春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ
最近、DVD映画鑑賞がマイブーム。
メーカー営業時代など、出張時は、地方の映画館でレイトショーに行ったものです。
あまりアルコールが得意な方でないので、出張時の楽しみは昔ながらの映画館で映画を見ることです。
平日のレイトショーなど、入場者が一人っきりのときなどもあり、貸切状態でなんとも贅沢な気分を味わえます。
福岡で一番好きな映画館は、中洲大洋。
九州一の繁華街、中洲にある歴史ある映画館です。
レトロ感満載で、ここには『昭和』が残っています!
なかなか見に行くことができませんが、時間を作って久しぶりに行ってみたいものです。
さて、本日は、「医療機器としての補聴器(その1)」について取り上げます。
よくお客様やそのご家族から補聴器と集音器との違いについてご質問を受けます。
「新聞広告や通販で売っている『補聴器』は安いけど、お店で売っている『補聴器』は高いよね?」
まず、価格についての違いを尋ねられます。
通販で販売されている集音器や補聴器の価格は、
数千円~5万円くらいでしょうか。
通販で扱われる耳かけ型集音器
通販で扱われる耳あな型集音器
一方、補聴器屋さんやメガネ店さんで販売している補聴器は、
片耳で4万円~45万円、
両耳で15万円~80万円オーバー。
実に10倍以上の価格差があります。
我々補聴器屋さんの立場からいうと、通販の集音器は『商売敵』みたいなもの…。
補聴器屋さんによっては、
「あんなもの使えませんよ!」と一喝される方もおられます。
しかし、消費者の立場からいうと、
価格的にもお求めやすく、
特に常時補聴器を必要としない軽度難聴の方からすると、
「ちょっと試してみる」にちょうどいいものと言えます。
最近では、補聴器メーカーが通販用モデルを出しているので、
意外と性能が良いものもあります。
通販モデルで性能・仕様で最もバランスが取れているのは、
オムロンのイヤメイト。
血圧計などを販売している会社ですが、
このイヤメイトを製造しているのは、日本の補聴器メーカー「リオン」です。
価格はだいたい¥19,800。
最近のモデルでは、デジタル化されているので、
従来のアナログタイプよりも性能面で向上しています。
いずれにしても、これら通販モデルの集音器・補聴器は、
難聴者の個々のきこえの状態(聴力)に応じて
細かくフィッティングできるものではありません。
基本的にはボリュームを操作して、
全体的に入力音を大きくするものです。
会話音声を大きくして聞きやすくしたいと思っていても、
同時に周囲の環境音も大きくしてしまいます。
老人性難聴の聴力は、基本的に高音漸傾(こうおんぜんけい)型。
一般的な高音漸傾型の聴力
高い音が聞き取りにくい状態になっています。
補聴器も集音器もこのきこえの状態に合わせるよう、
高音域の利得(ボリューム)が強調される音響特性になっています。
補聴器の高音域を強調した音響特性
この特性に合う難聴者であれば、通販モデルの集音器・補聴器であっても十分効果が期待されます。
私がメーカー営業時代、メガネ店さんで補聴器相談会の応援に出向いた時、来られたお客様の中には、
「通販で買った補聴器(集音器)だけど、もっと聞こえるように調整できますか?」と言われる方もいらっしゃいました。
ボリューム以外の調整ができないため、ほとんど手出しができなかったものです。
これら集音器・補聴器を試して、十分な効果を得られなかった軽度難聴者は、二通りに分かれます。
一つは、通販の簡易モデルではなく、補聴器屋さん(めがね屋さん)に行ってちゃんとした『補聴器』を作ろうという方。
もう一つは、「どうせ高い補聴器を買っても大して変わらないだろう…」という方。
後者の場合、ある調査では、聴力が低下して、補聴器屋さんに来るまで更に6~7年の時間がかかるそうです。
通販モデルの集音器・補聴器は、年間数万台求められています。
この要因は単に、価格が求めやすいというものだけではないと思います。
補聴器屋さんや眼鏡屋さんの広告の露出頻度に比べ、圧倒的に通販モデルの方が広告露出が多いためでしょう。
我々補聴器屋さんは、もっともっと消費者に対し補聴器の露出・啓蒙が必要なのかもしれませんね。
本日は、以上です。
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