特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その5・ 相対速度は光速を超える事が可能か?

2022-06-08 03:48:54 | 日記

前の記事の結論はこうでした。

『そうしてこの話のポイントは
「地球視点では何物も、たとえそれが1段目のロケットから前方方向に出したレーザー光であっても、光速Cを超える事はない」
という事になります。


加えて「もちろん地球は宇宙の中心、唯一の静止点ではない」のですから、宇宙にあるどの慣性系であっても同様の主張ができる事になります。』

それが「おーにし」さんのブログ :https://archive.fo/jydqn : に出てくる下記の速度の合成式の意味になります。

V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)

慣性系k0から出発したk1という名前のロケット、これが慣性飛行に移行した後でその進行方向に出したレーザー光は同時に地球からロケットに向けられて発射されたレーザー光と同じ速度で空間を伝わる、というものでした。

さてここではおおにしさんは「従って光の速度が宇宙の最高速度である」とは言ってはいませんが、「これが光速不変の確認である」とは言っています。

そうして相対論電卓は「合成した速度vは光速cを超えることはありません。」と言っています。

ちなみに、よくお世話になる「EMAN物理」ではこの式の結果の説明として「なぜ光速を越えられないのか」という言い方をしています。: https://eman-physics.net/relativity/tachyon.html


さてそれで、1次元の宇宙を考えます。

その宇宙は方向が±Xの2方向しかないので考えやすいのです。

さてこの宇宙では無限個の任意のスピードで右、左に移動している複数の慣性系k0~Kn~K∞を考える事が出来ます。

それでそこから慣性系K0を取り出して+X方向にレーザー光を出します。

つぎにもう一つの慣性系K1を選んで同様に+X方向にレーザー光を出します。

この場合、前ページの議論から分かる様に「この2つのレーザー光は同じ速度で右に走ります。」

それが V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2) の式の意味でした。

さて次にK2という慣性系を取り出してやはり+X方向にレーザー光を出します。

それでこのレーザー光もK0から見るとK0が出した光と同じ速度で右に走ります。

こうしてその宇宙にある、どの慣性系Kn(Nは1から無限まで)を取り出して、そこからレーザー光を右に出しても、いずれの光もk0に対して光速Cで離れていく、あるいは近づいてくるのでした。

それでもちろんK0がこの宇宙の中心であり、唯一の静止点である、などという「かつての地球が行ったような主張」は成立しません。

しかしこの宇宙では+Xに向かう光は一種類しかなく皆同じ速度で右に走るのでした。

なるほどそうなるとこの無限個の慣性系の中からいわゆる基準慣性系を取り出すことが可能であるように見えます。

その方法は簡単です。

双子のパラドックスで示した方法によって時刻合わせをしたそれぞれの時計をもつ2つの慣性系がであった時にその2つの時刻を見比べれば良いのです、

そうすればどちらかの時計が必ず進んでいて、もう一方は遅れているはず、その様に「地上に降り注ぐμ粒子の寿命測定結果」は教えています。

そのようにして「無限個の中で一番時計の進み方が早い慣性系を選ぶ」のです。

そうすればその慣性系がこの1次元宇宙での静止点、基準慣性系である事になります。

そうして実はこの宇宙の光はその基準慣性系に対して光速Cで飛行する、という事になっていたのです。

それ以外の慣性系から出された光はすべて、その光の発射元の慣性系が基準慣性系に対して持っていた相対速度を加算、あるいは減算されたかのようにして、基準慣性系から出された光と速度を同じになる様に調整されて右方向に走るのでした。

その結果、この宇宙では
V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)
という式が成立する事になるのです。

そうして「光の速度Cは一定であって、常に変わる事がない」と言うのはそのような仕組みによって成り立っている、と言う事が出来ます。


追伸
右側に走る一本のレーザー光を見ている、任意のスピードで右左に運動しているすべての慣性系にとって、その光の速度はCになるという、そういう宇宙とは、いったいどういう仕組みで成立しているのだろうか??

PS:相対論の事など 記事一覧



https://archive.fo/ySMnW

 


その4・ 相対速度は光速を超える事が可能か?

