特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その4・ローレンツ変換と棒の時間

2024-08-03 02:41:51 | 日記

棒の時間を使う事でローレンツ変換で座標変換を行う事と同じ結果が得られる事の確認を「同時性の相対性の計算を具体例」としてこの辺りで行っておきます。

といいますのもローレンツ変換の計算は確かに一回の計算で元の慣性系から目的の慣性系への変換をしてくれるのですがその計算はあまり直感的であるとはいえません。

それに対して「棒の時間を使ってローレンツ変換と同等の結果を得る手順は直感的であり、なれればいちいちローレンツ変換式をもってくるような必要もなく自在にローレンツ変換と同じ結果が得られる」というすぐれものなのであります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まずは変換元の慣性系K(t、x)から変換先の慣性系K’(t’、x’)に転写するローレンツ変換の式を確認しておきます。

慣性系KとK’の相対速度はvですが光速Cで規格化しておきます。

そうしてまた座標値xおよびx’も光が1秒間に走る距離Cで規格化しておきます。

そうしますとローレンツ変換の式は

t’=(t-v*x)/sqrt(1-v^2)

x’=(x-v*t)/sqrt(1-v^2)

以下、その2・棒の時間とローレンツ短縮の関係 の最初の部分の計算例をローレンツ変換式を使って再計算してみます。

この例では慣性系KとK’の相対速度vは0.6Cでした。

従ってsqrt(1-v^2)=0.8

それでローレンツ変換の式は

t’=(t-v*x)/0.8

x’=(x-v*t)/0.8

となります。

次に変換元のK系での座標(t、x)を求めます。

これはその2・棒の時間とローレンツ短縮の関係 で示した方法そのままですので、以下そこからの引用です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて車の全長はローレンツ短縮をおこして2Cが1.6Cになっています。

sqrt(1-0.6^2)=0.8 です。

で光は片道0.8Cを車の後端に向けて速度1Cで、車の後端は左から右に速度0.6Cで動きます。

そうするとこの2つが出会うΔt秒後は

Δt*(1C+0.6C)=0.8C と表せます。

従って

Δt=0.8/1.6=0.5秒後(静止系基準)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

tは0.5秒と決まります。

但し車の真ん中から光を出した時刻を0秒としています。

次にこの時にxがいくつであったか求めます。

車の外が静止系です。

その静止系に対して車が0.6Cで右に動いています。

動いた時間は静止系基準で0.5秒です。

そうであれば車が移動した距離は0.6*0.5=0.3

従って車の後端の0.5秒後の座標値は

-0.8+0.3=-0.5(C)

ここでー0.8は静止系から見た時の時刻0秒でのローレンツ短縮した車の後端の位置(=x座標値)です。

こうして

t=0.5

x=-0.5

と決まりました。

これをローレンツ変換します。

t’=(t-v*x)/0.8

=(0.5-0.6*(-0.5))/0.8

=(0.5+0.3)/0.8

=1

x’=(x-v*t)/0.8

=(-0.5-0.6*0.5)/0.8

=(-0.5-0.3)/0.8

=-1

こうして静止系座標(0.5、-0.5)を車の中という運動系座標にローレンツ変換式を使って座標変換する事が出来ます。

その結果は

静止系座標(0.5、-0.5)ーー>運動系座標(1、-1)

となり、つまり「車の中では光は1秒後に座標ー1に到達した」となります。

そうして「車の中の座標でー1」と言うのは「車の後端の事」です。

さてこうしてローレンツ変換を使っても「光は車の後端に車の中の時間で1秒後に到達した」と計算出来る事がわかりました。

 

さてそれで、このようにしてローレンツ変換の式を使って光が車の後端に1秒後に到達したと計算するのと同じ結論が棒の時間を使う事でより簡単に求められる、と言うのが当方の主張です。

そうして棒の時間と言うのは

ローレンツ短縮・・・静止系に対して運動している棒の長さは縮む

時間の遅れ・・・静止系に対して運動している棒の原点位置の時間は遅れる

時間のずれ・・・静止系に対して運動している棒の先端部(あるいは後端部)の時間は棒の原点位置の時間に対してずれる

という3つの効果を同時に考慮するものです。

その手順はその2・棒の時間とローレンツ短縮の関係 に示されており、その結果はローレンツ変換を行った場合と同じ結論に至るのです。

そうであれば当方はローレンツ変換を行った場合と同じ結果が得られる棒の時間を使う方法を推奨するのであります。

 

追記:ローレンツ変換の本質

ローレンツ変換の本質はその変換式をいくら眺めてもよく分かりません。

それを目に見える形にした一つのものがMN図でした。

確かにこれはこれで一つの進歩でしたが、それでもまだよくローレンツ変換の本質はよく分かりませんでした。

しかしながら棒の時間の話はよく分かります。(個人の感想です)

さてそうであれば「棒の時間の方が本質であってそれを分解して式の形に表すとローレンツ変換式となる」と見る事ができます。

ちなみにこの棒の時間(=Local Time)はローレンツが始めてポアンカレが完成させたものです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「相対論・ダークマターの事など 記事一覧」

「その2:ダークマター・相対論の事など 記事一覧」

https://archive.md/Q1qb0

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。