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「働きアリの法則」をリアルに見た話

2021-06-20 12:00:00 | 20期生のブログリレー

20期の大井です。

みなさん、「働きアリの法則」というのをご存知でしょうか?別名2:6:2の法則とも言われ、どのような組織においても、優秀層、普通層、問題層の比率がこの比率に固定化されるというものです。参考にWikipediaにはこうあります。

  • 働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
  • 働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。
  • よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
  • よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。
  • よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。
  • サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%83%8D%E3%81%8D%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

システムの仕事でこんなことがありました。ユーザが数百人ほどの開発成果物の管理システムで、成果物の登録状況がとても悪いという課題がありました。利用部門からは操作性が悪く「使えない」とクレームも来ています。そこで実態調査をしたときの話です。

1つ目:ユーザーに利用性のアンケートを発信しました。締切は1週間後です。回答状況は、、、、

発信その日に回答したのが20%、リマインドしつつも締切までに回答してくれた人60%、打てど叩けど未回答20%

2つ目:成果物データの登録状況を確認しました。登録状況は、、、、

項目が全て正しく入力されサインオフされているデータ20%、適当に入力されているデータ60%、ほとんど入力すらされていないデータ20%

3つ目:システムの改善意向に関するヒアリングをしました。コメントをまとめると、、、、

よく使っているし、改善したらどんどん活用したい20%、どっちでもいいが改善したら使いたい60%、改善しても使いたくない20%

実際はここまでジャストな数字ではなかったですが、だいたい2:6:2にバラけたのです。偶然かもしれませんし、こじつけかもしれません。しかし先の2:6:2の法則がシンクロし、面白い事象と妙に感じ入りました。こう明瞭だと層別分析と思い、アンケートや登録状況から2:6:2別に行動特性を分析して新たな改善の提案に結びつけることを試みました。

結果、「使えない」のではなく面倒なので「使わない」、面倒で「使いたくない」から「使えない」ことにこじつけている、一方、「使い方」や「使うメリット」があまり知られていない、といった実態がわかりました。そこで下記の提言を行って実行に移しました。

  • 優秀層は、組織のモデルケースとしてリーダー的な位置づけにする。システム改善のリーダーにする。
  • 普通層は、教育やシステム改善の周知など、内発的な動機付けの促しをメインとした施策を打つ。
  • 問題層は、ルールを徹底する。職制から指導する。
  • あとは、KPI設定してモニタリング。

振り返ると、2:6:2と層別という「理論」と、調査データという「実態」をつなげ、事実と課題を明らかにし施策を具体化していました。そのため、説得性があり提案が通りやすかったと思います。大企業でも、現場では論理的な原因追求をしないことが意外なくらいあります。非常に簡単な事例ですが、診断士的な論理的アプローチが生きたケースだったと感じています。

一方で、この働きアリの法則では「2割の問題層はどういう集団でも絶対に発生する」とあります。それを目の当たりにしたショックもありました。この層への解決アプローチは本当に難しいと感じています。強制的なアプローチはモティベーション観点では避けたいのが本音です。しかし、ルール通りに動いてもらうためにはそうもいきません。今でもこの点は悩んでいます。いずれにしろ、診断士らしいアプローチと粘りを常に忘れないようにしたいと考えています。


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1 コメント

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Unknown (田本)
2021-06-20 19:00:09
この理論はすごい実感しました!
プロジェクトチームをどんなに精鋭で組んでも全員が活躍しません。それが他のプロジェクトに行くとガラッと変わったりします。適材適所ということもよくありますが、どんな組み合わせでも相対的に役割が決まってしまうのはとても不思議です。
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