あっという間に一年半の留学期間が終了した。
今週が最終週だった。病院での出来事など書きたいことが沢山あるが引っ越しの準備で時間が無いのが残念だ。どうしても書き留めておきたいことだけにする。
毎週水曜日に医局全体の朝カンファレンス勉強会がある。注目される教授が招聘され30分から1時間程の講演をすることが多い。EU各国から著名な教授を講演に招くこともあるし、国内他大学の有名教授が講演することもある重要なmeetingだ。
今週でウィーン医科大学心臓胸部外科での留学を終了する自分に、最後の水曜カンファレンスで一言挨拶したらと年末に言われた。貴重な時間を頂けることをありがたく思いYesと返事をした。そして前日、指導教授と医局幹事のW教授の計らいで一言挨拶のはずが、presentationすることに変わっていた。
当日は、肺移植や肺梗塞の治療で世界的に著名なKlepetko教授の講演とあって、普段より聴衆は多く、40人程のDrで満席となっていた。そんな中、教授に先立ち15分程のpresentationをした。
前日、手術終了後から深夜までその準備をしたが一晩でたいした内容も準備できず、また流暢な英語が話せるわけもない。いつもながらの吃り英語だった。なるべく大きな声で話すことだけを心がけたが。
内容は日本の心臓外科の特色と、成績を簡潔にまとめたもの、それに東京の紹介をほんの少し、最後に家族を紹介し、これまでのお礼を述べた。聴衆の反応を感じたのは最後に息子を写真で紹介した時だったので、全体的には教授陣には面白くない内容だったかと自分では思った。が、
辿々しい英語が何処か情緒を誘うのか、presentationが終わるとこれまでの朝カンファレンスで聞いたことのない程の大きな拍手が待っていた。
横で聞いていたKlepetko教授からは肩を叩かれた。相当力がはいっていたのか。
(左から Prof. Grimm M, 小生,Prof.Vögele-Kadletz M, Prof. Ehrlich M)
翌日もORで麻酔科Dr.や、廊下ですれ違う教授陣から「nice presentation!」 とお褒めの言葉を沢山頂いた。自分でそれほど良いとは思えないので、本当に皆さん優しいとしか言いようがない、ありがたい。
この機会を頂けたことにも感謝。
(これがAKHの全景:巨大な病院と医学研究施設。およそ20棟の建物からなる)
書き留めことは沢山あるが、なにせ引っ越し準備で忙しい。
息子もこの1週間あまり構ってあげられず、彼も楽しくないのかグズグズ駄々をこねる日が続いていた。日曜の今日、彼の気晴らしに最後の室内遊技場に連れて行った。
昨年から同じ場所で遊んでいるから、彼の成長が分かりやすい。
彼は先月から自分一人で大きな滑り台を登れるようになっていた。
自分の背丈の何倍もある滑り台を器用に登っている。それまではほぼ全介助して登っていたから、彼もやっと一人で登れるようになったかと思っていた。見ているだけでいいので、こっちはラクになったなあと。
背伸びしながら手を伸ばしてやっと届く吊革を掴み、足を大きく広げてやっと届く足台を頼りに登っていく姿に、感心していた。
登り切ると少し得意げにこちらを振り返る。
小学生低学年の子ども達も、2歳の彼が登るのに驚いているようだ。
大きな子どもが登るとエアー滑り台はかなり揺れる。面倒見の良い小学生は彼が落ちないように見てくれる。
(初対面のお兄さんが彼をかまってくれている)
彼は何回も登っては滑りを汗びっしょり元気に繰り返した。
背伸びしながらスイスイと登っていく姿に、オーストリア人のお父さから「息子さんは何歳なの?」と聞かれる。この日は3人の親からも聞かれた。周囲の親達も驚いていたようだ。
息子は自分より大きいお兄さんと遊ぶのが大好きだ。今日も相手をしてくれそうなお兄さんを自分から積極的に追いかけ、一緒に遊んでいる。負けずと登り、滑り、飛びはね。汗だくになり、本当に楽しいそうに遊んでいる。
去年はこの遊技場内の小さなジャングルジムの滑り台でさえ、一人では怖がっていた。一歩一歩手を取り、足を取りながら歩くのがやっとだったのに。
今は自分から体当たりして年上の子とたくましく遊ぶ姿をみていると、自然と熱いものがこみ上げてきた。
日本では何もしてやれなかった。
ここに来て彼と過ごす時間は圧倒的に増えたが、自分が何を教えかというと、何も教えていないような。しかし彼は確実に成長していた。
彼の目覚ましい成長と比べたら自分の心臓外科医としての成長は微々たるものではあるが、この留学は何らかのきっかけになっただろう。
明後日のフライトを前に明日、指導教授に家族全員でランチに招待されている。
家内のお陰で荷造りも何とか間に合いそうだ。
続きは帰国後に書き留めることにしよう。
