特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その2・ 光速の測定と光速を使った測定

2022-05-25 11:07:20 | 日記

前ページの引用から始めます。

『加えて「以上の計算手順によれば、宇宙船から出された光によってその前方にある鏡、あるいは物体までの距離を測定できる」という事になります。

そうして「距離が測定できる」という事は「所定の時間をおいて光を出す事でその鏡の宇宙船に対する速度は速度=(前回測定の距離ー今回測定の距離)/(時間間隔)の計算によって知る事が出来る」という事になります。』

前の計算では船の外に出した物差しの長さは1Cでした。

これを5Cまで伸ばします。

そうして「固定していた鏡にロッドをつけて宇宙船からそのロッドを出し入れする事で鏡を物差しの上でガイドレールに沿って動かせる様に」します。

計算は基準慣性系時間(地球時間)で行い、必要に応じて0.8Cで進む船の時間に換算します。

さて、前の計算では1Cの所に鏡は固定でした。

これを今度は地球時間で毎秒0.1C、ロッドをその分、船から押し出す事で前方に動かします。

それでこれは船の時間に戻しますと毎秒0.1C÷0.6=毎秒0.166666・・・Cとなります。

船の地球時間に対して遅れて進む時計では、1秒に0.1Cの長さ分だけロッドを前に出しても、ロッドの先に付けた鏡は地球時間で見ますと毎秒0.1C*0.6=0.06C にしか前に進みません。

時計が遅い分、ロッドは多く前に出す必要があります。

そうしてこの場合、鏡の船に対する相対速度V2は0.16666・・Cである事は自明です。

C=30万km/S とし、換算しますと4.99999・・・万km/S となります。

それで相対論電卓で加算します。

V1=240000km/S、V2=4999.999・・km/S  でポチります。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228695

加算した速度 v 241,771.9 km/s を得ます。

しかしながら、毎秒0.8Cで進む宇宙船の先の鏡は確かに地球時間で0.1Cの速度で宇宙船から前に押し出されています。

そうであれば地球から見てその鏡は当然、対地球速度が地球時間で0.8C+0.1C=0.9Cとなるはずです。

それが相対論電卓では241,771.9 km/s÷30万=0.80591Cとなっています。

さてこれはいったいどうしたことでしょうか??



ちなみに相対論電卓によれば、地球時間で対地球速度が0.9Cとなる為にはV2の速度は107,525.8 km/s という事になります。

物体Aの速度 v1 240000km/s 、物体Bの速度 v2 107525.8km/s  でポチります。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228695

加算した速度 v 269,999.99 km/s =27万km/S =0.9C

従ってV2の速度は107525.8km/s÷30万km=0.358419C となります。

ふむ、船の時間で毎秒0.16666・・・Cで押し出した鏡の速度を相対論電卓は毎秒0.358419Cだというのです!!

そうなると「この毎秒0.358419Cと言う数字は一体なんなんだ??」という事になります。



そう言う訳で「それじゃ今度はその鏡の速度を光で計ってみましょう」という事になります。

ロッドを地球時間で毎秒0.1Cで押し出すと同時に光を鏡に向けて出します。

その時の鏡までの距離は1Cです。

この距離を光は1C-(0.8C+0.1C)=0.1Cで走ります。

地球時間で10秒後に光は鏡に着きます。

そこで反射され船に戻ります。

その時の鏡と船の間の距離は1C+0.1C*10秒=2Cです。

これを右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから2C÷(1C+0.8C)=1.11111・・・秒後に光は船に戻ります。

光を出してから戻るまで地球時間では10+1.11111・・・=11.1111・・・秒かかりました。

これは船の時間では0.6掛けされて6.66666・・・秒です。



次に船に光が戻ると同時に再度光を鏡に向かって出します。

この時鏡は0.1Cで11.1111・・・秒進んでいますから、動いた距離は1.1111・・・になります。

当初距離が1C離れていましたので合計で鏡は船から距離は2.11111・・・C離れている事になります。

その鏡に向かって光が0.1Cで進みますから、21.1111・・・秒後に光は鏡に追いつきます。

鏡は11.1111・・・秒動いてそれからまた21.1111・・・秒動きました。

足し合わせると32.2222・・・秒、0.1Cで動いた事になります。

そうであれば鏡が動いた距離は3.22222・・・Cであり、当初距離1Cを足し合わせて4.2222・・・Cが船と鏡との間の距離となります。

この距離を右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから4.2222・・・C÷(1C+0.8C)=2.345679秒後に光は船に戻ります。

これを足し合わせると地球時間で21.1111・・・+2.345679=23.45679、船の時間では14.074074074・・・秒となります。



さて船の乗員からは「船は止まっている」と見ますから、光が往復に必要だった時間の真ん中で光は鏡に届いたのだ、と認識します。

その様にして鏡までの距離を光で計って知るのです。

それで最初の場合は鏡までの距離は6.6666・・・÷2=3.33333・・・・C

次の場合は鏡までの距離は14.074074074・・・÷2=7.03703703・・・C

差分をとると3.70370370・・・C

最初に鏡に光が届いた時点を起点にしますと、そこから3.33333・・・秒で光は船に戻り、そうしてまた折り返して7.03703703・・・秒で鏡に再度、到着した事になります。

船の乗員にはその様に見えます。

従って鏡の3.70370370・・・Cの移動に必要だった時間は7.03703703・・・+3.33333・・・=10.37037037・・

鏡の船から見た移動距離と移動時間が出ましたから移動距離を移動に必要だった時間で割って速度を出します。

それでこの方法で計った鏡の船から見た速度は0.357143Cとなります。


おやおや、この数字、相対論電卓がV2の速度だといった数値0.358419Cとほぼイコールになっています。


こうして実は「相対論電卓が必要としているV2の値」というのは「一段目のロケットから光を出して2段目のロケットの速度を測定した値である」という事が分かるのでした。

そうしてその値は実際にロッドを使って鏡を、あるいは2段目のロケットを動かした値ではない、という事になります。


つまり「我々が通常、認識している速度ではないのがV2である」という事です。

さてそうなりますと
V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)
の計算式の意味が従来言われてきたようなものではない、という事になります。

V1は1段目のロケットの対地球速度ですが、V2は2段目のロケットが動いていない時はゼロ(つまり1段目のロケットに対しては静止している)とし、実際のV2の値が取りうる範囲は0以上(C-V1)以下とし、V2の速度が(C-V1)に到達したときはその速度をCとなる様に換算して入力しているだけ、という事になります。

そうであれば数字上はV2は0から光速までの数値を受け付けていますが、その実態は0から(C-V1)でしかないのです。

そうして、その様にして入力されたV2であればV1との加算で計算されるVの上限が光速Cとなるのは自明の事であります。


追伸
以上の計算はロケットの1段目にレーダーを積んで、そのレーダーで2段目との相対距離と相対速度を求めるという事をやっているのと同じです。

そうしてレーダー画像からは「相手との相対距離、そうして相対速度のみ」が分かります。


PS:相対論の事など 記事一覧



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