は水がいっぱいで、金魚とメダカが泳いでいて、水底に2つの弁当箱があった。11/15

 

高橋アキさんが、ピアノで現代音楽を演奏していることは分かるのだが、それが誰のなんという曲なのかはてんで分からないうちに、演奏が終わってしまい、瞬く間に、聴衆も消えてしまったので、拍手することも出来なかった。11/16

 

おらっちは、オン・デマンド・サービスで頼んだ、コカコーラと三ツ矢サイダーとカルピスを飲みながら、懐かしの小学校唱歌を歌いまくったのよ。11/17

 

千客万来の展覧会にスタッフ一同大童だったが、ふと考えてみると、今回は入場料金をとっていないから、全部持ち出しになる訳なのであった。11/18

 

千客万来の展覧会の最終日の終了時間間際に滑り込んだ客が、いくら「もう終わりですよ」というても、粘りに粘って帰ろうとしないので、みな閉口して、客を残して引き揚げた。11/19

 

族長は、これから夜襲をかけるテントの中で幸せそうな顔をして眠っている女子供たちのことを思ったが、いそいで頭を振って、その残像を消し潰した。11/20

 

息子ときたら、五味家の広間に若者たちを集めて、なにやら大演説をしているので、恥ずかしくて仕方がない。いつのまにああいう偉もんハンに成り上がったのか。11/21

 

スクリーンに映し出された、青春まっさかりのアラン・ドロンを見つめながら、後期高齢者の女性たちが、ねっとりとした妖しい視線を投げかけるので、とうとう銀幕が燃えはじめたようだ。11/22

 

もうコロナにすっかり飽きた政権が、急に思いついたように18歳以上の国民にクラシックの定番CDを無償提供することになって、まずワルターのモザールの40番&41番が送られてきた。11/23

 

おらっちは、南アやアメリカ南部で人種差別バスに乗ったことがあるが、それはそれはお話にならないくらい酷いものだった。11/24

 

おらっちは、ある野党の領袖選挙に立候補したのだが、対立候補のレベルがあまりにも低すぎるので、討論会は欠席して、コブナ釣りに勤しんでいた。11/25

 

ノジマ電機でエアコンを買おうと思って、販売員と電卓を押しくら饅頭していたら、余の右手の人差指が電卓を突き抜けて、販売員の掌も突き通してしまったので、驚いたなあ。11/26

 

「シビラっちゅう服のコンセプト、コア・ターゲットのプロフィールは、いったいなんなんねん!」と社長が叫ぶと、その場にいた全員が、なぜかおらっちを見たので、「そんなこと知らすか、なんでおらっちが答えんといかんのかいな」というて、退席したのよ。11/27

 

いつも細かい所で失敗している大将だったが、最後のコンサートでは、一音符も間違わずに軽妙なフルートの節を奏でた。11/28

 

バーンスタインな私は、その日のコンサートで、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の棒は振ったが、ニールセンの交響曲は謹んで辞退し、家に帰ったずら。11/29

 

もう今では無くなってしまった会社のこと、もう今では泉下の人となってしまった先輩や後輩の人々のことについて四方山話をしたのだが、その御当人は、おらっちのことを全然それと認知していなかったと別の人から聞いたので、やっぱりそうだったのか、でもよくある話よと軽く受け止めているおらっち。11/30

 

  政権の批判すら出来ない政党のどこが野党かとムクドリがいう 蝶人

 

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主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.108」

2022-03-09 13:27:42 | Weblog

蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第418回

 

喜寿の祝い/恩師の喜寿を祝う教え子のスピーチ

 

  • 生涯の恩師に対して感謝の気持を込めて語る

中山先生、つつがなく喜寿をお迎えになりまして本当におめでとうございます。*1

 

私は学生時代に先生の教えを受けました木下弓彦と申します。*2

 

喜寿は、昔から「喜の字の祝い」とも称され、その由来は漢字の七十七を組み合わせると「喜」という字の草書体になるからだと言われております。私も先日実際この文字を筆で書いてみまして、成る程なあ、昔の人はなかなか知恵があったんだなあと、自分の無学は棚に上げて感心した次第です。*3

 

中山先生は私の中学一年生の時の担任でした。理科がご専門でしたが、文学や歴史の造詣も深く、授業時間はもちろん放課後も、休日も先生をおたずねしては色んなことを教えていただきました。

 

例えば、分子や原子や素粒子といったミクロの世界と、銀河系の宇宙を構成する惑星のマクロの構造が似通っているのが面白いとか、世界の陸地がもとはつながっていて、それが時間の経過とともに分裂していったとか、初夏満天の星の下で夜の更けるのも忘れて先生のお話に聴き入ったものです。

 

今日私のような不肖の弟子が大学で物理学の教師をしているのも、そもそものきっかけは先生の雑談の面白さ、発想の素晴らしさに深く啓発されたからだと思います。*4

 

中山先生の暮らしぶりは質素でしたが、政治、経済、文化、社会――森羅万象あらゆることに旺盛な好奇心をいだき、つねに問題意識をもってエネルギッシュに勉強されていました。そしてそのひたむきな姿勢は半世紀を過ぎてもまったく変わりません。*5

 

どうか先生、これからも私ども後輩の精神的な支柱としてお元気でご活躍ください。最後になりましたが、いつもご迷惑ばかりお掛けしてきた奥様に謹んでお詫びと今日の良き日のお祝いを述べさせていただき、お二人のご健勝を心よりお祈り申し上げまして私のごあいさつとさせていただきます。

 

  • スピーチのポイント

1)最初に自分の名前と恩師との関係を明らかにしましょう。

2)イントロとして喜寿の由来に触れるのも悪くないでしょう。

3)恩師との出会いや印象的なエピソードを幾つか具体的に述べて恩師の人柄を好意的に紹介しましょう。

4)恩師の素晴らしさをあらためて強調。

5)終結部では恩師と配偶者の双方に対して今後の活躍と健勝を祈念しましょう。

 

   人殺しまた人殺し人殺し世界を敵に狂人が行く 蝶人

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永井晋著「北条政子、義時の謀略」を読んで

2022-03-08 10:12:31 | Weblog

照る日曇る日第1717回

 

大河ドラマで一躍フューチャーされるようになった北条政子とその義時であるが、どうにもこうにも胡散臭い姉弟で、父時政に服従するふりをしながら源家を潰し、北条一門の栄耀栄華を構築したこの二人の陰謀と悪業は、殆どプーチン並みと言わざるを得ない。

 

著者が指摘するように当初政子は頼朝の正妻ですらなく、彼女が痛めつけた夫の愛人亀の前と同様数ある妾に一人に過ぎず、それが後年「尼将軍!」などと称されて、弟と共に幕府の実感を握るようになるのは、頼朝の死後になって初めて嫡子の母親として政治的な立場を確立できたからに過ぎない。

 

本書が示唆するように梶原景時と比企能員、頼家、畠山重忠、平賀朝雅、和田義盛、実朝を死地に追いやり、鎌倉の地を政敵の死骸累々の死都に変質させた張本人は、恐らくこの2人なのだろう。

 

「承久の乱」で朝廷権力を打倒し、大胆不敵にも後鳥羽上皇などを島流しにした政子と義時だったが、「辺鄙の老尼」と自己卑下したように、ついに京の貴族文化を取り込むことすら出来なかった荒ぶる姉弟の尚武路線を終焉させ、クーデタ後の京鎌倉両政権にそれなりの調和と安定を作り出すことができたのは、彼らの後継者北条泰時の政治手腕のお陰だった。

 

本書は、「治天の君」後白河法皇と平家との協調路線をとりつつ武家政権の確立を図ろうとする兄頼朝の意図を逸脱し、関東御家人の利益を無視して勝手に平家を滅ぼしてしまった義経の浅はかさを指摘するくだりも興味深いが、全体に語り口が恣意的で誤植が多いのも読書の楽しみを著しく削いでいる。

 

 「何度でもチャレンジできる社会を」と落選続きの政治家が言う 蝶人

 

 

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ドストエフスキー著・米川正夫訳「死の家の記録・いやな話・夏象冬記」を読んで

2022-03-07 11:41:44 | Weblog

照る日曇る日第1716回

 

1849年、著者はペトラシェーフスキー事件に連座して、いま全世界の識者から糾弾されているプーチンにも似た卑劣な独裁者ニコライ1世の手で、無実の罪で4年間シベリアに流刑された。死から蘇えり、第2の人世へと帰還した著者が作った3つの中短編を収めたのが本巻である。

「死の家の記録」では作家が監獄で遭遇した様々な人物像が赤裸々に描かれ、これが地べたに生きる人間のほんたうの世界かと思い知らされるし、「いやな話」では封建的な身分格差の下に呻吟する官僚たちの卑屈な生態につくづく嫌な気持ちに陥るし、「夏象冬記」ではドストの世界観の一端に触れることができて興味深いが、カフカの不条理を先取りしたかのような短編「鰐」が、今のおらっちには一番の読物だったずら。

 

    プーチンを亡き者にせぬ限り終りはしないウクライナ侵略 蝶人

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西暦2022年弥生蝶人映画劇場その1

2022-03-06 08:48:19 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2796~2800

 

1)マーロン・ブランド主演監督の「片目のジャック」

1961年の西部劇だが、監督の無能ゆえに随所でゆるみとたるみが目立つ。唯一の長所は風光明媚なカリフォルニアのモントレイを舞台にしていることくらい。

 

2)新藤兼人監督の「濹東奇譚」

お雪に扮した黒田ユキはチャーミングだが、津川雅彦の荷風なんて犬に喰われろだ。

 

3)ジョン・クロムウェル監督の「痴人の愛」

モームの「人間の絆」を1934年の映画化。純情男に食らいつくベティ・デイヴィスの鬼女ぶりがエグイ。こんな女に惚れたら最後だ。

 

4)ジェームズ・エドワード・グラント監督の「拳銃無宿」

1947年の西部劇。ジョンウエインの荒くれガンマンが悪事から愛を洗ってクエーカー教徒の農夫になるまで。

 

5)エドウィン・マリン監督の「拳銃の町」

1944年製作のジョン・ウェイン主役の西部劇。拳銃を振り回す勝気な娘が結局ウェインのものになるずら。

 

    今日もまたauからメールあり防御出来ない糞メールめが 蝶人

 

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吉増剛造著「詩とは何か」を読んで

2022-03-05 10:25:05 | Weblog

照る日曇る日第1715回

 

老いてますます盛んな活火山詩人によるライヴパフォーマンス的詩論なり。

どうも何回かの講演、あるいはフリートークを1冊の新書本にまとめたのだろうが、それならそうと説明してもらいたいものだ。

 

「詩とは何か」という設問に対して詩人は即答を避け、例せば義経が鵯越から逆落としに海に飛び込むような愚を避け、古今東西の詩人や作家、思想家を総動員し、持てる教養と蘊蓄と即興的な情動爆発を全面展開しながら、詩とは何かを問う行為自体が、すなわち詩のようなものであり、活ける詩活動そのものだということを体現し、証明しつくして見せる。

 

換言すれば、詩とは完成した作品ではなく、生命の原初のようなものであり、恐らくは福岡伸一が説く「動的平衡」のような生命体の無限運動、純粋言語、純粋音楽そのものなのだろう。

 

例示される詩魂の持ち主としては、エミリー・デッキンソン、カフカ、透谷、啄木、折口信夫、朔太郎、ジミヘン、サッチモ、ゴッホ、ベケット滔々等々であるが、結局は詩人が引用する道元の「朕兆未萌」という言葉に、究極の要諦が込められているのだろう。

 

偉大な先行者の生と作品の数々が走馬灯のように点滅しては吉増選手の知情意に還元されていく姿は、壮大詩想曼荼羅&パラノイア図であり、ある意味では凄絶極まりない生命の蕩尽と見える。

 

さはさりながら、著者がP228とP285で不用意に使っている「自閉症」という言葉は著者および編集者の知的怠慢で、もしも再版される折には「自閉的」と正されなければならない。

参考)自閉症の基礎知識→http://www.autism.or.jp/keihatsuday/about-autism.html

 

   世界中が反対しても侵略を止めぬ男をいかにすべきか 蝶人

 