忙しい日本でも家族と楽しみたいと思う。
今週が最終週だった。病院での出来事など書きたいことが沢山あるが引っ越しの準備で時間が無いのが残念だ。どうしても書き留めておきたいことだけにする。
毎週水曜日に医局全体の朝カンファレンス勉強会がある。注目される教授が招聘され30分から1時間程の講演をすることが多い。EU各国から著名な教授を講演に招くこともあるし、国内他大学の有名教授が講演することもある重要なmeetingだ。
今週でウィーン医科大学心臓胸部外科での留学を終了する自分に、最後の水曜カンファレンスで一言挨拶したらと年末に言われた。貴重な時間を頂けることをありがたく思いYesと返事をした。そして前日、指導教授と医局幹事のW教授の計らいで一言挨拶のはずが、presentationすることに変わっていた。
当日は、肺移植や肺梗塞の治療で世界的に著名なKlepetko教授の講演とあって、普段より聴衆は多く、40人程のDrで満席となっていた。そんな中、教授に先立ち15分程のpresentationをした。
前日、手術終了後から深夜までその準備をしたが一晩でたいした内容も準備できず、また流暢な英語が話せるわけもない。いつもながらの吃り英語だった。なるべく大きな声で話すことだけを心がけたが。
内容は日本の心臓外科の特色と、成績を簡潔にまとめたもの、それに東京の紹介をほんの少し、最後に家族を紹介し、これまでのお礼を述べた。聴衆の反応を感じたのは最後に息子を写真で紹介した時だったので、全体的には教授陣には面白くない内容だったかと自分では思った。が、
辿々しい英語が何処か情緒を誘うのか、presentationが終わるとこれまでの朝カンファレンスで聞いたことのない程の大きな拍手が待っていた。
横で聞いていたKlepetko教授からは肩を叩かれた。相当力がはいっていたのか。
(左から Prof. Grimm M, 小生,Prof.Vögele-Kadletz M, Prof. Ehrlich M)
翌日もORで麻酔科Dr.や、廊下ですれ違う教授陣から「nice presentation!」 とお褒めの言葉を沢山頂いた。自分でそれほど良いとは思えないので、本当に皆さん優しいとしか言いようがない、ありがたい。
この機会を頂けたことにも感謝。
(これがAKHの全景:巨大な病院と医学研究施設。およそ20棟の建物からなる)
書き留めことは沢山あるが、なにせ引っ越し準備で忙しい。
息子もこの1週間あまり構ってあげられず、彼も楽しくないのかグズグズ駄々をこねる日が続いていた。日曜の今日、彼の気晴らしに最後の室内遊技場に連れて行った。
昨年から同じ場所で遊んでいるから、彼の成長が分かりやすい。
彼は先月から自分一人で大きな滑り台を登れるようになっていた。
自分の背丈の何倍もある滑り台を器用に登っている。それまではほぼ全介助して登っていたから、彼もやっと一人で登れるようになったかと思っていた。見ているだけでいいので、こっちはラクになったなあと。
背伸びしながら手を伸ばしてやっと届く吊革を掴み、足を大きく広げてやっと届く足台を頼りに登っていく姿に、感心していた。
登り切ると少し得意げにこちらを振り返る。
小学生低学年の子ども達も、2歳の彼が登るのに驚いているようだ。
大きな子どもが登るとエアー滑り台はかなり揺れる。面倒見の良い小学生は彼が落ちないように見てくれる。
(初対面のお兄さんが彼をかまってくれている)
彼は何回も登っては滑りを汗びっしょり元気に繰り返した。
背伸びしながらスイスイと登っていく姿に、オーストリア人のお父さから「息子さんは何歳なの?」と聞かれる。この日は3人の親からも聞かれた。周囲の親達も驚いていたようだ。
息子は自分より大きいお兄さんと遊ぶのが大好きだ。今日も相手をしてくれそうなお兄さんを自分から積極的に追いかけ、一緒に遊んでいる。負けずと登り、滑り、飛びはね。汗だくになり、本当に楽しいそうに遊んでいる。
去年はこの遊技場内の小さなジャングルジムの滑り台でさえ、一人では怖がっていた。一歩一歩手を取り、足を取りながら歩くのがやっとだったのに。
今は自分から体当たりして年上の子とたくましく遊ぶ姿をみていると、自然と熱いものがこみ上げてきた。
日本では何もしてやれなかった。
ここに来て彼と過ごす時間は圧倒的に増えたが、自分が何を教えかというと、何も教えていないような。しかし彼は確実に成長していた。
彼の目覚ましい成長と比べたら自分の心臓外科医としての成長は微々たるものではあるが、この留学は何らかのきっかけになっただろう。
明後日のフライトを前に明日、指導教授に家族全員でランチに招待されている。
家内のお陰で荷造りも何とか間に合いそうだ。
続きは帰国後に書き留めることにしよう。
