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CIAの倫理

2020-12-01 12:00:00 | 20期生のブログリレー

皆さん、こんにちは。事務局の宇野毅です。今回は、CIAの倫理の話です。CIAと言っても、アメリカ合衆国の中央情報局(Central Intelligence Agency)のことではありません。「公認内部監査人」(Certified Internal Auditor)という内部監査に関する国際資格のことで、私は昨年、当資格を取得しました。先日、日本内部監査協会が行う「倫理綱要」に関するセミナーを受講し、倫理について学ぶ機会がありましたので、少しご紹介したいと思います。

 

まず、倫理とは、デジタル大辞典によると「人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な基準となるもの。道徳。モラル」と記載されています。平時にはその判断に困ることは少ないと思いますが、有事には判断や対応がより難しくなります。

倫理の判断では、その行為を①動機②手段③帰結の3つの観点から考える必要があります。倫理の難しいところは、例えば、動機が正しければ、帰結は問われないのか、また、手段を選ばなくてよいのか。あるいは、帰結が良ければ動機は問われないのか、また同様に手段は選ばなくてよいのか、というところでしょう。その善悪の根拠をどこに置くかが重要な要素となってきます。

判断基準として、価値、宗教、道徳、知識、慣習、ルールなど、何を根拠にするのか、また、2つ以上の価値観や基準が相反する場合にはどう判断するか、少数の善と多数の善、個人の益と公共の益ではどちらを優先するのか、なども重要です。

つまり、倫理を構成する善悪の判断は、判断する人の「価値観、判断基準」に大きく左右され、さらに「誰にとっての善」かという問題が絡んでくるということです。

講義では「倫理的な行動」とは、①最大の善をもたらす行動、および②道徳上の規則及び原理に合致する行動である、というのが答えでした。しかしながら、2つ以上の規則が対立するときや規則と最大の善の判断基準が対立する場合には、その判断は極めて難しくなると思います。

CIAでも診断士でも、その倫理というと、職業倫理ということになります。職業倫理は、一般的な倫理の概念に加えて、職業人に期待される基準において役割や責任を果たし、信頼関係を継続していくことが要求されます。

では、CIAの「倫理綱要」では具体的にどのよう項目があげられているでしょうか。要点としては、①誠実性②客観性③秘密の保持➃専門的能力の4つになります。

診断士の倫理規定をみてみると、①誠実性②客観性➃専門的能力の3つは、同様に記載されています。②の客観性はCIA特有な項目です。CIAは、組織体の活動を客観的に評価し、保証(アシュアランス)することが重要な責務の一つなので、「倫理綱要」の重要な要素となっていると思います。

講義では、倫理観に基づいて行動するためのポイントにも触れられていました。その中の一つは「The Smartest Guys in the room」になるな!ということでした。これは、米国エンロン社破綻の教訓から生まれた言葉で「会議などでその場で一番の上位者や権威ある人が語ったことに対しては、おかしいとか疑問に思っても意見を述べたり質問をしたりできない人」を揶揄しています。このような状況は企業内ではよくあることです。

今回の研修を受講し、企業の内外問わず、倫理的におかしいと感じた時には毅然とした態度で発言する習慣を持つことが職業倫理的にも社会的にも求められているとあらためて感じています。

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1 コメント

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Unknown (春島一男)
2020-12-06 12:34:13
とても勉強になりました。ありがとうございました。

「倫理的におかしいと感じた時には毅然とした態度で発言する。」

当たり前で簡単なようで、とても難しいようにも思います。
迷いなく実践できるようになりたいです。

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