春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

きこえのカウンセリング

2014-03-07 17:06:03 | 補聴器の調整

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町活動エリア)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

寒の戻りで寒いです。

ストーブをそろそろ片付けようかと思ってましたが、

急遽、灯油を買い足す状況。

今週いっぱいは、この寒さが続くみたいですね。

 

 

さて、本日は「きこえのカウンセリング」についてお伝えします。

 

 

昨日、遠方よりあるお客様が来店されました。

2年ほど前に、

地元のめがね屋さんで補聴器を購入。

耳かけ型の補聴器を

両耳で20万円強だったそうです。

仕様は、通常の耳かけ型のタイプで、

オープンフィッティング用のフックと耳栓でした。

オープン仕様ならば小型耳かけ型補聴器であれば良いのに

少々「?」の使い方です。

 

 

お客様によると、

購入後、毎月のように調整をしてもらっているが、

全くよくならず、

このメーカーさんの技術者に直接対応してもらっても

改善しなかったそうです。

 

 

いろいろと状況やきこえの不具合をお聞きしたところ

「聴覚過敏」の傾向がありそうでした。

食器のカチャッと鳴る音や

甲高い声に悩まされているそうです。

お客様の聴力は下の状態。

 

 

左右とも平均聴力は、50dB程度ですが、

UCL(不快閾値)は、80dB。

健聴者のダイナミックレンジ(聞こえ始めから不快に思うまでの幅)が

0~100dBに対し、

この方は、50dB~80dB。

つまり30dBのきこえの幅ということで、

健聴者の1/3しかダイナミックレンジがない訳です。

聞こえ始めが健聴者よりも遅く(そこそこ大きな音が必要)、

うるさく感じ始めるのは、

健聴者よりも早い(少々大きな音でとても不快)になります。

リクルートメント現象(補充現象)が強く出ているので、

単純なフィッティングでは済みません。

 

 

お客様に尋ねたところ、

購入したお店では、

純音聴力と弁別能測定はしたが、

UCL(不快閾値)測定はなかったそうです。

メーカーのフィッティングソフトに、

UCL値を入力しなければ、

自動計算で100dB程度にUCLが

設定されるものもあります。

たとえ、UCLを入力していても

実際の補聴器の出力が

不快値を超えない設定になっているか

確認しなくてはなりません。

 

 

メーカーの調整ソフトは、

補聴器特性のグラフが

「利得」表示になっています。

これは、補聴器の利得(ボリューム)が

どのくらいかを表しているもので、

いわば、補聴器が実際の音を

どのくらい増幅しているかを表しています。

 

補聴器の特性表示(利得表示)

 

この表示では、お客様のUCL(不快閾値)を超えているかいないかはわかりません。

このお客様の場合、80dBで不快感を感じられているので、

補聴器から80dB以上の出力が出てしまうと

とても付けていられないわけです。

 

 

補聴器の特性表示(出力表示)

 

上図のように、出力が80dB未満になるよう

設定する必要があります。

 

 

更に、「出力制限」を調節して、

大きな音がシャットアウトされるよう

リミッターをかける必要があります。

 

出力制限調整

 

 

もし、その補聴器の特殊機能として

「瞬間的雑音」を抑制する調整器があれば、

その機能をオンにすることもアリです。

 シーメンス社⇒サウンドスムージング

 フォナック社⇒サウンドリラックス

 ワイデックス社⇒トゥルーサウンドソフトナー

 ユニトロン社⇒アンチショック

 

 

これらの処置を行い、このお客様は

「やっと補聴器が使えそうだ」

となりました。

 

 

いずれにしても

補聴器に不具合がある場合、

どんな不具合なのか?

フィッティングを施す補聴器屋さんは

具体的に把握しなければなりません。

お客様は、具体的に伝えたくても、

自分が困っていることを

相手に伝わりやすいように

うまく表現できないことがあります。

「きこえのカウンセリング」を通じて

うまくお客様のうったえを

聞き出す力が必要です。

 

 

「調整する時間は短く、

  カウンセリングの時間を長く。」

 

 

当店では、1人のお客様に

1時間半~2時間の時間枠を取っています。

すべての方がこんなに時間がかかるわけではないですが、

時間をかけてお客様のうったえを

引き出すよう心掛けています。

※8割がたは四方山話かもしれません。(笑)

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

 

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