忙しい日本でも家族と楽しみたいと思う。
大学の日本人ネットワークのようなものは以前はありませんでした。今は分かりませんが、そもそも医師でウィーンに行く方はあまり多くはないかと思います。音楽関係の方ならばあるかもしれませんが。
ウィーン大学のドイツ語教室に参加したことがあります。夏季で日本人が最も多い時期でしたが、そのときでも、そのような話は聞いたことがありませんでした。
ご参考になれば幸いです。
小生は留学から既に10年が経過しており、現在では正しいかどうかは分かりません。
当時は日本で予め必要な期間の保険に加入しました。現地では日本語が可能な保険ガイドさんがいて、子どもの受診時などは大変助かりました。
住宅はネットでもありますが、留学先の先生にお願いしてもいいかもしれません。私は当初、ホテル住まいでしたので大変でした。
日本人会で年数回のイベントがありました。それにも参加したことがあります。隣国へのバスツアーとか、いろいろあるみたいでした。現地で日本大使館に行くと詳しい案内があったような気がします。
ウィーン医科大学に研究留学する話が出ており、現地の情報を知りたくて、貴サイトに行きつきました。
保険の加入、住居の情報など、前任者がオーストリアどころかヨーロッパ圏ではまだ周囲にいませんので、情報不足で困っております。
オーストリアの日本人コミュニティや、ウィーン医科大学で働かれている方の情報がありましたら、教えていただけませんでしょうか?
突然に厚かましく申し訳ありません。
もしご存知なら、教えていただけますととても助かります。
私は現在、卒後8年目で呼吸器外科をしております。
将来、海外留学をしたいと考えており、情報をさがしていたところ、先生のブログに辿り着きました。
ウィーン医科大学への留学について、いくつか質問させていただきたく存じます。
・私は肺移植および呼吸器外科一般の臨床を経験したいと考えていますが、一方で移植や再生の研究もしたいと考えています。臨床と研究の両方を経験することは可能でしょうか。
・ウィーン医科大学のホームページを見ると、留学期間は最大1年間とありますが、この期間は延長することが可能でしょうか。
・オーストリアの法規内で修練を積むと、大学のホームページにありますが、手術で実際に執刀する(術者になる)機会は得られるのでしょうか。
・外国人のclinical fellowは無給なのでしょうか。
質問が多く、大変恐縮です。
先生のご都合の良いときで構いませんので、お返事いただければ幸いです。
残念ながらMUVの整形外科については全く知りません。
小生がご案内できるのは心臓外科の教授のアドレスくらいです。例えば、ご興味のある分野で論文やMUVの整形外科から公表された論文などがあれば、そのcorrespondence authorなどに連絡してみるのはいかがでしょうか?
特別なコネクションがいらない、と聞いて、少しほっとしました。私はドイツ語が好きなので、ドイツ語圏で、と思って探していました。
気になる施設があれば、思い切ってメールか何かで連絡してみようと思います。実際、ウィーン大学が呼吸器外科の分野ではどの程度なのか、恥ずかしながら、よく知らないので、何かご存知でしたら、お暇なときに、また教えていただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願いいたします。
ブログの何処かに書いたかもしれませんが、先生が何をされたいかが大事かと思います。先生が学びたい治療法がありそれで有名な施設とか。それとも希望される研修内容のポジションが空いている施設とか、などで留学先を選べばよいのではないでしょうか。(余程の施設でない限り、特別なコネクッションはいらないのではと思います。個々の人物や推薦状で評価されると思います。)
それが決まれば実際に見学に行くのがよいと思います。その上で先方と話し合い、可能性のある進路を選ばれればと思いますが。
御自身の決断がはっきりしないのであれば幾つか候補を決めて、見学ツアーをするのもいいかと思います。私はそうしました。結局、施設名より一緒に働くことになるメンバーの雰囲気に自分が合うのか、そこで信頼され多くを任せてもらえるのかも大切かと思います。街の雰囲気なども現地に行けばわかりますよね。
さらなるご活躍を!
私は、日本で呼吸器外科医をしているものです。
ドイツ、オーストリア等への臨床留学を希望しているものですが、全くコネクションがなく、途方に暮れていたところ、先生のブログに行きつきました。お忙しいところ、誠に申し訳ございませんが、何かアドバイスいただけないでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。