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「夢は第2の人世である」あるいは「夢は五臓六腑の疲れである」第108回 

2022-03-04 11:37:48 | Weblog

西暦2021年神無月蝶人酔生夢死幾百夜

 

海中なのに、巨大な水中ブルトーザーが、タラバガニのような大きな両腕で、海水を胸に抱え込んでは、次々に陸上に抛り投げていた。10/1

 

戸塚駅で横須賀線に乗り換えたら、ヴィクター宣伝部のトマツ氏が疲れた顔をして、うす汚れたガラス窓から外を眺めていたので、きっと重電部に異動できなかったに違いないと思ったずら。10/2

 

うちらあ野球の審判員なんやけど、2塁塁審で毎日60万円貰って、そのチームに有利な判定をしていた上司が、こないだ、とうとう首になってしまいました。10/3

 

Aという写真家が、商業写真を撮った後の現場を、Bという写真家が撮ると、芸術的写真に変わってしまうのだが、そのAとBを観察しているCは、写真家でも芸術家でもない。10/4

 

声は鋭い槍になって身を刺し、その身がどうなろうと、強烈な毒素を、全身に垂れ流すのだった。ひとたび身に受けた声は、体の中に沁み込んで、どうしても取り除くことは出来ない。10/5

 

モザールのト短調交響曲を聴きながら、おらっちはフルヴェンの悲しみが爆走していくのを見守っていた。10/6

 

「あんたの服には、権力への噛みつき跡が、ありありと残っているから、あれを着る人は、なかなかいないんじゃない」と、アンジェラが言うた。10/7

 

太平洋上空から見下ろすと、赤と青の2台の水中潜行艇に乗った2人が、楽しそうに海中ブランコしている姿が見えた。10/8

 

おらっちが校長を務めている小学校に、今年もベルリン・フィルの連中がやって来てミニ・コンサートを開いてくれるのだが、生憎改築中なので、校舎のあちこちを移動しながらの演奏になるので、ちと気の毒だ。10/9

 

夜、寝ているのに、起きているのに、寝ているようだ。10/10

 

いつもバスで会社へ行こうとしたら、道路の真ん中に大きな樹が倒れていて進まないので、仕方なくバスに戻ると、隣の黒人の大男が居眠りしながらもたれかかるので、身を躱していると、ソマリアのどすこいオバサンが乗り込んできて、余にウインクするのだが、もしかして、同級生のマリちゃんではなかろうか?10/11

 

南新宿の南の地下壕には、秘密の地下鉄が走っていて、オームとホームの血を血で洗う地上の武闘から逃れた民草たちが、犇き合っているのだが、おらっちはその群衆の中に、奥村晃作さんが、掃き溜の老鶴のように佇んでいる姿を見つけた。10/12

 

ピエール・カルダンは、さる伯爵夫人のために、毎年デザインと機能性に配慮した特製の水着を進呈していたそうだが、この話は、おらっちしか知らないと思うずら。10/13

 

大阪支店の連中と昼飯を食おうと歩いていたら、仲間の一人が黒鬼野郎にとっつかまってレスリングを挑まれ、さんざんやっつけられているので、誰か助っ人しないのか、とお互いに顔を見やるのだが、誰も助けないので、またさんざんにやっつけられて、素っ裸にされている。10/14

 

イソミ整形外科のイソミ先生に、そのことをどのように伝えるのかを、何度も何度も練習するのだが、そのたびに別の話をしてしまうので、焦りまくっているおらっち。10/15

 

わいらあ義経なんやけど、さる無名子が、公文書におらっちの名を書きしるしてくれたことだけを今生の名残として、いずこへともなく落ちのびていったのよ。単身で。10/16

 

せめて独裁的な為政者に蟷螂の斧を打ちおろさんと、余は身にワルサー一挺を携えて、王宮に忍び込んだのであったあ。10/17

 

偉大なるノーベル賞作家が、20年ぶりに発表した最新作は、たったの1行だけの世界最短小説で、しかもその1行の2/3が伏字になっていて、「その伏字が何であるかを当てた人には1億円を進呈する!」というスポンサーまで現れたので、超話題になっている。10/18