2022-06-06 01:27:53 | 日記

前ページの記述から・・・

『追伸の3
「おーにし」さんのブログ :https://blog.butsuri.org/6639/ :を見てもらえば合成式が書いているのですが、一応ここにも書いておきます。

V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)

上記本文の議論では、V1とVがO君が静止系から観測している速度でV2が「ボブ号からアリス号へ向かう速度ベクトル」。(「O君からボブ号へ」がV1ベクトル、「O君からアリス号へ」がVベクトル)

もちろんこの計算のベースはO君が立つ静止系であれば、すべての数値はその静止系に換算されていなくてはならない。

そうでなくては上で書いた合成式の意味が無くなる。

そうなるとV2の値はボブ号の時計と物差しで測ったアリス号との相対速度(ボブ~アリス)のO君観測系へ変換した値でなくてはならない。』


と書きましたが、どーやら

『そうなるとV2の値はボブ号の時計と物差しで測ったアリス号との相対速度(ボブ~アリス)のO君観測系へ変換した値でなくてはならない。』

の部分が成立していない模様です。

まあその事は別のページに譲るとして、ここでは次の事を確認しておきます。(注1)

V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)
の式においてVは地球から見た速度です。

V1も地球から見た一段目のロケットの速度です。

そうしてV2は1段目のロケットから見た2段目のロケットの速さです。

そうしてこの式の意味する所は「1段目のロケットから見た2段目のロケットの速さがどれほど早くても、たとえそれが光速Cに到達しても、地球から見た2段目のロケットの速さは光速Cをこえない」というものでした。

さてその事の具体的な内容は以下の様になります。

地球から打ち上げた1段目のロケットの速度がV1になった時に地球からロケットに向けてレーザー光を出します。

その時に1段目のロケットからも前方方向にレーザーを出します。

このレーザー光の速度を1段目のロケットから観測しますとCという値が得られます。

それで
V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)のV2にCをいれますと

V=C
が答えとなります。

そうしてここで得たVとはもちろん地球から見た場合の1段目のロケットから前方方向に出したレーザーの速度です。

という事はそのレーザー光とは別に地上からロケットに向けて発射したレーザー光とは同じ速度である、という事になります。

それはまた「二つのレーザー光の先頭部分の間に発生しているロケットの進行方向で見た距離の差」はいつまでも一定であり、変化する事はない、という事でもあります。

V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)

この式はその事を保証しています。

さてこの場合、従来のガリレイ変換でV2の速度、それは「1段目のロケットから前方方向に出したレーザーの速度になる」のですが、それを計算するともちろん
V2=CーV1
となります。

しかし相対論はV2=Cだと言います。
それで、この事を逆に言いますと

「相対論と言うのはガリレイ変換ではV2=CーV1となる計算をV2=Cにするように作られている」という事になります。

そうしてこの話のポイントは
「地球視点では何物も、たとえそれが1段目のロケットから前方方向に出したレーザー光であっても、光速Cを超える事はない」
という事になります。


加えて「もちろん地球は宇宙の中心、唯一の静止点ではない」のですから、宇宙にあるどの慣性系であっても同様の主張ができる事になります。

注1:この件、詳細につきましては以下のページを参照願います。

https://archive.is/JS5au
http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=26911

 

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.fo/VZzTV

 


その3・ 相対速度は光速を超える事が可能か?

2022-06-04 04:21:59 | 日記

もう一度「相対論電卓の速度合成式がどうやって出てきたのか」を確認します。

【相対論】合成速度の導出 : https://blog.butsuri.org/6639/ :を参照します。

そのページにある「問題設定」に書かれた絵とその説明文のみを参照します。

こちらの方の問題設定に翻訳しますとK0がボブ君、K1がO君、K2がアリスになります。

そうしてボブ君を静止させるためにこの状況にボブ君と同じ方向に同じ速度0.8Cで走る慣性系を立てたのでした。

それはまあ簡単に言いますと「ボブ君視点で状況を見てみた」という事になります。


こうやって「視点の変更をしてはいけない」という話をしました。

従って「相対論電卓では計算できない」みたいな主張をしました。

当初の我々の設定ではO君が静止していてそれに対してアリスとボブが両側から0.8Cで近づいてくる、というものでしたから、、、。

しかしながらこの状況、アリスとボブがO君の所ですれ違った後、今度はお互いに離れていきます。

そうなりますとO君から見てボブ号は左に、アリス号は右に進みます。

そうなった時点でのO君を起点とした速度ベクトルを描きますと、O君からボブ号へ、それからボブ号からアリス号へ速度ベクトルを描く事ができます。

そうしてO君からアリス号へも速度ベクトルが書けて、そこで2つのルートを通った速度ベクトルは合流します。

そうやって描いた絵と「おーにしさんの絵」を比べますと「O君からボブ号へ」がV1、「ボブ号からアリス号へ」がV2に、そうして「O君からアリス号へ」がVに相当する事がわかります。

