ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

胸部大動脈のステントグラフト手術 -ウィーンから招請講演-

2010年10月01日 | ウィーン
留学中に一緒に体験して、これは低侵襲だと感動した手術【debranch and TEVAR:ステントグラフトを用いた弓部置換術】を担当していた若手教授(M.C.)が日本のサマーセミナーに講師として招聘され、来日されました。

留学中の記事http://blog.goo.ne.jp/kasasasahi/e/fe50d1d834ec83dbc1040f506cefd18b

日本で行われているデブランチ法は、非解剖学的なバイパス術が主流です。胸骨を全く切開しない点はメリットですが、人工血管を用いて鎖骨下などから頸部に吻合しなければなりません。ウィーンでの方法は、胸骨小切開での解剖学的な血行再建です。人工血管が不要な点が最大のメリットで、感染、血栓など人工血管関連の合併症頻度が理論的に低いことが有利です。

日本は何故か動脈瘤の患者さんが多いようです。
日本の手術成績は優れていますが、高齢の方には低侵襲のデブランチ+ステントグラフト手術(debranch and TEVAR)は良いオプションになると思います。
実際に経験を積まないと分からないピットホール(合併症を防ぐ手立て)を伝授して頂きました。
「困ったらいつでも電話して」と親切ではありますが、彼の早口を電話で聞き取れるのか?
たぶん無理だと思います。

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