 

近所のおばさんから、「駅まで行くなら、ちょっと乗っていきなよ」と誘われたので、軽い気持ちで乗っていたら、そのおばさんが、俄かに、俄かめくらになったので、激しく動揺している私。10/19

 

ナカノ君が、「通産がオーバーランドの交通点」というたので、「キンサ、キレイな海の泡」と答えたら、また「光が輝き、土が唄ってる」というたのであるが、何も答えず黙っていた。10/20

 

ネモ艦長になった私は、ノーチラス号のスロットルを全開して、この世の悪人どもに体当たりさせ、次から次に海底の藻屑と化していった。10/21

 

私は星の王子様にテッパン協奏曲を聞かせたら、ことのほか喜んで、「もっと! もっと

!」とリクエストするのだった。10/22

 

「ここでリハビリを始めてから、まだ半年も経っていないんですよ!」と、おらっちは痛い右腕をブンブン振り回しながら、イソミ院長に激しく抗議したのよ。10/23

 

人世に消耗した時には、ベートーヴェンの交響曲第4番の出だしを聞くと、パンパンパンビノパンビタンを飲んだくらいには元気になるのだが、近頃は、さっぱり効かなくなってしまって哀しいずら。10/24

 

ともすれば分裂、崩壊してしまいそうになる「私」を掻き集め、また掻き集めしているうちに、いつのまにか「私」は「私たち」になっていった。10/25

 

おらっちの小学の同期の秀才は、村の一等地に巨大な銀行をおっ立て、「見てろ、いまに日銀に追いつき、追いこすんだから!」と、豪語するのだった。10/26

 

その村人たちは、風味絶佳、天下無敵と称されるサルマ茸を、おらっちにどっさり喰わせてくれたのだが、それほど美味くもなく、喰えば喰うほどマズくなるので、近寄って来た豚に呉れてやった。10/27

 

ゼンダ城の虜なおらっちは、鉄火面で全身を覆われてしまったので、飯を喰うたり、ウンチをしたりするのに、えらく往生したことであった。10/28

 

「この商売の鉄則は、本物のストラディバリウスのヴァイオリンを、ショオウィンドォに掲げることさ」と、その楽器商は語った。10/29

 

ボクはそろそろ身を固めようと思って、彼女と付き合い始めたのだが、彼女ときたら「海よ山よ町よ」と、あちこちふらふら遊び回るだけで、ボクと一緒にいる時間なんて、まるでありゃしないのよ。10/30

 

わいらあ潜水艦の乗組員は、夜狭いベッドに横たわって、「おらっちは今深い深い海の底の底で寝っているんだ」と思う時にしか、楽しみはないずら。10/31

 

  ウウライナの民草殺しに泣いた後さんまのギャクに爆笑してるオレ 蝶人

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すべての言葉は通り過ぎてゆく第101回

2022-03-03 09:41:11 | Weblog

西暦2022年月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第417回

 

石原慎太郎死す、89歳。現代日本が必ずしも必要としなかった人物の一人。2/1

 

どのメディアも「偉大な人物」なぞと讃えているが、政治思想以前に、その持って生まれた傲慢不遜、アジアの隣接国や女性や老人に対する侮蔑と差別だけは、天人ともに許すべからざるていのものだった。2/2

 

オミクロン、医師殺人、ウクライナ戦争危機、その他その他碌でもないニュースばっかりの中で、サウジ戦サッカーの2つの鮮やかなゴールだけが、今なお鮮烈に目に浮かぶずら。2/3

 

北京オリンピックなどは中止して、人民広場で一般大衆も自由に参加できる「世界人権問題討論会」に切り替えたらどうだろう。2/4

 

みなさまの公凶放送の視点は往年の大本営発表と全く変わらぬ上から目線。災害警報に始まってSTOP詐欺被害!などの官報的報道、日本人のおなまえ、ブラタモリ、ガッテン、チコちゃんに叱られるなどのおしつけ教養主義番組の弊害は官僚的楽団のN響の音作りにまで及んでいる。2/5

 