つまり「相対論的な速度合成則がそのまま使える状況である」という事になるのです。

但し通常はV1+V2=Vの形で使いますので、V1とVが分かっていてV2が不明である、コトバを変えますと「V2が知りたい」と言う場合は「相対論電卓で速度の合成計算の逆計算をする」、つまり「V2にそれなりの数値をいれてVの値がー0.8Cになるような数値をさがす」という事をやればよいのです。

もちろんV1には0.8Cが入ります。

そうやれば「相対論的速度加算の式を使ってボブ君とアリスとの相対速度が求まる」というあります。

つまり「工夫は必要ですが、視点の変更なしで相対論電卓をポチってよい」という事になります。


追記
ちなみにういきの「光速」:https://archive.fo/4LAwL :のページに「接近速度」という章がありそこに上記で議論している状況と全く同じ状況についての説明があります。

『二つの物体が互いに向かい合う方向に運動しており、それぞれある慣性系における速度が0.8cであったとする。このとき、二つの物体は2倍の1.6cの速度で接近していることになる。これを接近速度とよぶ。ただし、接近速度はある系におけるどんな物体の速度も表していないことに注意が必要である。』
・・・
と説明し、要は「2つの物体の相対速度は1.6Cと光速をこえるが、これは速度ではないので光速を超えても問題ない」と主張しています。

しかしながら「この説明は誤り」であって、少なくとも「特殊相対論の流儀では計算可能であり、その数値は光速Cを超える事はない」というのが「この場合のオーソドックスな理解」となっています。

ちなみに「英語版ういき 光速」のページには上記の様な記述はありません。
https://archive.fo/E9pIg


追伸の2
「相対論の速度合成のロジック」ではボブ号からアリス号をみた時、あるいはその逆にアリス号からボブ号をみた時の相対速度は「静止系から観察した場合の相対速度と違う値になる」という事になります。

静止系であるO君からすれば「ボブ号とアリス号との間の相対速度は1.6Cであるはずだ」となるのですが、「相対論的速度の合成則」は「そうはならない」と言います。

まあそれが「現状のオーソドックスな考え方」という事になりますが、当方はその計算方法には疑問をもっています。

http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=26832


追伸の3
「おーにし」さんのブログ :https://blog.butsuri.org/6639/ :を見てもらえば合成式が書いているのですが、一応ここにも書いておきます。

V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)

上記本文の議論では、V1とVがO君が静止系から観測している速度でV2が「ボブ号からアリス号へ向かう速度ベクトル」。(「O君からボブ号へ」がV1ベクトル、「O君からアリス号へ」がVベクトル)

もちろんこの計算のベースはO君が立つ静止系であれば、すべての数値はその静止系に換算されていなくてはならない。

そうでなくては上で書いた合成式の意味が無くなる。

そうなるとV2の値はボブ号の時計と物差しで測ったアリス号との相対速度(ボブ~アリス)のO君観測系へ変換した値でなくてはならない。

・・・と言うように議論を進めるならば、V2の値は1.6C以外の値をとるはずがない、という事をベクトル加算式は示しているし、当方もその様に同意するのである。

だがしかし「相対論電卓による計算」によればV2の値は0.9758Cとなる。(相対論的速度の合成則はそのように主張する。)


