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小さな港町の活性化の取り組み

2016-09-18 10:17:37 | 16期生のブログリレー

こんにちは。16期の姫田です。

夏も終わりだいぶ涼しく感じる日も多くなってきましたね。

夏休みを取ることもなく今年は終わりそうですが、先日9月に入ってから連休を取り、今更ながら海水浴を楽しみました。場所は伊豆の南端にある『中木』という小さな港町です。人気の海水浴場である白浜や弓ヶ浜の先、国立公園石廊崎の先にある港町です。

実はこの港町、私が幼少期に毎年家族旅行に行った場所。もう30年も昔の話になりますが、当時は夏でも静かで人も少なく、港から歩いて5分ほどの、『トガイ浜』という小さな海岸で海水浴を楽しみました。もう9月になったので誰もいないかなあ、と思いながら中木に到着しました。

さて、中木に到着するとなぜか車が大渋滞。事故でもあったのかと思って見ていると、交通整備の方々が忙しそうに駐車場へ案内しています。当時からは考えられない混雑ぶりです。人気の白浜も閑散としている中で、この混雑ぶりには驚かされます。

1時間渋滞を我慢し、なんとか駐車場へ到着。どうやら目当ては『ヒリゾ浜』と呼ばれる海水浴場らしい。中木から『ヒリゾ浜渡し』と呼ばれる渡し船に乗って5分くらいの場所にあります。聞くところによると、もう20年前くらいから船を出しているとの事。私がよく来ていたのはもっと前だったのね。時代を感じる…。

この『ヒリゾ浜』、9月というのにすごい人気です。浜は人で埋め尽くされイモ洗い状態とでも言うのでしょうか、足の踏み場もないような状態です。居場所が無いので、とりあえず海に入りましょう、という事で飛び込んでみました。

まず水がきれいです!抜群の透明度に圧倒されます。そして魚の種類が豊富です。オレンジ色のクマノミやカラフルなチョウチョウウオの群れが目の前で泳ぎます。巨大なボラの群れが目の前を悠々と泳いでいきます。伊豆半島でありながらサンゴを見ることもできます。一番驚いたのはウツボが三匹足元で泳いでいた事!生まれて初めてウツボを目の前で見て大感激です。

なんだか夏休みの子供の作文みたいになってしまいましたが、このヒリゾ浜をビジネスという観点から考えると非常に興味深い。昔は閑散とした穴場的な海水浴場でしたが、今はビジネスとしてしっかり機能しています。まず、渡し船が1,500円かかりますが、正味5分しか乗らないため高回転率です。船は古くて人を運ぶだけのシンプルなものを、1日何十往復もさせています。一回で50人程度を運ぶことが可能なので、かなり高収益であると思われます。また関連するグッズレンタル、例えば水中マスク、スノーケル、フィンなどを2,000円程度で貸し出しており、それなりの需要を確保しているようです。昔は無かったお洒落なレストランやカフェも出店しており、古い民宿も元気に営業しています。今では、雇用を生み出し、小さな港町を活性化させています。

プロモーションに関しても、観光業者にあまり知られていないため、コストは最低限に止めているようです。観光協会のホームページでは、その素晴らしい海岸の魅力をビデオで伝えていますが、それ以外は目立ったプロモーションは行っていないように思います。プロモーションコストをかけずに、いわゆる『口コミ』を中心に知名度を高めているようです。外国人観光客も多く訪れており、インバウンドの取り込みにも成功しています。 

船でしか行く事のできない小さな海岸に目をつけ、ビジネスとして発展させた中木。港町の地方創生モデルとも呼べる価値の高い取り組みであると感じました。

 ありのままの自然が残された素晴らしい場所。古くは帆船の風待ち港として栄えた歴史が残る漁村集落。伊豆ジオパークとして登録もされている景観は一見の価値があります。来年の夏はご家族、恋人同士、お友達同士でぜひ訪れてみてください。最高にお勧めのスポットです。

 

南伊豆町観光協会ホームページ

http://www.minami-izu.jp/entry.html?id=11366

 

コメント (6)
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