「ガテン」はこないだ止めたようだが、「マンネリ紅白」も、「教養押し付けブラタモリ」も、「朝ドラ」も、「大河」も、政権寄りの「偏向報道」も、官僚的な「N響」も、ついでに「みなさまのためにならないNHK」自体も、やめてしまえばいいのよ。2/6

 

泣いて謝らなければならないのは、ぐあんばって遠くまで飛んだ人ではなく、北京くんだりまで行って当然為すべき服装チェックをしなかった無責任な担当者でしょうが。2/7

 

イエスが言った。「人間に喰われる獅子は幸いである。そうすれば獅子が人間になる。そして獅子に喰われる人間は忌まわしい。そうすれば人間が獅子になるであろう」(「トマスによる福音書」荒井献訳新約聖書外典)より。2/8

 

それは一つの男性の女であって、そういうものとして現れ出ている。それは半ば男性として、そして半ば女性として名付けられている。男性としては集会と名付け慣わされ、女性としては命と名付け慣わされる。「イエスの知恵」小林稔新約聖書外典「ナグ・ハマディ文書抄」2//9

 

2日も3日も前から大騒ぎして、ようやっと雨から雪に変わりそうな今日の空模様。昔は、誰からも何も言われずに、雪は降った。2/10

 

イエスが言った。「私は火をこの世に投じた。そして見よ、私は火をこの世が燃えるまで守る」(「トマスによる福音書」荒井献訳新約聖書外典)より。2/11

 

イエスが言った。「過ぎ去りゆく者となりなさい」。(「トマスによる福音書」荒井献訳新約聖書外典)より。2/12

 

そしてこのようにして3つの力は讃えた。大いなる、見えざる、名を言うことのできない、処女なる、呼ばれえない霊と彼の「男性的処女」とを。そして彼らは力を願った。活ける沈黙の沈黙が出た。すなわち諸アイオーンの内の栄光と不滅とが。エジプト人の福音書。筒井賢治訳2/13

 

「大丈夫。これから先も、ずっと苦労が続くでしょうから」by佐々木健(自閉症の身内を持つ者同士の対話より)2/14

 

新型コロナウイルスの大繁殖によって海外、特に中国からの観光客が殆ど皆無になったことは、我々の江戸時代以来の島国根性と鎖国意識を再燃させ、それが現政権の外国人打払令への暗黙の支持に繋がっているのである。2/15

 

隣国を侵略するぞ、するぞと威嚇したり、それによって敵対勢力の出方を窺ったりして、戦争と平和を弄ぶプーチンは、天人倶に許すべからざる人類共通の敵。憎んでも憎みたりない独裁者である。2/16

 

詩歌に必要なのは、高尚な理屈や、抽象的な心理描写ではなく、ささやかながらも切実な個別具体性である。2/17

 

なんだかものすごう疲れたので、ビタミン剤でも飲もうか。でも飲むと鎌倉泌尿器科のドーピング検査でなんかが検出されると嫌だから、止めとこうか。2/18

 

携帯を持つ息子の所在を母親が持つスマホでGPS捜索出来るようにしてもらいたいと思って、2度もauショッップに足を運んだが、結局セットアップできず、無駄足を踏んだうえ、その原因も不明だった。ああ、ちかれたビー。またドーピング剤でも飲もうかな。2/19

 

中国で五輪が終わると、それを待っていたかのように、ロシアの軍事侵略がはじまる、ちゅうことか。世界は中露が主導する。2/20

 

ロシアの毒で汚染された「平和の祭典」が幕を閉じると、ウクライナで戦争がはじまる。まるで21世紀版の「戦争と平和」を読まされているようだ。2/20

 

今回の北京五輪で英国が獲得した、たった2つのメダルのうち、金は女子カーリングだけ。ロコ・ソラーレの善戦を遥かに上回ったのは、カーリング創始国の誇りと金メダルへのこだわりだった。2/21

 

Rシュトラウス最晩年の「4つの最後の歌」の演奏を、BSプレミアムで聴きいたく失望。「夕映えに」の「これが死というものか」での神韻渺茫の孤絶の境地など求めるべくもなかったが、佐々木典子の歌唱も、山田和樹指揮N響の劇伴も、解釈・表現ともに浅薄すぎる。2/22

 

プーチンは領土拡張の野心に突き動かされる21世紀版のヒトラー。かつて彼とミュンヘン協定を結んだ英首相チェンバレンのような宥和的な役割を、いま米大統領バイデンが果たそうとしている。2/23

 

国民民主党の玉木という男は漫画だね。与野党の境界線を勝手に飛び越えて、与党提出の予算案に賛成するとは! 「トリガー」提案なるものを岸田に評価されたのが、死ぬほど嬉しかったらしいが、これが「反対から提案へ」党の情けない実態だね。2/24

 

怪僧プーチンのウクライナ侵攻に対して「制裁、制裁」と二つ返事のうわ言のように呟いているが、んなもん屁のツッパリにもならない。ここは有志国軍隊と国際義勇軍の現地派遣しか対応策はないのでは。2/25

 

あらゆる反対者を古巣のスナイパー部隊を使って抹殺い続けてきた快僧プーチンが、今度は隣接国の政権を転覆しようと最新最強の強盗部隊を発進させたのだ。2/26

 

ギリシア、ローマの昔から第2次大戦に到るまで、殆どの他国侵略が自国民の保護を口実に行われてきたが、今回のプーチンのウクライナ侵攻でも恥ずかしげもなくその愚が繰り返された。2/27

 

     一介のスパイ兵士が一国の専制君主に昇りつめたり 蝶人

 

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なにゆえに第96回~西暦2022年如月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2022-03-02 13:31:26 | Weblog

 

 

ある晴れた日に第671回

 

なにゆえに米軍感染に黙っている犬は主人に文句を言えない

 

なにゆえに夜の夜中に「鬼は外おー」今日は節分だったので

 

なにゆえに八幡宮で大吉が出るいつもは凶か大凶なのに

 

なにゆえにロシアはウクライナに迫るクリミア半島で味をしめたか

 

なにゆえにジャキー・チェンは媚を売るお前は香港を支えろ

 

なにゆえに立憲民主の質問はトロい対決せずにゴロニャンしてる

 

なにゆえに羽生も羽生も勝負に弱い寄る年波には勝てませんて

 

なにゆえに印刷インキはバカ高い4回分で本体が買える

 

なにゆえに生きた義時が現出しない恐らく作者にも見えていまい

 

なにゆえに天気予報で大騒ぎする雪なんか降らんかったぞ

 

なにゆえにトロイの木馬をに西に進めるウクライナ戦争は起こらないだろう

 

なにゆえに我が家にようやく春が来た庭に五輪の梅ひらきたり

 

なにゆえにプーチンは欧米諸国を舐めているウクライナ軍と戦う気はてんで無いから

 

なにゆえに羽生の噺にイライラする自己愛塗れの臭モノガタリ

 

なにゆえにスーパーボールをオンエアしない五輪中継に夢中になって

 

なにゆえにオミクロンなど知らんぷり誰の目にも見えないからね

 

なにゆえにホオジロの群れが庭に来る「お疲れさん」を伝えるために

 

なにゆえにカミラ・ワリエフは4位に終わったそこが自分の居場所と思った

 

なにゆえにプーチンは強気に欧米を恫喝結局彼らは血を流さないから

 

なにゆえにウクライナ侵略に泣き寝入り経済制裁なんかまるで無意味だ

 

なにゆえに息子は怒り狂ってる洗濯機の「乾燥」をおらっちが押した

 

なにゆえにロシア軍はベラルーシを去らないいつでも進軍できるように

 

なにゆえにプーチンは偽国家を承認したこれでウクライナ征伐の論拠が出来た

 

なにゆえに維新の吉村は仕事したふり感染死者が激増しているのに

 

なにゆえにロシア人はプーチンを止めない野望に燃える専制君主を

 

なにゆえに政府案に賛成する玉木も芳野も民草の敵

 

なにゆえにテレビでマラソン見物してるウクライナはプーチンと戦ってるのに

 

なにゆえに核兵器使用をちらつかせる品性下劣なちんぴらプーチン

 

「大切にしてください」と書くところ「されてください」と平気で書くバカ 蝶人

 

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