・・・1.6Cは0.9758Cとはイコールではなく、そうであればここには明らかな矛盾・パラドックスがあります。


追伸の4
一応0.9758Cが相対論的速度の合成則による解である事を相対論電卓で示しておきます。

0.8C=240000km/S<--V1
-0.9758C=-292524.8/s<--V2

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228695

ポチりますと
加算した速度 v -239,999.88 km/s=-0.8C
を得ます。


追記の補足
>ただし、接近速度はある系におけるどんな物体の速度も表していないことに注意が必要である。

ういきの表現はこうなっているが、「相対論の合成則は独立事象間の速度合成はできない」とするならば、これは妥当であるように思われる。

そうして「ガリレイ変換」においてはそのような縛りは見当たらず、どのような慣性系の間でも相対速度の計算が可能である。

ちなみに独立事象でない系=従属事象である系の代表は「2段ロケット」である。

初段のロケットの速度をV1,その初段ロケットから見た2段目のロケットの速度をV2とした時(もちろんローレンツ変換が必要となる)、地上から観察される2段目のロケットの速度Vを求める式が相対論の速度合成式である。

この場合V2の値はV1の値の従属変数となり(それはつまりV1の値によるローレンツ変換を考量しないとV2の値が決められないという事である)V1の値と独立には決める事ができない。

物理的に因果関係がある場合に限定、といってもよさそうである。

他方で上記のボブとアリスの宇宙船はそれぞれの船の(基準慣性系に対する)速度は独立に決定する事ができる。

従ってこの場合はこの合成則を使って相対速度を求める事はできないのである。

ちなみにこの合成則の例外が光である。

光の速度CはどのようなV1の速度であろうともV2としてはCとなる。(光速は一定である、という実験事実の反映。)

初段ロケットから発射された光は初段ロケットから見ても、地上から見てもCなのである。


どーやらこれがこのパラドックスの解である模様。

ただしこの加法則は0<V1,V2<or=Cである必要がありそう。

V1*V2<0の時は適用外??



蛇足
さて本当に相対論と言うものは手強いものでありますなあ。

しかしながら「双子のパラドックスを解く事」がこれほどの広がりを持つとは、驚きであります。

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.fo/tKnGn

 

 


その2・ 相対速度は光速を超える事が可能か?

2022-06-02 00:06:10 | 日記

以下、前回の記事の4、の続きになります。

アリスとボブの間の距離が480光日の時に時計をリスタートさせます。

お互いが中間地点にある基準慣性系に対して静止しているO君の船を目指します。

アリスとボブの船はO君の船に対してそれぞれ0.8Cの相対速度で接近します。

この時にアリスとボブの間の相対速度はいくつになるでしょうか?という設問でした。

そうして「前のページでの答えは1.6C」でした。


さて「これはおかしいだろう。相対論電卓の答えと違う」という声が聞こえてきます。

通常の相対論の計算手順ではこのような場合は、たとえばボブの立場に立ってアリスの接近速度、相対速度を求める、とするならば「ボブの移動を止める為にボブと同じスピードで移動している観測者」を想定します。

そうして「この観測者にとってはボブ号は静止している」ので「その慣性系からアリス号をみればアリス号の接近速度・相対速度が分かる」という考え方をします。

ちなみにこれは「ガリレイ変換による視点の移動」といえます。

その結果アリス号の接近速度はアリス号が基準座標系に対して持っている相対速度0.8Cと新たに設定した観測者を立てた慣性系でボブ号を静止させるために与えた速度0.8Cとの「相対論的な加算になる」と考えます。

相対論電卓による計算では秒速292,524.8km、0.97576Cという結果を得ます。

物体Aの速度 v1 に秒速240000km(0.8C)、物体Bの速度 v2にも同じ値をセットしポチります。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228695

答えは292,524.81・・・を得ます。

さて、相対論電卓はこのようにして「合成された速度は光速Cを超える事はない」と言うように主張します。

しかし当方は「いやボブとアリスの相対速度は1.6Cで光速を超えている」と主張します。


それでこの話「いったいどこで決着をつけるのか」という事になるのです。

それでまずは「相対論電卓の速度合成式がどうやって出てきたのか」を調べましょう。

【相対論】合成速度の導出 : https://blog.butsuri.org/6639/ :を参照します。

といってもややこしい(もちろん「当方にとっては」ですが)数式の運用には目が行きません。

そのページにある「問題設定」に書かれた絵とその説明文のみを参照します。(もちろんそれに続く数式を参照されたい方には「どうぞご自由に」と申し上げます。)

こちらの方の問題設定に翻訳しますとK0がボブ君、K1がO君、K2がアリスさんになります。

そうしてボブ君を静止させるためにこの状況にボブ君と同じ方向に同じ速度0.8Cで走る慣性系を立てたのでした。

それはまあ簡単に言いますと「ボブ君視点で状況を見てみた」という事になります。

さてそうしますとO君はボブ君に0.8Cで近づいてきていて、そのO君にアリスは0.8Cで近づいてきている様に見えます。

そうなりますと「ボブ君からみてアリスの接近速度を知る」という事は「まさにその絵の状況と同じではないか」という事になり、従って「相対論電卓の速度合成ボタンを押せば良い」という事になるのです。


しかしながら「基準慣性系の導入の話」をしてきた当方と致しましては「勝手に観測者を立てて視点を変更する事はできない」と異議を申し立てる事になります。

当初の問題設定ではO君が基準慣性系に対して静止していました。

それに対してボブ君とアリスが両側から0.8Cで接近してきています。

しかし「相対論電卓での計算の前提となったボブ君視点への変更」では「ボブ君が基準慣性系に対して静止している」という事になっています。

つまり【相対論】合成速度の導出 の「問題設定」で書かれている「K0という慣性系は実は基準慣性系である」という事になるのです。(注1)


そうであればここでもまた「双子のパラドックス(加速度運動なし)」で行った議論と同様に「O君が基準慣性系に対して静止している状況」と「ボブ君が基準慣性系に対して静止している状況」とは峻別しなくてはならず「同一の状況であるとは認められない」という事になります。

そうして「O君が基準慣性系に対して静止している状況」は「ボブ君が基準慣性系に対して静止している状況」に変換する事、「ガリレイ変換する事はできない」が結論となるのでした。


追記
従って始めから「ボブ君は基準慣性系に対して静止している」とし「O君はボブ君に0.8Cの速度で接近している」、さらには「アリスはそのO君に対して0.8Cで接近している」という状況であればその時は「ボブ君からみてアリスの接近速度は相対論電卓をポチればよい」という事になるのです。

また「そうでない状況の時」には「相対論電卓の速度合成ボタンはポチってはいけない」という事になります。


注1:仮にそうではなくて「任意に選んだ慣性系で物体の移動速度の上限が光速Cである」というのがこの速度の合成則の意味であるとすると、それはとても奇妙な世界になります。

ある慣性系Aの右方向への速度上限Cの速さがあったとします。

その慣性系に対して右方向に速度0.5Cで移動している慣性系Bは「当然想定できます。」

それはつまり「慣性系Aに対して0.5Cで右側に移動している慣性系Bの存在を禁止するものは何もない」という事です。(「いや禁止できる」と主張する方がおいでならば、その方は「何故禁止できる」のか、そのロジックを示さなくてはなりません。)

そうしてその慣性系Bの右方向への速度上限もまた光速Cまで許可されます。

そうして又その慣性系Bに対して右方向に速度0.5Cで移動している慣性系Cを想定する事は可能です。・・・

そうやってこの状況は「無限に続ける事が可能」であり、その結果は「そのような世界では速度の上限がない」という事になります。

・・・相対論電卓を「任意の慣性系を基準にした速度の加算に使える」とするならば、そういう事になります。

ちなみに慣性系A,B,C,・・・は独立であって、因果関係を持ちませんから、「そこにはそのような慣性系の集合の存在を禁止するものは何もない」という事になります。


以上の事とは逆に「この宇宙のどの空間においても定義されている基準慣性系に対してのみ速度の合成則が成り立っている」ゆえに「この宇宙での物の移動速度の上限が光速Cである=基準慣性系に対して光速を超えることが出来ない」と言えるのだと思われます。

さて、その事を受け入れるならば基準慣性系に対しては物の速度はーC<基準慣性系<+C、これを別の慣性系Aから見れば0<慣性系A<+2Cと見える、と言うだけの話であります。

他方で「光速度」と言うのは「基準慣性系から見た光の速度である」という事ができそうです。


追伸
・速度の合成則そのものが怪しくなってきました。
この件詳細は: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=26794 :を参照願います。

PS:相対論の事など 記事一覧


https://archive.fo/h8aVX