風の宝石箱

日々想うことを感じたまま 大切にしまっておきたい

一樹の木陰ひとときの涼

2007年08月01日 | ひとりごと
冬生まれの私は暑さにとても弱い、だから夏場は仕事を休まない。
ドリンク剤を飲みながらでも仕事をこなしているほうが、規則正しい生活を送れるので健康的なのだ。
用事もないのに休暇を取ったりしたら、きっと朝寝坊して一日中グダグダして怠け者になって過ごすだけで時間の無駄遣いで勿体無い。
だからと言って、私は夏が嫌いなわけではない。

先日、会社で夏祭りがあった。
例年と違って今年は「舞台係」となってしまったので27日夕方の準備から29日の後片付けまで仕事に追われていた。
28日は朝から天気がよく気温が上がりその中でテントを建てたり椅子を並べたり、机を運んだり、提灯を飾り付けたり、賞品を運んだりするのは大変作業だった。
今回初めてテントの設営を見ることが出来た。
地面でパイプを組んで屋根の形が出来たら布を被せてから「セーノ」の掛け声に合わせて脚を同時に持ち上げて立てる。
見てると簡単そうだったけど・・・出来たテントを少し移動すると言うので、好奇心旺盛な私、テントの脚を一本持ってみた。
私にも持ち上げる事が出来たけど、そのまま移動するのは大変だった。
やはり力仕事なんだと思うと、いざとなった時、「男の人がやればいいのよ」なんて暢気な他力本願ではいられないだろうなぁと思う。

テントの下に入るととても涼しくてほっとした。

作業の途中、何度か「休憩ですよぉ~お茶を飲んで休みましょう」と部長の声がした。炎天下の作業も夢中になると時間を忘れてしまう、と言うより、休憩するよりも早く終わらせたい気持ちが強かったのかも知れない。
「熱射病になっちゃいますよ~、少し休みましょう」とまた声が聞こえて、私も気が付いた。
日射病や熱射病の心配をして部長が皆に声を掛けている、こうゆう事が大切なんだと思った。
日陰に入ってもらったペットボトルのお茶を飲んだらまた汗が吹き出てきた。

3時頃に、模擬店の係りの人たちが材料を持って準備に取り掛かった。
私はたこ焼きをクルックルッと器用に回す手つきを見るのが好きだ。
その時間、たこ焼き店のテントには横から西日が射していた。火のそばにいる人は尚更暑いはずだ。ヨシズでもあったらなぁと思う。
毎年やっている夏祭りでも何かしら工夫やモノが足りないものだ。
首から掛けたタオルで汗を拭きながら焼いている人に向かって団扇で扇いで話しかけたら笑顔になった。

ほんの少し風をおくっただけでホッとしてくれたのだろうと思うと嬉しくなった。

例年通りお気楽に『お客さん気取り』で浴衣着て参加していたら模擬店の人の辛さにも気づかなかったと思うと、今回の「舞台係」は私にとってとても良い経験となった。

やはり食べものを作っているときは笑顔が良い。「頑固親父」を気取って難しい顔して眉間にしわ寄せて焼いているたこ焼き店では「夏祭り」の楽しさが感じられない。

『一樹の木陰ひとときの涼』
この言葉、落語家さんの本に書かれていました。
人が疲れたときに休める木陰を作れるようになりたいという意味だそうです。












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