こんにちは。塾長の鴨志田栄子です。
20期生の皆さん、最終講義、お疲れさまでした。TTW(Think Tank Windows)という問題解決手法を活用して、この1年間の振返りをしましたね。
私がTTWのインストラクターの資格を取得したのは、独立した2002年のことです。
当時、CS(Customer Satisfaction)の専門家で著書や訳書を多くだされている故佐藤知恭先生から、紹介いただいたのがきっかけでした。
佐藤知恭先生は、私のCSの師匠です。独立直後、リッツカールトンホテル大阪で開催された顧客ロイヤルティセミナーに特別講師として佐藤先生がお見えになることを知り、迷わずに申し込みました。CS研究会の活動を通じて、先生とはメールや電話でコンタクトをとっておりましたので、これは、先生にご挨拶できるチャンスと思ったのです。
初日のセミナーが終わり、あとは、宿泊体験をして、流れ解散でした。「CSを定量的に評価できる仕組みにアプローチしたい」と私が伝えたところ、「TTWというツールがあるよ。よかった、教えてあげるから、明朝、朝食のレストランで待っているよ」と言われたのです。
翌朝、私がレストランに行くと、先生は、すでに、ノートPCを立ち上げて、お待ちになっていました。そこで、TTWの説明を伺ったのです。帰京してすぐに、相模原にあるTTWの会社に連絡をとり、直近のインストラクターのセミナーに申し込みました。
佐藤先生のエピソードを3つ紹介したいと思います。
〇「MP3ウォークマン」
先生は、当時、MP3ウォークマンを愛用されていて、「これねぇ……僕のお気にいり♪」と見せてくださいました。「電池なので充電の必要はないし、乾電池を取り換えるだけ……」と教わり、私も量販店に足を運びましたが、すでに、製造中止で店頭在庫はありませんでした。それを先生に伝えたら、その1か月後、先生から連絡があり、教え子に頼んで全国の〇〇〇に在庫をあたってもらったんだ。全国で3つだけ見つかった。それも掛川店に! その3つを全部押さえたんだよ。欲しいなら、一つキープしてあげるよ」と。人を思いやる先生の愛情に満ち溢れた先生の行動パワーは、いつも周囲の期待を超えるものでした。
〇記念切手
「人に手紙を差し上げるときは、記念切手を貼りなさい」と言われたことが忘れられません。間違っても、郵便局の窓口にある機械で印刷される郵便料金が書かれたシールで送ってはいけないと。記念切手を選び、貼るときは、相手を考えている。それが、相手を思いやる配慮であると教わりました。以来、私は、極力、郵便物の切手には、記念切手を貼るようにしています。
〇通る声
私がお世話になっていた研修会社の依頼で、佐藤先生をある企業の研修の時に、講師としてお招きしたことがあります。受講側は100名。それでも、先生はマイクを使わずに地声で講義をされています。佐藤先生の聴衆者の気持ちを引き締めるお声、今でも鮮明に覚えています。そして、佐藤塾の合宿が熱海の宿でありました。その時に「かっ・もっ・しっ・だっ・さんっ」と声をかけてくださいました。先生は、時々陽気な声で弾むように声をかけてくださるのです。そして「胸から声を出しているよ。お腹から声をださなきゃだめだよ。あなたは、話すことが商売なんだから」。佐藤先生の通るお声は、まさに、私の手本でした。私が声にこだわる理由、もちろん宮崎絢子先生のご指導もありますが、佐藤先生からも、このように言われていたことも、きっかけになっていたなぁと思いだした次第です。
20期の最後の講義日に、私自身のことを話す機会をいただき、過去を振り返ることができました。レジュメの最後に書いた「自分自身が商品となるコンサルタントにとって、知識よりも大事なことは、お客様に寄り添うこと。」これは、佐藤先生からいただいた教えだったのです。
今振り返ると、佐藤先生からも、人と向き合う姿勢をたくさん教えていただいたと思っています。先生と再会して3年半後、先生は、急逝されました。その時、私はカンボジア出張中で、お別れに伺うことができませんでした。
初代塾長、佐藤先生、人材育成で大切なことを教えてくださった先生、ボイストレーニングの宮崎絢子先生、私は、独立して、素晴らしい方々が師匠でありメンターでったことを改めて実感した次第です。この素晴らしいご縁をいただけたことに、心から感謝して今日のブログとします。
2011年に塾長となり立ち上げたこのブログも、10年継続してきました。私の最後の投稿は、来月の卒塾式の日となります。では、また、その時に、ここでお目にかかりましょう。
後半のエピソードがもっと聞きたかったので、別の機会にぜひお願いしたいです(笑)
私にとっての鴨志田さんは、職場の先輩からスタートし、人生の先輩、仕事に向き合う姿勢など見習うべきところが多く、一言では言い表せないです。
この1年の稼プロ!の運営では、その背中から学ぶべきことがたくさんありました。
最後のブログ、寂しい気持ちが大きいですが、どんな記事なのか楽しみにしています。
本当に、長きにわたり、たけいさんに支えれ続けていることを実感し、心から感謝の気持ちでいっぱいです。