春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町活動エリア)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ
寒の戻りで寒いです。
ストーブをそろそろ片付けようかと思ってましたが、
急遽、灯油を買い足す状況。
今週いっぱいは、この寒さが続くみたいですね。
さて、本日は「きこえのカウンセリング」についてお伝えします。
昨日、遠方よりあるお客様が来店されました。
2年ほど前に、
地元のめがね屋さんで補聴器を購入。
耳かけ型の補聴器を
両耳で20万円強だったそうです。
仕様は、通常の耳かけ型のタイプで、
オープンフィッティング用のフックと耳栓でした。
オープン仕様ならば小型耳かけ型補聴器であれば良いのに
少々「?」の使い方です。
お客様によると、
購入後、毎月のように調整をしてもらっているが、
全くよくならず、
このメーカーさんの技術者に直接対応してもらっても
改善しなかったそうです。
いろいろと状況やきこえの不具合をお聞きしたところ
「聴覚過敏」の傾向がありそうでした。
食器のカチャッと鳴る音や
甲高い声に悩まされているそうです。
お客様の聴力は下の状態。
左右とも平均聴力は、50dB程度ですが、
UCL(不快閾値)は、80dB。
健聴者のダイナミックレンジ(聞こえ始めから不快に思うまでの幅)が
0~100dBに対し、
この方は、50dB~80dB。
つまり30dBのきこえの幅ということで、
健聴者の1/3しかダイナミックレンジがない訳です。
聞こえ始めが健聴者よりも遅く(そこそこ大きな音が必要)、
うるさく感じ始めるのは、
健聴者よりも早い(少々大きな音でとても不快)になります。
リクルートメント現象(補充現象)が強く出ているので、
単純なフィッティングでは済みません。
お客様に尋ねたところ、
購入したお店では、
純音聴力と弁別能測定はしたが、
UCL(不快閾値)測定はなかったそうです。
メーカーのフィッティングソフトに、
UCL値を入力しなければ、
自動計算で100dB程度にUCLが
設定されるものもあります。
たとえ、UCLを入力していても
実際の補聴器の出力が
不快値を超えない設定になっているか
確認しなくてはなりません。
メーカーの調整ソフトは、
補聴器特性のグラフが
「利得」表示になっています。
これは、補聴器の利得(ボリューム)が
どのくらいかを表しているもので、
いわば、補聴器が実際の音を
どのくらい増幅しているかを表しています。
補聴器の特性表示(利得表示)
この表示では、お客様のUCL(不快閾値)を超えているかいないかはわかりません。
このお客様の場合、80dBで不快感を感じられているので、
補聴器から80dB以上の出力が出てしまうと
とても付けていられないわけです。
補聴器の特性表示(出力表示)
上図のように、出力が80dB未満になるよう
設定する必要があります。
更に、「出力制限」を調節して、
大きな音がシャットアウトされるよう
リミッターをかける必要があります。
出力制限調整
もし、その補聴器の特殊機能として
「瞬間的雑音」を抑制する調整器があれば、
その機能をオンにすることもアリです。
※
シーメンス社⇒サウンドスムージング
フォナック社⇒サウンドリラックス
ワイデックス社⇒トゥルーサウンドソフトナー
ユニトロン社⇒アンチショック
これらの処置を行い、このお客様は
「やっと補聴器が使えそうだ」
となりました。
いずれにしても
補聴器に不具合がある場合、
どんな不具合なのか?
フィッティングを施す補聴器屋さんは
具体的に把握しなければなりません。
お客様は、具体的に伝えたくても、
自分が困っていることを
相手に伝わりやすいように
うまく表現できないことがあります。
「きこえのカウンセリング」を通じて
うまくお客様のうったえを
聞き出す力が必要です。
「調整する時間は短く、
カウンセリングの時間を長く。」
当店では、1人のお客様に
1時間半~2時間の時間枠を取っています。
すべての方がこんなに時間がかかるわけではないですが、
時間をかけてお客様のうったえを
引き出すよう心掛けています。
※8割がたは四方山話かもしれません。(笑)
本日は、以上です。
「かすが補聴器専門店」のホームページは、こちらをクリックしてください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます